インフラエンジニアの未経験転職|第二新卒に入口が広い理由と学習の順番【2026年版】
〜Web系に落ち続けている人へ。入口はもう1つあります〜
未経験からITエンジニアを目指す人の多くが、最初にWeb系の開発職を狙います。
プログラミングを学び、ポートフォリオを作り、応募する。そして、想像以上に落ちます。
理由は単純で、同じルートを通る人が非常に多いからです。スクールの卒業生が同じ時期に同じような成果物を持って応募します。
その一方で、応募者が少なく、未経験可の求人が常時出ている領域があります。インフラエンジニアです。
この記事では、なぜ入口が広いのか、何から学ぶのか、その先どうなるのかを整理します。
1. 結論:知っておくべきことは3つ
インフラエンジニアの3つの事実
① 未経験可の求人が多く、応募者は少ない(Web系と逆)
② 最初は監視・運用から入ることが多い(夜勤がある場合もある)
③ 資格が実際に評価される(Web系より明確に効く)
②を理解せずに入ると、想定と違うことになります。
入口が広い理由は、人気がないからです。そして人気がない理由は、②の監視・夜勤のイメージにあります。ただし、実態は変わりつつあります。
2. インフラエンジニアとは何をする職種か
アプリケーションが動く「土台」を作り、維持する職種です。
| 領域 | やること |
|---|---|
| サーバー | 構築、設定、監視、障害対応 |
| ネットワーク | 回線、ルーター、スイッチ、通信設計 |
| クラウド | AWS・Azure・GCP上での環境構築 |
| セキュリティ | ファイアウォール、アクセス制御 |
| データベース | 構築、バックアップ、性能管理 |
2-1. Web系開発との違い
| 項目 | Web系開発 | インフラ |
|---|---|---|
| 作るもの | アプリケーション | 動かす環境 |
| 主な言語 | JavaScript、Python等 | シェル、設定ファイル、IaC |
| 未経験の応募者数 | 非常に多い | 少ない |
| ポートフォリオ | ほぼ必須 | 必須ではない |
| 資格の評価 | 低め | 明確に評価される |
| 初期の業務 | 実装の一部 | 監視・運用 |
「ポートフォリオが作れない」「プログラミングが苦手」という理由でエンジニアを諦めかけている人にとって、インフラは現実的な選択肢です。
2-2. クラウド化で変わったこと
従来のインフラは、物理的なサーバーを扱う仕事でした。データセンターに行き、機器を設置する。夜勤も多い。
クラウドの普及で、この構造が変わりました。
- 環境構築がコードで行えるようになった(IaC)
- 物理作業が減り、リモートワークが可能な案件が増えた
- クラウドの知識があれば、開発寄りの仕事にも移れる
「インフラ=夜勤=つらい」というイメージは、クラウド領域では実態と離れつつあります。ただし、監視・運用の案件では今も夜勤があります。
3. 未経験の現実的なルート
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 監視・運用(アラート対応、手順書に沿った作業) | 半年〜1年 |
| 2 | 構築(設計に沿ってサーバー・ネットワークを構築) | 1〜2年目 |
| 3 | 設計(要件から構成を決める) | 3年目〜 |
| 4 | クラウド設計・SRE・セキュリティ | 4年目〜 |
1の期間が長すぎる会社は避けてください。監視だけを2年以上続けても、構築の経験は積み上がりません。
面接で「監視から構築に移るのは、どのくらいの期間が目安ですか」を必ず聞いてください。
4. 学習の順番
Web系と学ぶ順番がまったく違います。
| 順番 | 学ぶもの | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | Linuxの基本操作(コマンド、ファイル操作、権限) | 2〜4週間 |
| 2 | ネットワークの基礎(IPアドレス、ポート、DNS、TCP/IP) | 3〜4週間 |
| 3 | クラウドの基礎(AWSの主要サービス。EC2、S3、VPC) | 1〜2ヶ月 |
| 4 | 資格の取得(LPIC/LinuC、CCNA、AWS SAA) | 並行 |
| 5 | 実際に構築してみる(AWS無料枠でサーバーを立てる) | 並行 |
1と2は必須です。ここを飛ばしてクラウドに行くと、用語が理解できません。
5が最も効きます。「AWSでサーバーを立てて、Webサイトを公開した」——これだけで、面接で話せる実物になります。
学習の全体像は未経験からITエンジニアになる完全ロードマップにもまとめています。
5. 資格の扱い(Web系と違う点)
インフラでは、資格が実際に選考で評価されます。
| 資格 | 難度 | 評価 |
|---|---|---|
| LinuC / LPIC レベル1 | 中 | ◎ Linuxの基礎の証明 |
| CCNA(ネットワーク) | 中〜高 | ◎ ネットワーク系で強い |
| AWS認定 SAA | 中 | ◎ クラウド案件で最も効く |
| AWS認定 クラウドプラクティショナー | 低 | ○ 入門として |
| 基本情報技術者 | 中 | ○ IT全般の基礎 |
| ITパスポート | 低 | △ 学習の意思の証明程度 |
未経験なら、まず1つ取ってください。取得順のおすすめは、クラウドプラクティショナー → LinuC/LPIC レベル1 → AWS SAA です。
Web系と違い、「資格を取ってから応募する」ことに意味がある領域です。
6. 監視・夜勤の実態
ここを確認せずに入ると、想定と違うことになります。
| 案件の種類 | 夜勤 | 内容 |
|---|---|---|
| 24時間監視(シフト制) | あり | アラート対応、手順書に沿った一次対応 |
| 日勤の運用 | なし | 定常作業、問い合わせ対応 |
| 構築案件 | 基本なし(リリース時のみ深夜作業) | 設計に沿った構築 |
| クラウド構築・SRE | 基本なし | 環境構築、自動化 |
夜勤があるかどうかは、面接で必ず確認してください。「シフト制はありますか」「深夜作業の頻度はどのくらいですか」で聞けます。
夜勤自体が悪いわけではありません。手当がつくため収入が上がる面もあります。ただし、知らずに入ると生活リズムの問題になります。
7. 落ちる進み方5つ
| 型 | 何が起きるか |
|---|---|
| 監視だけ長期型 | 2年以上監視のみ。構築経験が積み上がらない |
| 資格を取らない型 | 未経験の証明材料がなく、書類で落ちる |
| 夜勤未確認型 | 入社後に生活リズムが崩れる |
| 学習順序ミス型 | Linux・ネットワークを飛ばしてクラウドに行き、用語が分からない |
| Web系との比較だけ型 | 「Web系がダメだからインフラ」で志望動機が弱い |
最も避けるべきは監視だけ長期型です。入社前に「構築に移る目安の期間」を必ず確認してください。
8. 志望動機の作り方
「Web系がダメだったから」は絶対に言わないでください。
回答例
「前職の飲食店で、店舗のネットワークが落ちてレジが使えなくなったことがありました。復旧までの2時間、営業が完全に止まり、その間ずっと『動いていることが当たり前になっているものが止まると、こんなに影響が出るのか』と実感しました。アプリケーションを作る側より、それが動き続ける状態を守る側に関心があり、インフラを志望しています。現在、LinuCレベル1を取得し、AWSの学習を進めています」
「止まると困る」という実体験から入るのが最も自然です。誰にでも、何かが止まって困った経験があります。
面接の対策は未経験エンジニアの面接を参照してください。
9. よくある質問
未経験でインフラエンジニアになれますか
なれます。Web系より未経験可の求人が多く、応募者が少ないため、相対的に通りやすい領域です。
プログラミングができなくても大丈夫ですか
最初は大丈夫です。ただし、3年目以降はシェルスクリプトやIaC(Terraform等)を扱うようになるため、まったく書けないままだと頭打ちになります。
ポートフォリオは必要ですか
必須ではありません。ただし「AWSでサーバーを立ててWebサイトを公開した」といった実物があると、話せる材料になります。作り方は未経験エンジニアのポートフォリオを参照してください。
夜勤は必ずありますか
案件によります。24時間監視の案件では夜勤があり、構築案件やクラウド案件では基本的にありません。面接で必ず確認してください。
資格はどれから取るべきですか
AWS認定クラウドプラクティショナー、またはLinuC/LPICレベル1からです。どちらも1〜2ヶ月の学習で取得できます。
年収はどのくらいですか
未経験入社時は他のIT職と同程度で、経験を積むと上がります。特にクラウド設計・SRE領域は市場価値が高くなります。第二新卒の年収も参照してください。
文系でも大丈夫ですか
問題ありません。インフラは体系的に学べば習得できる領域で、数学的な素養は求められません。
SESが多いと聞きましたが
実際にSESの比率は高い領域です。ただし、開発案件に配属されるかどうかで判断してください。判断基準はSES・受託・自社開発の違いにまとめています。
10. まとめ
インフラは、応募者が少ないという理由だけで、入口が広い領域です。
今夜やる3つのこと
① 求人サイトで「インフラエンジニア 未経験可」で検索し、件数を見る。Web系と比較すると、競争環境の違いが分かります
② AWS認定クラウドプラクティショナー、またはLinuC レベル1の直近の試験日を調べる
③ 面接で聞く質問を1つ決める:「監視から構築に移るのは、どのくらいの期間が目安ですか」
①は3分で終わります。Web系に落ち続けている人ほど、この件数の差を見る価値があります。
この先、読むべき記事
- 未経験からITエンジニアになる完全ロードマップ|文系・第二新卒でも半年で内定する5ステップ(学習の全体像)
- SES・受託・自社開発の違い|未経験エンジニアが最初に選ぶ基準(応募先の選び方)
- 未経験エンジニアの面接|第二新卒が聞かれる想定問答13と評価される答え方(面接対策)
- 未経験エンジニアのポートフォリオ|第二新卒が評価されるのは「何を作ったか」ではない(成果物の作り方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。