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旅行業界から転職|第二新卒が手配と調整の経験を翻訳する5ステップ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
旅行業界から転職|第二新卒が手配と調整の経験を翻訳する5ステップ【2026年版】

〜旅行の手配は、実質的に「無形商材の提案+進行管理」です〜

旅行代理店の業務から異業種へ転職する場合、多くの人が自分の経験を「接客」としか認識していません。

実際にやっているのは、それだけではありません。

顧客の希望を聞き、予算の中で選択肢を組み立て、提案し、契約し、手配し、変更に対応し、出発まで管理する。

これは、無形商材の提案から、案件の進行管理までを一貫して担当している状態です。

そして、複数の案件を同時に持っています。

この構造は、営業、カスタマーサクセス、進行管理の職種と、ほぼ同じです。

ただし、「接客業務を担当しました」と書くと、この構造は伝わりません。

この記事では、業務の翻訳表と、狙える職種を整理します。

1. 結論:旅行業務を4つに分解する

領域旅行業界での業務翻訳後の表現接続する職種
提案希望と予算から旅程を組む要望と制約の中で選択肢を設計する営業、企画
手配航空・宿泊・交通の予約複数の関係先と調整し、期限内に確定させる進行管理、貿易事務、営業事務
変更対応予約の変更、トラブル対応想定外の事態で、代替案を短時間で組み立てるCS、サポート、進行管理
案件の管理複数案件の同時進行複数案件の期限を並行して管理する営業、事務、進行管理

②と④が、最も汎用性のある材料です。

「複数の関係先と調整して、期限内に確定させる」経験は、貿易事務、営業事務、Webディレクター、広告代理店の営業で、直接評価されます。

そして、④の「同時に何件持っていたか」は、必ず書いてください。

2. 数字の作り方

旅行業界の業務には、数字があります。

業務使える数字
接客・相談1日平均◯組、月◯組
成約月◯件(成約率◯%)
売上月間の取扱高◯万円
同時に担当した案件数常時◯件
手配先航空◯社、宿泊施設◯件との調整
団体の規模1件あたり◯名
リピート率◯%
後輩の指導◯名を担当

「成約率」が最も強い数字です。

相談を受けた件数のうち、実際に成約した割合です。

これは、営業の成約率と同じ指標です。

「カウンターでの相談を月40組ほど担当し、そのうち25組程度が成約に至りました。成約率は約60%です。

この一文があると、営業職への応募が現実的になります。

そして、「同時に担当した案件数」も必ず書いてください。

常時20〜30件の案件を、出発日の異なる状態で並行して管理しておりました。

3. 編集長の実体験:旅行業界の方の書類を見た

私は旅行業界の実務経験はありません。

ただ、旅行代理店から異業種への転職を考えている方の相談を受けたことがあります。

職務経歴書には、こう書かれていました。

「旅行代理店にて、カウンター業務を担当。お客様のご要望を丁寧に伺い、ご満足いただける旅行の提案に努めてまいりました。」

私はこう聞きました。

「同時に何件くらい持ってたんですか」

相談者「案件ですか。20〜30件は常にありますね

「それぞれ、出発日が違うわけですよね」

相談者「違います。だから、いつまでに何を確定させるかを、案件ごとに管理してます

「どうやって管理してるんですか」

相談者出発日から逆算して、航空券の発券期限、宿の確定期限、書類の送付日を一覧にしてます

それ、全部書いてください

相談者「当たり前の作業だと思ってました」

『常時20〜30件の案件を、期限から逆算した一覧で管理』って書けば、進行管理の経験として伝わります

この方は、その後、広告代理店の営業アシスタントに転職しました。

ここで学んだのは、旅行業界の方が、自分の業務を「接客」の枠でしか見ていないということです。

実際にやっているのは、複数案件の進行管理です。

そして、それを一覧で管理する仕組みを、自分で作っています。

4. 狙える職種

職種接続する経験入りやすさ
営業(無形商材)提案、成約、顧客対応高い
営業事務・アシスタント手配、期限管理、書類高い
貿易事務複数の関係先との調整、期限管理中〜高
カスタマーサポート・CS変更対応、トラブル対応高い
Webディレクター・進行管理複数案件の並行管理
広告代理店の営業提案、調整、進行管理
ブライダル・イベント業界が近い中〜高
人材サービスの営業無形商材の提案中〜高

「貿易事務」への接続は、意外と見落とされます。

貿易事務も、複数の関係先(海外の取引先、フォワーダー、通関業者)と調整して、期限内に書類を揃える業務です。

旅行の手配と、業務の構造が非常に近くなります。

そして、英語を使う場面があった場合、その経験も接続します。

業界内での転職

旅行業界内でも、働き方が違う職種があります。

職種特徴
法人営業(出張手配)土日休みが多い
旅行会社の本部・企画商品の企画、仕入れ
予約システムの会社IT寄り。業界知識が使える
観光関連の自治体・団体安定志向の場合

「旅行に関わりたいが、勤務時間を変えたい」場合、法人営業(出張手配)が選択肢になります。

個人向けと違い、平日中心の業務になることが多くあります。

5. 「なぜ辞めるのか」への答え方

避ける答えなぜ
「土日が休みでないから」事実だが、それだけだと逃げに見える
「給与が低いから」条件だけが理由に見える
「業界の将来が不安だから」業界批判に聞こえる
「クレームが多いから」対人業務全般で起きる

3行目に注意してください。

業界の状況を理由にすると、応募先の業界についても同じ見方をしていると受け取られます。

使える型

回答例①(営業に応募する場合)

「旅行の提案では、お客様の希望と予算を伺い、その中で選択肢を組み立てておりました。この、制約の中で最適な形を作る部分に、最も面白さを感じておりました。

ただ、扱う商材が旅行に限られるため、他の領域でも同じ形で提案する仕事がしたいと考えるようになりました。

形のないものを、相手の状況に合わせて設計するという点で、共通していると考えております。

回答例②(事務・進行管理に応募する場合)

「常時20〜30件の案件を、出発日から逆算した期限の一覧で管理しておりました。複数の関係先と調整して、期限内に確定させる作業を、日常的に行っておりました。

この、段取りを設計して抜けを防ぐ部分を、より専門的にやりたいと考えております。

6. 職務経歴書の書き方

職務要約

「旅行代理店(店舗規模◯名)にて、カウンター業務を2年担当してまいりました。1日平均8〜10組のお客様に対応し、月間で約40組の相談から、25組程度の成約に至っております(成約率約60%)。

常時20〜30件の案件を、出発日の異なる状態で並行して管理しておりました。出発日から逆算し、航空券の発券期限、宿泊施設の確定期限、書類の送付日を一覧化して管理する形を取っておりました。

また、天候や運航の変更による予約の組み直しにも対応しておりました。

「接客」という言葉を使わずに書いてください。

「提案」「成約」「管理」「調整」という言葉に置き換えます。

業務内容の書き方

弱い書き方強い書き方
カウンター業務1日平均8〜10組の相談対応。要望と予算から旅程を設計
旅行の提案月40組の相談から25組の成約(成約率60%)
予約手配航空・宿泊・交通の手配。常時20〜30件を並行管理
お客様対応出発前の説明、変更依頼への対応、帰着後のフォロー
トラブル対応運航の変更時に、代替の旅程を組み直して連絡
後輩の指導新人1名の指導。手配の手順を文書化して共有

7. 面接で聞かれる3問

Q1「複数の案件を同時に進めた経験を教えてください」

この質問が、最も重要です。

回答例

常時20〜30件の案件を、出発日の異なる状態で管理しておりました。

案件ごとに期限が違うため、出発日から逆算した一覧を作り、毎朝確認する形にしておりました。航空券の発券期限、宿泊施設の確定期限、書類の送付日を、案件ごとに記載しています。

頭で覚えるのではなく、一覧を見れば分かる状態にすることを意識しておりました。

「仕組みで管理していた」と言えることが決定的です。

Q2「トラブル対応の経験を教えてください」

回答例

「運航の変更により、当日の便が欠航になった案件がありました。

まず、代替の便を確認し、その日のうちに出発できるか、翌日になるかを確定させました。

次に、宿泊施設に連絡して、到着時刻の変更または1泊の追加が可能かを確認しました。

そのうえで、お客様に状況と選択肢を伝え、判断いただきました。

順番として、手を尽くしてから連絡するのではなく、確定できることを確定させてから、選択肢とともに連絡するようにしておりました。

「確定→代替案→連絡」の順番を示してください。

Q3「なぜ旅行業界を離れるのですか」

第5章の型を使ってください。

業界の状況を理由にしないでください。

8. 勤務条件の変化

項目旅行代理店一般企業(例)
勤務時間10時〜19時など9時〜18時
休日平日休みが中心土日祝
繁忙期連休前、夏・冬の休暇期業界による
対応出発後も連絡が入ることがある業務時間内が中心

3行目に注意してください。

旅行業界の繁忙期は、世の中が休む時期です。

一般企業では、繁忙期の時期が変わります。

そして、応募先の繁忙期は、面接で必ず確認してください。

「旅行業界より楽だろう」と考えて入ると、想定と違うことがあります。

9. よくある質問

旅行業界の経験は、異業種で評価されますか?

翻訳すれば評価されます。「接客」ではなく、「無形商材の提案」「複数案件の期限管理」「関係先との調整」という形にしてください。特に、同時に持っていた案件数は必ず書いてください。

「接客業務」としか書けません。

業務を分解してください。要望を聞く、旅程を組む、手配する、変更に対応する、出発まで管理する。これらは別々の業務であり、それぞれ違う職種に接続します。

成約率が分かりません。

概算で構いません。「月に40組ほど相談を受けて、25組程度が成約」という形で、割合を出してください。「約」を付けて、概算であることを示せば問題ありません。

英語を使っていた場合、書くべきですか?

書いてください。海外の手配先とのやり取りがあった場合、実務での英語使用経験になります。貿易事務や外資系の内勤職への接続材料になります。

旅行業界内で、働き方を変えられますか?

法人営業(出張手配)が選択肢になります。個人向けと違い、平日中心の業務になることが多くあります。また、旅行会社の本部・企画職も、勤務形態が異なります。

資格は評価されますか?

旅行業務取扱管理者の資格は、業界内では評価されます。異業種では直接の評価にはつながりにくくなりますが、「法令に基づいて業務を行う姿勢」の証明にはなります。

業界の将来性を理由に辞めると言ってもいいですか?

避けてください。業界批判に聞こえ、応募先の業界についても同じ見方をしていると受け取られます。「制約の中で提案する部分に面白さを感じた」といった前向きな理由を先に述べてください。

年収は下がりますか?

職種によります。無形商材の営業に移る場合、インセンティブ次第で上がる可能性があります。未経験の事務職に移る場合は、下がる可能性が高くなります。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

旅行業界の業務は、「接客」ではなく「無形商材の提案+進行管理」です。

顧客の要望と予算から選択肢を組み立て、複数の関係先と調整して、期限内に確定させる。

この構造を、職務経歴書に書いてください。

今夜やること

同時に担当していた案件数を書き出す(常時◯件)

月の相談件数と成約件数から、成約率を概算する

案件の期限を、どう管理していたかを1文で書く

目安時間:合計40分

③が最も重要です。

私が相談を受けた方は、「当たり前の作業だと思っていた」と言いました。

出発日から逆算して、期限を一覧化して管理する。

これは、進行管理の経験そのものです。

「気をつけていました」ではなく、「一覧を作って毎朝確認していました」と書いてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。