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IT業界の職種一覧|第二新卒が未経験から狙える職種と難易度の全体像【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約19分
IT業界の職種一覧|第二新卒が未経験から狙える職種と難易度の全体像【2026年版】

〜「IT業界に行きたい」の時点では、まだ何も決まっていません〜

IT業界に転職したい、という第二新卒は非常に多いです。理由も明確で、成長業界であること、未経験可の求人が多いこと、リモートワークが選択肢に入ることが挙げられます。

ただ、「IT業界」は業界の名前であって職種の名前ではありません。同じIT企業の中に、まったく違う仕事が10種類以上あります。コードを書く仕事、売る仕事、企画する仕事、顧客を支援する仕事、データを扱う仕事。求められるものも、未経験からの入りやすさも、まったく違います。

この記事は、IT業界の職種を第二新卒の視点で並べ、それぞれの入りやすさと必要なものを一覧にした地図です。まずここで自分の行き先を決めてから、個別の準備に進んでください。

1. 結論:第二新卒がまず知るべき3つのこと

① IT業界の職種は「作る」「売る」「支える」「決める」の4つに分かれる

エンジニア(作る)、営業(売る)、カスタマーサクセス・サポート(支える)、企画・PdM(決める)。この4つのどこに行きたいかを先に決めると、必要な準備が一気に絞れます。

② 未経験からの入りやすさは「支える」>「売る」>「作る」>「決める」の順

カスタマーサクセスとIT営業は、第二新卒の未経験採用が最も多い領域です。エンジニアは学習が必要ですが、インフラ・運用系なら入口は広く残っています。企画・PdMはほぼ経験者採用なので、他の職種から入って社内で移るのが現実的です。

③ 「ITに行きたい」だけでは面接で落ちる

面接で必ず「なぜエンジニアではなく営業なのか」「なぜ営業ではなくカスタマーサクセスなのか」を聞かれます。職種を選んだ理由が言えないと、業界だけで選んだと判断されます。だからこそ、この記事で全体像を持っておく価値があります。

2. IT業界の職種を4つに分けて見る

作る(エンジニア・クリエイター)

職種仕事内容未経験の入りやすさ必要なもの
WebアプリケーションエンジニアWebサービスの機能開発言語1つの基礎+ポートフォリオ
インフラエンジニアサーバー・ネットワークの構築運用Linux基礎+LPIC/CCNA
SREエンジニア運用の自動化と安定化×経験者採用が中心
フロントエンドエンジニア画面側の実装HTML/CSS/JavaScript+制作物
モバイルアプリエンジニアiOS/Androidアプリ開発Swift/Kotlin+公開アプリ
データエンジニアデータ基盤の構築×SQL+実務経験が求められがち
QAエンジニア・テスター品質保証・テスト設計論理的な手順の理解。未経験可が多い
Webデザイナー画面のデザイン制作Figma+ポートフォリオ

売る(営業)

職種仕事内容未経験の入りやすさ必要なもの
SaaS営業(フィールドセールス)商談から受注まで営業経験があれば有利。未経験可も多い
インサイドセールス電話・メールでの初期接触とアポ獲得未経験からの入口として最も広い
SIer・受託の営業システム開発案件の提案法人営業経験があると有利
パートナーセールス販売代理店の開拓と支援営業経験が前提になりやすい

支える(顧客対応)

職種仕事内容未経験の入りやすさ必要なもの
カスタマーサクセス導入後の活用支援と解約防止対人職の経験が直接活きる
カスタマーサポート問い合わせ対応未経験可がほとんど
テクニカルサポート技術的な問い合わせ対応基礎的なIT知識があると有利
導入コンサルタント・オンボーディング初期設定と定着支援業務理解と説明力

決める(企画・管理)

職種仕事内容未経験の入りやすさ必要なもの
プロダクトマネージャー(PdM)製品の仕様と優先順位を決める×経験者採用が中心
プロジェクトマネージャー(PM)開発案件の進行管理×開発かPMOの経験
営業企画・セールスオペレーション営業の仕組みと数字の管理営業経験+数字を扱える
Webマーケター集客と流入設計広告運用やSEOの基礎知識
事業開発(BizDev)新規事業や提携の開拓×経験者採用が中心

◎=未経験歓迎が多い ○=未経験可の求人がある △=経験や制作物が実質必要 ×=経験者採用が中心

3. 編集長の実体験:私が営業企画に行き着くまで

私自身、第二新卒でIT業界(SaaS)に転職しています。ただし、最初からこの職種を狙っていたわけではありません。

転職活動を始めた頃の私

「メディア広告の営業をやっていて、業界の先行きが不安だった。IT業界なら伸びるだろうと思って、まずプログラミングスクールの無料相談に行った」

そこで言われたこと

「今から半年学習して、未経験エンジニアとして応募する形になります。最初の年収は下がる可能性が高いです」

次に受けたエージェント面談

「営業経験が2年半あるなら、SaaSの営業職のほうが選択肢が広いです。年収も維持できます。エンジニアを本当にやりたいなら止めませんが、『IT業界に行きたい』が動機なら、営業職で入ってから中を見たほうが早いですよ」

私はこの助言に従って、SaaS企業の営業職として転職しました。そして入社1年後に営業企画へ移りました。これは社内異動で、外から応募していたら通らないポジションでした。

ここから得た教訓は2つあります。

教訓1:「IT業界に行きたい」という動機なら、エンジニアである必要はない。私はコードを書くこと自体に強い関心があったわけではなく、伸びている領域で働きたかっただけでした。その場合、営業やカスタマーサクセスのほうが圧倒的に早く入れます。

教訓2:入りにくい職種は、中から移るのが現実的。営業企画もPdMも、外部からの未経験採用はほぼありません。しかし社内異動なら、業務理解と実績がある分、可能性は大きく上がります。「入りやすい職種で入って、中で移る」は、遠回りに見えて最短ルートです。

4. 職種の選び方:3つの質問で絞る

質問1:コードを書くこと自体に興味があるか

「YES」なら、エンジニア職を検討してください。「業界に行きたいだけ」なら、エンジニアは選ばないほうが賢明です。未経験からエンジニアになるには、少なくとも300〜500時間の学習が必要で、これは「なんとなく」では続きません。

「YES」の場合の分岐は次の通りです。

志向向いている職種最初の学習
モノを作りたい・形が見たいWebアプリ/フロントエンドHTML/CSS/JavaScript
仕組みを安定させたい・裏側が好きインフラエンジニアLinux+ネットワーク
見つける・確かめるのが好きQAエンジニアテスト設計の基礎

質問2:人と話す仕事と、一人で進める仕事のどちらが続くか

人と話す仕事が続くなら、営業・カスタマーサクセスが有力です。ここで大事なのは「得意か」ではなく「続くか」です。1日に5件の商談をして疲れない人と、消耗する人がいます。

志向向いている職種
新しい人と話すのが苦にならないフィールドセールス/インサイドセールス
同じ人と長く関係を作りたいカスタマーサクセス
相手の困りごとを解くのが好きテクニカルサポート/導入コンサルタント

質問3:3年後に何を持っていたいか

これが最も重要です。IT業界は職種の乗り換えが比較的しやすい業界ですが、乗り換えるにも「持っているもの」が必要です。

3年後に持ちたいもの選ぶべき最初の職種
手を動かして作れる技術エンジニア(どの領域でも)
売れる力と業界の人脈営業(SaaS/SIer)
顧客の業務を理解する力カスタマーサクセス/導入コンサル
数字で判断する経験営業→営業企画のルート

5. 未経験から入る場合の現実的な順路

ルートA:営業経験あり → IT営業

最も短いルートです。前職が法人営業・個人営業・販売のいずれでも、SaaS営業やインサイドセールスへの転職は現実的です。年収も維持または上昇しやすい領域です。

準備は「なぜIT・SaaSなのか」の説明だけで足ります。技術知識は入社後の研修でまかなわれるのが一般的です。

ルートB:対人職経験あり → カスタマーサクセス

販売・接客・コールセンター・事務のいずれからでも入れます。「継続的に同じ顧客と関わり、使い方を支援する」という仕事の性質上、営業経験より接客経験のほうが評価される場面もあります。

準備は「解約されない状態を作るとはどういうことか」を自分の言葉で語れることです。ここが語れると、他の未経験応募者と明確に差がつきます。

ルートC:未経験 → インフラエンジニア

エンジニアを目指すなら、第二新卒にとって最も入口が広いのがインフラ領域です。理由は、運用監視から始まる求人が一定数あり、そこはコードを書く量が少ないためです。

準備はLinuC/LPIC-1またはCCNAの取得です。独学で2〜3ヶ月が目安です。資格そのものより、「独学で継続できた」という証明として機能します。

ルートD:未経験 → Webアプリケーションエンジニア

最も準備が必要なルートです。学習期間3〜6ヶ月、ポートフォリオ1〜2本が実質的な条件になります。年収は一時的に下がる可能性があります。

ただし、3年目以降の伸びは他のルートより大きいため、コードを書くこと自体に興味があるなら合理的な選択です。

ルートE:未経験 → QAエンジニア

見落とされがちですが、未経験採用が多く、しかも技術寄りの職種です。テスト設計・実行から始まり、経験を積むと自動テストの実装やSDET(テスト開発エンジニア)へ進めます。

準備は特別なものが不要で、「決まった手順を正確に実行できる」「異常に気づける」ことを前職の経験で示せれば通ります。製造業の品質管理、事務職の確認業務からの転職と相性が良い職種です。

6. 選ぶときに間違えやすい5つの型

間違い何が起きるかどうするか
「IT=エンジニア」だと思い込む学習コストの高いルートしか見えなくなる営業・CS・QAも含めて全体を見る
年収だけで選ぶ未経験で高年収の求人はフルコミや長時間の場合がある3年後の伸びで比較する
リモート可否だけで選ぶ職種の中身と合わないまま入社するリモートは条件であって職種選択の理由にしない
「手に職」という言葉で選ぶ具体的に何が身につくか検討していない3年後に何を持ちたいかで選ぶ
SIerとWeb系を同じものと考える働き方も学べる技術も大きく違う事業形態(SES・受託・自社開発)を先に理解する

最後の項目は特に重要です。同じ「エンジニア」でも、SES(客先常駐)・受託開発・自社開発では、日々の仕事も身につく技術も違います。ここは別記事で詳しく整理しているので、エンジニアを検討している人は必ず読んでください。

7. 面接で追撃される3つの質問

Q1.「なぜエンジニアではなく、この職種なのですか」

IT業界の面接で最も多い質問です。「エンジニアは難しそうだから」は最悪の答えです。「顧客の業務に入り込んで課題を聞く部分に自分の関心があり、それはこの職種のほうが中心的な業務だと理解しています」のように、職種の業務内容に基づいた理由で答えてください。

Q2.「IT業界で何を学びたいですか」

「幅広く学びたい」は落ちます。職種に紐づいた具体を1つ挙げてください。営業なら「業界ごとの業務課題」、CSなら「導入企業の使い方の型」、エンジニアなら「◯◯の技術領域」。

Q3.「独学で何かやっていますか」

エンジニア以外の職種でも聞かれます。ここで何もないと、業界への関心の本気度を疑われます。ITパスポート、業界メディアの購読、扱っている製品の無料プランを実際に触ってみた——このレベルで十分です。「応募先の製品を実際に使ってみた」は、どの職種でも最も効きます。

8. 職種ごとの年収の目安(第二新卒・未経験入社時)

職種入社時の目安3年後の目安
インサイドセールス300〜400万円400〜550万円
SaaS営業(フィールドセールス)350〜450万円+インセンティブ500〜700万円
カスタマーサクセス320〜420万円450〜600万円
カスタマーサポート280〜380万円350〜480万円
QAエンジニア300〜400万円400〜550万円
インフラエンジニア300〜400万円450〜600万円
Webアプリエンジニア300〜420万円500〜750万円
Webマーケター320〜420万円450〜650万円

この数字は目安であり、企業規模・地域・事業フェーズで大きく変動します。求人票の提示額は「上限を含む幅」で書かれていることが多いため、面接で「第二新卒・未経験で入社された方の初年度実績」を確認してください。

9. よくある質問

文系でもIT業界に行けますか?

行けます。営業・カスタマーサクセス・マーケティング・QAは文理をほぼ問いません。エンジニア職でも、Web系・インフラ系は文系出身者が多数います。数学的な素養が必須なのは、データサイエンスと機械学習の領域に限られます。

プログラミングスクールに通うべきですか?

エンジニアを目指す場合のみ検討対象です。営業やカスタマーサクセスを目指すなら不要です。また、エンジニア志望でも、独学で入門書1冊を終えられるかを先に試してください。ここで挫折する場合、スクールに通っても厳しいことが多いです。

未経験可の求人が多いのはなぜですか?

IT業界の人材需要が供給を上回っている状態が続いているためです。ただし「未経験可」の中身は職種で全く違います。営業・CSの「未経験可」は本当に未経験で入れますが、エンジニアの「未経験可」は「実務未経験可(学習済みが前提)」を意味することが多いです。求人票の必須要件欄を確認してください。

27〜28歳でも未経験からエンジニアになれますか?

なれます。ただし25歳前後と比べると求人数は減ります。この年齢帯なら、前職の業務知識を活かせる領域(金融出身ならフィンテック、医療事務出身なら医療系SaaS)を狙うと、未経験のハンデを相殺できます。インフラ・QAは年齢の影響が比較的小さい領域です。

SIerとWeb系、どちらがいいですか?

目的次第です。SIerは大規模システムの上流工程と業務知識、Web系は自社サービスの継続的な改善と技術の新しさが得られます。第二新卒で入りやすいのはSIer(特にSES)ですが、技術の幅を早く広げたいならWeb系の自社開発です。事業形態の違いは別記事で整理しています。

IT業界は激務ですか?

職種と企業によります。「IT業界だから激務」という一般化はもう成立しません。ただし、リリース前の開発チーム、決算期の営業、障害対応を担う運用チームには繁忙が集中します。面接で「直近3ヶ月の平均残業時間」と「繁忙期はいつか」の2つを聞いてください。

資格は取っておくべきですか?

職種によります。営業・CSなら不要で、ITパスポートが「業界への関心の証明」として機能する程度です。インフラエンジニアならLinuC/CCNAが実質的に有効、QAならJSTQBが評価されます。Webアプリエンジニアは資格より制作物が見られます。

転職エージェントはIT特化型を使うべきですか?

エンジニア職を狙うならIT特化型が有利です。技術要件を理解した担当者が付くためです。営業・CS・マーケティング職なら、総合型エージェントでも十分で、むしろ求人数が多い分だけ選択肢が広がります。両方に登録して、担当者の説明の具体性で判断するのが確実です。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

「IT業界に行きたい」を「IT業界の◯◯職に行きたい」に変えるところまで進めば、準備するものは自動的に決まります。

今夜やること

① 第2章の4分類(作る/売る/支える/決める)を見て、自分がどこに行きたいかを1つ選ぶ

② 第4章の3つの質問に、紙に書いて答える(特に「3年後に何を持っていたいか」)

③ 選んだ職種の求人を3件開き、必須要件欄だけを読む(未経験可の中身が本当に未経験可か確認する)

③をやると、自分と求人の距離が具体的な数字になります。「あと何を用意すれば応募できるのか」がその日のうちに分かるのが、この作業の目的です。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。