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介護職の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と実態を知っている答え方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
介護職の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と実態を知っている答え方【2026年版】

〜介護の面接官が最も知りたいのは、「実態を分かったうえで来ているか」です〜

介護職の面接は、他の職種と目的が少し違います。

多くの職種では「この人は活躍できるか」を測りますが、介護の面接では「この人は続けられるか」が中心になります。

理由は明確です。介護業界の課題として早期離職が挙げられており、その多くが「思っていた仕事と違った」というギャップに由来するためです。

だから面接官は、次の3点を確認します。

身体介護があることを分かっているか。記録の量を知っているか。夜勤があることを理解しているか。

そして、この3点を最も説得力を持って示せるのが、「施設を見学しました」という一言です。

この記事では、段階別の想定問答12と、見学を含む準備を整理します。

1. 結論:介護の面接は3つの軸で採点されている

軸①:実態を知っているか

最も重視される点です。身体介護、記録、夜勤、家族対応。これらに触れずに「人の役に立ちたい」とだけ答える応募者は、早期離職のリスクが高いと判断されます。

軸②:チームで動けるか

介護は、シフト制で複数人が交代しながら同じ利用者に関わる仕事です。申し送り、記録の共有、判断の相談。一人で抱え込まない姿勢が問われます。

軸③:長く続ける意思があるか

資格取得の計画、3年後の展望。「まずやってみます」ではなく、続ける前提の答えが求められます。

2. 一次面接(施設長・採用担当)で聞かれる5問

2-1. Q1「自己紹介をお願いします」

1分。介護に関心を持った具体的なきっかけを入れてください。

回答例

「◯◯と申します。前職ではドラッグストアで2年半、レジ・接客・化粧品カウンターを担当しておりました。1日平均150名の会計対応を行っています。店舗の立地上、高齢のお客様が多く、商品の場所を探されている方や薬の飲み合わせを心配されている方に、よく声をかけていました。ある常連の方から『あなたに聞くと安心する』と言っていただいたことがあり、その後もご来店のたびにお話しするようになりました。生活に近い場所で継続的に関わる仕事に移りたいと考え、介護職を志望しております。」

2-2. Q2「なぜ介護職を志望するのですか」

「人の役に立ちたい」だけでは不十分です。

回答例

「前職で高齢のお客様と接する機会が多く、生活の困りごとを相談されることがありました。ただ、店舗という場では、その場限りの対応しかできませんでした。

生活そのものに継続的に関わる仕事に移りたいと考え、介護職を志望しています。あわせて、応募にあたり貴施設を見学させていただき、食事・入浴・排泄の介助が業務の中心であること、記録の作成に相応の時間を要することを確認したうえで応募しております。」

最後の一文が、この職種の面接で最も効きます。

2-3. Q3「身体介護があることは理解していますか」

未経験者には必ず来ます。

回答例

「理解しております。見学の際に、入浴介助と移乗の場面を拝見しました。身体的な負担があることは認識しております。

前職も立ち仕事でしたが、介助は身体の使い方が異なると伺っているため、腰に負担のかからない介助の方法を、早い段階で身につけたいと考えています。無理な姿勢で行うと自分も利用者の方も危険だと理解しております。」

「体力には自信があります」だけでは不十分です。介助は力任せに行うものではないため、技術として学ぶ姿勢を示してください。

2-4. Q4「夜勤は大丈夫ですか」

入所施設では必須の質問です。

回答例

「月に4〜5回と伺っております。夜勤の体制についても、2名体制で入られると確認しております。

前職でも早番・遅番のシフト制で、勤務時間が不規則な環境で働いておりました。生活リズムの調整については対応できると考えています。」

回数と体制を確認していることを示すと、実態を調べてきたことが伝わります。

2-5. Q5「なぜ当施設ですか」

回答例

「見学の際に、職員の方が利用者の方の名前を呼んで話しかけられている様子を拝見しました。日常的に関係が作られている環境だと感じました。

また、貴施設は特別養護老人ホームとして長期入所の方を受け入れられており、状態の変化に長い時間軸で関わることができます。その点が、私が関心を持っている部分と一致しております。」

見学時に見たことを1つ入れてください。これができる応募者は多くありません。

3. 二次面接(現場責任者・主任)で聞かれる4問

3-1. Q6「利用者の方から強い言葉を受けたら、どう対応しますか」

介護の面接で最頻出の質問です。

回答例

「その方の状態や、そのときの体調・環境に理由があることが多いと伺っています。まず、その場では距離を取って安全を確保したうえで、原因になりそうなことがなかったかを確認します。

そのうえで、一人で抱え込まず、状況を記録して他の職員の方と共有します。同じ場面が繰り返されるなら、対応の方法をチームで検討する必要があると考えています。」

「我慢します」「気にしません」は避けてください。一人で抱え込む姿勢は、この職種では危険だと判断されます。

3-2. Q7「記録は業務の大きな部分を占めますが、大丈夫ですか」

回答例

「1日の3分の1程度が記録に充てられると伺っております。食事、排泄、体調、会話の内容を残す必要があると理解しています。

前職でも、日次の売上記録と在庫の記録を毎日行っておりました。記録そのものに抵抗はありません。

また、記録は次の勤務者への申し送りでもあると理解しています。自分が読む前提ではなく、他の人が読んで判断できる形で書くことを意識したいと考えています。」

最後の一文があると、記録の目的を理解していることが伝わります。

3-3. Q8「他の職員と意見が合わないときは、どうしますか」

回答例

「まず、なぜそう考えているかを伺います。経験のある方の判断には、私が把握していない背景があると考えられるためです。

そのうえで、私が気になっている点を事実として伝えます。『こう思う』ではなく『こういう場面がありました』という形です。

介護はチームで同じ利用者の方に関わるため、対応がばらつくと利用者の方が混乱します。最終的には、チームとして統一した対応を決めることが優先だと考えています。」

3-4. Q9「利用者の方の状態が急に変わったら、どうしますか」

回答例

「まず、命に関わる状態かどうかを確認します。意識、呼吸、顔色。ここで異常があれば、自分で判断せず、すぐに看護職員と責任者に報告します。

自己判断で処置をすることはしません。資格の範囲を超える行為になるためです。

命に関わる状態でない場合も、いつもと違う様子があれば記録し、申し送りで共有します。小さな変化の積み重ねが、後で意味を持つことがあると伺っています。」

「自己判断しない」という線引きが、この職種では重要です。

4. 最終確認で聞かれる3問

4-1. Q10「3年後、どうなっていたいですか」

回答例

「まず1年で、日常の介助を一人で確実に行える状態を目指します。3年後には、介護福祉士の受験資格を得て、資格を取得したいと考えています。

あわせて、新しく入られた方に手順を伝えられる立場になりたいと考えています。前職でも新人の教育を担当しており、教えることで自分の理解も整理されると感じておりました。」

資格取得の計画を入れてください。長く続ける意思の証明になります。

4-2. Q11「体力面で不安はありませんか」

回答例

「見学の際に、実際の介助の様子を拝見しました。体力が必要な場面があることは理解しております。

一方で、介助は身体の使い方によって負担が大きく変わると伺っており、まず正しい方法を身につけることを優先したいと考えています。また、貴施設では移乗用のリフトを導入されていると伺っており、機器を適切に使うことも重要だと理解しております。」

4-3. Q12「他の施設も受けていますか」

正直に、施設数と段階を答えてください。介護業界では、複数の施設を見学・応募することは一般的です。

5. 面接前の準備(見学を含む)

準備時期内容
施設の見学応募前最も重要。電話やメールで申し込む
施設形態の確認応募前特養/老健/有料/グループホーム/デイ/訪問
夜勤の回数と体制の確認見学時月何回か、何名体制か
資格取得の支援制度の確認見学時費用補助があるか
志望動機の整理前日きっかけ+実態の理解+施設を選んだ理由

見学の申し込み方

「求人を拝見し、応募を検討しております◯◯と申します。

応募の前に、実際の業務の様子を拝見させていただくことは可能でしょうか。介護職は未経験のため、業務の実態を理解したうえで応募したいと考えております。

ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。」

多くの施設が受け入れています。断られることもありますが、申し込むこと自体がマイナスになることはありません。

見学で見るべき5点

  1. 職員の方が、利用者の方にどう話しかけているか
  2. 身体介護の実際(入浴・移乗の場面)
  3. 記録の量と、記録に使っている時間
  4. 職員同士の申し送りの様子
  5. 介助用の機器(リフトなど)の導入状況

6. 落ちる回答の型5つ

具体例なぜ落ちるか
理想だけ型「お年寄りと話すのが好き」身体介護・記録・夜勤に触れていない
「役に立ちたい」型それだけで終わる全職種に言える。介護である理由がない
逃避型「前職が辛かったので」介護も楽な仕事ではない
一人で抱える型「我慢して対応します」チームで動く職種。危険な姿勢
自己判断型「自分で対応します」資格の範囲を超える行為につながる

1番目が最も多く、最も重要な失敗です。

面接官が最も恐れているのは、理想だけで入って3ヶ月で辞められることです。身体介護、記録、夜勤——この3つに触れたうえで応募していると示せると、それだけで評価が変わります。

7. 未経験でも使える「介護に近い経験」

前職の経験介護業務への翻訳
接客・販売利用者・家族とのコミュニケーション
クレーム対応家族からの相談・要望への対応
シフト作成・チーム運営申し送り、勤務調整
事務・記録業務介護記録の作成
体を動かす仕事身体介護への適応
高齢の顧客への対応利用者の状態に応じた対応
医療事務・病院勤務医療職との連携
保育・教育生活支援、個別の状態への対応

特に、接客・販売の経験は評価されます。介護はサービス業の側面が強く、利用者本人だけでなく家族との関係構築が業務の重要な部分を占めるためです。

8. 面接の場での振る舞いで見られていること

項目見られている点
見学の有無実態を確認しに来たか
一人で抱えないか「共有します」「相談します」と言えるか
自己判断の線引き資格の範囲を理解しているか
続ける意思資格取得の計画があるか
話し方落ち着いて、聞き取りやすいか

「話し方」は、この職種で実務に直結します。

高齢の利用者の方に伝わる話し方ができるかが、面接での話し方から推測されます。早口にならず、はっきりと話すことを意識してください。

9. よくある質問

見学は必ず行くべきですか?

強く勧めます。「見学に伺い、身体介護と記録の実際を確認したうえで応募しております」——この一文があるかないかで、面接官の受け止め方がまったく変わります。業界が最も恐れているのは、理想だけで入って早期に辞めることだからです。

未経験・無資格でも採用されますか?

されます。多くの施設が未経験・無資格からの採用を行っており、入社後に資格取得を支援する制度を持つ事業所も多くあります。ただし、訪問介護は初任者研修が実質的な条件になっている場合があります。

体力に自信がありません。

正直に伝えて構いません。そのうえで、「介助は身体の使い方で負担が変わると理解しており、正しい方法を早く身につけたい」と続けてください。また、移乗用リフトなどの機器の導入状況を確認しておくと、実務のイメージが持てます。

夜勤を避けたい場合は?

デイサービス(通所)と訪問介護なら、基本的に夜勤はありません。ただし、夜勤手当がないため収入は入所施設より低くなる傾向があります。また、デイサービスは送迎業務があるため、運転免許が必要な場合が多いです。

資格は面接前に取っておくべきですか?

介護職員初任者研修があると、志望度の証明として効きます。ただし、多くの施設が入社後の取得を支援しているため、必須ではありません。「入職後に取得を目指しています」と伝えられれば十分です。

前職と全く関係ない業界ですが、大丈夫ですか?

問題ありません。介護業界は異業種からの転職者が多い領域です。接客・販売・飲食・事務の経験は、それぞれ介護業務に翻訳できます。第7章の表を参考にしてください。

「向いていないかも」と思ったらどうすればいいですか?

見学の段階でそう感じたなら、応募を見送るのも判断です。入職後に気づくより、はるかに損失が小さくなります。見学は、施設を見る場であると同時に、自分の適性を確認する場でもあります。

逆質問は何を聞けばいいですか?

体制と育成について聞いてください。「夜勤は何名体制でしょうか」「未経験で入職された方は、何ヶ月で一人で介助を担当されますか」「資格取得の支援制度はありますか」。2番目の質問は、育成の体制が分かります。

10. まとめ:前にやる3つのこと

介護の面接は、「実態を分かったうえで来ているか」で判断されます。そして、それを示す最も確実な方法が見学です。

面接前にやること

応募先の施設に見学を申し込む(応募前でも受け入れている施設がほとんどです)

② 見学時に夜勤の回数と体制、記録に使う時間を確認する

③ 志望動機を「きっかけ+実態の理解+この施設を選んだ理由」の3段で整理する

①が、この職種の選考で最も効きます。「見学に伺いました」の一言で、面接官の警戒が解けます。そして、見学で見たことを1つ具体的に話せると、その施設を選んだ理由にも説得力が出ます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。