マーケティングの自己PR|第二新卒が未経験から書く例文6パターン【2026年版】
〜マーケティングの自己PRは、「数字を見て、変えて、また見た」経験があるかどうかです〜
マーケティング職は、第二新卒の応募が最も集中する職種の1つです。
そして、書類の通過率が最も低い職種でもあります。
理由は単純で、応募者が多く、実務経験のある候補者と競合するからです。
その中で、実務未経験の第二新卒が通るために必要なのは、「マーケティングに興味がある」ことの説明ではありません。
「数字を見て、原因を考えて、何かを変えて、また数字を見た」という経験を、1つでも示すことです。
この構造は、マーケティングの仕事そのものです。
そして、営業でも販売でも事務でも、この経験は必ずあります。
この記事では、3要素の型と、職種別の例文6パターンを用意します。
1. 結論:マーケティングの自己PRは3要素で決まる
| 要素 | 内容 | 書く場所 |
|---|---|---|
| ① 数字を見た経験 | 何の数字を、どのくらいの頻度で見ていたか | 冒頭 |
| ② 仮説を立てて変えた経験 | 何が原因だと考え、何を変えたか | 中心 |
| ③ 結果を確認した経験 | 変えた後、数字がどうなったか | 締め |
③まで書けているかが、決定的な差になります。
「改善しました」で終わる自己PRは多くありますが、「変えた後、数字がどうなったかを確認した」まで書ける人は少数です。
マーケティングは、施策を打って終わりではなく、効果を検証して次を決める仕事です。
③がない自己PRは、その理解がないと判断されます。
完成形の例
「前職の店舗販売では、月次の売上とその内訳(新規/リピート)を毎月確認していました。
リピート率が32%で3ヶ月横ばいだったため、要因は接客時の情報が記録されていないことだと考えました。顧客カルテの記入項目を、購入商品だけでなく「来店のきっかけ」と「次回の希望」の2つを追加する形に変更しました。
変更から3ヶ月後、リピート率は41%になりました。あわせて、記入率が7割にとどまっていたため、記入にかかる時間を短縮する様式に再度修正しました。」
③の後に「さらに次の課題を見つけた」まで書けると、より強くなります。
2. なぜ定番の自己PRが落ちるのか
| よくある書き方 | 何が問題か |
|---|---|
| 「マーケティングに強い関心があります」 | 関心は自己PRではない |
| 「学生時代にSNSの運用をしていました」 | 数字と検証がない |
| 「顧客目線で考えることが得意です」 | 検証できない |
| 「マーケティングの本を10冊読みました」 | インプットのみ |
| 「分析が好きです」 | 何を分析したかがない |
共通しているのは、「数字」と「検証」がないことです。
採用担当者が見ているのは、興味の強さではありません。
「入社後、数字を見て仮説を立てられるか」です。
そして、それを判断できる材料は、過去に同じことをやった経験だけです。
実務未経験でも書ける
「マーケティングの実務経験がないから書けない」というのは、誤解です。
次のどれかを経験していれば、書けます。
| 経験 | 使える |
|---|---|
| 売上や件数を月次で確認していた | 使える |
| 前月と比べて増減の理由を考えた | 使える |
| チラシや掲示を作った | 使える(効果を測っていれば) |
| 顧客アンケートを取った | 使える |
| SNSの投稿をしていた | 使える(数字を見ていれば) |
| 商品の陳列を変えた | 使える |
3. 編集長の実体験:数字を見ていた話は、全員が持っている
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、マーケティング職も候補に入れていました。
ただ、実務経験はゼロでした。広告営業をしていただけです。
エージェントの担当者に、こう相談しました。
私「マーケティングは、実務経験がないと厳しいですよね」
担当者「厳しいですが、書けることはあります」
私「何を書けばいいんでしょう」
担当者「木戸さん、営業で数字は見てましたよね」
私「受注率とかは見てました」
担当者「それが上がらなかったとき、原因は何だと考えました?」
私「……失注案件を業種別に集計しました。宿泊業だけ失注率が高くて」
担当者「で、何か変えました?」
私「初回訪問で決裁の流れを聞くようにしました」
担当者「その後、数字はどうなりましたか」
私「宿泊業の受注率が上がりました」
担当者「それ、マーケティングの仕事そのものです。数字を見て、仮説を立てて、施策を打って、効果を検証してる。媒体がWebじゃなくて営業活動だっただけです」
この会話で、書けるようになりました。
私が「マーケティングの経験がない」と思っていたのは、Web広告の運用経験がないという意味でした。
ただ、マーケティングの本質は「数字を見て、変えて、また見る」ことです。
この構造は、営業でも販売でも事務でも、やっている人はやっています。
ここで学んだのは、経験がないのではなく、翻訳していないだけだということです。
4. 数字の作り方
マーケティングの自己PRには、数字が必須です。
次の質問で、数字を掘り出してください。
| 質問 | 出てくる数字 |
|---|---|
| 定期的に見ていた数字は何ですか | 売上、件数、率 |
| その数字は、どのくらいの頻度で見ていましたか | 日次/週次/月次 |
| 前月と比べて、変動していましたか | 増減の幅 |
| その理由を考えたことはありますか | 仮説 |
| 何か変えてみましたか | 施策 |
| 変えた後、数字はどうなりましたか | 結果 |
4〜6番目が、他の候補者との差になります。
数字がない場合の探し方
| 職種 | 使える数字 |
|---|---|
| 営業 | 受注率、訪問件数、失注理由の内訳 |
| 販売 | 客単価、リピート率、購入点数 |
| 事務 | 処理件数、ミス率、処理時間 |
| カスタマーサポート | 問い合わせ件数、解決率、対応時間 |
| 企画・アシスタント | 資料の使用回数、参加者数 |
「担当していた業務で、月ごとに変わる数字」を1つ探せば十分です。
5. 3つの領域を押さえる
マーケティングは、領域によって求められるものが違います。
| 領域 | やること | 第二新卒の入りやすさ |
|---|---|---|
| デジタル広告運用 | 広告の配信・改善 | 広い |
| コンテンツ・SEO | 記事や動画の企画・制作 | 中 |
| 商品企画・ブランド | 商品の設計、ブランドの管理 | 狭い |
第二新卒から最も入りやすいのは、デジタル広告運用です。
数字がはっきり出る領域であり、効果の検証が業務の中心だからです。
そして、自己PRを書くときは、応募先の領域に合わせてください。
| 応募先 | 強調すること |
|---|---|
| デジタル広告運用 | 数字の検証 |
| コンテンツ・SEO | 企画と継続 |
| 商品企画 | 顧客の声を形にした経験 |
領域を確認せずに書くと、内容がずれます。
6. 例文6パターン
例文①:営業 → デジタル広告運用(未経験)
前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で確認していました。
受注率が18%で横ばいだったため、失注した案件を業種別に集計したところ、宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かりました。内容を確認すると、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。
そこで、初回訪問時に決裁の流れを必ず確認する手順に変更しました。3ヶ月後、宿泊業の受注率は改善し、全体の受注率も27%になりました。
数字を分解して原因を特定し、施策を打って効果を確認するという進め方を、広告運用の領域で活かしたいと考えております。
例文②:店舗販売 → マーケティング(未経験)
アパレルの店舗販売では、月次の売上を新規とリピートに分けて確認していました。
リピート率が32%で3ヶ月横ばいだったため、顧客カルテに記録される情報が購入商品のみで、再来店の動機を把握できていないことが原因だと考えました。記入項目に「来店のきっかけ」と「次回の希望」を追加しました。
3ヶ月後、リピート率は41%になりました。ただし、記入率が7割にとどまっていたため、記入時間を短縮する様式に再度修正しました。
顧客の行動を記録し、数字の変化を見ながら改善を重ねる進め方を、マーケティングの業務で活かしたいと考えております。
例文③:カスタマーサポート → マーケティング(未経験)
SaaS企業のカスタマーサポートでは、1日平均30件の問い合わせに対応し、内容を週次で分類していました。
分類の結果、全体の約4割が同じ3つの機能に関する質問であることが分かりました。マニュアルには記載がありましたが、該当箇所に辿り着けていないと考え、問い合わせの多い3項目をFAQの冒頭に配置し直しました。
その結果、該当機能に関する問い合わせは月80件から45件に減少しました。
顧客がどこでつまずいているかを数字から特定し、伝え方を変えて効果を確認する進め方を、マーケティングで活かしたいと考えております。
例文④:営業事務 → マーケティングアシスタント(未経験)
製造業の営業事務では、受発注を1日平均40件処理し、月次で商品別の受注数を集計しておりました。
集計の中で、特定の商品群の受注が特定の月に集中していることに気づき、営業担当に共有しました。その結果、その時期の前月に案内を送る運用が導入されました。
導入後の四半期で、該当商品群の受注が前年同期比で増加しました。
データを集計し、そこから気づいた点を関係者に共有して施策につなげる進め方を、マーケティングの業務で活かしたいと考えております。
例文⑤:マーケティング経験1年未満 → マーケティング
前職では、Webマーケティングの担当として、自社サイトの流入と問い合わせ数を週次で確認しておりました。
問い合わせ数が伸びない状況に対し、流入は増えているのに問い合わせが増えていないことから、遷移先のページに原因があると考えました。問い合わせフォームの入力項目を12から6に減らす提案を行いました。
変更後、フォームの離脱率が下がり、問い合わせ数は月18件から27件になりました。
在籍期間は10ヶ月と短いですが、数字を分解して原因を特定する進め方は身につけております。
例文⑥:広報 → マーケティング(近接職種からの転換)
前職の広報では、プレスリリースの配信と、掲載メディア数の記録を担当しておりました。
配信本数に対する掲載率が低い状況に対し、過去1年の配信内容を「数字を含むもの」と「含まないもの」に分類したところ、数字を含むリリースの掲載率が約2倍であることが分かりました。
以降、すべてのリリースに数字を1つ以上含める形に変更し、掲載率は改善しました。
過去のデータを分類して傾向を見つけ、それを基準として運用に落とす進め方を、マーケティングで活かしたいと考えております。
7. 落ちる自己PRの型5つ
| # | 型 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| ① | 「マーケティングに関心があります」 | 関心は自己PRではない |
| ② | 数字が1つも出てこない | この職種では致命的 |
| ③ | 施策を打った話で終わる | 検証がない |
| ④ | 「顧客目線」「柔軟性」など抽象的な言葉 | 検証できない |
| ⑤ | 応募先の領域と内容がずれている | 調べていないと判断される |
③について補足
最も多い失敗です。
「◯◯を改善しました」で終わると、その結果どうなったかが分かりません。
必ず、「変更後、数字は◯◯になりました」まで書いてください。
数字が改善しなかった場合も、書いてよいです。
「変更後も数字は変わらなかったため、原因は別にあると判断し、次に◯◯を確認しました。」
この方が、検証の姿勢が伝わります。
8. 面接で追撃される3つの質問
自己PRを書いたら、次の3問への答えを用意してください。
Q1「その施策を選んだ理由は何ですか」
「他にも候補はありましたが、実行までにかかる時間が最も短く、効果が数字で確認しやすいものを選びました。」
「実行の速さ」と「検証のしやすさ」で選んだと言えると、実務感覚が伝わります。
Q2「その効果は、本当にその施策によるものですか」
この質問は、マーケティング職の面接で必ず来ます。
「断定はできません。同時期に他の要因があった可能性はあります。ただ、変更した対象群と、変更していない対象群を比べると、変更した方だけが改善していたため、施策の影響はあったと考えています。」
「断定はできません」と言えることが、加点になります。
因果を断定する人は、この職種では危険です。
Q3「未経験ですが、ツールは使えますか」
「業務での使用経験はございません。現在、Googleアナリティクスの学習を進めており、自分で作成したブログに導入して、流入の推移を確認しております。」
手を動かした経験があると、説得力が上がります。
9. よくある質問
マーケティングは未経験でも転職できますか?
できますが、競争は激しくなります。デジタル広告運用の領域が、最も入口が広くなっています。「数字を見て、変えて、また見た」経験を1つでも示せることが前提です。
実務経験がないのに、自己PRに何を書けばいいですか?
現職で数字を見ていた経験を書いてください。売上、件数、率。何でも構いません。「その数字が変動した理由を考え、何かを変えた」経験があれば、それがマーケティングの経験です。
資格は必要ですか?
必須ではありません。Google広告の認定資格やウェブ解析士などがありますが、実務経験の代わりにはなりません。資格より、「自分でサイトを作って数字を見ている」といった実践の方が評価されます。
SNSの運用経験は使えますか?
数字を見ていれば使えます。フォロワー数の推移、投稿別の反応、時間帯による差。「投稿していました」だけでは弱く、「数字を見て投稿の内容を変えた」まで書いてください。
広告代理店と事業会社、どちらがいいですか?
積める経験が違います。代理店は複数のクライアントを担当して幅広い事例に触れられ、事業会社は1つの商品に長く関われます。未経験からの入口としては、代理店の方が求人数は多くなります。
「マーケティング」と一言で書いてよいですか?
領域を明記してください。デジタル広告運用、コンテンツ、商品企画では、求められるものが違います。応募先の求人票を読み、その領域に合わせて自己PRを調整してください。
効果が出なかった施策の話を書いてもいいですか?
書いてよいです。ただし、「効果が出なかったので、次に何を確認したか」まで書いてください。検証を続けた姿勢が伝われば、成功した話より評価されることがあります。
文系で数字が苦手ですが、大丈夫ですか?
必要なのは、四則演算と割合の理解です。高度な統計は、入社直後には求められません。ただし、数字を見ること自体が苦痛な場合、この職種は向きません。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
マーケティングの自己PRは、「数字を見て、変えて、また見た」経験があるかで決まります。
そして、この経験は、営業でも販売でも事務でも、必ずあります。
マーケティングの実務経験がないのではなく、翻訳していないだけです。
今夜やること
① 現職で定期的に見ていた数字を1つ書き出す(売上/件数/率)
② その数字が変動した理由を、当時どう考えたかを1文で書く
③ 何かを変えた経験と、その後の数字を書く(変わらなかった場合も可)
目安時間:合計30分
③まで書けたら、自己PRは完成しています。
あとは、応募先の領域(広告運用/コンテンツ/商品企画)に合わせて、締めの1文を変えるだけです。
この先、読むべき記事
- 事業会社マーケティングの志望動機|未経験・第二新卒の例文6パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 事業会社マーケティングの面接|第二新卒が聞かれる想定問答14と評価される答え方(面接の想定問答)
- 自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問(素材の見つけ方)
- Webマーケターへの未経験転職|第二新卒の入口と最初の3ヶ月(未経験からの学習)
- 広告業界研究|第二新卒が4つの型で理解する収益構造と職種(業界の理解)
- データ分析職への未経験転職|第二新卒が入口を作る学習と職種の順番(データ分析への展開)
- 経営企画の自己PR|第二新卒が数字の経験を翻訳する例文6パターン(経営企画を狙う場合の自己PR)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。