第二新卒に資格は必要か|取ってから動くか、動きながら取るかの判断【2026年版】
〜「資格を取ってから動こう」で1年が過ぎるのが、最も多い失敗です〜
第二新卒の転職を考え始めた人が、必ず一度は考えることがあります。
「未経験だから、資格を取ってから応募しよう」
これは、多くの場合間違った順番です。
理由は2つあります。資格が評価される職種は限られていること。そして、資格を取っている間に年齢が上がり、第二新卒枠から外れることです。
ただし、資格が明確に効く場面もあります。この記事では、効く場面と効かない場面を分けて整理します。
1. 結論:判断基準は3つ
資格を取ってから動くべきかの判断
① その職種で、資格が「応募条件」になっているか(なっていれば取る)
② 2〜3ヶ月で取れるか(1年かかるなら、動きながら取る)
③ いま何歳か(26歳を超えているなら、動きながら取る)
①がNoなら、資格より先に応募してください。
ほとんどの職種で、資格は「あれば有利」であって「なければ応募できない」ものではありません。
2. 資格が効く職種・効かない職種
| 職種 | 資格の効き方 | 具体的な資格 |
|---|---|---|
| インフラエンジニア | ◎ 明確に効く | LinuC/LPIC、CCNA、AWS認定 |
| 経理 | ◎ 効く | 日商簿記2〜3級 |
| 法務 | ◎ 効く | ビジネス実務法務検定2級 |
| 不動産 | ◎ 効く | 宅地建物取引士 |
| 金融・保険 | ○ | FP2級、証券外務員 |
| 医療事務 | △ 前提条件だが必須ではない | 医療事務系の民間資格 |
| 施工管理 | △ 入社後に取るのが前提 | 施工管理技士(実務経験が必要) |
| Webエンジニア | △ ほぼ効かない | (ポートフォリオが優先) |
| 営業 | × 効かない | (普通自動車免許は別) |
| 事務・総務 | △ MOSがあれば程度 | MOS |
| マーケ・企画 | × 効かない | (実務経験が優先) |
| 人材 | × 効かない | — |
資格が効くのは、専門知識が業務に直結する職種だけです。営業・企画・マーケでは、資格より実務の話のほうが評価されます。
3. 「取ってから動く」が失敗する理由
3-1. 年齢のほうが効く
未経験の職種に移るとき、資格より年齢のほうが影響します。
| 状況 | 結果 |
|---|---|
| 25歳・資格なし | 第二新卒枠で応募できる |
| 26歳・資格あり(1年勉強) | 枠は狭まり始めている |
| 27歳・資格あり(2年勉強) | 未経験枠がさらに狭くなる |
1年かけて資格を取っている間に、応募できる求人が減ります。年齢の線引きは第二新卒はいつまで?にまとめています。
3-2. 「取ってから」が永遠に来ない
これが最も多いパターンです。
- 試験に落ちて、次の回まで待つ
- 仕事が忙しくて勉強が進まない
- 取ったら、次の資格が欲しくなる
- 「まだ準備が足りない」と感じ続ける
準備が完璧になることはありません。動きながら取るほうが、結果的に早く決まります。
3-3. 資格があっても実務の話ができないと落ちる
資格は「入口の条件」であって、「評価の軸」ではありません。
経理の面接で最も重視されるのは、簿記2級ではなく「ミスへの向き合い方」です。法務で見られるのは検定の級ではなく「事業を進める姿勢」です。
資格を取っても、実務の話を用意していなければ落ちます。
4. 「学習中」でも書ける
取得していなくても、書類には書けます。
| 状態 | 書き方 |
|---|---|
| 取得済み | 「日商簿記検定2級(◯年◯月取得)」 |
| 受験申込済み | 「日商簿記検定2級(◯年◯月受験予定)」 |
| 学習中 | 「日商簿記検定2級 取得に向けて学習中」 |
| 検討中 | 書かない |
「受験申込済み」が最も強い書き方です。試験日が決まっている=本気度の証明になります。
いま申し込めば、今日から書けるようになります。取得を待つ必要はありません。
5. 職種別・優先度
資格を取るなら、この順で判断してください。
| 職種 | 優先度 | やること |
|---|---|---|
| インフラエンジニア | 高 | AWS CLF または LinuC レベル1を先に取る(1〜2ヶ月) |
| 経理 | 中 | 簿記3級は取る/2級は申込済みで応募 |
| 法務 | 中 | ビジネス実務法務2級を申込済みで応募 |
| 不動産 | 中 | 宅建は年1回。申込済みで応募 |
| 事務 | 低 | MOSは任意。実務の話を優先 |
| 営業・企画・マーケ | 不要 | すぐ応募する |
| Webエンジニア | 不要 | ポートフォリオを優先 |
| 施工管理 | 不要 | 入社後に取る。普通免許だけ |
「不要」と書いた職種で資格を取ろうとしている場合、それは準備ではなく先延ばしになっている可能性があります。
6. 資格より優先すべきこと
同じ時間を使うなら、こちらのほうが効きます。
| 優先度 | やること | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1 | 職務経歴書を完成させる | 3〜5時間 |
| 2 | 前職の経験を、応募職種の言葉に翻訳する | 1〜2時間 |
| 3 | エージェントに登録し、面談する | 2時間 |
| 4 | 応募先を10社選ぶ | 2時間 |
| 5 | エクセルの基本(VLOOKUP・ピボット)を触る | 5〜10時間 |
| 6 | 資格の学習 | 数十〜数百時間 |
1〜5は合計20時間程度で終わります。資格の学習は、その10倍以上かかります。
まず1〜5を終わらせて、応募しながら資格を取ってください。翻訳の手順は未経験職種の自己PRにまとめています。
7. 落ちる考え方5つ
| 型 | 何が起きるか |
|---|---|
| 準備完璧主義型 | 「資格を取ってから」で1年が過ぎる |
| 資格頼み型 | 資格の話しかせず、実務の話ができない |
| 効かない職種で取る型 | 営業志望なのに簿記を取る |
| 取りすぎ型 | 複数の資格を並行して、どれも終わらない |
| 書かない型 | 持っている資格を書類に書き忘れる |
最後の型が意外に多いです。銀行員のFP、販売職のカラーコーディネーター、学生時代に取った資格——全部書いてください。
8. 「資格を取っている」ことの伝え方
面接では、資格そのものより「なぜ取ったか」が聞かれます。
回答例
「経理を志望するにあたって、まず仕組みを理解する必要があると考え、簿記3級を取得しました。実務では使い方が違うと思いますが、仕訳の考え方が分かった状態で入社したいと考えています。2級は◯月の試験に申し込み済みです」
「資格があるので大丈夫です」は避けてください。資格は前提であって、評価の軸ではありません。
9. よくある質問
未経験なら資格は必須ですか
職種によります。インフラエンジニア・経理・法務・不動産では効きます。営業・企画・マーケでは、ほぼ効きません。
資格を取ってから応募すべきですか
2〜3ヶ月で取れるものだけです。1年かかる資格なら、応募しながら取ってください。年齢のほうが影響します。
学習中でも書いていいですか
書けます。「◯年◯月受験予定」と書くのが最も強い形です。いま申し込めば、今日から書けます。
どの資格から取るべきですか
志望職種で応募条件になっているものだけです。「何か取ろう」で選ぶと、効かない資格に時間を使うことになります。
MOSは意味がありますか
事務職では、分かりやすい証明になります。ただし必須ではありません。「VLOOKUPとピボットテーブルを業務で使っていました」と書けるなら、そちらのほうが強いです。
TOEICは必要ですか
外資系や海外取引がある企業では必要です。それ以外では、あれば加点程度です。600点以下なら書かないほうが無難です。
資格が全然ありません
問題ありません。第二新卒では、資格より前職の経験の翻訳が優先されます。書き方は第二新卒の職務経歴書テンプレを参照してください。
在職中に勉強する時間がありません
資格より先に、応募してください。職務経歴書の作成に3〜5時間使うほうが、資格の学習100時間より効果があります。
10. まとめ
資格は「取ってから動く」ものではなく、「動きながら取る」ものです。
今夜やる3つのこと
① 志望職種の求人を3件開き、応募条件に資格が書かれているかを確認する(書かれていなければ、資格より先に応募してください)
② 資格が必要な職種なら、直近の試験日を調べて、今日申し込む(申込済みなら今日から書類に書けます)
③ 持っている資格を全部書き出す(学生時代のものも含めて)
①は3分で終わります。応募条件に書かれていない資格のために1年使うのは、最も高くつく先延ばしです。
この先、読むべき記事
- 第二新卒はいつまで?|年齢と在籍年数の本当の線引きと求人票からの見極め方(年齢の影響)
- 未経験職種の自己PR|第二新卒が経験を翻訳する3手順と例文7パターン(資格より優先すべきこと)
- 第二新卒の職務経歴書テンプレ|書類通過率を上げる10の改善ポイント(書類の作り方)
- インフラエンジニアの未経験転職|第二新卒に入口が広い理由と学習の順番(資格が効く職種の例)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。