データ分析職への未経験転職|第二新卒が入口を作る学習と職種の順番【2026年版】
〜いきなりデータアナリストを目指すより、隣の職種から入る方が早いです〜
データ分析の仕事は、未経験からの人気が高い領域です。
そして、第二新卒が直接「データアナリスト」の求人に応募しても、通りにくいのが実情です。
理由は、実務経験のある候補者と競合するからです。
ただし、入口はあります。
「データを扱う業務が含まれる職種」から入り、そこで実務経験を積んでから分析職に移る、という順番です。
営業企画、マーケティング、経営企画、事業推進。これらの職種では、日常的にデータを扱います。
そして、この経路の方が、未経験からは現実的です。
私自身、営業から営業企画に移り、そこで数字を扱う仕事をするようになりました。
この記事では、職種の違いと、学習の順番を整理します。
1. 結論:3つの職種を区別する
| 職種 | やること | 未経験の入りやすさ |
|---|---|---|
| データアナリスト | データを分析し、示唆を出す | やや狭い |
| データエンジニア | データの基盤を作る・整える | 中(開発の知識が必要) |
| データサイエンティスト | 統計・機械学習でモデルを作る | 狭い(専門性が必要) |
「データ分析の仕事」と言うとき、多くの人が想像しているのはデータアナリストです。
そして、第二新卒から最も現実的なのは、次の経路です。
| # | 段階 | 職種 |
|---|---|---|
| ① | データを扱う業務が含まれる職種に入る | 営業企画、マーケティング、経営企画 |
| ② | 実務でデータを扱い、SQLとBIツールを覚える | 同上 |
| ③ | データアナリストに移る | 社内異動または転職 |
①の職種は、第二新卒の採用が活発です。
そして、②で積む経験が、③への材料になります。
この順番なら、2〜3年で到達できます。
2. データアナリストの実務
実際の業務を理解してください。
| 業務 | 割合の目安 |
|---|---|
| データの抽出・整形 | 最も多い |
| 集計・可視化 | 多い |
| 依頼の内容確認・すり合わせ | 中 |
| 分析・示唆の抽出 | 中 |
| 報告・提案 | 中 |
| 機械学習モデルの構築 | ほとんどない(サイエンティストの領域) |
「分析」よりも「抽出と整形」に時間がかかります。
データが整った状態で渡されることは、実務ではほとんどありません。
そして、もう1つ重要な点があります。
データアナリストの仕事は、「分析すること」ではなく「意思決定に使える形にすること」です。
どれだけ精緻な分析をしても、事業側が判断に使えなければ、価値がありません。
だから、事業の理解と、非専門家への説明能力が求められます。
3. 編集長の実体験:営業企画で数字を扱うようになった
私は第二新卒でSaaS企業に営業として転職し、入社1年後に営業企画へ移りました。
そこで、初めて本格的にデータを扱うようになりました。
最初にやったのは、月次の売上を商材別・エリア別に集計することでした。
それまでは、Excelしか使っていませんでした。
ある日、上司にこう言われました。
上司「その集計、毎月やってるよね。SQL書けば、10分で終わるよ」
私「エスキューエル、ですか」
上司「データベースから直接データを取る言語。今、木戸さんがやってるのは、誰かが出力したCSVをExcelで加工する作業でしょ」
私「そうです。半日かかってます」
上司「SQLだと、条件を書いて実行するだけ。最初の1週間は苦しいけど、覚えたら戻れない」
そこから、SQLを学び始めました。
基本的な文法を覚えるのに、2週間かかりました。
そして、月次集計が半日から30分になりました。
ここで学んだのは、データ分析のスキルは、実務の中で必要になって初めて身につくということです。
私は、SQLを「勉強しよう」と思って学んだのではありません。
目の前の作業が半日かかっていて、それを短縮したかったから学びました。
そして、その方が確実に定着しました。
だから、いきなり分析職を目指すより、「データを扱う業務がある職種」に入る方が早いと考えています。
4. 必要なスキルの順番
次の順で身につけてください。
| # | スキル | 何のため | 学習の目安 |
|---|---|---|---|
| ① | Excel(ピボット、VLOOKUP) | 基本の集計 | 1〜2週間 |
| ② | SQL | データの抽出 | 1〜2ヶ月 |
| ③ | BIツール(Tableau、Looker Studio等) | 可視化 | 2〜4週間 |
| ④ | 統計の基礎 | 分析の妥当性 | 1〜2ヶ月 |
| ⑤ | Python(pandas) | 複雑な処理 | 2〜3ヶ月 |
②のSQLが、最も重要です。
データアナリストの求人で、最も高い頻度で要件に挙がるスキルです。
そして、未経験からでも学べます。
SQLの学習範囲
実務で使うのは、次の範囲です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SELECT / FROM / WHERE | 基本の抽出 |
| GROUP BY / 集計関数 | 集計 |
| JOIN | 複数テーブルの結合 |
| ORDER BY / LIMIT | 並べ替え・件数制限 |
| サブクエリ | 段階的な抽出 |
| ウィンドウ関数 | 順位、累計 |
最初の3つができれば、実務の入口には立てます。
JOINが理解できるかが、1つの分かれ目です。
文系でも大丈夫か
大丈夫です。
SQLはプログラミング言語ですが、文法が単純で、数学の知識はほとんど必要ありません。
統計についても、実務で最初に必要になるのは、平均・中央値・分散・相関といった基礎的な概念です。
高度な統計手法は、必要になった時点で学べば間に合います。
5. 最初に狙うべき職種
データアナリストに直接応募するより、次の職種から入る方が現実的です。
| 職種 | データを扱う場面 | 第二新卒の入りやすさ |
|---|---|---|
| 営業企画 | 売上・受注率の集計と分析 | 中 |
| マーケティング(デジタル) | 広告の効果測定 | 広い |
| 経営企画 | 全社の数字の管理 | やや狭い |
| 事業推進・カスタマーサクセス | 利用状況の分析 | 広い |
| データ入力・BPO | データの整形 | 広いが、分析にはつながりにくい |
最後の行に注意してください。
データ入力の職種は入りやすいですが、分析職への接続は弱くなります。
「データに触れる」ことと「データから示唆を出す」ことは、別の経験です。
狙うべきは、「数字を見て、何かを判断する」業務が含まれる職種です。
求人票での見分け方
| 記載 | 分析職への接続 |
|---|---|
| 「データを集計し、課題を抽出する」 | 強い |
| 「施策の効果を検証する」 | 強い |
| 「レポートを作成する」 | 中 |
| 「データを入力する」 | 弱い |
| 「資料を作成する」 | 弱い |
「抽出」「検証」「分析」という動詞があるかを見てください。
6. 学習の進め方
手を動かす順番
| # | やること | 期間 |
|---|---|---|
| ① | SQLの学習サービスで、基本文法を学ぶ | 2週間 |
| ② | 公開データセットを使って、自分で集計してみる | 2週間 |
| ③ | BIツールで、集計結果を可視化する | 2週間 |
| ④ | 気づいたことを、1枚のレポートにまとめる | 1週間 |
④が最も重要です。
「SQLが書ける」だけでは、面接で差になりません。
「データを見て、何に気づき、どう解釈したか」を示せることが差になります。
使えるデータ
| データ | 入手先 |
|---|---|
| 公的統計 | 政府の統計ポータル(e-Stat) |
| 自治体のオープンデータ | 各自治体のサイト |
| 自分のブログ・SNSのデータ | Googleアナリティクス等 |
| 学習サービスの練習用データ | 各サービス |
3行目が最も強い材料になります。
自分で運営しているサイトやSNSがあれば、その数字を分析した経験は、実務に近い経験になります。
「PVが伸びない原因を、流入元別に分解して確認した」という話は、面接で使えます。
ポートフォリオの形
成果物は、次の形でまとめてください。
① 何を知りたかったか(問い) ② どのデータを、どう抽出したか(SQL) ③ 何が分かったか(集計結果・グラフ) ④ そこから何が言えるか(示唆) ⑤ 次に何を確認するか(次の問い)
⑤まで書けると、分析の姿勢が伝わります。
7. 面接で見られること
| 軸 | 見られること |
|---|---|
| ① 問いを立てられるか | 何を確認すべきかを自分で決められるか |
| ② 分解できるか | 数字を要素に分けられるか |
| ③ 断定しないか | 因果を安易に結論づけないか |
| ④ 説明できるか | 非専門家に伝えられるか |
③が、この職種で最も重視されます。
よく出る質問
Q「売上が前年比で10%落ちています。何を確認しますか」
回答例
「まず、売上を分解します。『顧客数×単価』なので、どちらが落ちたかを確認します。
顧客数が落ちているなら、新規が減ったのか、解約が増えたのかを分けます。
次に、期間で切ります。通年なのか、特定の月に集中しているのか。
最後に、セグメントで切ります。商材、エリア、顧客層に偏りがないか。」
「原因は◯◯だと思います」と断定しないでください。
「何を確認するか」で答えるのが正解です。
Q「その施策の効果は、本当にその施策によるものですか」
回答例
「断定はできません。同時期に他の要因があった可能性があります。ただ、施策を実施した対象と、していない対象を比べると、実施した方だけが変化していたため、影響はあったと考えています。」
「断定はできません」と言えることが、加点になります。
8. 応募のタイミング
学習が完璧になるのを待たないでください。
| 状態 | 応募できるか |
|---|---|
| SQLの基本文法が分かる | データを扱う職種に応募できる |
| SQLで集計ができ、成果物が1つある | 分析職の一部に応募できる |
| 実務経験がある | 分析職に応募できる |
1行目の段階で、営業企画やマーケティングには応募できます。
そして、その職種で実務経験を積む方が、独学を続けるより早く到達します。
「勉強してから応募する」ではなく、「応募しながら勉強する」形にしてください。
IT職種の全体像については、専用の記事にまとめています。
9. よくある質問
文系でもデータ分析職に就けますか?
就けます。SQLは文法が単純で、数学の知識はほとんど必要ありません。実務で最初に必要な統計も、平均・中央値・相関といった基礎的な概念です。
未経験でデータアナリストに直接応募できますか?
応募はできますが、通りにくくなります。実務経験のある候補者と競合するためです。営業企画やマーケティングなど、データを扱う職種から入る方が現実的です。
SQLはどのくらいで習得できますか?
基本文法(SELECT、WHERE、GROUP BY、JOIN)なら、1〜2ヶ月です。実務で使えるレベルには、実際のデータで手を動かす必要があります。学習サービスと、公開データでの練習を並行してください。
Pythonは必要ですか?
最初は不要です。SQLとBIツールで、実務の多くはカバーできます。Pythonが必要になるのは、複雑な処理や自動化が求められる段階からです。
統計はどこまで学べばいいですか?
平均、中央値、分散、相関の理解から始めてください。「相関と因果は違う」ことを説明できれば、面接では十分です。高度な手法は、必要になった時点で学べば間に合います。
データ入力の仕事から、分析職に移れますか?
接続は弱くなります。データ入力は「データに触れる」仕事であり、「データから示唆を出す」仕事ではありません。「数字を見て判断する」業務が含まれる職種を選んでください。
ポートフォリオは必要ですか?
あると有利です。公開データや、自分のブログ・SNSの数字を使って、1つ作ってください。「問い→抽出→結果→示唆→次の問い」の形でまとめると、分析の姿勢が伝わります。
資格は必要ですか?
必須ではありません。統計検定やBIツールの認定資格がありますが、実務経験や成果物の方が評価されます。資格取得を待って応募を遅らせるのは、順番が逆です。
10. まとめ:今週やる3つのこと
データ分析職への未経験転職は、直接応募するより、隣の職種から入る方が早くなります。
営業企画、マーケティング、経営企画。これらの職種で実務としてデータを扱い、そこからデータアナリストに移る経路です。
今週やること
① SQLの学習サービスに登録し、SELECT・WHERE・GROUP BYまでを終える(3時間)
② 「営業企画」「マーケティング」の求人票を5件読み、仕事内容の動詞を書き出す(30分)
③ その動詞に当てはまる自分の経験を1つ探す
目安時間:合計4時間
②③をやってください。
「データ分析がしたい」という希望を、具体的な職種と、応募できる求人に落とす作業です。
そして、私がSQLを覚えたのは、勉強しようと思ったからではありません。
目の前の集計が半日かかっていて、それを短縮したかったからです。
実務の中で必要になったときの方が、確実に定着します。
この先、読むべき記事
- IT業界の職種一覧|第二新卒が未経験から狙える職種と難易度の全体像(職種の全体像)
- 経営企画の面接で聞かれる12問|第二新卒が段階別に準備する答え方(数字を扱う職種の面接)
- マーケティングの自己PR|第二新卒が未経験から書く例文6パターン(数字の書き方)
- 未経験職種を紹介してもらう|第二新卒がエージェントに渡す3つの材料(経験の翻訳)
- IT系の資格はどれを取るか|第二新卒が目的別に選ぶ順番(資格の優先順位)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。