職務要約の書き方|第二新卒が最初の3行で読ませる型と例文8パターン【2026年版】
〜採用担当者が最初に読む3行で、残りが読まれるかどうかが決まります〜
職務経歴書の冒頭に置く「職務要約」は、書類の中で最も読まれる部分です。
そして、第二新卒が最も雑に書いている部分でもあります。
「新卒で株式会社◯◯に入社し、営業職として勤務しております。」
この1行で終わっている職務経歴書を、私は何度も見てきました。
採用担当者は、1通の書類に2〜4分しかかけられません。その最初の10秒で読むのが、この職務要約です。
ここで「読む価値がある」と判断されなければ、その下に書いた業務内容も実績も、流し読みで終わります。
逆に言えば、3行を書き直すだけで、書類の通過率は変わります。
この記事では、3行に入れるべき4要素と、職種別の例文8パターンを用意します。
1. 結論:3行、4要素
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| ① 期間と職種 | 何年、何をしてきたか | 広告代理店にて法人営業を1年半 |
| ② 担当した規模 | 件数・金額・人数のどれか | 飲食・宿泊業界40社、年間予算3,000万円 |
| ③ 実績(数字) | 変化を示す数字 | 受注率を18%から27%に改善 |
| ④ 強み・方向 | 何ができるか、どこへ行きたいか | 継続的な顧客対応と提案の設計 |
この4つを3行に収めます。
完成形の例
【職務要約】
広告代理店にて、法人営業を1年半担当してまいりました。飲食・宿泊業界の40社を担当し、年間予算3,000万円を管理しております。訪問の優先順位を自身で設計し、受注率を18%から27%へ改善いたしました。今後は、継続的に顧客へ関わり、導入後の課題まで担当できる営業を志望しております。
4行、約150字です。
この密度で書けば、採用担当者は「この人の詳細を読もう」と判断します。
比較のため、よくある書き方を並べます。
よくある書き方
新卒で株式会社◯◯に入社し、広告代理店の営業職として勤務しております。日々、お客様のご要望に真摯に向き合い、成果を上げられるよう努めております。
この2行から、採用担当者が得られる情報はゼロです。
2. 職務要約が読まれる理由
採用担当者の読み方を、時間で分解します。
| 順番 | 読むところ | かける時間 |
|---|---|---|
| 1 | 職務要約 | 10〜15秒 |
| 2 | 職務経歴(会社名・期間) | 10秒 |
| 3 | 業務内容の詳細 | 要約次第 |
| 4 | 自己PR・志望動機 | 要約次第 |
3と4を読むかどうかが、1で決まります。
そして、この構造は書類の枚数が多いほど強くなります。
| 応募者数 | 1通あたりの時間 | 職務要約の重要度 |
|---|---|---|
| 5名 | 10分 | 中 |
| 30名 | 2〜4分 | 高い |
| 100名 | 1分 | ほぼ職務要約で決まる |
人気企業や未経験可の求人ほど、応募者が多くなります。
つまり、第二新卒が受ける求人ほど、職務要約の比重が高いということです。
3. 編集長の実体験:要約を書き直して、通過率が変わった
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、最初の5社で書類が2社しか通りませんでした。
通過率40%。悪い数字ではありませんが、内訳を見ると偏りがありました。
エージェントの担当者に、職務経歴書を見てもらいました。
担当者「業務内容の部分、よく書けてます。数字も入ってるし」
私「じゃあ、なんで落ちるんでしょう」
担当者「この職務要約、読まれてないと思います」
私「読まれてない?」
担当者「『新卒で入社し、広告営業として勤務しております』しか書いてないんですよ。これだと、下を読む理由がない」
私「下に全部書いてあるので、要約は短くしたんですが」
担当者「逆です。採用の人は、要約を読んで『下を読むか決める』んです。要約が薄いと、下が読まれない」
私「……何を書けばいいですか」
担当者「下に書いてある一番いい数字を、上に持ってきてください。受注率18%→27%、これを要約に入れる。これだけで変わります」
言われたとおり、要約を書き直しました。
やったことは、下に書いてあった数字を上にコピーしただけです。新しい情報は、1つも足していません。
その後の5社の結果は、4社通過でした。
もちろん、応募先の違いもあるので、要約だけが理由とは言えません。
ただ、担当者の指摘の構造は、今も正しいと思っています。
「下に書いてあるから、上には書かない」は、読み手の行動を考えていない書き方です。
下は、読まれるとは限らないのです。
4. 4要素の書き方
① 期間と職種
| 弱い | 強い |
|---|---|
| 営業職として勤務 | 広告代理店にて法人営業を1年半 |
| 事務職に従事 | 製造業の営業事務を2年 |
| ITの仕事 | SaaS企業のカスタマーサポートを1年3ヶ月 |
「業種+職種+期間」の3点セットで書いてください。
期間は、1年未満でも書きます。「10ヶ月」と正確に書く方が、ぼかすより信頼されます。
② 担当した規模
次のどれか1つを入れてください。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 件数 | 担当40社、月平均80件の処理 |
| 金額 | 年間予算3,000万円、月間売上400万円 |
| 人数 | 15名のチーム、来店客数1日100名 |
| 範囲 | 関西エリア2府4県、3部門を横断 |
規模が分かると、業務の重さが伝わります。
「営業をしていました」だけでは、5社担当なのか100社担当なのか分かりません。
③ 実績(数字)
変化を示す数字が最も強いです。
| 型 | 例 |
|---|---|
| 変化 | 受注率18%→27%、ミス月5件→1件 |
| 達成 | 目標達成率112%、四半期MVP |
| 順位 | 部内12名中3位 |
| 短縮 | 処理時間を1件30分→15分 |
実績がない、と感じる場合の探し方は次のとおりです。
| 質問 | 見つかるもの |
|---|---|
| 前任者と比べて、何が変わりましたか | 変化の数字 |
| 自分が入る前と後で、違うことは何ですか | 改善の実績 |
| 人から感謝された場面はいつですか | 貢献の内容 |
| ミスや手戻りを減らした経験はありますか | 効率化の数字 |
「売上を伸ばした」だけが実績ではありません。
ミスを減らした、時間を短縮した、手順を作った。これらも実績です。
④ 強み・方向
最後の1文で、応募先につなげます。
| 型 | 例 |
|---|---|
| できること | 継続的な顧客対応と提案の設計 |
| 志向 | 導入後の運用まで担当できる営業を志望 |
| 強み | 業務の手順を整理し、仕組み化すること |
ここで、応募先の職種と接続させてください。
営業に応募するなら営業の言葉、企画に応募するなら企画の言葉で締めます。
5. 職種別の例文8パターン
① 法人営業(1年半)
広告代理店にて、法人営業を1年半担当してまいりました。飲食・宿泊業界の40社を担当し、年間予算3,000万円を管理しております。訪問の優先順位を自身で設計し、受注率を18%から27%へ改善いたしました。今後は、継続的に顧客へ関わる営業を志望しております。
② 営業事務(2年)
製造業にて、営業事務を2年担当してまいりました。受発注処理を1日平均40件、月次の請求書を約200件処理しております。受注ミスが月5件発生していた状況に対し、確認項目のチェックリストを作成・提案し、月1件以下へ削減いたしました。今後は、業務改善に関わる範囲を広げたいと考えております。
③ 販売職(2年3ヶ月)
アパレル販売職として、2年3ヶ月勤務してまいりました。店舗の月間売上800万円のうち、個人売上で月120万円を担当しております。顧客カルテの運用方法を見直し、リピート率を32%から41%へ向上させました。今後は、個人の接客に加え、店舗全体の数字を設計する立場を志望しております。
④ カスタマーサポート(1年3ヶ月)
SaaS企業にて、カスタマーサポートを1年3ヶ月担当してまいりました。1日平均30件の問い合わせに対応し、チャットとメールの両方を担当しております。よくある質問を分析してFAQを整備し、同種の問い合わせを月80件から45件へ削減いたしました。今後は、顧客の課題を先回りして解決する立場を志望しております。
⑤ 経理(1年10ヶ月)
卸売業にて、経理を1年10ヶ月担当してまいりました。月次決算の補助、売掛金・買掛金の管理、月間約300件の仕訳入力を担当しております。月次決算の締めに5営業日を要していた状況に対し、前処理の手順を整理し、3営業日へ短縮いたしました。今後は、決算業務全体に関わる範囲を広げたいと考えております。
⑥ ITヘルプデスク(1年)
従業員500名規模の企業にて、社内ヘルプデスクを1年担当してまいりました。PC・アカウント・ネットワークに関する問い合わせを1日平均20件対応しております。頻出する手順をマニュアル化し、社内ポータルへ公開したことで、同種の問い合わせを約3割削減いたしました。今後は、インフラの構築・運用側へ領域を広げたいと考えております。
⑦ 介護職(2年)
特別養護老人ホームにて、介護職として2年勤務してまいりました。入居者30名を4名体制で担当し、日常生活の介助と記録業務を担当しております。記録の様式を見直し、申し送りに要する時間を1回30分から15分へ短縮いたしました。今後は、これまでの対人対応の経験を、一般企業の顧客対応職で活かしたいと考えております。
⑧ 経験10ヶ月(在籍1年未満)
人材サービス企業にて、法人営業を10ヶ月担当してまいりました。中小企業を中心に約25社を担当し、新規開拓と既存顧客のフォローの両方を経験しております。訪問記録の管理方法を自身で整理し、月間の訪問件数を35件から48件へ増やしました。短い期間ではありますが、自ら手順を設計して改善する姿勢を身につけております。
⑧のように、在籍が1年未満でも書き方は同じです。
期間の短さを隠さず、その中で何をしたかを数字で示してください。
6. やってはいけない5つの書き方
| # | やってはいけないこと | なぜダメか |
|---|---|---|
| ① | 1〜2行で終わらせる | 下が読まれない |
| ② | 数字を1つも入れない | 規模も実績も伝わらない |
| ③ | 「真摯に」「誠実に」などの姿勢だけ書く | 情報量がゼロ |
| ④ | 業務内容を全部書く | 要約になっていない |
| ⑤ | 応募先と関係ない経験を厚く書く | 判断材料にならない |
③について
「お客様のご要望に真摯に向き合い」といった表現は、誰でも書けます。
採用担当者は、この表現から何も判断できません。
「真摯に向き合った」ことを示すのは、姿勢の言葉ではなく、行動と数字です。
| 姿勢の言葉 | 行動と数字 |
|---|---|
| お客様に真摯に向き合いました | 月2回の定期訪問を全40社で継続し、解約率を8%から3%に下げました |
| 責任感を持って業務にあたりました | 担当外の案件も引き受け、繁忙期には月60件を処理しました |
④について
職務要約は、詳細を書く場所ではありません。
150〜200字が上限です。
それを超える場合は、詳細な業務内容の欄に移してください。
7. 経験が短い・複数社ある場合
在籍が1年未満の場合
期間を書かない、という選択はしないでください。
書かないと、かえって不信感を与えます。
書き方の例
「人材サービス企業にて、法人営業を10ヶ月担当してまいりました。短い期間ではありますが、約25社を担当し、訪問件数を月35件から48件へ増やしました。」
「短い期間ではありますが」と自分から言うことで、正直さが伝わります。
複数社の経験がある場合
全社を同じ密度で書かないでください。
| 会社 | 職務要約での扱い |
|---|---|
| 応募先に最も近い経験 | 詳しく書く |
| その他 | 社名を出さず、期間と職種のみ |
書き方の例
「新卒で入社した1社目で法人営業を1年、現職では2年目より営業企画を1年半担当しております。営業企画では、月次の数字の集計と、施策の効果検証を担当し……」
直近の経験を厚く書くのが原則です。
空白期間がある場合
職務要約には書かず、職歴欄で説明してください。
要約は、あくまで職務の要約です。
空白期間の説明については、専用の記事にまとめています。
8. 書く手順(20分)
次の手順で書いてください。
| # | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | 職務経歴書の詳細欄から、最も良い数字を1つ選ぶ | 3分 |
| 2 | 担当規模を1つ書き出す(件数・金額・人数) | 3分 |
| 3 | 4要素を箇条書きで並べる | 5分 |
| 4 | 3〜4行の文章にする | 7分 |
| 5 | 150〜200字に収まっているか確認 | 2分 |
1が最も重要です。
すでに書いてある詳細の中から、一番良い数字を上に持ってくるだけで、要約は成立します。
新しい情報を作る必要はありません。
確認のチェックリスト
| # | 確認項目 |
|---|---|
| 1 | 数字が2つ以上入っているか |
| 2 | 業種・職種・期間が書かれているか |
| 3 | 最後の1文が、応募先の職種につながっているか |
| 4 | 150〜200字に収まっているか |
| 5 | 「真摯に」「誠実に」などの姿勢の言葉だけになっていないか |
9. よくある質問
職務要約は、何文字が適切ですか?
150〜200字(3〜4行)が目安です。100字を切ると情報が足りず、250字を超えると要約になりません。詳細は、業務内容の欄で書いてください。
職務要約と自己PRは、何が違いますか?
職務要約は「何をしてきたか」の事実、自己PRは「何ができるか」の主張です。要約は経歴の圧縮、自己PRは強みの説明になります。内容が重複しても構いませんが、要約の方が事実寄りに書いてください。
実績になる数字がまったくありません。
売上以外を探してください。処理件数、担当社数、対応人数、ミスの削減、時間の短縮。「前と比べて何が変わったか」を思い出すと、必ず1つは見つかります。
職務要約に、転職理由を書いてもいいですか?
書かないでください。転職理由は、志望動機か職歴欄の備考に書きます。要約の最後の1文は、「今後何をしたいか」で締めてください。
未経験の職種に応募する場合、要約はどう書きますか?
現職の経験のうち、応募先の職種に近い部分を厚く書いてください。営業からマーケティングなら「数字の分析」、事務から経理なら「数字の正確な処理」。最後の1文で、志望する職種につなげます。
アルバイトの経験も書いていいですか?
正社員の経験がある場合は、正社員の経験だけを書いてください。正社員経験がない、または期間が極端に短い場合は、アルバイトの経験を書いても構いません。その場合、期間と業務内容を明記してください。
職務要約は、応募先ごとに書き分けるべきですか?
最後の1文だけ書き分けてください。前半(経歴と実績)は共通で構いません。「今後は◯◯を志望しております」の部分を、応募先の職種に合わせます。
職務要約という見出しは必要ですか?
必要です。「【職務要約】」という見出しをつけて、書類の冒頭に置いてください。見出しがないと、採用担当者がどこから読むべきか分からなくなります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
職務要約は、採用担当者が最初に読む10〜15秒です。
ここで「読む価値がある」と判断されなければ、その下の詳細は流し読みで終わります。
そして、書き直すのに新しい情報は必要ありません。下に書いてある数字を、上に持ってくるだけです。
今夜やること
① 職務経歴書の詳細欄から、一番良い数字を1つ選ぶ
② 担当規模(件数・金額・人数)を1つ書き出す
③ 4要素を3〜4行、150〜200字にまとめる
目安時間:合計20分
書けたら、数字が2つ以上入っているかを確認してください。
1つも入っていなければ、書き直しです。
私は、下に書いてある数字を上にコピーしただけで、要約が成立しました。作業としては、それだけです。
この先、読むべき記事
- 職務経歴書のフォーマット|第二新卒が選ぶべき型と使い分け(書類全体の型)
- 第二新卒の職務経歴書テンプレ|書類通過率を上げる10の改善ポイント(テンプレートと改善点)
- 自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問(自己PRの素材)
- 志望動機が書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す5つの質問(志望動機の素材)
- 空白期間の説明の仕方|第二新卒が何ヶ月から気にすべきかと答え方(空白期間の扱い)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。