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カスタマーサポートの自己PR|第二新卒の例文6パターンと件数以外の数字【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
カスタマーサポートの自己PR|第二新卒の例文6パターンと件数以外の数字【2026年版】

〜「1日50件対応しました」だけだと、処理能力の話で終わります〜

カスタマーサポートの自己PRは、数字が出しやすい職種です。1日の対応件数、応答率、解決率、顧客満足度。記録が残っているため、書く材料には困りません。

ところが、件数だけを書くと、評価が伸びません。

理由は単純で、件数は「どれだけ処理したか」を示すだけで、「何を変えたか」を示さないからです。1日50件対応した人と、1日30件対応した人の差は、配属や商材の違いである可能性が高く、能力の差とは限りません。

差がつくのは、「問い合わせそのものを減らした経験」です。

この記事では、件数以外の数字の作り方と、CS・営業・QAそれぞれへの翻訳を、例文6本つきで整理します。

1. 結論:サポート職の自己PRは3要素で決まる

① 件数は前提として書き、その先を書く

対応件数は「規模」を示す情報として、1文目に書きます。ただし、それで終わらせないでください。本題は、その次に書く「何を変えたか」です。

② 「問い合わせを減らした経験」を書く

これが最も強い材料です。問い合わせの内容を分類し、多いものをFAQやマニュアルにして、問い合わせ自体を減らす。この経験がある人は、サポート職の中でも明確に上位に位置します。

③ 応募先の職種に翻訳する

カスタマーサクセスに応募するなら「能動的な提案」、営業なら「顧客の課題の把握」、QAなら「原因の分類」。同じ経験でも、翻訳先によって書き方が変わります。

2. なぜ「件数だけ」では評価されないのか

よく書かれる文採用側が受け取るもの足りないもの
「1日50件の対応をしました」処理量のみ何を変えたか
「顧客に寄り添う対応を心がけました」姿勢の申告具体的な行動
「クレーム対応も丁寧に行いました」前提条件対応の中身と結果
「顧客満足度が高い評価でした」結果のみどうやって高めたか
「傾聴力があります」全職種で言われる場面と成果

サポート職の採用担当が本当に見たいのは、次の2点です。

  1. 問い合わせの内容を、構造として捉えているか
  2. 目の前の対応だけでなく、根本の原因に手を打ったことがあるか

「1日50件対応」は、この2点のどちらも示しません。

一方、「問い合わせを分類したら上位3項目で6割を占めていたので、FAQを整備して問い合わせを2割減らした」は、両方を同時に示します。

3. 編集長の実体験:サポート担当の方から聞いた話

前職でSaaS企業に転職した後、カスタマーサポート部門の方と話す機会がありました。その方は、後にカスタマーサクセスへ異動しています。

「サポートの仕事で、評価されるのってどこですか」

サポートの方「対応件数は、正直あまり見られないですね。件数が多いのは、単に問い合わせが多い時期に入っただけかもしれないので

「じゃあ、何が見られるんですか」

『同じ質問が来なくなったか』です。

私は入社半年目に、問い合わせの内容を3ヶ月分集計しました。そうしたら、特定の設定画面についての質問が全体の25%を占めていた。4件に1件が同じ質問だったんです

「それは多いですね」

「それで、どこで詰まるのかを再現手順の形にまとめて、開発チームに共有しました。次のリリースで画面の構成が変わって、その質問が半分くらいに減りました」

さらに、この方はこう続けました。

サポートの方「この話をしたら、カスタマーサクセスに来ないかと声がかかりました。『問い合わせを減らす』って、要は顧客が困らない状態を作ることなので、CSの仕事そのものなんですよね

この話に、サポート職の自己PRの本質が全部入っています。

1つ目:件数は評価の中心ではない。配属や時期で変わるためです。

2つ目:「問い合わせを減らした」経験が、次のキャリアへの扉になる。CS、QA、企画、開発への異動・転職で、直接評価されます。

3つ目:分類が起点になる。「集計して分類する」——この1つの行動が、すべての改善の入口です。

4. 件数以外の数字の作り方

数字が眠っている場所具体例書き方の例
対応の量1日/月の対応件数、対応チャネル「1日平均50件、電話・メール・チャットで対応」
対応の速さ平均対応時間、初回応答時間「平均通話時間を8分から6分に短縮」
解決の質一次解決率、エスカレーション率「一次解決率を◯%から◯%に」
問い合わせの削減FAQ整備後の件数の変化「同一内容の問い合わせを月60件から25件に」
品質顧客満足度、クレーム件数「担当分のクレームを◯件から◯件に」
育成教えた新人の数、作った資料「新人5名の教育を担当、対応マニュアルを作成」
連携開発・営業への共有件数「月◯件の改善要望を開発へ共有」

最も価値があるのは、4行目と7行目です。

「問い合わせを減らした」「他部署に情報を渡した」。この2つは、「対応する人」から「改善する人」への転換を示します。

数字の出し方

正確な統計がなくても構いません。「3ヶ月分の問い合わせを自分で記録して分類した」で十分です。むしろ、自分で記録を取ったこと自体が加点材料になります。

5. 応募先別の翻訳

応募先強調すべきこと
カスタマーサクセス問い合わせから顧客の課題を読み取り、能動的に提案した経験
営業(SaaS・IT)顧客の業務理解、製品知識、断られた理由の分析
QAエンジニア不具合の再現手順の特定、問い合わせの分類
事務・バックオフィス正確な処理、手順の整備、記録の管理
人事・教育新人教育、マニュアル作成、説明の分かりやすさ
サポートのリーダー品質管理、教育、数値管理

特に、カスタマーサクセスへの転換は、サポート職からの最も一般的なルートです。

違いは「待つ」か「動く」かです。サポートは問い合わせを待って対応する、CSは使われていない状態を見つけて提案する。自己PRでは、「待たずに動いた経験」があれば、それを中心に書いてください。

6. 例文6パターン

例文①:サポート → カスタマーサクセス

前職ではSaaS企業のカスタマーサポートとして2年間、製品の操作に関する問い合わせ対応を担当しました。1日平均40件を、電話・メール・チャットで対応しています。

入社半年目に、問い合わせの内容を3ヶ月分集計して分類しました。その結果、特定の設定画面に関する質問が全体の約25%を占めていることが分かりました。この画面のどこで詰まるかを再現手順の形にまとめて開発チームに共有したところ、次のリリースで画面構成が変更され、該当の問い合わせが半分程度に減りました。

この経験から、問い合わせに答えるだけでなく、そもそも困らない状態を作ることに関心を持ちました。カスタマーサクセスは、これを能動的に行う職種だと理解しています。

サポートとして顧客がどこで詰まるかを見てきた経験は、導入時の支援と、活用が進んでいない顧客への提案で直接活かせると考えています。

例文②:コールセンター → サポート(IT製品)

前職では通信会社のコールセンターで2年間、契約内容と料金に関する問い合わせ対応を担当しました。1日あたり約50件の入電に対応しています。

「請求額が高い」という漠然とした申告から、実際の原因を特定する必要がある業務でした。契約プラン、通話時間、オプション、端末の分割残高のどこに起因するかを順に確認する手順を自分で整理し、平均通話時間を約8分から6分程度に短縮しました。この手順をチーム内で共有したところ、チーム全体の平均通話時間も改善しています。

また、同じ内容の問い合わせが多かったため、回答の型を10パターンに整理し、新人が参照できる形にまとめました。担当した新人3名の独り立ちまでの期間が、それまでの平均より短くなりました。

貴社のサポートでは、IT製品の操作に関する問い合わせが中心と伺っています。漠然とした申告から原因を切り分ける進め方は、対象が変わっても共通していると考えています。

例文③:サポート → QAエンジニア

前職ではSaaS企業のカスタマーサポートとして2年間、1日平均40件の問い合わせに対応しました。

業務のなかで、不具合の報告を受けた際に「どの操作で、どんな状態のときに発生するか」を特定して開発チームに渡す役割を担っていました。当初は「エラーが出る」という報告をそのまま転送していましたが、それでは再現できず差し戻されることが多かったため、確認する項目を「使用環境」「操作の手順」「エラーの表示内容」「発生の頻度」の4つに整理しました。この形にしてから、開発側からの差し戻しがほぼなくなりました。

この経験から、不具合を再現手順として特定する工程に関心を持ちました。QAエンジニアは、それをリリース前に行う職種だと理解しています。

利用者の視点で製品の挙動を把握してきた経験は、テストの観点を洗い出す際に活かせると考えています。

例文④:サポート → 営業(SaaS)

前職ではSaaS企業のカスタマーサポートとして2年間、導入済みのお客様からの問い合わせ対応を担当しました。1日平均40件を対応しています。

対応のなかで、解約に至るお客様には共通の兆候があることに気づきました。導入から3ヶ月の時点で問い合わせが極端に少ない、または特定の基本機能に関する質問が続いている場合、その後の解約率が高い傾向がありました。この傾向を営業とカスタマーサクセスに共有し、導入3ヶ月時点での状況確認を提案しました。

この経験から、契約前の段階で「使い続けられるお客様かどうか」を見極めることの重要性を実感し、営業職を志望するようになりました。

サポートとして、導入後にどこで躓くかを数多く見てきました。この経験は、商談の段階で運用の実現可能性を確認するうえで活かせると考えています。

例文⑤:未経験(販売職)→ カスタマーサポート

アパレル店舗で2年半、販売と売り場運営を担当しました。1日平均70名を接客しています。

接客のなかで、お客様の希望をそのまま受けると実際のニーズと合わない場合が多いと感じていました。「この色が欲しい」と言われた方に、使う場面を先に伺ってから別の提案をして、そちらを選んでいただけたことが何度もあります。相手の言葉の背景にある状況を確認してから提案する進め方を、意識的に続けていました。

また、返品・交換の対応を担当した際、理由を3ヶ月分記録して分類したところ、「サイズが想像と違った」が全体の約4割を占めることが分かりました。この結果をもとに、接客時に実寸を伝える運用に変更したところ、担当時間帯の返品が減りました。

カスタマーサポートは、相手の状況を聞き出して解決する仕事だと理解しています。前職で継続して行ってきた進め方が活かせると考えています。

例文⑥:サポート(在籍1年)→ サポート

前職では通販会社のカスタマーサポートとして1年間、注文・配送・返品に関する問い合わせ対応を担当しました。1日平均35件をメールと電話で対応しています。

配属3ヶ月目から、返品の処理も担当しました。返品理由を記録して分類したところ、「サイズが想像と違った」が全体の約3割を占めており、それが返品の最大の理由でもあることが分かりました。この結果を運営チームに共有し、商品ページに実寸表と着用者の身長の記載を追加する提案を行ったところ、該当カテゴリの返品率が約12%から8%程度に下がりました。

在籍期間は短いものの、問い合わせ対応と返品処理の基本的な流れは一通り担当しております。貴社ではサポートに加えて改善提案まで担当範囲と伺っており、範囲を広げながら経験を積みたいと考えています。

7. 落ちる自己PRの型5つ

具体例なぜ落ちるか
件数だけ型「1日50件対応しました」処理量のみ。何を変えたか不明
寄り添い型「お客様に寄り添う対応を」姿勢の申告。全員が書く
クレーム耐性型「厳しいお言葉にも冷静に対応」前提条件。加点にならない
受け身型対応した話しかない改善の視点がない
翻訳なし型応募先の職種に接続していない「うちで何ができるか」が不明

4番目が最も多い失敗です。

サポート職は、構造上「待って対応する」仕事です。だからこそ、「待たずに動いた経験」が1つあるだけで、他の応募者と明確に差がつきます。

問い合わせを分類した、FAQを作った、他部署に共有した、手順を改善した——このどれかを必ず入れてください。

8. 面接で追撃される3つの質問

Q1.「その分類は、どうやって行いましたか」

「問い合わせを分類した」と書くと必ず来ます。「対応履歴を3ヶ月分、表計算ソフトに書き出して、内容ごとにタグをつけました」のように、方法を答えられれば十分です。

Q2.「対応が難しかったお客様の話を教えてください」

クレーム対応の経験を測る質問です。相手を批判せず、「何が起きて、どう対応し、どう収束したか」を事実として答えてください。「理不尽なお客様でした」は避けてください。

Q3.「なぜサポートから◯◯職に移りたいのですか」

職種を変える場合、必ず来ます。「サポートが嫌だから」ではなく、「サポートで◯◯を経験して、その先に関心が移った」という流れで答えてください。

9. よくある質問

対応件数は書くべきですか?

書いてください。ただし、それで終わらせないでください。件数は「規模」を示す情報として1文目に置き、本題は「何を変えたか」に置いてください。

数字が記録されていません。

概算で構いません。「1日平均40件程度」で十分です。また、自分で3ヶ月分の問い合わせ内容を記録して分類する、という作業は在職中でも今から始められます。1ヶ月分でも、自己PRの材料になります。

クレーム対応の経験は書くべきですか?

書いてください。ただし、「耐えました」ではなく「どう収束させたか」を書いてください。「原因を確認し、対応可能な範囲を明示したうえで、社内の関係部署と調整して解決した」のように、行動で書いてください。

カスタマーサクセスとの違いは何ですか?

サポートは問い合わせを待って対応する受動的な役割、カスタマーサクセスは使われていない状態を見つけて提案する能動的な役割です。CSに応募する場合、「待たずに動いた経験」を中心に書いてください。

未経験からサポート職になれますか?

なれます。接客・販売・コールセンターの経験があれば、直接翻訳できます。「相手の言葉の背景にある状況を確認してから対応した経験」があると、この職種の適性が伝わります。

サポート職は「潰しが利かない」と言われますが?

そんなことはありません。カスタマーサクセス、営業、QA、人事(教育)、事務、企画への展開があります。ただし、対応だけを続けると転換が難しくなるため、在職中に「問い合わせを減らす取り組み」を1つ作っておいてください。

顧客満足度の数字を書いてもいいですか?

書いて構いませんが、それだけでは弱いです。「顧客満足度が高かった」だけだと、どうやって高めたかが伝わりません。「◯◯の対応手順に変えたところ、満足度が◯から◯に上がった」の形にしてください。

電話とメール、どちらの経験が評価されますか?

どちらも評価されます。電話はその場での判断と説明力、メールは文章での正確な説明力が示せます。両方の経験がある場合は、それぞれの件数を書いてください。チャット対応の経験は、近年特に需要が高まっています。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

サポート職の自己PRは、件数から「何を変えたか」に軸を移した瞬間に強くなります。

今夜やること

① 対応件数と対応チャネルを書き出す(1文目に置く「規模」の情報

「同じ質問が繰り返し来ていた内容」を3つ思い出す(これが分類の入口です)

③ そのうち1つについて、何かを作ったか・共有したかを書き出す(FAQ、手順書、他部署への共有。なければ、今から1ヶ月記録を取る)

③がある人とない人で、書類の評価が大きく分かれます。まだ何もしていない場合、今から1ヶ月間、問い合わせ内容を記録して分類するだけで、自己PRの材料ができます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。