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自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問【2026年版】

〜自己PRが書けないのは、強みがないからではなく、探す場所を間違えているからです〜

自己PR欄で手が止まる。これは、第二新卒の転職活動で最も多いつまずきです。

理由も分かります。社会人2〜3年目で、「これが私の強みです」と言える実績を持っている人のほうが少ないからです。大きな成果もなければ、部下を持ったこともない。数字の目標を持たない職種なら、実績の書きようもない。

ただ、書けないのは強みがないからではありません。

自己PRに書くべき素材は、「すごいこと」ではなく「自分で変えたこと」です。そして、それは在籍1年でも必ずあります。探す場所を変えれば、30分で見つかります。

この記事では、素材を掘り出す4つの質問と、そこから自己PRを組み立てる手順を書きます。

1. 結論:探す場所は「変えたこと」

① 「成果」ではなく「変えたこと」を探す

売上を伸ばした、賞を取った、大きなプロジェクトを回した——こうした成果はなくて構いません。

探すのは、「言われていないのに、自分で変えたこと」です。棚の並べ方を変えた、確認の順番を変えた、新人向けのメモを作った、集計の方法を変えた。規模は問いません。

② 数字は「大きさ」ではなく「変化」で書く

「月8時間を2時間に」で十分です。金額の大きさは関係ありません。採用側が見ているのは、自分の仕事を数字で把握する習慣があるかどうかです。

③ 応募先の職種の言葉に翻訳する

同じ経験でも、応募先によって書き方を変えます。営業に応募するなら「提案と受注」、事務なら「正確さと段取り」、企画なら「数字を読む力」。翻訳しないまま出すと、「うちの仕事ができるか分からない」で終わります。

2. なぜ「強みがない」と感じるのか

感じていること実際の状況
大きな成果がない成果ではなく「変えたこと」を書けばよい
数字の目標がない職種だった売上以外の数字(件数、時間、率)で書ける
言われたことをやっていただけその中で工夫した部分が必ずある
在籍が1年しかない1年でも12ヶ月分の実績がある
誰にでもできる仕事だった「誰にでもできる」を効率化したなら、それが強み

特に多いのが、「言われたことをやっていただけ」という認識です。

しかし、まったく同じ指示を受けても、人によってやり方は変わります。手順を整理した人、記録をつけた人、確認の順番を変えた人。この差が、自己PRの素材です。

本人にとっては当たり前すぎて、価値に気づいていないだけです。

3. 編集長の実体験:「書くことがない」と言った人の話

前職の広告営業時代、担当していた飲食チェーンの店長さんから転職相談を受けたことがあります。書類が5社連続で落ちていました。

店長さん「自己PRに書くことがないんです。うちは個人売上って出ないので。店の売上はありますけど、それは自分の成果じゃないし」

「日々やっていることで、前任者の頃と変わったことはありますか」

店長さん「うーん……あ、シフトの作り方は変えました。前は店長が全部組んでたんですけど、希望を紙で集めるのが面倒で、共有のスプレッドシートにしたんです」

「それ、どのくらい変わりました?」

店長さん「シフト作るのに毎月4〜5時間かかってたのが、1時間くらいになりました。あと、直前の欠員が減りました。前は月に4〜5回、当日に穴が空いてたのが、今は1〜2回です」

「それが自己PRです」

店長さん「え、シフトの話が? 売上の話じゃなくていいんですか」

この方は、次の応募先で書類が通り、面接でもシフトの話を掘られて内定しました。

ここで重要なのは、この方が「書くことがない」と言っていた時点で、すでに材料を持っていたことです。

自分では気づいていないだけでした。理由は2つあります。

  1. 「シフトの効率化」を、成果だと思っていなかった
  2. 売上以外の数字を、実績として認識していなかった

採用側が知りたいのは、売上の大きさではなく「仕事の進め方を自分で改善できる人か」です。月4時間の削減は、金額にすれば小さい。でも、課題を見つけて、方法を変えて、数字で確認したという一連の動きは、どの職種でも同じ形で必要になります。

4. 素材を掘り出す4つの質問

紙とペンを用意して、順に答えてください。合計30分です。

質問1:「前任者や周りの人と、やり方が違うことはありますか」(10分)

これが最も効く質問です。

  • 引き継いだやり方を、途中で変えたことは?
  • 自分だけがやっている記録・確認・準備は?
  • 「これ、なんでこうなってるんだろう」と思って変えたことは?

  • 「前は紙で集めていた希望を、共有ファイルにした」
  • 「引き継ぎのときに、自分用のチェック表を作った」
  • 「毎日の数字を、自分だけスプレッドシートに記録していた」
  • 「よく聞かれる質問を、メモにまとめて共有した」

質問2:「同僚に聞かれることは何ですか」(5分)

人に聞かれることは、あなたが他の人より詳しい領域です。

  • 「これどうやるの?」と聞かれることは?
  • 新人が入ったとき、何を教える担当になった?
  • 上司から「これ任せる」と言われるのは、どんな仕事?

  • 「Excelの関数について、部内でよく聞かれる」
  • 「新人の教育担当を任されている」
  • 「クレーム対応は自分が呼ばれることが多い」

質問3:「やっていて疲れなかったことは何ですか」(5分)

「得意なこと」ではなく「疲れなかったこと」を探してください。

  • 気づいたら時間が経っていた作業は?
  • 面倒だと思わずにやれていたことは?
  • 他の人が嫌がるのに、自分は平気だったことは?

  • 「数字を突き合わせて原因を探す作業」
  • 「後輩に説明すること」
  • 「散らかった情報を整理すること」

質問4:「1年前と比べて、何ができるようになりましたか」(10分)

在籍が短い場合、この質問が効きます。

  • 入社時にできなかったことで、今できることは?
  • 任される範囲は、どう広がった?
  • 対応にかかる時間は、どう変わった?

  • 「入社2ヶ月で単独レジを任された」
  • 「4ヶ月目から新人指導を担当した」
  • 「見積書の作成が、最初は1件30分かかっていたが今は10分」

5. 素材を自己PRに組み立てる4文

質問1〜4で出た素材のうち、1つを選んで、次の4文にしてください。

内容
1文目どこで、何を、どのくらい「飲食チェーンの店舗で2年半、アルバイト12名のシフト管理を担当」
2文目何が課題だったか「シフト作成に月4〜5時間を要し、直前の欠員も月4〜5回発生していた」
3文目何を変えたか「希望の提出を紙から共有ファイルに変更し、締切と入力ルールを明文化した」
4文目どうなったか(数字)「作成時間を月1時間程度に短縮し、当日欠員も月1〜2回に減った」

これで自己PRの骨格が完成します。

応募先ごとに、最後に1文足す

「貴社の営業事務では、複数拠点の数字の取りまとめと期日管理が中心と伺っています。決まった手順を正確に回すことと、手順そのものを改善することの両方が、前職で日常的に取り組んできた業務と重なります。」

この最後の1文だけを、応募先ごとに書き換えてください。1〜4文目は使い回せます。

6. それでも書けないときの3つの対処

対処1:数字を「削減」で探す

売上がない職種では、「増えた」ではなく「減った」で探してください。

減らせるもの
時間作業時間、待ち時間、準備時間
件数ミス、差し戻し、問い合わせ、クレーム
コスト廃棄、消耗品、外注費
手戻り修正回数、確認の往復

「何かが減った」なら、必ず自己PRになります。

対処2:他人に聞く

自分では気づけない強みは、他人に聞くのが最も早いです。

  • 前職の同僚に「自分ってどんな働き方だった?」と聞く
  • 転職エージェントの面談で「私の経歴で、どこが評価されると思いますか」と聞く
  • ジョブカフェのカウンセラーに職務経歴を話して整理してもらう

特に3番目は無料で、この用途に最も向いています。

対処3:範囲を狭める

「2年間の総括」を書こうとするから書けません。

1つの出来事だけを書いてください。「2年間で最も印象に残っている業務の改善」を1件。それだけで、自己PRは成立します。

7. 面接で追撃される3つの質問

Q1.「その数字は、どうやって出しましたか」

数字を書いたら必ず来ます。「シフト作成の所要時間を、自分で記録していました」「日報の件数を3ヶ月分集計しました」。出所が言えれば十分です。

Q2.「なぜそれをやろうと思ったのですか」

自発性を測る質問です。「指示されて」でも構いませんが、その場合は「言われた範囲より広げた部分」を必ず添えてください。

Q3.「他に工夫したことはありますか」

1つしか用意していないと、ここで詰まります。第4章の4つの質問で出た素材から、2〜3個は答えられるように準備してください。

8. やってはいけない5つ

やってはいけないことなぜ
性格だけを書く(「真面目です」)行動でも成果でもない
学生時代の話を書く社会人経験があるなら、そちらを書く
数字を盛る面接で崩れる
応募先ごとに変えない「うちの仕事ができるか」が伝わらない
志望動機と同じ内容にする情報量が半分になる

最後の項目について補足します。

自己PRは「私は何ができるか」、志望動機は「なぜ御社か」です。役割が違います。自己PRの末尾を「この経験が貴社の◯◯業務で活きる」で締め、志望動機はその会社を選んだ理由(事業内容、扱う商材、働き方)から書き始めると、自然に分かれます。

9. よくある質問

在籍1年未満でも自己PRは書けますか?

書けます。1年でも12ヶ月分の実績があります。また、期間が短い場合は「早く戦力になった証拠」を示すほうが効きます。「入社2ヶ月で単独対応を任された」「4ヶ月目から新人指導を担当した」など、任された時期を書いてください。

数字が本当に1つもありません。

第6章の対処1を試してください。「減ったもの」で探すと、必ず見つかります。作業時間、ミスの件数、問い合わせの回数、確認の往復。正確な統計は不要で、「月4〜5回が1〜2回になった」程度で十分です。

派遣・アルバイト経験しかありません。

雇用形態に関わらず、自己PRの書き方は同じです。担当した業務、規模、変えたこと、結果。「アルバイトだったので」という前置きは不要です。責任範囲が狭かった場合は、その範囲内で工夫したことを書けば十分です。

自己PRは何文字くらい書けばいいですか?

履歴書の自己PR欄は200〜300字、職務経歴書は400〜600字が目安です。両方に同じ文をコピーするのは避けてください。履歴書は結論だけ、職務経歴書はその根拠、という役割分担にすると、2枚で1セットとして機能します。

「協調性があります」は使えますか?

単独では弱いです。協調性は前提条件として見られるためです。「他部署と調整して◯◯を実現した」のように、具体的な行動と結果に変換してください。

応募先ごとに書き換えるのが大変です。

1〜4文目(事実と結果)は使い回せます。書き換えるのは、最後の1文(応募先の業務との接続)だけです。これなら、1社あたり5分で対応できます。

第三者に見てもらったほうがいいですか?

見てもらってください。自分では気づけない部分が必ずあります。転職エージェントの書類添削が最も具体的です。登録しても、紹介された求人に応募する義務はありません。ジョブカフェやハローワークの窓口でも、無料で相談できます。

前職を批判する内容になってしまいます。

自己PRは「自分が何をしたか」を書く欄なので、会社の話を書く必要はありません。「前職は非効率だった」ではなく「◯◯の手順を変えて、時間を短縮した」と、自分の行動を主語にしてください。同じ事実でも、主語を変えるだけで印象が変わります。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

自己PRが書けないのは、強みがないからではありません。探す場所を「成果」から「変えたこと」に移せば、30分で見つかります。

今夜やること

① 第4章の質問1に答える(「前任者や周りの人と、やり方が違うことはありますか」

② 出てきたもののうち1つについて、変える前と後の数字を思い出す(正確でなくてよい)

③ 第5章の4文の型で、1本書いてみる(どこで何を→課題→変えたこと→結果)

①で何も出てこない場合は、質問2〜4も試してください。4つのうちどれかで、必ず素材が出てきます。「すごいこと」を探さないのがコツです。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。