未経験職種向けの職務経歴書|第二新卒が書く順番を変えて通す型【2026年版】
〜同じ経歴でも、書く順番を変えるだけで通過率が変わります〜
未経験の職種に応募するとき、職務経歴書をそのまま使い回している人が多くいます。
営業として書いた職務経歴書を、企画職の応募にもそのまま出す。
これでは、通りません。
採用担当者は、「営業経験2年」という情報からは、企画職としての適性を判断できないからです。
必要なのは、経歴を書き換えることではありません。
書く順番を変えることです。
経験者向けの職務経歴書は、「時系列」で書きます。
未経験職種向けは、「応募先で使える経験」から書きます。
同じ経歴でも、この順番の違いで、読み手の印象がまったく変わります。
この記事では、書く順番の型と、経験の翻訳を整理します。
1. 結論:構成を4つに変える
| # | 項目 | 経験者向け | 未経験職種向け |
|---|---|---|---|
| ① | 職務要約 | 経歴の要約 | 応募職種に使える経験を先に |
| ② | 職務経歴 | 時系列で全部 | 応募先に近い業務を厚く |
| ③ | 活かせるスキル | 任意 | 必須(独立した欄を作る) |
| ④ | 自己PR | 実績中心 | 接続の説明中心 |
③が、最も重要な違いです。
未経験職種の職務経歴書には、「活かせるスキル・経験」という欄を独立して作ってください。
ここで、応募先の業務と自分の経験を、明示的に接続します。
この欄がないと、採用担当者が自分で接続を考えることになります。
そして、多くの場合、考えてもらえません。
2. 職務要約の書き方
未経験職種向けでは、職務要約の1文目を変えてください。
経験者向け(そのまま使うと弱い)
「広告代理店にて、法人営業を1年半担当してまいりました。飲食・宿泊業界の40社を担当し、年間予算3,000万円を管理しております。」
これは、営業職に応募する場合の書き方です。
未経験職種向け(営業→営業企画の場合)
「広告代理店にて法人営業を1年半担当し、担当エリア40社の受注率を月次で分析する業務を並行して行っておりました。
失注案件を業種別に集計し、宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることを特定。初回訪問時の確認手順を変更し、受注率を18%から27%へ改善いたしました。
数字を分解して原因を特定し、施策を設計する業務に関心があり、営業企画職を志望しております。」
同じ経歴です。
ただし、「営業をしていた」ではなく「数字を分析していた」という側面を先に出しています。
これが、順番を変えるということです。
1文目の作り方
| 応募先 | 1文目で出すべき側面 |
|---|---|
| 営業企画・経営企画 | 数字を集計・分析した経験 |
| マーケティング | 数字を見て施策を変えた経験 |
| 人事 | 教育・採用に関わった経験 |
| 事務・管理 | 正確な処理、手順の設計 |
| カスタマーサクセス | 顧客の継続に関わった経験 |
| IT・エンジニア | 学習の継続と成果物 |
現職の主業務ではなく、応募先に近い業務を先に書いてください。
3. 編集長の実体験:営業の書類を、企画職にそのまま出していた
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、営業職と営業企画の両方に応募していました。
そして、同じ職務経歴書を使っていました。
営業職の書類は通るのに、営業企画は通りませんでした。
エージェントの担当者に相談しました。
担当者「営業企画に出してる書類、営業のと同じですよね」
私「はい。経歴は同じなので」
担当者「経歴は同じでいいんですが、順番を変えてください」
私「順番、ですか」
担当者「今の書類、1行目が『法人営業を1年半担当』です。営業企画の採用担当が読むと、『営業の人だな』で終わります」
私「では、どう書けば」
担当者「木戸さん、失注案件を業種別に集計しましたよね。それを1行目に持ってきてください」
私「営業の話は」
担当者「もちろん書きます。でも、1行目じゃない。『営業をしながら、数字の分析をやっていた人』という順番にしてください」
書き直しました。
やったのは、1行目を入れ替えて、「活かせるスキル」の欄を追加しただけです。
経歴の内容は、1文字も変えていません。
その後、営業企画の書類も通るようになりました。
ここで学んだのは、未経験職種では「何をしてきたか」より「何が使えるか」を先に示す必要があるということです。
採用担当者は、応募者の経歴から接続を考えてはくれません。
こちらから示す必要があります。
4. 「活かせるスキル・経験」欄の作り方
未経験職種向けの職務経歴書には、この欄を独立して作ってください。
型
【活かせる経験・スキル】
■ 数字の集計と分析 担当エリア40社の受注率を月次で集計し、業種別・時期別に分解して要因を特定しておりました。Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)を使用しております。
■ 施策の設計と検証 分析結果に基づき、初回訪問時の確認手順を変更。実施後3ヶ月の受注率を追跡し、効果を確認しております。
■ 関係者への説明 分析結果と施策の提案を、上長および同じチームの営業3名に共有しておりました。
3つの見出しで、3〜4行ずつ書いてください。
見出しの決め方
応募先の求人票の「仕事内容」から、動詞を抜き出してください。
求人票の例(営業企画)
・売上データを集計・分析し、課題を抽出する ・施策の効果を検証する ・営業部門と連携して、目標の進捗を管理する
この動詞を、そのまま見出しに使ってください。
| 求人票の動詞 | 見出し |
|---|---|
| 集計・分析 | ■ 数字の集計と分析 |
| 検証 | ■ 施策の設計と検証 |
| 連携 | ■ 関係者への説明と連携 |
求人票の言葉を使うと、採用担当者が接続を確認しやすくなります。
5. 職務経歴の書き方
時系列は保ったまま、記述の密度を変えてください。
密度の配分
| 業務 | 応募先との関係 | 記述の量 |
|---|---|---|
| 数字の集計・分析 | 近い | 厚く書く(5〜8行) |
| 顧客への提案 | やや近い | 3〜4行 |
| 訪問・アポイント | 遠い | 1〜2行 |
| 事務処理 | 遠い | 1行 |
すべての業務を同じ密度で書かないでください。
応募先に近い業務だけを厚く書きます。
書き方の例
株式会社◯◯(2024年4月〜現在) 広告代理店/従業員150名/法人営業部
【担当業務】 飲食・宿泊業界を中心とした法人営業(担当40社、年間予算3,000万円)
■ 数字の管理・分析(重点業務) ・担当エリアの受注率、失注率を月次で集計 ・失注案件を業種別・失注理由別に分類し、月次で報告 ・宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることを特定 ・初回訪問時の確認項目を変更する提案を実施 ・実施後3ヶ月の受注率を追跡し、18%→27%への改善を確認
■ 提案・受注業務 ・顧客への企画提案、見積もり作成、契約手続き ・年間予算3,000万円の管理
■ その他 ・新規開拓、既存顧客の定期訪問
「重点業務」という表記を入れると、読み手が優先順位を把握できます。
6. 自己PRの書き方
未経験職種向けの自己PRは、「接続の説明」が中心になります。
型
① 現職での経験(応募先に近いもの) ② そこで何を考え、何をしたか ③ 結果 ④ 応募先の業務との接続 ⑤ 足りない部分と、その対処
⑤を入れてください。
未経験であることを隠さず、何が足りないかを自覚していることを示します。
例
「前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で集計しておりました。
受注率が18%で横ばいだったため、失注案件を業種別に集計したところ、宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かりました。内容を確認すると、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。
初回訪問時に決裁の流れを確認する手順に変更し、3ヶ月後の受注率は27%になりました。
営業企画では、この『数字を分解して原因を特定し、施策を設計する』作業を、事業全体の規模で行うと理解しております。
一方で、複数部門のデータを扱う経験と、SQLなどのツールは未経験です。現在、SQLの学習を進めており、入社後は早期に業務で使えるようにしたいと考えております。」
⑤があることで、自己認識ができている人だと伝わります。
7. 通らない書き方5つ
| # | 書き方 | なぜ通らないか |
|---|---|---|
| ① | 経験者向けの書類を使い回す | 接続が示されていない |
| ② | 「活かせるスキル」欄がない | 読み手が接続を考える必要がある |
| ③ | すべての業務を同じ密度で書く | 何が使えるか分からない |
| ④ | 「未経験ですが、意欲があります」 | 意欲は書類の材料にならない |
| ⑤ | 応募先ごとに何も変えていない | 志望度が低いと判断される |
④について補足
「未経験ですが、一日も早く戦力になれるよう努力します」という文は、書かないでください。
意欲は、全員が書きます。差になりません。
代わりに、第6章の⑤のように「何が足りず、今何をしているか」を書いてください。
⑤について
職務経歴書は、応募先ごとに最低限の変更が必要です。
| 変える箇所 | 変える内容 |
|---|---|
| 職務要約の1文目 | 応募先に近い側面を先に |
| 「活かせるスキル」の見出し | 求人票の動詞に合わせる |
| 自己PRの④ | 応募先の業務名を入れる |
この3箇所だけで構いません。
全部を書き直す必要はありません。
8. テンプレート
次の構成で作ってください。
【職務要約】
(応募先に近い業務を1文目に。3〜4行、150〜200字)
【職務経歴】
株式会社◯◯(在籍期間)
業種/従業員数/所属部署
【担当業務】
(1行で概要)
■ ◯◯(重点業務)
・(応募先に近い業務を5〜8行)
■ ◯◯
・(3〜4行)
■ その他
・(1〜2行)
【活かせる経験・スキル】
■ (求人票の動詞1)
(3〜4行)
■ (求人票の動詞2)
(3〜4行)
■ (求人票の動詞3)
(3〜4行)
【保有資格・スキル】
・(資格、ツール、学習中のもの)
【自己PR】
(第6章の①〜⑤の型で、350〜450字)
A4で1〜2枚に収めてください。
第二新卒で3枚を超えると、要点が絞れていないと判断されます。
書式そのものについては、職務経歴書のフォーマットの記事も参考にしてください。
9. よくある質問
経歴を書き換えてもいいですか?
事実を変えてはいけません。変えるのは、書く順番と密度です。同じ経歴でも、応募先に近い業務を先に、厚く書くだけで印象が変わります。
応募先ごとに、全部書き直す必要がありますか?
必要ありません。職務要約の1文目、「活かせるスキル」の見出し、自己PRの接続部分。この3箇所だけ変えれば十分です。
「活かせるスキル」欄には、何を書きますか?
応募先の求人票の「仕事内容」から動詞を抜き出し、それを見出しにしてください。「集計・分析」「検証」「連携」といった動詞です。その動詞に当てはまる自分の経験を、3〜4行で書きます。
応募先に近い経験が1つもありません。
「周りが面倒がるのに、自分は苦にならなかった作業」から探してください。数字の突き合わせ、手順の整理、人の話を聞くこと。これらは、多くの職種に接続します。
未経験であることは、書くべきですか?
書いてください。ただし、「未経験ですが意欲があります」ではなく、「◯◯の経験はございません。現在△△の学習を進めております」という形にしてください。自己認識ができていることが伝わります。
職務経歴書は何枚が適切ですか?
A4で1〜2枚です。第二新卒で3枚を超えると、要点が絞れていないと判断されます。応募先に遠い業務は、1〜2行に圧縮してください。
資格やツールの経験がありません。
学習中のものを書いてください。「Excel(VLOOKUP、ピボットテーブル)」のように、実務で使ったツールは必ず書きます。学習中のものは「学習中」と明記してください。
志望動機は職務経歴書に書きますか?
書式によります。職務経歴書には自己PRを書き、志望動機は履歴書または別途の書類に書くのが一般的です。ただし、自己PRの最後に「応募先との接続」を書くことで、志望動機に近い内容になります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
未経験職種向けの職務経歴書は、経歴を書き換えるのではなく、書く順番を変えます。
「何をしてきたか」ではなく「何が使えるか」を先に示してください。
今夜やること
① 応募先の求人票から、「仕事内容」の動詞を3つ抜き出す(10分)
② その動詞に当てはまる自分の経験を、それぞれ3〜4行で書く(30分)
③ 職務要約の1文目を、応募先に近い業務に差し替える(10分)
目安時間:合計50分
②が「活かせる経験・スキル」欄になります。
この欄がないと、採用担当者が自分で接続を考えることになります。そして、多くの場合、考えてもらえません。
私は、経歴の内容を1文字も変えずに、1行目の入れ替えと欄の追加だけで、書類が通るようになりました。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。