第二新卒のキャリアを深掘りする。
面接・選考対策

貿易事務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと英語より見られるもの【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
貿易事務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと英語より見られるもの【2026年版】

〜「英語を活かしたい」で終わる志望動機が、なぜ全部同じに見えるのか。例文5パターンを置いておきます〜

貿易事務の志望動機は、応募者の大半が同じところから書き始めます。

「英語を活かせる仕事がしたいと考えています」 「グローバルな環境で働きたいです」

どちらも志望動機として機能しません。

理由は明確です。貿易事務の仕事の大半は、英語を使う作業ではないからです。

書類の作成、期限の管理、社内外との調整、システムへの入力。英語は「道具の1つ」であって、仕事の中身ではありません。

この記事では、実際に見られていることと、例文5パターンを整理します。

1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ

貿易事務の志望動機に入れる3要素

前職で「期限のある書類を、正確に処理した」場面(=職種の中核)

貿易事務が「英語の仕事」ではないと理解していること(=職種理解)

その会社が何を、どこと取引しているかを見たうえでの理由(=なぜここか)

未経験者が落とすのが②、差がつくのが①です。

書かなくていいのは「英語を活かしたい」「グローバルに働きたい」「語学力を伸ばしたい」の3つです。全員が書きます。

2. なぜ「英語を活かしたい」では通らないのか

2-1. 貿易事務の実務は、書類と期限の管理

1日の業務を分解すると、こうなります。

業務内容
受発注の処理注文の受付、システムへの入力
船積書類の作成インボイス、パッキングリスト等
納期の管理船のスケジュール確認、遅延時の調整
通関業者とのやり取り書類の受け渡し、確認
フォワーダー・船会社との調整ブッキング、スケジュールの確認
社内(営業・倉庫)との調整出荷指示、在庫の確認
海外拠点・取引先とのメールここで英語を使う
費用の計算・請求処理運賃、関税の確認

英語を使うのは、このうち1項目です。しかも、多くは定型的なメールのやり取りです。

「英語を活かしたい」と書くと、この構造を知らないと読まれます。

2-2. 見られているのは「期限を落とさないか」

貿易事務のミスは、実損に直結します。

  • 書類に不備があると、通関で止まる
  • 船積みに間に合わないと、次の船まで待つことになる
  • 数量や金額の間違いは、そのまま損失になる

だから、正確性と期限管理が最優先で見られます。

志望動機に書くべきなのは、「期限のある書類を正確に処理した経験」です。

2-3. 英語力はどのくらい必要か

レベル目安
読み書きができるTOEIC 550〜650程度。実務では十分なことが多い
定型メールが書ける実務ではテンプレートがある
会話ができる必須ではない企業が多い
高度な交渉営業側の役割

「読み書きができれば足りる」企業が多くあります。会話が必須の求人は限られます。

逆に、英語力だけを前面に出すと、事務処理の適性が見えません。

3. 例文5パターン(全文)

3-1. 営業事務・受発注の経験あり → 貿易事務

前職では営業事務として、受発注の入力から請求書の発行までを担当していました。納期の確認と督促を日常的に行うなかで、書類の不備が原因で出荷が止まることが何度かあり、それ以降は入力後に必ず数量と単位を読み直す手順を自分の中に入れました。以降、同種のミスは起きていません。貿易事務は、書類の正確性がそのまま納期に影響する職種だと理解しています。国内取引で身につけた期限管理と確認の習慣を、より影響範囲の大きい業務で活かしたいと考え、志望しています。

3-2. 一般事務 → 貿易事務

前職では一般事務として、複数部署からの依頼を並行して処理していました。依頼が集中する時期に期限を落とすことがあったため、依頼が来た時点で「実際の期限」と「止まると誰が動けなくなるか」の2軸で並べ替える運用に変えました。以降、期限に間に合わない件がなくなりました。貿易事務は、船のスケジュールという動かせない期限があると理解しています。期限から逆算して段取りを組む進め方が、この職種で活きると考えています。

3-3. 販売・接客 → 貿易事務(未経験度が高い)

前職ではアパレル店舗で販売を担当し、後半は在庫管理と発注も任されていました。入荷の遅れで店頭に商品が並ばないことが続いたため、発注から入荷までの日数を記録して、余裕を持った発注に切り替えました。結果、欠品が減りました。物が動くまでに時間がかかることを前提に段取りを組む必要があると、この経験で理解しました。貿易事務は、その規模が国境をまたぐ形になると認識しています。TOEICは◯点で、読み書きは業務で使えるレベルを目指して学習中です。

3-4. 物流・倉庫 → 貿易事務

前職では物流センターで入出庫の管理を担当していました。輸入品の入荷が通関の都合で遅れることがあり、そのたびに倉庫内の作業計画を組み直していました。物流の下流にいる立場では、遅れが分かった時点でしか動けません。書類の段階から関わることで、遅れそうな案件を早く把握できると考え、貿易事務を志望しています。現場での作業の流れを知っている点は、社内調整で活きると考えています。

3-5. 語学系の学部卒・英語に強みがある場合

大学では英語を専攻し、TOEICは◯点を取得しています。ただ、貿易事務は英語を使う仕事というより、期限のある書類を正確に処理する仕事だと理解しています。前職の営業事務でも、月末に集中する請求処理を落とさずに回すことが業務の中心でした。英語は、その業務を進めるための道具の1つとして使いたいと考えています。御社は◯◯を◯◯地域から輸入されており、取引先とのやり取りが日常的に発生する環境だと理解しています。

5番目のように、英語力がある人ほど「英語は道具」と明言してください。それだけで、他の応募者と差がつきます。

4. 志望動機の作り方(60分)

時間やること
20分前職で「期限のある処理を落とさずに回した」場面を3つ書き出す
15分そのうち1つを、状況→工夫→結果の順に整理
10分応募先が何を、どこと取引しているかを調べる(会社概要・製品ページ)
10分3ブロック(①経験 ②職種理解 ③なぜここか)に流し込む
5分「英語を活かしたい」「グローバル」が残っていないか確認して削る

1行目が最重要です。貿易の経験でなくて構いません。請求処理、発注、シフト提出——期限のある処理なら何でも材料になります。

5. 落ちる書き方5つ

具体例なぜ落ちるか
英語型「英語を活かしたい」職種の中身を理解していない
グローバル型「グローバルな環境で働きたい」全員が書く。具体性がない
成長型「語学力を伸ばしたい」会社は学校ではない
憧れ型「海外に関わる仕事に興味がある」実務の話がない
正確性だけ型「几帳面な性格を活かしたい」性格の話。行動が見えない

最も多いのが英語型です。この言葉を使わずに書けるかが、最初の関門になります。

6. 面接で追撃される3問

6-1. 「貿易事務は英語を使う仕事だと思いますか」

この質問は、誤解を持っていないかの確認です。

「英語は使いますが、業務の中心ではないと理解しています。書類の作成と、期限の管理が中心で、英語はそのためのやり取りに使う道具だと考えています。実際には、定型的なメールが多いとも伺っています」

6-2. 「書類に不備があったら、どうしますか」

「気づいた時点ですぐ報告します。通関で止まると納期に直接影響するので、遅れが出ることを早く共有することが最優先だと考えています。そのうえで、訂正が必要な範囲と、間に合うかどうかを確認します。自分の判断で処理せず、必ず確認してから動きます」

「自分で直します」は誤答です。貿易書類は、勝手に修正すると別の問題になります。

6-3. 「納期に間に合わない見込みになったら」

「まず、どのくらい遅れるかを正確に把握します。次に、営業を通じて取引先に確認します。全量が必要なのか、一部でも先に必要なのかで、取れる手が変わるためです。そのうえで、次の便に振り替えるか、航空便に切り替えるかといった選択肢を、費用も含めて整理して相談します」

7. 資格の扱い

資格評価
TOEIC 600以上○ 読み書きの目安として見られる
貿易実務検定 C級◎ 未経験からの応募で最も分かりやすい証明
通関士◎ ただし難度が高い
日商簿記3級○ 費用の計算で活きる
MOS(Excel)

未経験から狙うなら、貿易実務検定C級が最も費用対効果が高い選択です。学習中でも書類に書けます。

資格の考え方は第二新卒に資格は必要かを参照してください。

8. 業界・取引形態による違い

応募先特徴
メーカー(輸出)自社製品の輸出。書類は定型化されていることが多い
商社取扱品目が多く、パターンが多様
フォワーダー・物流会社輸送手配が中心。未経験可の求人が多い
輸入商社・小売通関と国内配送の調整
通関業者通関業務が中心。専門性が高い

フォワーダー・物流会社は、未経験からの入口として最も広い領域です。

9. よくある質問

未経験でも貿易事務になれますか

なれます。特にフォワーダーや物流会社では、未経験可の求人が一定数あります。営業事務や一般事務の経験があると有利です。

英語力はどのくらい必要ですか

読み書きができれば足りる企業が多くあります。TOEIC 550〜650程度が目安です。会話が必須の求人は限られます。

TOEICのスコアがありません

受験申込済みの状態にしてください。「◯月受験予定」と書けます。ただし、スコアより事務処理の経験のほうが評価されます。

貿易実務検定は取るべきですか

未経験から狙うなら、C級を取る価値があります。学習中でも書類に書けます。

残業は多いですか

船のスケジュールに左右されます。締切前や月末に集中する傾向があります。面接で「繁忙期はいつで、どのくらい変わりますか」と確認してください。

年収はどのくらいですか

一般事務より、やや高い水準になることがあります。専門性が積み上がる職種なので、経験年数で上がっていきます。第二新卒の年収も参照してください。

志望動機は何文字が適切ですか

300〜400字が目安です。履歴書の枠に入れる場合は200字程度に縮めてください。書き分けは履歴書の志望動機欄の書き方にまとめています。

一般事務と併願してもいいですか

併願は現実的です。ただし志望動機は書き分けてください。貿易事務は「動かせない期限がある処理」、一般事務は「周りが動きやすい状態を作る」が理由になります。一般事務・営業事務の志望動機も参照してください。

10. まとめ

貿易事務の志望動機は、英語ではなく「期限のある処理を落とさずに回した経験」で決まります。

今夜やる3つのこと

① 前職で「期限のある処理を落とさずに回した」場面を3つ書き出す

応募先の会社概要と製品ページを開き、何を、どこの国と取引しているかを見る(③の材料になります)

③ 「英語」という言葉を使わずに、志望動機を300字で書いてみる

③をやると、翻訳ができているかが自分で分かります。英語を外しても書けるなら、その志望動機は通ります。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。