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第二新卒の年収|下がるのか上がるのか、職種転換のときの実態【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
第二新卒の年収|下がるのか上がるのか、職種転換のときの実態【2026年版】

〜「第二新卒は年収が下がる」も「若いから上がる」も、どちらも半分しか合っていません〜

第二新卒の転職で、最も気になるのが年収です。

そして、調べると正反対の情報が出てきます。「未経験転職は下がる」「20代は伸びしろで上がる」——どちらも本当で、どちらも条件つきです。

年収がどう動くかは、何を変えるかでほぼ決まります。職種を変えるのか、業界だけ変えるのか、同じ職種で移るのか。ここを整理せずに「下がるらしい」と怯えるのは、判断材料として何の役にも立ちません。

この記事では、ケース別に何が起きるかを整理します。

1. 結論:何を変えるかで決まる

年収の動き方(第二新卒の一般的な傾向)

同じ職種・同じ業界 → 横ばい〜やや上がる

同じ職種・別業界上がることがある(成長業界に移る場合)

別職種・同じ業界 → 横ばい〜やや下がる

別職種・別業界下がりやすい(未経験の度合いが最大)

④でも、3年後の伸びで回収できるケースが多くあります。

「未経験」の度合いが大きいほど、入社時の年収は下がります。これは評価が低いのではなく、教育期間として扱われるためです。

2. ケース別に何が起きるか

2-1. 同じ職種で転職する場合

年齢の影響が最も小さいケースです。

経験年数が短くても、その職種の実務を回していた事実は評価されます。営業から営業、事務から事務、エンジニアからエンジニア——このパターンでは、市場の相場に合わせて横ばいか、やや上がるのが一般的です。

業界を変えると、さらに上がる可能性があります。同じ営業でも、業界によって給与水準がまったく違うためです。

2-2. 職種を変える場合

入社時は下がりやすくなります。

理由は明確で、最初の1年が教育期間として扱われるからです。企業は未経験者に対して、育成コストを見込んだ提示をします。

ただし、ここで重要なのは「入社時の額」と「3年後の額」を分けて見ることです。

職種未経験入社時3年後の伸び
営業企画・事業企画やや下がることがある大きい
ITエンジニア下がることが多い非常に大きい
経理・法務横ばい〜やや下がる大きい(資格・経験で明確に上がる)
一般事務横ばい〜下がる小さい
施工管理横ばい大きい(資格取得後)
カスタマーサクセス横ばい

「入社時に下がるが、3年後に大きく伸びる職種」に移るなら、目先の減額は投資と考えられます。逆に、下がったまま伸びない職種に移るなら、慎重に判断してください。

2-3. インセンティブの罠

最も見落とされるのがここです。

営業からの転換では、インセンティブがなくなる分だけ総額が下がります。ただし固定給の比率は上がるため、月々の安定度は増します。

比較する項目見るべきこと
総額(年収)前職はインセンティブ込みか、固定給だけか
固定給ここが下がっていなければ、実質は悪化していない
変動幅前職は良い月と悪い月でいくら違ったか
賞与何ヶ月分か。業績連動か固定か
残業代みなし残業何時間分が含まれているか

「年収が下がる」と言うとき、総額なのか固定給なのかを必ず分けてください。総額が20万円下がっても、固定給が上がっているなら、生活は安定します。

2-4. みなし残業(固定残業代)に注意

求人票の「月給30万円」に、みなし残業45時間分が含まれているケースがあります。

必ず確認してください。

  • みなし残業は何時間分か
  • 超過分は別途支払われるか
  • 基本給はいくらか(賞与の計算基礎になります)

同じ「年収400万円」でも、みなし残業20時間の会社と45時間の会社では、時給換算がまったく違います。

3. 交渉できる場面・できない場面

場面交渉の余地
内定後、条件提示のタイミング◎ ここが唯一の勝負どころ
面接での希望年収の申告○ 低く言うと、そのまま決まる
エージェント経由◎ 担当者が代行してくれる
内定承諾後× ほぼ不可能
入社後× 次の評価まで待つ

最も多い失敗は、面接で「希望はお任せします」と答えることです。言わないと、現年収と同等の提示になります。

具体的な交渉の進め方は第二新卒の年収交渉にまとめています。

4. 下がっても受けるべきかの判断軸

年収が下がる提示を受けたとき、次の3点で判断してください。

受けてよい場合

3年後に伸びる職種である(資格・専門性が積み上がる)

② 減額が生活を圧迫しない範囲である

下がる理由が「教育期間だから」と説明されている

慎重に判断すべき場合

① 下がったまま伸びる見込みが説明されない

減額幅が年収の15%を超える

③ みなし残業が長時間で、時給換算すると大幅減になる

④ 生活が成り立たない

減額幅の目安は15%です。それを超える場合は、3年後の見通しを面接で必ず確認してください。「入社2〜3年目の方は、どのくらいの水準になりますか」と聞けば、答えられる企業なら答えてくれます。

5. 編集長の実体験:430万円→480万円だった

私が第二新卒で転職したときは、職種を変えたのに上がりました。

前職は上場企業子会社の広告営業で430万円。転職先はSaaS企業の営業企画で480万円でした。

職種転換なのに上がったのは、業界が違ったからです。広告代理店の給与水準と、成長中のSaaS企業の水準が違った。それだけです。

私「未経験なのに、この金額でいいんですか」

面接官「未経験の分は、最初の半年で吸収してもらう前提です。むしろ、うちの水準で採らないと来てもらえないので。

この「来てもらえないから」という理由が、実態に近いと思います。成長業界で採用に困っている企業は、未経験でも相場を出します。逆に、応募が集まる職種・業界では、未経験の減額幅が大きくなります。

年収は、あなたの能力ではなく、その職種の需給で決まっています。下がる提示を受けたときに自分を否定する必要はありません。

6. 落ちる考え方5つ

何が起きるか
総額だけ型インセンティブ込みの前年収と比べて、実質は上がっているのに気づかない
みなし残業無視型額面は同じでも、時給換算で大幅に下がっている
希望お任せ型面接で希望を言わず、現年収と同額で決まる
目先だけ型3年後の伸びを見ずに、入社時の額だけで判断する
我慢型生活が成り立たない額を受けて、すぐ辞めることになる

最も多いのが希望お任せ型です。謙虚さのつもりが、そのまま提示額になります。

7. 求人票の給与欄の読み方

表記意味確認すること
「年収300〜500万円」幅の下限が第二新卒の想定下限で計算してよい
「月給25万円〜」賞与を含まない賞与が何ヶ月分か
「月給30万円(固定残業代◯時間分を含む)」みなし残業込み基本給と時間数
「経験・能力を考慮の上、決定」交渉の余地がある面接で希望を伝える
「年俸制」賞与が年俸に含まれることが多い分割回数(12分割か14分割か)

「年収300〜500万円」を見て、真ん中の400万円で考えないでください。第二新卒・未経験なら、ほぼ下限からのスタートになります。

求人票全体の読み方は第二新卒の職種転換で内定を掴んだ求人票の見抜き方にまとめています。

8. 3年後を見るための質問

面接で使える、年収の見通しを確認する質問です。

① 「入社2〜3年目の方は、どのくらいの水準になっていますか」

② 「評価はどのような基準で、年に何回行われますか」

③ 「昇給は年に何回、どのくらいの幅がありますか」

④ 「資格取得の手当はありますか」

⑤ 「賞与は業績連動でしょうか、固定でしょうか」

①が最も重要です。これに答えられない企業は、昇給の実績がない可能性があります。聞くのは最終面接か、内定後の条件面談にしてください。一次面接で聞くと、条件で選んでいる印象になります。

聞くタイミングについては面接の逆質問も参照してください。

9. よくある質問

第二新卒は年収が下がりますか

職種を変えるかどうかで決まります。同じ職種なら横ばい〜やや上、未経験の職種なら下がりやすい傾向があります。ただし業界を変えると上がることもあります。

未経験でどのくらい下がりますか

0〜15%程度が一般的な幅です。それを超える提示の場合は、3年後の見通しを必ず確認してください。

希望年収は何と答えればいいですか

「現状◯◯万円で、◯◯万円以上を希望します。ただし経験を積める内容であれば、現状維持でも検討します」が最も動いてもらいやすい答え方です。「お任せします」は避けてください。

前職の年収を正直に言うべきですか

正確に言ってください。源泉徴収票の提出を求められることがあります。盛ると、後で問題になります。

賞与は年収に含めますか

含めて申告するのが一般的です。ただし前職が業績連動で変動が大きい場合は、「固定給◯◯万円、賞与込みで◯◯万円」と分けて伝えるほうが正確です。

交渉すると印象が悪くなりませんか

なりません。ただしタイミングと言い方が重要です。内定後の条件提示のタイミングで、根拠を添えて伝えてください。進め方は第二新卒の年収交渉を参照してください。

内定後に条件が想定より低かったら

その場で承諾せず、一度持ち帰ってください。回答期限は通常1週間あります。交渉する場合も、辞退する場合も、慌てて返事をしないでください。辞退の手順は内定辞退の伝え方にまとめています。

年収を上げることを最優先にすべきですか

第二新卒では、経験が積み上がるかを優先するほうが結果的に有利です。3年後の市場価値は、いまの年収ではなく、その間に何を経験したかで決まります。

10. まとめ

第二新卒の年収は、能力ではなく「何を変えるか」で決まります。

今夜やる3つのこと

① 前職の年収を、固定給とインセンティブ(賞与)に分けて書き出す

志望する職種の求人を3件開き、給与欄の下限と、みなし残業の時間数を見る。相場が5分で分かります

③ 「これ以下は受けない」という下限を、生活費から逆算して決めておく

②が最も効きます。「年収300〜500万円」の下限が自分の想定と合っているかを見るだけで、応募先の絞り方が変わります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。