第二新卒のキャリアを深掘りする。
応募書類

貿易事務の自己PR|第二新卒が正確さと段取りを示す例文6パターン【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
貿易事務の自己PR|第二新卒が正確さと段取りを示す例文6パターン【2026年版】

〜英語力より、書類の抜けを防ぐ仕組みを持っているかを見られます〜

貿易事務の自己PRで、多くの人が英語力を前面に出します。

「TOEIC700点を活かし、海外との取引に貢献したいです」

これは、優先順位が違います。

貿易事務で最も重視されるのは、正確さと段取りです。

船積書類に1文字の誤りがあると、通関で止まります。納期が遅れ、追加の費用が発生します。

そして、貿易の業務は、複数の関係者が絡みます。

海外の取引先、フォワーダー、通関業者、社内の営業と倉庫。この全員のスケジュールが噛み合わないと、船に間に合いません。

英語は、その業務を進めるための道具の1つに過ぎません。

この記事では、3要素の型と、例文6パターンを用意します。

1. 結論:貿易事務の自己PRは3要素で決まる

要素内容
処理した量月の件数、取引先の数月間の出荷案件80件、取引先15社
正確さの水準書類の不備、納期の遅延の件数書類不備による差し戻しは年2件以下
段取りの仕組み抜けを防ぐために作った仕組み出荷2週間前からの確認表を作成

③が、他の応募者との差になります。

貿易事務は、確認する項目が非常に多い業務です。

インボイス、パッキングリスト、船積指図、原産地証明。それぞれに期限があり、抜けると出荷が止まります。

これを「気をつける」で管理している人と、「仕組み」で管理している人では、業務の安定度がまったく違います。

完成形の例

「前職の製造業では、営業事務として受発注を1日平均40件処理し、うち海外向けの出荷案件を月間20件担当しておりました。取引先は海外6社です。

出荷書類の準備が納期直前に集中し、確認漏れが月1〜2件発生していました。そこで、出荷日の2週間前から起算した確認表を作成し、書類ごとに準備の期限を設定しました。

導入後、書類の不備による差し戻しは半年間で1件のみとなりました。

2. なぜ英語力を前面に出すと弱くなるのか

採用担当者の関心の順序を理解してください。

優先度見られること
1正確さ(書類の不備を出さないか)
2段取り(複数の案件を同時に管理できるか)
3調整(社内外の関係者と話せるか)
4英語(読み書きができるか)

英語は4番目です。

そして、貿易事務で使う英語は定型的です。

インボイス、パッキングリスト、B/L。決まった書式のやり取りが中心で、専門用語は200語程度を覚えれば実務は回ります。

だから、TOEICの点数の高さより、「調べて確認する習慣があるか」が見られます。

よくある書き方何が問題か
「TOEIC700点を活かしたいです」優先順位が違う
「英語が好きです」業務能力の説明ではない
「海外と関わる仕事がしたいです」何ができるかがない
「正確な業務を心がけました」数字がない
「幅広く担当しました」範囲が不明

3. 編集長の実体験:貿易事務に転職した知人の話

私の知人に、販売職から貿易事務に転職した人がいます。

転職したのは26歳、TOEICは640点でした。

本人は「この点数では無理だと思っていた」と言っていました。

「640点で、よく通りましたね」

知人面接で、点数の話はほとんど出なかったんです

「じゃあ、何を聞かれたんですか」

知人『複数の作業を同時に進めた経験はありますか』と『確認漏れを防ぐために何かしていましたか』の2つです

「英語じゃないんですね」

知人面接官が言うには、貿易事務で使う英語は範囲が決まってるらしいんです。専門用語が200語くらいあって、それを覚えれば回る。だから、点数より『思い込みで進めない人か』を見てると

「なるほど」

知人実際に入ってみて、その通りでした。用語は1ヶ月で覚えました。逆に、点数が高くても、確認せずに進める人はミスが出るそうです

この方が面接で話したのは、販売職での経験でした。

複数の顧客の取り置き商品を管理していて、引き渡しの期限を一覧にして毎朝確認していた、という話です。

これが、貿易事務の「段取り」の経験として評価されました。

ここで学んだのは、貿易事務に必要なのは英語力ではなく、抜けを防ぐ仕組みを持っているかだということです。

4. 数字の作り方

質問出てくる数字
月に何件の案件を処理していましたか処理件数
取引先は何社でしたか担当範囲
ミス・差し戻しは何件ありましたか正確さの水準
何名体制でしたか組織の規模
使用していたシステムは何ですかシステム経験
扱っていた商材は何ですか業務の性質

未経験の場合は、現職の数字を使ってください。

職種使える数字
営業事務受発注件数、請求件数、ミス件数
販売客数、取り置き管理の件数
一般事務処理件数、書類作成の件数
物流・倉庫出荷件数、在庫の管理点数
経理仕訳件数、月次の締め日数

「複数の案件を、期限を守って同時に処理した」経験があれば、接続できます。

5. 担当範囲を示す表を入れる

経験がある場合、担当範囲を表で示してください。

業務担当
受発注(海外)
インボイス作成
パッキングリスト作成
船積書類の手配
フォワーダーとの調整
通関業者とのやり取り
L/C(信用状)の確認△(一部)
原産地証明の申請
納期管理・出荷スケジュール
輸入業務×(輸出のみ)

この表があると、採用側は「どこまでできる人か」を一目で判断できます。

特に、輸出のみか輸入も担当したかは、必ず区別してください。

業務の流れが逆になるため、経験の性質が変わります。

6. 例文6パターン

例文①:貿易事務 → 貿易事務(経験2年)

機械部品メーカーで、貿易事務を2年担当してまいりました。輸出業務を中心に、月間の出荷案件約60件、取引先は海外12社を担当しております。

出荷書類の準備が納期直前に集中し、確認漏れが月1〜2件発生していました。そこで、出荷日の2週間前から起算した確認表を作成し、書類ごとに準備の期限を設定しました。

導入後、書類の不備による差し戻しは、半年間で1件のみとなりました。

今後は、輸入業務にも範囲を広げ、貿易の一連の流れを担当できるようになりたいと考えております。

例文②:営業事務 → 貿易事務(未経験)

製造業の営業事務を2年担当し、受発注処理を1日平均40件、月次の請求業務を約200件処理しておりました。うち、海外向けの出荷に関する社内の手配を月20件担当しておりました。

受注ミスが月5件発生していたため、内容を分類したところ、類似する商品コードの取り違えが大半でした。入力時に商品名も確認する手順を追加し、チェックリストを作成しました。ミスは月1件以下になりました。

貿易実務そのものは未経験ですが、複数の案件を期限内に正確に処理する進め方は、貿易事務でも同様だと理解しております。現在、貿易実務検定C級の学習を進めております。

例文③:販売職 → 貿易事務(未経験)

家電量販店で販売職を2年担当し、1日平均40名のお客様に対応しておりました。あわせて、取り置き商品の管理を担当し、常時30〜50件を管理しておりました。

引き渡し期限を過ぎる商品が月に数件発生していたため、期限順に並べた一覧を作成し、毎朝の朝礼で確認する運用に変更しました。導入後、期限超過は月1件以下になりました。

複数の案件について、それぞれの期限を管理し、抜けを防ぐ仕組みを作る進め方を、貿易事務でも活かせると考えております。

英語はTOEIC640点です。実務で使う用語は入職後に覚える前提で、現在は貿易実務の基礎を学習しております。

例文④:貿易事務(在籍1年未満)→ 貿易事務

商社で貿易事務を10ヶ月担当しております。輸入業務を中心に、月間の入荷案件約40件、取引先は海外8社を担当しております。

在籍期間は短いですが、入社6ヶ月から通関業者とのやり取りを単独で担当しております。

入荷予定の変更が頻繁に発生し、社内への連絡が遅れることがあったため、入荷予定表を共有フォルダに置き、変更時に即時更新する運用に変更しました。社内からの問い合わせが減少しました。

輸出業務にも範囲を広げたいと考えております。

例文⑤:物流・倉庫 → 貿易事務(未経験)

物流センターで、2年間、出荷業務を担当してまいりました。1日平均200件の出荷を、5名体制で処理しております。

出荷の誤りが月3件程度発生していたため、直近3ヶ月の誤りを内容別に集計したところ、約7割が同一顧客の複数拠点への配送先の取り違えでした。該当する顧客について、拠点コードを伝票に大きく表示する形に変更し、誤りは月1件以下になりました。

貿易事務では、書類の正確さが出荷の可否に直結すると理解しております。現場で培った確認の習慣を活かしたいと考えております。

例文⑥:貿易事務 → 貿易事務(リーダー職を目指す)

化学メーカーで、貿易事務を3年担当し、輸出入の両方を経験しております。月間の案件は輸出60件、輸入40件、取引先は海外20社です。

直近1年は、新入社員2名の教育を担当しております。手順が個人によって異なっていたため、取引先別の書類要件を一覧化し、教育用の資料として整備しました。新入社員が単独で担当できるまでの期間が、約6ヶ月から3ヶ月に短縮しました。

今後は、業務の標準化と後進の育成に関わる立場を目指しております。

7. 落ちる自己PRの型5つ

#なぜ落ちるか
英語力を最初に書く優先順位が違う
数字が1つも出てこない業務の規模が伝わらない
輸出/輸入を区別していない経験の性質が判断できない
「正確に対応しました」だけ正確さは前提条件
「海外と関わりたい」で終わる何ができるかがない

①について補足

英語について書くな、という意味ではありません。

書く場所と順番の問題です。

自己PRの冒頭は、処理量と正確さで始めてください。

英語は、最後に1文で添える程度で十分です。

「英語はTOEIC680点です。実務で使う用語は入職後に覚える前提で、現在は貿易実務の基礎を学習しております。

8. 面接で追撃される3つの質問

Q1「複数の案件を同時に進めた経験を教えてください」

この質問が、貿易事務の面接では最も重要です。

「前職では、常時30〜50件の取り置き商品を管理しておりました。それぞれ引き渡しの期限が異なるため、期限順に並べた一覧を作成し、毎朝確認する運用にしておりました。

頭で覚えるのではなく、一覧を見れば分かる状態にすることが重要だと考えております。

「仕組みで管理していた」と言えることが決定的です。

Q2「分からない単語や手続きが出てきたら、どうしますか」

第3章のとおり、この質問は実際に来ます。

まず、社内の過去の書類や手順書を確認します。同じ取引先や同じ仕向地であれば、前例があることが多いためです。

それでも分からない場合は、推測で進めず、先輩やフォワーダーに確認します。書類の誤りは出荷の停止につながるため、確認にかかる時間より、誤りの影響の方が大きいと考えております。」

「推測で進めない」を明言してください。

Q3「納期に間に合わない見込みになったら、どうしますか」

まず、どの程度遅れるかを確定させます。次の船に載せられるのか、何日ずれるのか。

次に、間に合わせる手段を確認します。書類を先行して手配できるか、フォワーダーに相談して別の便を押さえられるか。

同時に、営業担当を通じて取引先への連絡を準備します。手を尽くしてから連絡するのではなく、判明した時点で見込みを共有すべきだと考えております。」

「連絡を準備する」を必ず入れてください。

9. よくある質問

貿易事務は未経験でも転職できますか?

できます。営業事務、一般事務、物流の経験があると接続しやすくなります。「複数の案件を、期限を守って正確に処理した」経験があれば、書けます。

TOEICは何点必要ですか?

求人によりますが、600〜700点が1つの目安です。ただし、実務で使う英語は定型的なため、点数より「調べて確認する習慣」が見られます。「TOEIC700点以上必須」と明記されている求人は、書類選考の足切りに使われる可能性があります。

貿易実務検定は必要ですか?

必須ではありませんが、未経験の場合は有利になります。学習中であることを書くだけでも、意欲の証明になります。ただし、資格取得を待って応募を遅らせるのは、順番が逆です。

輸出と輸入、どちらの経験が有利ですか?

応募先によります。両方の経験があると最も有利です。片方のみの場合は、正直に書き、「もう一方にも範囲を広げたい」と添えてください。

英語での会話は必要ですか?

多くの職場では、メールが中心で会話はほとんど発生しません。ただし、企業によっては電話対応があります。面接で「英語での電話対応はありますか」と確認してください。

商社とメーカー、どちらがいいですか?

業務の性質が違います。商社は取扱商品が多様で件数も多く、メーカーは自社製品に特化します。未経験からの入口としては、どちらもあります。

残業は多いですか?

船積のスケジュールに左右されます。締め切り前に業務が集中する傾向があります。面接で「繁忙期はいつごろか」を確認してください。

「幅広く担当しました」はダメですか?

ダメです。範囲が不明なため、判断できません。第5章の担当範囲の表を作り、◯・△・×で示してください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

貿易事務の自己PRは、英語力ではなく、正確さと段取りで書いてください。

そして、最も差になるのは「抜けを防ぐ仕組みを持っているか」です。

今夜やること

月間の処理件数と、取引先の数を書き出す(未経験なら現職の件数)

ミス・差し戻しの件数と、それをどう減らしたかを書く

「複数の案件の期限を、どう管理していたか」を1文で書く

目安時間:合計30分

③が、面接で最も聞かれる部分です。

「気をつけていました」ではなく、「一覧を作って毎朝確認していました」と言えるかどうかです。

仕組みで管理していた人は、貿易事務でも同じことができると判断されます。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。