第二新卒のキャリアを深掘りする。
応募書類

介護職の自己PR|第二新卒が対人経験を実績に変える例文6パターン【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
介護職の自己PR|第二新卒が対人経験を実績に変える例文6パターン【2026年版】

〜「利用者様に寄り添いました」は、全員が書きます〜

介護職の自己PRで最も多い書き方が、これです。

「利用者様一人ひとりに寄り添い、その方らしい生活を支援してまいりました」

この1文を、応募者のほぼ全員が書きます。

だから、差になりません。

介護の仕事で差が出るのは、次の3つです。

担当した利用者の人数と体制、記録・申し送りの精度、そして自分で変えた業務の仕組み。

そして、この3つは、介護業界内の転職でも、異業種への転職でも、同じように使えます。

介護の経験を異業種で活かす場合、「人に優しい」ではなく「多職種と連携して情報を正確に伝えた」という形に翻訳します。

この記事では、3要素の型と、業界内・異業種の両方の例文6パターンを用意します。

1. 結論:介護職の自己PRは3要素で決まる

要素内容
担当した規模と体制利用者数、職員体制、施設の種別入居者30名を4名体制で担当
記録・情報伝達の精度記録の量、申し送りの仕組み日々の記録を全員分作成、申し送り30分
自分で変えた仕組み手順・様式・記録方法の改善記録様式を見直し、申し送りを15分に短縮

③が、他の応募者との差になります。

介護の現場では、業務の改善提案が日常的に行われています。

ただ、それを「実績」として認識していない人が多くいます。

完成形の例

「特別養護老人ホームで、介護職として2年勤務してまいりました。入居者30名を、日勤4名・夜勤2名の体制で担当しております。

申し送りに1回30分かかっており、業務の圧迫要因になっていました。記録の様式を確認したところ、自由記述が中心で、読む側が要点を探す必要がある状態でした。

そこで、記録様式を「食事・排泄・睡眠・特記事項」の4項目に構造化する提案を行いました。導入後、申し送りに要する時間は1回15分に短縮しました。

2. なぜ定番の自己PRが落ちるのか

よくある書き方何が問題か
「利用者様に寄り添いました」全員が書く
「コミュニケーションを大切にしています」検証できない
「チームワークを意識しました」具体性がない
「体力には自信があります」実務能力の説明ではない
「笑顔で対応しました」前提条件

採用担当者(施設長、サービス提供責任者)が知りたいのは、次の3点です。

  1. どの種別の施設で、どのくらいの規模を担当していたか
  2. 記録と申し送りをどの水準でやっていたか
  3. 入職後、どのくらいで夜勤に入れるか

特に3が重要です。

夜勤に入れる人材かどうかは、シフトの組みやすさに直結します。

夜勤の経験がある場合、必ず書いてください。

3. 編集長の実体験:介護から異業種へ移った方の書類

私は介護の実務経験はありません。

ただ、介護職から一般企業への転職を考えている方の相談を受けたことがあります。

その方の自己PRは、こうでした。

「利用者様に寄り添い、ご家族とも信頼関係を築いてまいりました。人と接する仕事で培ったコミュニケーション能力を活かしたいです。」

私はこう聞きました。

「申し送りって、毎日されてましたか」

相談者「はい。朝と夕方に」

「何人分の情報を、何分で伝えるんですか」

相談者「30人分を、だいたい30分ですね。最初はもっとかかってたんですけど

「短くなったんですか」

相談者記録の書き方を変えたんです。前は文章で書いてて、読むのに時間かかってたので、項目に分けるようにして」

「それ、何分になったんですか」

相談者「15分くらいです」

それを書いてください。『コミュニケーション能力』じゃなくて」

相談者「でも、それって介護の話ですよね。一般企業で通じますか」

通じます。『30人分の情報を、複数の職種の人に、正確に、短時間で伝える仕組みを作った』という話です。これは、どの業界でも価値のある経験です

この方は、その後、事務職に転職しました。

ここで学んだのは、介護の経験を「優しさ」で語ると、どの業界でも弱くなるということです。

「多職種の間で、情報を正確に伝える」「限られた人数で、複数の対象を同時に見る」。

この形で語ると、業界を問わず通じます。

4. 数字の作り方

質問出てくる数字
何名の利用者を担当していましたか担当規模
何名体制でしたか(日勤・夜勤)職員体制
夜勤は月に何回でしたか夜勤の経験
申し送りは何分かかっていましたか情報伝達の実態
記録は1日に何件作成していましたか記録の量
施設の種別と定員は施設の性質

施設の種別は必ず書いてください。

種別業務の性質
特別養護老人ホーム要介護度が高い。身体介護が中心
介護老人保健施設在宅復帰が目的。リハビリ職との連携
グループホーム少人数。生活支援が中心
有料老人ホーム施設によって幅が大きい
デイサービス日中のみ。送迎あり
訪問介護単独で訪問。判断の場面が多い

種別が違うと、求められる経験が変わります。

応募先と同じ種別の経験がある場合は、必ず強調してください。

5. 異業種へ出る場合の翻訳

介護職から一般企業に移る場合、経験を翻訳する必要があります。

介護での経験翻訳後の表現使える職種
申し送り・記録多職種間で情報を正確に伝達事務、営業事務、カスタマーサポート
30名を4名体制で担当限られた人数で複数の対象を同時に管理事務、進行管理
家族への説明専門的な内容を、非専門家に説明営業、カスタマーサクセス
記録様式の改善業務の手順を設計し、時間を短縮企画、業務改善
急変時の対応優先順位を判断し、関係者に報告全職種
ケアプランの理解計画に沿って実行し、状況を記録事務、進行管理

左の列を、そのまま書かないでください。

右の列の表現に置き換えてから、具体的な内容を続けてください。

介護から一般企業への転職については、専用の記事にもまとめています。

6. 例文6パターン

例文①:特養 → 特養(同じ種別)

特別養護老人ホーム(定員80名)で、介護職として2年勤務してまいりました。ユニット型のフロアで入居者30名を、日勤4名・夜勤2名の体制で担当しております。夜勤は月4〜5回入っております。

申し送りに1回30分を要しており、業務を圧迫していました。記録が自由記述中心で、読む側が要点を探す必要があったためです。記録様式を「食事・排泄・睡眠・特記事項」の4項目に構造化する提案を行い、申し送りは1回15分に短縮しました。

今後も、記録と情報共有の精度を高めることで、現場の負担を下げる取り組みを続けたいと考えております。

例文②:デイサービス → 特養(種別の変更)

デイサービス(定員30名)で、介護職として2年勤務してまいりました。1日平均25名の利用者様を、職員5名体制で担当しております。送迎、入浴介助、レクリエーションの企画を担当しておりました。

レクリエーションへの参加率が5割程度で推移していたため、参加されない方に理由を伺い、内容を3ヶ月分記録しました。「内容が合わない」という理由が最も多かったため、身体を動かすものと、座って行うものを毎回両方用意する形に変更しました。参加率は約7割になりました。

入所施設は未経験ですが、夜勤を含む勤務にも対応する前提で考えております。

例文③:介護(1年未満)→ 介護

グループホーム(定員18名)で、介護職として10ヶ月勤務しております。入居者9名を、日勤2名・夜勤1名の体制で担当しております。

在籍期間は短いですが、入職6ヶ月から夜勤を単独で担当しております。

夜間の記録について、翌朝の申し送りで抜けが生じることがあったため、時系列で記入する様式に変更する提案を行いました。導入後、申し送り時の確認の手戻りが減りました。

より規模の大きい施設で、多様な状態の方への対応を経験したいと考えております。

例文④:介護 → 一般事務(異業種)

特別養護老人ホームで、介護職として2年勤務してまいりました。入居者30名について、日々の記録の作成と、朝夕2回の申し送りを担当しておりました。

申し送りは、看護師・機能訓練指導員・生活相談員を含む複数の職種に対して行うため、それぞれが必要とする情報が異なります。記録が自由記述中心で読み取りに時間がかかっていたため、「食事・排泄・睡眠・特記事項」の4項目に構造化する提案を行い、申し送りの所要時間を1回30分から15分に短縮しました。

複数の関係者に対して、必要な情報を過不足なく正確に伝える経験を、事務職としても活かせると考えております。

例文⑤:介護 → カスタマーサポート(異業種)

訪問介護のヘルパーとして、2年間、1日平均5件のご自宅を訪問し、月間で約20名の利用者様を担当しておりました。

訪問は単独のため、その場での判断が求められます。体調の変化や状況の相違があった際は、サービス提供責任者に報告し、必要に応じてケアマネジャーや看護師へ連携する判断を、その都度行っておりました。

ご家族への説明では、専門用語を使わずに状況を伝えることを徹底しておりました。

相手の状況を確認し、自分で判断できる範囲と確認が必要な範囲を分けて対応する経験を、カスタマーサポートの業務で活かしたいと考えております。

例文⑥:介護 → 介護事務・生活相談員

介護老人保健施設(定員100名)で、介護職として3年勤務し、直近1年は新入職者2名の教育を担当しております。

新入職者が単独で業務を担当できるまで、平均で4ヶ月を要していました。手順が個人によって異なっていたことが原因だったため、時間帯別の業務手順を一覧化し、教育用の資料として整備しました。結果として、期間は約2ヶ月に短縮しました。

今後は、現場の経験を踏まえたうえで、利用者様とご家族、多職種の間をつなぐ立場を目指したいと考えております。

7. 落ちる自己PRの型5つ

#なぜ落ちるか
「利用者様に寄り添いました」全員が書く
数字が1つも出てこない業務の規模が伝わらない
施設の種別を書かない経験の性質が判断できない
夜勤の経験に触れないシフトの判断ができない
異業種応募で「優しさ」を前面に出す業務能力の説明になっていない

④について補足

夜勤の可否は、採用の判断に直結します。

経験がある場合は、月何回入っていたかまで書いてください。

経験がない、または今後は入れない事情がある場合も、正直に書いてください。入職後に食い違うと、双方にとって問題になります。

8. 面接で追撃される3つの質問

Q1「夜勤は入れますか。月に何回まで可能ですか」

前職では月4〜5回入っておりました。同程度であれば対応可能です。

回数まで具体的に答えてください。

Q2「利用者様への対応で、困難だった場面を教えてください」

認知症の入居者様で、入浴を強く拒否される方がいらっしゃいました。

記録を確認したところ、拒否されるのは特定の時間帯に集中していることが分かりました。他の職員とも共有し、その時間帯を避けて声をかける形に変更したところ、拒否の頻度が下がりました。

個人の対応で解決しようとせず、記録から傾向を見て、チームで対応を変えることが有効だと学びました。

「根気強く声をかけました」で終わらせないでください。

「記録から傾向を見た」「チームで共有した」という要素を入れてください。

Q3「なぜ介護を離れるのですか」(異業種応募の場合)

「介護の仕事にやりがいは感じておりました。ただ、記録の様式を改善した経験から、現場の業務そのものより、業務の仕組みを設計する側に関心が移りました。

介護の現場でその立場に進む道もありますが、より幅広い業務の設計を経験したいと考え、事務職を志望しております。

介護の仕事を否定しないでください。

「きつかったから」を理由にすると、次も同じ理由で辞めると判断されます。

9. よくある質問

介護から一般企業に転職できますか?

できます。ただし、経験を翻訳する必要があります。「優しさ」ではなく「多職種間の情報伝達」「限られた人数での同時管理」という形で書いてください。

資格がないと不利ですか?

介護業界内の転職では、介護職員初任者研修または介護福祉士があると有利です。実務者研修、介護福祉士と段階が上がるほど評価されます。異業種への転職では、資格の有無は大きく影響しません。

夜勤ができないと採用されませんか?

入所施設では不利になります。ただし、デイサービスや訪問介護など、夜勤のない職場もあります。夜勤ができない事情がある場合は、日勤のみの求人に絞ってください。

在籍1年未満でも転職できますか?

できます。介護業界は人材需要が高く、短期の在籍でも応募可能な求人があります。ただし、退職理由の説明は求められます。

「利用者様に寄り添う」と書いてはいけませんか?

書いても構いませんが、それだけでは差になりません。全員が書く内容です。数字と、自分で変えた仕組みを必ず添えてください。

異業種の面接で、介護の話は通じますか?

翻訳すれば通じます。申し送り、記録、多職種連携、優先順位の判断。これらは、どの業界でも価値のある経験です。介護の専門用語を使わずに説明してください。

体力的にきついので辞めたい、と書いてもいいですか?

書かないでください。次も同じ理由で辞めると判断されます。「業務の仕組みを設計する側に関心が移った」など、前向きな理由に置き換えてください。

施設の種別が変わると、経験は評価されませんか?

評価されます。ただし、種別による違いは理解していることを示してください。「入所施設は未経験ですが、夜勤を含む勤務にも対応する前提で考えております」といった一文を添えてください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

介護職の自己PRで、「利用者様に寄り添いました」は差になりません。

差になるのは、担当した規模、記録・申し送りの精度、そして自分で変えた仕組みです。

今夜やること

担当した利用者数、職員体制、夜勤の月間回数を書き出す

施設の種別と定員を書く

「記録・申し送り・手順」について、自分で変えたことを1つ書き出す

目安時間:合計30分

③が最も重要です。

「当たり前だと思っていた」ことが、たいてい最も強い材料になります。

そして、異業種へ応募する場合は、それを「多職種の間で情報を正確に伝える仕組みを作った」という表現に置き換えてください。

この形なら、どの業界でも通じます。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。