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SES・受託・自社開発の違い|未経験エンジニアが最初に選ぶ基準【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
SES・受託・自社開発の違い|未経験エンジニアが最初に選ぶ基準【2026年版】

〜「SESはやめとけ」も「自社開発一択」も、条件つきです。判断の基準を置いておきます〜

未経験からエンジニアを目指すと、必ずこの分類に行き当たります。

SES/受託開発/自社開発。

そして、ネット上では「SESはやめとけ」「自社開発を目指せ」という意見が非常に強く出ています。この意見は、半分正しく、半分は状況を無視しています。

未経験からいきなり自社開発に入れる人は限られます。入れないなら、SESや受託を経由するのが現実的な道です。問題は「入るかどうか」ではなく「どういうSESに入るか」です。

この記事では、3つの違いと、選ぶ基準を整理します。

1. 結論:判断基準は3つ

最初の1社を選ぶ基準

実務経験が積めるか(開発に関われるか、そうでないか)

次に移れる経験になるか(3年後に何を語れるか)

教えてもらえる体制があるか

形態(SES/受託/自社)より、この3つを満たすかで判断してください。

形態で一括りに判断すると、選択肢を自分で狭めます。実際には、良いSESもあれば、実務を積めない自社開発もあります。

2. 3つの違い

項目SES(客先常駐)受託開発自社開発
誰の仕事をするか客先企業の業務顧客から請け負った案件自社のサービス
働く場所客先(近年はリモートも増加)自社自社
案件の期間数ヶ月〜数年案件ごと継続
未経験の入りやすさ◎ 最も広い△ 狭い
技術の選択客先の環境に依存案件による自社で決められる
サービスへの関与部分的納品まで企画から運用まで
年収の初期やや低め高めの傾向
年収の伸び経験次第大きい

2-1. SESの実態

SESが批判される理由は明確です。

良いSES避けるべきSES
開発案件に配属されるテスト・監視・ヘルプデスクだけ
案件を選べる/希望を聞かれる配属先が選べない
技術研修がある研修がなく、いきなり常駐
同じ会社の社員が同じ現場にいる一人で常駐(孤立する)
案件の期間が明示される「行ってみないと分からない」

「SESはやめとけ」の実態は「開発をさせてもらえないSESはやめとけ」です。

未経験がSESに入って、テスト実行や運用監視だけを2年やった場合、3年後に語れる開発経験がありません。これが最大のリスクです。

2-2. 受託開発の実態

未経験からの入口として、実は現実的な選択肢です。

メリットデメリット
自社で働ける(常駐ではない)納期のプレッシャーがある
案件ごとに違う技術に触れられる技術が案件に依存する
上流から下流まで関われることがある顧客都合の仕様変更がある
先輩が同じ場所にいる会社によって規模の差が大きい

「自社開発は無理でも、常駐は避けたい」という場合、受託が中間の選択肢になります。

2-3. 自社開発の実態

未経験からの入口は最も狭いのが実情です。

理由は、自社サービスの開発は継続的で、教育のコストをかけられる企業が限られるためです。未経験可の求人が出た場合、応募が集中します。

ただし、第二新卒枠であれば可能性はあります。特に、成長中で採用を急いでいる企業や、前職の業界知識が活きる領域(介護・医療・建設向けのSaaSなど)では、未経験でも通ることがあります。

3. 未経験の現実的なルート

ルート現実性3年後
未経験 → 開発案件のSES → 自社開発◎ 最も多い開発経験2〜3年で転職可能
未経験 → 受託開発 → 自社開発同上
未経験 → 自社開発△ 狭いが不可能ではない
未経験 → 非開発のSES → ???× 避けるべき語れる開発経験がない

最後のパターンだけは、明確に避けてください。これが「SESはやめとけ」の中身です。

4. 求人票からの見分け方

形態は求人票に書かれていないことが多いので、次の点で判断してください。

見る点SESの可能性が高い自社・受託の可能性が高い
勤務地「都内各所」「プロジェクトによる」「本社」と明記
仕事内容「幅広い案件に携われます」具体的なサービス名・案件内容
技術スタック記載がない、または非常に幅広い具体的に列挙されている
「上流工程にも」未経験求人で強調される
事業内容「システムエンジニアリングサービス」自社サービスの説明がある

「勤務地:プロジェクトによる」はSESのサインです。これ自体が悪いわけではありませんが、SESであることを踏まえて次の質問をしてください。

5. 面接で必ず聞くべき5問

形態より、この5問の答えで判断してください。

① 「未経験で入られた方は、最初にどのような案件に配属されることが多いですか」

「配属先は、開発工程に関わる案件でしょうか」

③ 「配属先の希望を出すことはできますか」

「同じ会社の社員の方が、同じ現場にいることは多いですか」

⑤ 「入社後の研修は、どのくらいの期間ありますか」

②が最重要です。「テスト工程から入っていただきます」と言われた場合、その後に開発に進めるのか、どのくらいの期間でかを必ず確認してください。

答えが曖昧な場合、それが答えです。「配属先によります」「本人次第です」しか返ってこない場合、開発案件がない可能性があります。

質問の仕方は面接の逆質問にもまとめています。

6. 落ちる選び方5つ

何が起きるか
形態だけで判断型良いSESを外し、実務が積めない自社開発に入る
SES全否定型選択肢が狭まり、転職自体が長引く
工程を確認しない型入社後、2年間テストだけになる
未経験可なら何でも型教育体制がない会社に入る
年収だけ型初任給は高いが、経験が積めない

最も多いのが工程を確認しない型です。「エンジニアとして採用された」が「開発をする」を意味しない場合があります。

7. 3年後を見据えた選び方

最初の1社は、次に移るための経験を作る場所だと考えてください。

3年後に語れることそれを作れる環境
「◯◯を使って、◯◯という機能を実装しました」開発案件に配属される環境
「要件を聞いて、設計から関わりました」受託、または小規模な自社開発
「サービスの改善を継続して行いました」自社開発
「テストを実行していました」次に繋がりにくい

最後の1行にならないことが、最初の1社選びの目的です。

8. 入った後にやること

どの形態に入っても、次に移るための準備は同じです。

やることなぜ
担当した機能を、記録に残す職務経歴書に書く材料になる
使った技術を書き出しておく次の応募時に必要
個人で何か作り続ける業務で使わない技術に触れられる
資格を1つ取る(基本情報など)未経験期間の証明になる
1年後に市場の反応を見るスカウト型に登録して放置でよい

担当した内容の記録は、その場で取ってください。2年後に思い出そうとしても出てきません。

9. よくある質問

SESは本当にやめたほうがいいですか

「開発案件に配属されないSES」は避けてください。逆に、開発案件に入れるSESは、未経験からの入口として現実的です。形態ではなく、配属される工程で判断してください。

未経験から自社開発に入れますか

入れることはありますが、狭い門です。第二新卒枠であること、前職の業界知識が活きる領域であることが条件になりやすいです。

最初の1社はどのくらい在籍すべきですか

2〜3年が目安です。1年未満だと、次の転職で「開発経験あり」と言いにくくなります。ただし、開発に関われない状態が続くなら、早く動くほうが合理的です。

客先常駐は在宅でもありますか

増えています。ただし案件によります。面接で「リモートの案件はどのくらいありますか」と確認してください。

受託開発は激務ですか

会社によります。納期のプレッシャーはありますが、常に激務というわけではありません。面接で「繁忙期はいつで、どのくらい変わりますか」を聞いてください。

年収はどれが高いですか

初期は自社開発が高めの傾向ですが、3年後は経験次第です。開発経験を積めているかどうかが、年収に最も効きます。詳しくは第二新卒の年収を参照してください。

ポートフォリオは必要ですか

自社開発・受託では、ほぼ必須です。SESでは必須でない場合もありますが、あると配属の交渉材料になります。作り方は未経験エンジニアのポートフォリオを参照してください。

インフラエンジニアはどれに当たりますか

SESまたは受託が中心です。ただしインフラは未経験の入口が広く、実務経験を積みやすい領域でもあります。詳しくはインフラエンジニアの未経験転職を参照してください。

10. まとめ

形態ではなく、「開発に関われるか」で判断してください。

今夜やる3つのこと

① 応募を考えている求人の勤務地欄を見る(「プロジェクトによる」ならSES)

その求人の仕事内容に、具体的なサービス名か技術スタックが書かれているかを確認する。書かれていないなら、面接で工程を必ず聞く

③ 面接で聞く質問を1つ決める:「未経験で入られた方は、開発工程に関わる案件に配属されますか」

②は3分で終わります。求人票に技術スタックが具体的に書かれている会社は、何をやってもらうかが決まっています。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。