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QAエンジニアの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと入りやすい理由【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
QAエンジニアの志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと入りやすい理由【2026年版】

〜QAエンジニアは、IT業界で最も見落とされている入口です〜

未経験からIT業界に入りたい。そう考えたとき、多くの人が最初に検討するのはエンジニア(開発)です。次に、営業やカスタマーサクセス。

QAエンジニアは、この検討リストからよく抜け落ちます。

しかし実際には、QAは未経験採用が多く、技術寄りの職種でありながら、プログラミングの実務経験がなくても入れる数少ない領域です。

そして、製造業の品質管理、事務職の確認業務、販売職の在庫照合——こうした「ずれを見つける」経験が、そのまま翻訳できます。

この記事では、QAエンジニアの志望動機の書き方と、この職種の位置づけを、例文5本つきで整理します。

1. 結論:QAの志望動機は3ブロック

ブロック①:前職で「想定と実際のずれを見つけた経験」

これが土台です。在庫の差異、書類の記載不備、システムの数字の食い違い。「合っているはずのものが合っていない」場面を見つけて、原因を特定した経験があれば書けます。

ブロック②:原因を分類して、仕組みで防いだ経験

QAの本質は、「バグを見つけること」ではなく「バグが生まれない仕組みを作ること」です。前職で、ミスの原因を分類して手順を変えた経験があれば、それがそのまま志望動機になります。

ブロック③:なぜ開発ではなくQAなのか

必ず聞かれます。「開発は難しそうだから」は落ちます。「確かめる作業そのものに関心がある」という方向で答えてください。

2. QAエンジニアの仕事

業務具体的に
テスト設計何をどう確認するかを決め、テストケースを作る
テスト実行設計に沿って実際に動かし、結果を記録する
不具合の報告再現手順を特定し、開発者に伝える
品質の分析不具合の傾向を分析し、どこに問題があるかを示す
テストの自動化繰り返し行うテストをプログラムで実行する
リリース判断への関与品質の状態を踏まえて、リリースの可否を判断する材料を出す

「テストを実行する」だけの仕事ではありません。

中核は、テスト設計です。「この機能で、何が起きうるか」を洗い出し、確認すべき条件を決める。ここが、この職種の専門性の中心です。

QAとテスターの違い

テスターQAエンジニア
主な業務決められたテストの実行テストの設計から実行、分析まで
求められるもの正確さ、手順の遵守論理的な設計、原因の分析
未経験の入りやすさ
年収の伸び緩やか自動化まで進むと大きい

未経験なら、テスターから入ってQAエンジニアへ進むのが一般的な順路です。

3. なぜQAは未経験でも入りやすいのか

理由は3つあります。

① プログラミングの実務経験が必須ではない

テスト設計と実行の段階では、コードを書く必要がありません。製品を使う側の視点で、想定される操作と結果を確認する仕事だからです。

② 求められるのが「論理的な確認の習慣」

これは、IT業界以外でも身につくものです。製造業の検査、事務の書類確認、販売の在庫照合。「決められた基準と実際を照合して、ずれを見つける」経験があれば、素地があります。

③ 人材が慢性的に不足している

開発者を目指す人は多いですが、QAを志望する人は相対的に少ない状態が続いています。一方、ソフトウェアの品質への要求は高まっており、需要と供給のギャップがあります。

ただし、注意点があります。

「テスト実行だけ」を3年続けると、年収と選択肢が伸びません。入社時に、テスト設計まで担当できるか、自動化に関われるかを確認してください。

4. 編集長の実体験:品質管理の方から聞いた話

前職の広告営業時代、製造業のクライアントの品質管理担当者と話す機会がありました。その方が、後にIT企業のQAエンジニアに転職しています。

転職後に聞いた話

「製造の品質管理とソフトウェアのQAは、考え方がほぼ同じでした。『どこで不良が生まれるか』を考えて、そこを確認する仕組みを作る

「まったく違う業界なのに、ですか」

「対象が製品からソフトウェアに変わっただけです。前職では、工程ごとの不良率を集計して、上位2工程に検査を集中させました。今やってることは、機能ごとの不具合の発生数を集計して、テストを厚くする箇所を決めることです。やってることが同じ

さらに、こんな話も聞きました。

「QAって、バグを見つける仕事ですよね」

その方「見つけるのは手段です。目的は、バグが出ない状態を作ることです

見つけたバグの数を報告するだけの人と、『この種類のバグが多いのは、この工程に原因がある』まで言える人では、評価がまったく違う。前者はテスター、後者がQAエンジニアです」

この2つが、QAの志望動機で語るべき内容そのものです。

「ずれを見つける経験」と、「原因を分類して仕組みで防ぐ視点」。この2つに触れた志望動機は、「品質に興味があります」から始まる志望動機とは、まったく違って読まれます。

5. 前職の経験を、QAの言葉に翻訳する

前職での経験QA業務への翻訳
製品検査・品質管理テストの実行、不良の分類、原因分析
在庫照合・棚卸し想定と実際のずれの発見、原因の特定
書類のチェック・記載不備の確認テストケースに沿った確認、不具合の記録
マニュアル・手順書の作成テストケースの作成、手順の文書化
クレーム対応不具合の再現、影響範囲の確認
データの集計・分析不具合の傾向分析
新人教育手順の言語化、確認項目の整理
カスタマーサポート製品の挙動の理解、再現手順の特定

特に「不備の原因を分類して減らした経験」は、最も強く効きます。

「差し戻しの原因を3ヶ月分集計したら、上位3項目で7割を占めていた。その3項目に絞った確認リストを作ったら、差し戻しが月40件から15件に減った」——この経験は、QAの仕事そのものです。

6. 例文5パターン

例文①:製造業の品質管理 → QAエンジニア

前職では機械部品メーカーの品質管理部門で、2年間、製品検査と不良分析を担当しました。日次で約400点の検査を行い、月次で不良の傾向を集計していました。

担当当初、不良率が0.8%程度で推移していました。不良の内容を工程別に3ヶ月分集計したところ、全体の7割が2つの工程に集中していることが分かりました。その2工程に検査項目を追加し、あわせて作業手順の確認箇所を明文化したところ、不良率を0.3%程度まで下げることができました。

この経験から、不良を見つけることより、不良が生まれる箇所を特定して仕組みで防ぐことに手応えを感じました。ソフトウェアのQAも、対象が変わるだけで考え方は共通していると理解しています。

現在はJSTQBの学習を進めており、同値分割・境界値分析といったテスト技法の基礎を確認しております。まずテストの実行から担当し、設計まで範囲を広げていきたいと考えています。

例文②:事務職 → QAエンジニア

前職では建設会社の総務部で、契約書類の管理と請求処理を2年間担当しました。月に約180件の書類を処理しています。

業務のなかで、記載不備による差し戻しが月40件発生していました。不備の内容を3ヶ月分集計して分類したところ、「日付の記載漏れ」「金額の桁誤り」「押印の位置」の3項目で全体の約7割を占めることが分かりました。この3項目に絞った記入例と確認リストを作成して全社に共有したところ、差し戻しは月15件程度まで減りました。

この経験から、ミスを「注意力」ではなく「仕組み」で減らすことに関心を持ちました。QAエンジニアは、ソフトウェアに対して同じ考え方で取り組む職種だと理解しています。

IT分野は未経験ですが、JSTQBの学習を通じてテスト技法の基礎を確認しており、身近なWebサービスのテストケースを作成する練習も続けております。

例文③:販売職 → テスター(QAへのステップ)

ドラッグストアで2年半、レジ業務と在庫管理を担当しました。1日平均150名の会計対応と、週次の在庫照合を行っていました。

在庫照合では、システム上の数値と実在庫の差異が月に10件程度発生していました。差異の内容を3ヶ月分記録して分類したところ、「返品処理の登録漏れ」「セール品の入力ミス」の2つで8割を占めることが分かりました。この2つに絞った確認手順を作成して共有したところ、差異は月2〜3件まで減りました。

この経験から、想定と実際のずれを見つけて原因を特定する作業に手応えを感じ、QAの領域を志望しました。

現在は、テスト設計の基礎を学習しており、同値分割・境界値分析の考え方をもとに、身近なWebサービスのテストケースを作成する練習を続けています。まずテストの実行から確実に担当し、その先で設計と自動化まで範囲を広げたいと考えています。

例文④:カスタマーサポート → QAエンジニア

前職ではSaaS企業のカスタマーサポートとして2年間、製品の操作に関する問い合わせ対応を担当しました。1日約40件の対応を行っています。

業務のなかで、問い合わせの内容を3ヶ月分記録して分類しました。その結果、特定の設定画面に関する問い合わせが全体の約25%を占めていることが分かりました。この画面について、どの操作で詰まるかを再現手順の形にまとめて開発チームに共有したところ、次のリリースで画面の構成が変更され、該当の問い合わせが半分程度に減りました。

この経験から、不具合や使いにくさを再現手順として特定し、開発側に伝える工程に関心を持ちました。QAエンジニアは、それをリリース前に行う職種だと理解しています。

製品の挙動を利用者の視点で把握してきた経験は、テストの設計で活かせると考えています。

例文⑤:テスター(経験1年)→ QAエンジニア(設計・自動化へ)

前職では受託開発企業でテスターとして1年間、業務システムのテスト実行を担当しました。3案件に参画し、月あたり約300件のテストケースを実行しています。

実行を担当するなかで、テストケースに漏れがあるケースに気づきました。入力値の境界(0件と1件、上限値とその1つ上)が確認されていない箇所が複数あったためです。この点を整理して、境界値の観点でケースを追加する提案を行ったところ、リリース後の不具合報告が該当機能で減少しました。

現職では実行が業務の中心で、設計に関わる機会が限られています。

貴社ではQAエンジニアがテスト設計から自動化まで担当されると伺っています。実行の経験を土台に、設計と自動化まで範囲を広げたいと考えています。現在はJSTQB Foundation Levelを取得済みで、あわせて自動化ツールの学習を進めております。

7. 落ちる志望動機の型5つ

具体例なぜ落ちるか
消去法型「開発は難しそうなのでQAから」消極的。すぐ辞めると思われる
バグ探し型「バグを見つけるのが楽しそう」目的は品質を作ること。理解不足
細かい作業が得意型「細かい作業には自信があります」前提条件。設計の視点がない
数字なし型前職での確認業務に数字がない適性が測れない
学習の形跡なし型テスト技法を何も知らない意欲の証明がない

1番目が最も危険です。

QAは、開発の下位互換ではありません。テスト設計は論理的な専門技能であり、独立した職種です。「開発ができないからQA」という動機は、この職種を軽く見ていると受け取られます。

2番目について

QAの目的は、バグを見つけることではなく、品質を確保することです。バグを100件見つけても、リリース後に重大な不具合が出れば、QAとしては失敗です。「どこを重点的に確認すべきか」を判断する仕事だという理解を示してください。

8. 準備すること

準備期間内容
JSTQB Foundation Level1〜2ヶ月テスト技法の国際的な認定資格。未経験の証明として有効
テスト技法の基礎2週間同値分割、境界値分析、デシジョンテーブル
テストケースの作成練習2週間身近なWebサービスで10ケース作る
前職の「不備を減らした経験」の整理1時間志望動機の中心になる
基本的なIT用語1週間ITパスポート程度

最も効くのは、3番目の「テストケースの作成練習」です。

例えば、Webサイトのログイン画面について、確認すべき項目を10個挙げてみてください。

  • 正しいIDとパスワードでログインできるか
  • 誤ったパスワードでエラーが表示されるか
  • IDが空欄のとき、どうなるか
  • パスワードが1文字のとき、どうなるか
  • 文字数の上限を超えたとき、どうなるか
  • 連続して失敗したとき、ロックされるか

この作業ができると、面接で「テストケースを作ってみてください」と言われたときに対応できます。

3年後の展開

進む方向内容年収の目安
テスト自動化(SET/SDET)自動テストの実装。プログラミングが必要500〜700万円
QAリード・マネージャー品質戦略の設計、チームの管理550〜750万円
開発エンジニアQAで得た知識をもとに開発へ450〜650万円
プロダクトマネージャー製品全体の品質と仕様の判断経験者採用が中心

特にテスト自動化は、需要に対して人材が不足している領域です。実行だけを続けず、自動化に関われる環境を選んでください。

9. よくある質問

プログラミングができなくてもなれますか?

なれます。テスト設計と実行の段階では、コードを書く必要がありません。ただし、テスト自動化に進む場合は、プログラミングの知識が必要になります。入社後に学習する形が一般的です。

文系でも大丈夫ですか?

問題ありません。QAで求められるのは、論理的に条件を洗い出す力と、正確に確認する習慣です。数学的な素養は不要です。むしろ、事務・製造・販売で確認業務を経験してきた人のほうが、素地があることが多いです。

資格は必要ですか?

必須ではありませんが、JSTQB Foundation Levelがあると明確に有利です。テスト技法の国際的な認定資格で、未経験からの応募では「独学で学習した証明」として機能します。学習期間は1〜2ヶ月です。

テスターとQAエンジニア、どちらで応募すべきですか?

未経験なら、テスターまたは「QAエンジニア候補」の求人から入るのが現実的です。ただし、入社時に「テスト設計まで担当できるか」を必ず確認してください。実行のみを3年続けると、年収と選択肢が伸びません。

「開発は難しそうだから」と正直に言ってはいけませんか?

そのままでは避けてください。消去法に見えるためです。「確かめる作業そのものに関心がある」「前職で不備の原因を分析していた経験を活かしたい」という方向に変換してください。意図は近くても、受け取られ方がまったく違います。

年収はどのくらいですか?

未経験入社時で300〜400万円が目安です。3年後で400〜550万円程度。テスト自動化まで担当できると、500〜700万円のレンジに入ります。実行のみを続けた場合、伸びは緩やかになります。

QAはキャリアの行き止まりですか?

行き止まりではありません。テスト自動化(SET/SDET)、QAリード、開発エンジニア、プロダクトマネージャーへの展開があります。ただし、実行のみを続けると選択肢が狭まるため、設計と自動化に関われる環境を選ぶことが重要です。

面接で「テストケースを作ってください」と言われますか?

言われることがあります。「このログイン画面で、確認すべき項目を挙げてください」といった形です。準備として、身近なWebサービスの画面について、確認項目を10個挙げる練習をしておいてください。正解の数ではなく、観点の広さと分類の仕方が見られます。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

QAエンジニアは、IT業界で最も見落とされている入口です。そして、前職での「確認業務」がそのまま翻訳できる数少ない職種です。

今夜やること

① 前職で「想定と実際のずれを見つけて、原因を特定した経験」を1つ書き出す(在庫、書類、数字、なんでも)

② その経験を「原因を分類して、上位◯項目で全体の◯割を占めていた」の形で整理する

③ 身近なWebサービスのログイン画面について、確認すべき項目を10個書き出す(30分)

③をやっておくと、面接で「テストケースを作ってください」と言われたときに対応できます。また、この作業自体が、自分にこの仕事の適性があるかを判断する材料にもなります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。