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志望動機と自己PRの書き分け|役割が違う2つの欄【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
志望動機と自己PRの書き分け|役割が違う2つの欄【2026年版】

志望動機と自己PRを書いていて、同じような内容になってしまう。この状態は非常に多く見られます。

原因ははっきりしています。2つの欄がそれぞれ何に答える欄なのかが整理されていないためです。整理すると、書く内容は自然に分かれます。

この記事では、2つの欄が答えている問いを明確にして、書き分けの型と例文を並べます。

1. 結論:答えている問いが違う

志望動機が答えている問い:なぜこの会社なのか。他社ではなくこの会社を選ぶ理由です。主語は会社側にあります。

自己PRが答えている問い:なぜあなたなのか。他の候補者ではなくあなたを採る理由です。主語は自分側にあります。

この違いを一言で言うと

問い主語
志望動機なぜこの会社か会社
自己PRなぜあなたか自分

同じ内容になってしまう人は、両方を「自分」の話にしています。

「私は〇〇の経験があり、それを活かしたいと考えています」は自己PRです。志望動機の欄にこれを書くと、会社を選んだ理由が抜けます。

2. 書く材料が違う

使う材料
志望動機求人票、採用ページ、事業内容、業界の動き
自己PR自分の経歴、数字、自分で動いた経験

志望動機を書くには、応募先を調べる必要があります。自分の中から出てくるものではありません。

逆に、自己PRを書くのに応募先の情報はほぼ要りません。自分の経歴から作ります。

だから、作る順番も違います。

自己PRは先に1つ作って、応募先ごとに後半だけ調整する。 志望動機は応募先ごとに調べてから書く。

この順で作ると、20社に応募しても時間が破綻しません。

3. 編集長の実体験:3社分が入れ替え可能だった

自分が転職活動をしていたとき、書いた志望動機を並べて見たことがあります。

私「A社、B社、C社の志望動機です」

担当者「これ、会社名を入れ替えても成立しますね」

私「……そうですね」

担当者「何が書いてあるかというと、木戸さんが何をしたいかです。会社の話が1行もない」

3社とも「自分がやりたいこと」しか書いていませんでした。

書き直したのは、各社について1つずつ、その会社にしか当てはまらない事実を入れることでした。

  • A社:求人票の募集背景に「法人顧客が直近1年で2倍」と書かれていた
  • B社:採用ページのインタビューに「担当あたりの顧客数が増えている」とあった
  • C社:直近のニュースリリースで新しい領域への参入を発表していた

それぞれに、その会社の事実を1つ入れて、そこに自分の経験をつなげた。

入れ替え可能でなくなった時点で、志望動機として成立します。

4. 志望動機の型

3つの要素で組みます。

要素内容
1. 応募先の事実求人票・採用ページから1つ
2. そこから読み取った状況その事実が何を意味するか
3. 自分がそこで何をするか自分の経験とのつながり

例文

「求人票の募集背景に、法人顧客がこの1年で2倍になったと記載がありました(1)。顧客が増える局面では、獲得と並行して、増えた顧客をどう管理するかが課題になる時期だと考えています(2)。前職では、担当が40社に増えた際に案件管理の形式を統一し、チーム4名で運用した経験があります。獲得と管理の両方に関われる点に魅力を感じ、志望しました(3)。」

1つめの「応募先の事実」がないと、入れ替え可能な志望動機になります。

事実を探す場所

場所出てくる事実
求人票の募集背景増員か欠員補充か、今の課題
求人票の仕事内容入社後に任される範囲
採用ページのインタビュー現場が何に困っているか
ニュースリリース直近で力を入れている領域
サービス紹介の資料商材の特徴

1行目が最も探しやすく、最も使えます。

5. 自己PRの型

4つの要素で組みます。

要素内容
1. 状況どういう状態だったか
2. 課題なぜそれが問題だったか
3. 行動何をしたか
4. 結果どうなったか(数字)

例文

「前職で前任者から40社を引き継いだ際、商談の経緯が個人のメモにしか残っていない状態でした(1)。担当が変わるたびに顧客へ同じことを聞き直す形になっており、信頼を損なう場面もありました(2)。案件ごとに記録する項目を6つ決めて共有の場所に置き、週次のミーティングでその画面を見ながら進捗を確認する運用に変えました(3)。引き継ぎ時の確認作業は1件20分から5分に短縮し、私の退職時点でチーム4名全員が入力する状態になっています(4)。」

この4要素があれば、自己PRとして成立します。

応募先ごとに変えるのは、末尾の1〜2文だけです。

「貴社では法人顧客が拡大する局面と伺っており、この経験が使えると考えています。」

本体(1〜4)は共通で使えます。

6. 同じ話を2回書かないために

ありがちな重複

重複のパターン直し方
両方に同じエピソードを書く自己PRに残し、志望動機は会社の話にする
両方に「やりたいこと」を書く志望動機に残し、自己PRは実績にする
両方に会社の魅力を書く志望動機に残し、自己PRは自分の話にする

チェックの方法

書き終えたら、次の2つを確認します。

チェック1、志望動機に応募先の固有名詞・事実が入っているか。入っていなければ、入れ替え可能な文章です。

チェック2、自己PRに数字が入っているか。入っていなければ、裏付けのない主張です。

この2つを満たせば、重複していません。

それでも重なる場合

エピソードが1つしかない可能性があります。キャリアの棚卸しに戻って、材料を増やしてください。自己PRに使えるエピソードは、2〜3個あると書き分けやすくなります。

履歴書の志望動機欄との使い分け

履歴書と職務経歴書の両方に志望動機欄がある場合、書き分けが必要です。

書類分量書く内容
履歴書200〜300字結論と、応募先の事実を1つ
職務経歴書400〜600字上記+自分の経験とのつながり

内容は同じで、詳しさが違う形にしてください。まったく別のことを書くと、一貫性を疑われます。

履歴書の例(250字)

「法人向けの新規開拓に注力されている点に魅力を感じ、志望いたしました。求人票の募集背景に、法人顧客がこの1年で2倍になったとの記載があり、獲得と並行して管理の体制を作る時期にあると理解しております。前職では担当が40社に増えた際、案件管理の形式を統一しチームで運用した経験があります。獲得と管理の両方に関われる環境で、力をつけたいと考えております。」

職務経歴書では、この内容に「具体的にどう運用を変えたか」を足します。

履歴書の欄が狭い場合

多くの履歴書のフォーマットでは、志望動機欄が小さく作られています。枠に収まる範囲で構いません。詳しくは職務経歴書に書きます。

手書きの場合も同じです。枠を超えて小さい字で詰め込むより、200字程度で収めるほうが読まれます。

7. 面接での使い分け

書類と同じ構造が、面接でも使われます。

Q「志望動機を教えてください」

会社の話から入ります。

「求人票の募集背景に、法人顧客がこの1年で2倍になったと記載がありました。増える局面では管理の課題が出ると考えており、前職での経験が使えると思って志望しました。」

Q「自己PRをお願いします」

自分の話から入ります。

「前任者から40社を引き継いだとき、商談の記録が残っていない状態でした。案件管理の形式を統一して……」

Q「あなたの強みは何ですか」

自己PRと同じ材料を使いますが、冒頭を変えます。

「決まっていないことを決めて、動く形にすることだと思っています。前職では……」

強みを1文で言ってから、根拠のエピソードを話す形です。自己PRは状況から入り、強みは結論から入ります。

8. 作る手順と時間配分

手順やること目安時間
1自己PRを1つ作る(4要素)1時間
2自己PRを声に出して読む(3分で収まるか)15分
3応募先の求人票と採用ページを読む40分
4応募先の事実を1つ選ぶ10分
5志望動機を3要素で書く30分
62つを並べて、重複がないか確認10分

手順1は1回作れば使い回せます。2社目以降は、手順3〜6だけ(1時間半)です。

手順6を必ずやってください。並べて読むと、重複はすぐ分かります。

手順3に時間をかけるのが、志望動機の質を決めます。調べずに書くと、必ず入れ替え可能な文章になります。

9. よくある質問

志望動機に「成長したい」と書いていいですか

書けますが、それだけだと弱くなります。「なぜこの会社で成長したいのか」まで書いてください。

自己PRに書くエピソードは何個ですか

1つで構いません。深く書くほうが、複数を浅く書くより伝わります。

履歴書と職務経歴書の両方に書きますか

履歴書には短く(200〜300字)、職務経歴書には詳しく書きます。内容は同じで、分量が違う形です。

志望動機が思いつきません

応募先の情報が足りていない可能性があります。求人票の募集背景と、採用ページのインタビューを読んでください。

未経験の職種でも自己PRは書けますか

書けます。前職での「自分で決めて動いた経験」を使ってください。職種が違っても、仕事の進め方は伝わります。

「御社」と「貴社」はどう使い分けますか

書き言葉では「貴社」、話し言葉では「御社」です。書類では「貴社」を使ってください。

志望動機を面接で聞かれたら、書類と同じ内容でいいですか

同じで構いません。むしろ、書類と面接で内容が違うと、一貫性を疑われます。

応募先ごとに自己PRも変えますか

本体は変えません。末尾の1〜2文(応募先で何をするか)だけ変えてください。

10. まとめ:今日やる3つのこと

志望動機と自己PRは、答えている問いが違います。

1つめ、自己PRを4要素で1つ作る。状況・課題・行動・結果。数字を必ず入れてください。所要1時間。

2つめ、応募先の求人票から「事実」を1つ探す。募集背景の欄が最も見つけやすい場所です。所要10分。

3つめ、2つを並べて読んで、重複がないか確認する。志望動機に応募先の事実が入っていて、自己PRに数字が入っていれば、重複していません。所要10分。

志望動機の会社名を入れ替えて成立するなら、書き直しが必要です。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。