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IT系の資格はどれを取るか|第二新卒が目的別に選ぶ順番【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
IT系の資格はどれを取るか|第二新卒が目的別に選ぶ順番【2026年版】

〜IT系の資格は、取る順番を間違えると時間が無駄になります〜

IT業界への転職を考えたとき、「まず資格を取ろう」と考える人は多いです。

ただし、資格は職種によって効き方がまったく違います。

インフラエンジニアなら、資格が実質的な応募条件になっている求人があります。一方、Webアプリケーションエンジニアでは、資格より制作物(ポートフォリオ)が見られます。営業やカスタマーサクセスでは、資格の有無が結果を左右することはほぼありません。

つまり、「どの職種を目指すか」を決めないまま資格を取ると、時間が無駄になる可能性があります。

この記事では、職種別に、どの資格がどれだけ効くかを整理します。

1. 結論:職種を決めてから資格を選ぶ

① 資格が実質的な条件になる職種

インフラエンジニア、ネットワークエンジニア。LinuC/LPIC、CCNAが応募条件に含まれる求人が一定数あります。この領域では、資格を取る価値が明確にあります。

② 資格より制作物が見られる職種

Webアプリケーションエンジニア、フロントエンドエンジニア、Webデザイナー。資格より、実際に作ったものと、その設計の説明が評価されます。

③ 資格がほぼ影響しない職種

IT営業、インサイドセールス、カスタマーサクセス、カスタマーサポート。ITパスポート程度があれば「業界への関心の証明」になりますが、それ以上は結果に影響しにくい領域です。

したがって、最初にやるべきは資格の学習ではなく、職種を決めることです。

2. 職種別・資格の効き方

職種有効な資格効き方
インフラエンジニアLinuC-1 / LPIC-1、CCNA◎ 応募条件になっている求人がある
ネットワークエンジニアCCNA◎ 同上
クラウド・SREAWS認定、Azure認定○ 実務経験とセットで評価
社内SE基本情報技術者○ 基礎知識の証明として
ヘルプデスクITパスポート、基本情報技術者○ 未経験の意欲の証明
QAエンジニアJSTQB Foundation Level○ テスト技法の理解の証明
Webアプリエンジニア(基本情報技術者)△ 制作物のほうが重視される
フロントエンド△ ポートフォリオが中心
Webデザイナー× ポートフォリオが全て
データ関連統計検定、G検定△ 実務経験とセット
IT営業・ISITパスポート△ 関心の証明程度
カスタマーサクセス・サポートITパスポート△ 同上
Webマーケター主要広告プラットフォームの認定資格○ 無料。本気度の証明として有効
PM・PMOPMP(実務経験が必要)ー 第二新卒には早い

この表の使い方

◎がついている職種を目指すなら、資格の学習に時間を使う価値があります。

△と×の職種を目指すなら、資格より優先すべきことがあります(第5章)。

3. 主要な資格の学習期間と費用

資格学習期間の目安受験料の目安難易度
ITパスポート1〜2ヶ月数千円入門
基本情報技術者3〜6ヶ月数千円標準
応用情報技術者6ヶ月〜1年数千円やや高
LinuC-1 / LPIC-12〜3ヶ月3万円前後(2試験)標準
CCNA2〜4ヶ月4万円前後標準
AWS認定(Cloud Practitioner)1〜2ヶ月1.5万円前後入門
AWS認定(Solutions Architect Associate)3〜4ヶ月2万円前後標準
JSTQB Foundation Level1〜2ヶ月2万円前後入門〜標準
主要広告プラットフォームの認定資格2〜4週間無料入門

費用は改定されることがあるため、受験前に公式情報で確認してください。

注意すべき点

ベンダー資格(LinuC、CCNA、AWS認定)は、受験料が高く、有効期限があります。取得後、一定期間で再認定が必要になるものが多いため、実際に使う予定がある職種でのみ取得してください。

国家資格(ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者)は、有効期限がありません。一度取れば、その後ずっと使えます。

4. 編集長の実体験:資格を取らずにIT業界に入った話

私自身、第二新卒でSaaS企業に転職しましたが、IT系の資格は1つも持っていませんでした。

転職活動中の判断

「エンジニアを検討していた時期に、ITパスポートを取ろうかと考えた。ただ、エージェントの担当者に相談したら、こう言われた」

担当者「木戸さんが受けるのは営業職ですよね。営業でITパスポートを持っていても、選考にはほとんど影響しないです」

「そうなんですか」

担当者「それより、応募先の製品を実際に触ったほうが、面接で効きます。1時間で終わりますし」

私は資格の学習をやめて、応募先のSaaS製品を触ることにしました。

実際にやったこと

「無料プランに登録して、1週間、毎晩1時間ずつ触った。合計7時間」

面接での出来事

面接官「弊社の製品はご覧になりましたか」

私「はい、無料プランで実際に操作しました。◯◯の設定画面が分かりにくいと感じたのですが、導入時のお客様も同じところで詰まることが多いのではないでしょうか」

面接官「(驚いて)それ、まさに導入時に一番問い合わせが来るところです」

この会話で、面接の流れが変わりました。

もし私が資格の学習に3ヶ月使っていたら、この7時間は確保できていなかったと思います。

ただし、これは営業職を志望していたからです。

インフラエンジニアを志望していたなら、判断はまったく違いました。その領域では、LinuCやCCNAが応募条件になっている求人が実際にあるためです。

資格を取るかどうかは、職種で決まります。「IT業界に行くから資格を取る」という判断は、粗すぎます。

5. 資格より優先すべきこと(職種別)

職種資格より優先すべきこと
Webアプリエンジニアポートフォリオを1〜2本作る(300〜500時間の学習)
フロントエンド制作物と、設計の意図の説明
Webデザイナーポートフォリオ(作品5点程度)
IT営業・IS応募先の製品を触る、導入事例を読む
カスタマーサクセス顧客の業務を理解した経験の整理
Webマーケター個人でブログやSNSを運用し、数字を記録する
動画編集ポートフォリオ(3〜5本)
QAエンジニア身近なサービスのテストケースを10個作る

共通しているのは、「実際に手を動かした証拠」です。

資格は「学習した証明」ですが、実務では「作ったもの」「調べたこと」「使ってみた感想」のほうが、直接的に評価されます。

特に、応募先の製品を触ることは、どの職種でも効きます。所要時間は30分〜1時間です。資格の学習3ヶ月より、この1時間のほうが面接に効く場面は珍しくありません。

6. 資格を取っても評価されないケース

ケースなぜ評価されないか
職種と資格が対応していない営業志望でLinuCを持っていても使い道がない
資格の内容を説明できない暗記だけで取ったと判断される
実務との接続を語れない「取りました」で終わっている
資格ばかりが多く、実績がない学習は続くが、実行が伴わない印象
難易度の低い資格を並べる3級レベルを複数持っていても差にならない

2番目が重要です。

面接では、「その資格の学習で、何が分かるようになりましたか」と聞かれます。

答え方の例(LinuC-1)

「Linuxのコマンド操作と、ファイル権限の考え方が理解できました。学習の一環で、自宅の仮想環境にWebサーバーを構築し、外部から接続できない問題が発生した際、ファイアウォールの設定とポートの開放状況を順に確認して原因を特定しました。切り分けの手順を意識して進める習慣が身につきました。」

資格そのものより、「学習で得たものを実際に試したか」が見られます。

7. 取る順番の推奨

インフラ・ネットワークを目指す場合

1. LinuC-1 または CCNA(2〜3ヶ月) → 応募条件を満たす。ここで一度応募を始める

2. 入社後:AWS認定(Cloud Practitioner → Solutions Architect) → クラウド領域は需要が大きく、年収に直結する

社内SE・ヘルプデスクを目指す場合

1. ITパスポート(1〜2ヶ月) → 基礎知識の証明。応募のハードルを下げる

2. 基本情報技術者(3〜6ヶ月) → 在職中でも可。担当範囲を広げる材料になる

QAエンジニアを目指す場合

1. JSTQB Foundation Level(1〜2ヶ月) → テスト技法の理解の証明

2. 並行して、テストケースを作る練習 → 面接で「テストケースを作ってください」と言われる場合がある

Webアプリエンジニアを目指す場合

1. 資格は後回し。ポートフォリオを作る(3〜6ヶ月) → これが実質的な応募条件

2. 余裕があれば基本情報技術者 → 必須ではないが、基礎知識の補強になる

営業・CS・サポートを目指す場合

1. 資格は不要。応募先の製品を触る(1時間) → 面接で最も効く準備

2. 余裕があればITパスポート(1〜2ヶ月) → 業界への関心の証明として

8. 資格の学習と転職活動、どちらを先にするか

結論:応募条件になっていない限り、転職活動を先に始めてください。

理由は3つあります。

理由1:第二新卒の年齢は資産

資格取得に半年かけると、その半年で年齢が上がります。第二新卒の枠は年齢で区切られるため、待つコストは想像より高くつきます。

理由2:応募してみないと、本当に必要か分からない

求人票の必須要件を読めば、資格が実際に必要かが分かります。「あったほうがいい」程度なら、なくても応募できます。

理由3:在職中でも学習は続けられる

転職活動と資格の学習は、並行できます。「資格を取ってから応募」ではなく、「応募しながら学習」のほうが、時間の使い方として効率的です。

例外

インフラ・ネットワーク領域で、LinuCやCCNAが応募条件になっている求人を狙う場合のみ、先に取得することを勧めます。この場合も、2〜3ヶ月で取得できるため、待ち時間は限定的です。

9. よくある質問

未経験なら、まず資格を取るべきですか?

職種によります。インフラ・ネットワークなら取る価値があります。Webアプリエンジニアならポートフォリオ、営業・CSなら製品を触ることのほうが優先です。職種を決めてから判断してください。

基本情報技術者は取るべきですか?

社内SE、ヘルプデスク、SIerを目指すなら有効です。基礎知識の証明として広く認知されており、有効期限もありません。ただし、学習に3〜6ヶ月かかるため、応募と並行して進めることを勧めます。

ITパスポートは意味がありますか?

「業界への関心の証明」としては機能します。特に、営業・CS・サポートなど、技術職以外を志望する場合の意欲の証明になります。ただし、それ以上の効果は限定的です。学習期間が1〜2ヶ月と短いため、費用対効果は悪くありません。

AWS認定は取るべきですか?

クラウド領域を目指すなら有効です。ただし、実務経験とセットで評価される傾向があるため、未経験の段階では入門レベル(Cloud Practitioner)で十分です。上位資格は、実務に就いてから取得するほうが理解が深まります。

資格を複数持っていると有利ですか?

数より、職種との対応が重要です。関連のない資格を複数持っていても、評価にはつながりません。むしろ、「学習は続くが実行が伴わない」という印象を与えることがあります。

資格の勉強中であることは、書類に書けますか?

書けます。「◯◯を学習中(◯月受験予定)」と記載してください。取得済みでなくても、学習していること自体が意欲の証明になります。ただし、受験予定日を書いた場合、面接でその後の結果を聞かれることがあります。

独学とスクール、どちらがいいですか?

資格の学習は、独学で十分なものがほとんどです。市販の教材と過去問で対応できます。スクールを検討する価値があるのは、プログラミングの学習で挫折した経験がある場合です。

資格を取ったのに評価されません。

「取りました」で終わっていないか確認してください。面接では、「その学習で何が分かるようになったか」「それを実際に試したか」が見られます。資格の学習内容を、実際に手を動かして試した経験とセットで語ってください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

IT系の資格は、職種を決めてから選ぶものです。順番を間違えると、時間が無駄になります。

今夜やること

① 目指す職種を1つ決める(まだ決まっていないなら、資格の学習は始めないでください

② その職種の求人を3件開き、必須要件欄に資格の記載があるか確認する

③ 記載がなければ、第5章の「資格より優先すべきこと」を1つ始める(製品を触る、ポートフォリオを作る、テストケースを作る)

②が最も重要です。求人票の必須要件欄を見れば、その資格が本当に必要かが5分で分かります。「あったほうがいい」程度の資格なら、取得を待たずに応募を始めてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。