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志望動機が書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す5つの質問【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
志望動機が書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す5つの質問【2026年版】

〜書けないのは文章力の問題ではなく、材料が手元にないからです〜

志望動機の欄を開いて、1時間経っても1行も書けない。

これは、第二新卒の応募書類で最も多いつまずきです。

そして、この状態で「書き方」を調べても解決しません。書き方が分からないのではなく、書く材料がないから書けないのです。

材料とは、次の2つです。

① 自分の側の材料:現職で何に困り、何をしたいと思ったか ② 会社の側の材料:その会社が何をしていて、どこが他と違うか

このどちらかが欠けていると、書けません。

そして、多くの場合、欠けているのは②です。求人票を1回読んだだけで書こうとしている。

この記事では、5つの質問で材料を掘り出し、3ブロックの型に流し込む手順を扱います。

文章の上手さは、まったく必要ありません。

1. 結論:5つの質問に答えれば、材料は揃う

#質問使う場所
現職で、「これはおかしい」と思った場面は何ですかブロック1
それを、どう変えたいと思いましたかブロック1
求人票の中で、他社と違うと感じた記述はどこですかブロック2
この会社のサービスは、誰の何を解決していますかブロック2
入社して最初の1年で、何をしたいですかブロック3

この5つに答えるだけです。

答えが箇条書きでも、文章になっていなくても構いません。材料が揃えば、組み立ては型がやってくれます。

3ブロックの型

ブロック内容文字数の目安
1現職での経験と、そこから出た方向(①②)100〜150字
2なぜこの会社か(③④)150〜250字
3入社後に何をするか(⑤)100〜150字

合計350〜550字。これが標準です。

そして、最も重要なのはブロック2です。ここが薄いと、「どこでもいい人」に見えます。

2. 書けない3つの原因

原因症状対処
会社を調べていないブロック2が書けない求人票を3回読む
自分の経験を整理していないブロック1が書けない5つの質問に答える
完璧に書こうとしている何も書き出せない箇条書きから始める

① 会社を調べていない

これが最も多い原因です。

求人票を1回読んで、「未経験歓迎」「風通しの良い社風」といった記述しか頭に残っていない状態では、書けません。

それらは、どの会社の求人票にも書いてあります。

調べるべきは、その会社にしかないことです。

調べる場所見つかるもの
求人票(3回読む)業務内容の具体性、求める人物像
コーポレートサイト事業内容、沿革、代表のメッセージ
サービスサイト誰の何を解決しているか
採用ページ社員インタビュー、1日の流れ
ニュースリリース直近の動き、注力領域

サービスサイトを見ることが、最も効きます。

「この会社は、誰のどんな困りごとを解決しているのか」が分かると、ブロック2が書けるようになります。

② 自分の経験を整理していない

「志望動機」を、会社の話だけで書こうとすると失敗します。

志望動機の半分は、自分の話です。

「なぜこの会社か」に答えるには、その前に「なぜこの方向に進みたいのか」がないといけません。

③ 完璧に書こうとしている

最初から文章にしようとすると、1行目で止まります。

箇条書きから始めてください。

箇条書きの例

  • 広告営業。単発の出稿で終わる
  • 半年後にどうなったか知らない
  • 継続して関われる仕事がしたい
  • この会社はSaaS。契約が続く
  • 導入後の運用まで担当する体制がある
  • まず営業で顧客を持ちたい

この6行があれば、文章にするのは15分です。

3. 編集長の実体験:3社分書いて、全部同じだった

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、最初に書いた志望動機は、3社分ともほぼ同じ内容でした。

自分では気づいていませんでした。

エージェントの担当者に添削を依頼したとき、こう言われました。

担当者「3社分、拝見しました。正直に言っていいですか

「お願いします」

担当者会社名を入れ替えても、全部成立します

「……そんなにですか」

担当者『成長できる環境』『若いうちから裁量を持てる』『風通しの良い社風』。この3つ、3社とも入ってます。これ、どの会社の求人票にも書いてあることなので、木戸さんが調べた形跡がないんです」

「じゃあ、何を書けば」

担当者その会社のサービスを見ましたか

「……求人票は読みました」

担当者サービスサイトを見てください。誰が使ってて、何が解決されてるのか。それが分かると、書くことが出てきます

言われたとおり、1社のサービスサイトを30分見ました。

障がい福祉の事業所向けのSaaSでした。導入事例が10件ほど載っていて、そこには「請求業務に月20時間かかっていたのが3時間になった」といった具体的な数字がありました。

これを読んで、はっきり書けるようになりました。

「前職では広告の営業をしており、出稿という単発の取引で関係が終わることに違和感がありました。導入事例を拝見し、請求業務の時間が20時間から3時間になったという記載がありました。こうした変化を、導入後も継続して見届けられる仕事がしたいと考えています。」

この志望動機で、書類選考を通過しました。

そして、面接でも「導入事例を見てくださったんですね」と言われました。

ここで学んだのは、志望動機の材料はすべて会社側にある、ということです。

自分の頭の中を探しても、出てきません。会社のサイトを見れば、30分で見つかります。

4. 質問①② 自分の側の材料を掘る

質問① 現職で「これはおかしい」と思った場面

不満ではなく、具体的な場面を1つ思い出してください。

抽象的(使えない)具体的(使える)
やりがいがなかった提案が通った後、半年後にその会社がどうなったか知らないまま次に進んでいた
成長できなかった3ヶ月同じ資料を作り続けて、内容を変える権限がなかった
人間関係が悪かった提案の理由を説明する場がなく、指示だけが降りてきた

右の列のように書ければ、そのまま使えます。

ポイントは、「誰が悪い」ではなく「何が起きていたか」を書くことです。

質問② それを、どう変えたいと思ったか

①の裏返しを書きます。

①の場面②の方向
半年後にどうなったか知らない継続して顧客に関わる仕事がしたい
資料の内容を変える権限がない自分で判断して改善できる範囲がほしい
提案の理由を説明する場がない議論しながら決められる環境で働きたい

この①②が、ブロック1になります。

ブロック1の例

「前職では広告の法人営業を1年半担当しました。出稿という単発の取引が中心で、提案が通った後、その企業がどうなったかを知らないまま次に進むことが多くありました。継続して顧客に関わり、変化を見届けられる仕事がしたいと考えるようになりました。」

5. 質問③④ 会社の側の材料を掘る

質問③ 求人票の中で、他社と違うと感じた記述

求人票を3回読んでください。

読む回見るところ
1回目全体を通して読む
2回目業務内容の欄だけを読む
3回目他社の求人票と比べる

3回目が重要です。

同じ職種の求人票を2〜3枚並べて読むと、その会社にしかない記述が見えます。

よくある記述(使えない)会社固有の記述(使える)
未経験歓迎導入後の運用支援まで営業が担当
風通しの良い社風週1回、全社で数字を共有する会議がある
若いうちから裁量入社3ヶ月で自分の担当顧客を持つ
成長できる環境四半期ごとに担当領域を見直す

質問④ この会社のサービスは、誰の何を解決しているか

サービスサイトを30分見てください。

見るべきは3箇所です。

箇所分かること
導入事例誰が使い、何が変わったか(数字がある)
サービスの特長何を売りにしているか
よくある質問顧客が何に迷うか

導入事例が最も使えます。

具体的な数字が載っていることが多く、それを志望動機に引用すると、「調べた人」であることが明確に伝わります。

ブロック2の例

「御社のサービスは、契約が継続する形であり、導入後の運用支援まで営業が担当されると求人票にありました。導入事例を拝見し、請求業務の時間が月20時間から3時間に短縮されたという記載がありました。こうした変化を、提案した本人が継続して見届けられる点に、強く惹かれています。」

会社名を別の会社に入れ替えても成立するか、必ず確認してください。成立するなら、まだ書けていません。

6. 質問⑤ 入社後の話を書く

ブロック3は、短くて構いません。

ただし、次の2点を守ってください。

守ること理由
実行可能な範囲で書く大きすぎる目標は現実味がない
最初の1年に限定する3年後の話は志望動機ではない
弱い書き方強い書き方
会社に貢献したいですまず担当顧客を持ち、導入後の課題まで把握できるようになりたいです
早く成長したいです3ヶ月で製品を理解し、6ヶ月で提案を一人で組み立てられるようになりたいです
御社の発展に寄与したいです前職で培った提案の型を、継続型の商材に合わせて作り直したいです

ブロック3の例

「入社後は、まず営業として担当顧客を持ち、導入後の運用まで把握できるようになりたいと考えています。前職で担当していた40社の管理経験を、継続型の商材に合わせて活かしたいです。」

7. 書いた後の検証:3つのテスト

書き終わったら、必ず次の3つを確認してください。

テスト① 会社名の入れ替えテスト

志望動機の会社名を、競合他社の名前に置き換えてください。

結果判定
そのまま成立する不合格。ブロック2を書き直す
成立しない合格

これが最も重要なテストです。

テスト② 数字テスト

志望動機の中に、数字が1つ以上入っていますか。

入れられる数字
現職の実績40社を担当、受注率18%→27%
会社の情報導入事例の20時間→3時間
入社後の目標3ヶ月で製品理解、6ヶ月で提案

数字が1つもないと、抽象的な文章になります。

テスト③ 音読テスト

声に出して読んでください。

症状対処
息が続かない1文が長すぎる。40〜60字で切る
何を言っているか分からない主語が抜けている
同じ言葉が何度も出る「思います」「考えています」の繰り返しを減らす

音読は、面接の練習にもなります。

志望動機は、面接で必ず口頭で聞かれます。書いた文章をそのまま話せる形にしておいてください。

8. どうしても書けないときの最終手段

5つの質問に答えても書けない場合、原因は1つです。

その会社に、応募する理由が本当にないのです。

この場合、次のどちらかを選んでください。

選択判断
① 応募をやめる書けない会社は、面接でも話せない
② 応募する理由を作りに行くもう30分、会社を調べる

①は、悪い選択ではありません。

10社に応募する中で、2〜3社は「やっぱり違う」と気づくものです。その気づきは、書類作成の段階で得られた方が、面接の時間を使うより効率的です。

ただし、②を先に試してください。

「調べていないから書けない」のか「調べたけど惹かれない」のかは、別の問題です。

30分の調べ直しでやること

#やること時間
1サービスサイトの導入事例を3件読む15分
2採用ページの社員インタビューを1本読む10分
3直近のニュースリリースを1件読む5分

この30分で書けないなら、応募をやめてよいです。

9. よくある質問

志望動機は何文字書けばいいですか?

職務経歴書なら350〜550字、履歴書の欄なら200〜300字が目安です。応募フォームに文字数制限がある場合は、ブロック2(なぜこの会社か)を優先して残してください。

「成長したい」と書いてはいけませんか?

「成長したい」だけでは弱いです。「何を身につけて、それで何をするか」まで書いてください。「成長したい」は、会社が応募者に提供するものであり、応募者が会社に提供するものではありません。

未経験の職種で、志望動機が書けません。

「なぜその職種か」から始めてください。現職での経験の中で、その職種の仕事に近い部分を1つ探します。未経験職種の志望動機の型は、専用の記事にまとめています。

給与や待遇が理由の場合、どう書けばいいですか?

給与を志望動機に書かないでください。ただし、嘘をつく必要もありません。「成果が評価に反映される環境で働きたい」という形であれば、書けます。面接で「給与も理由ですか」と聞かれたら、「それも理由の1つです」と答えて構いません。

複数社に応募する場合、志望動機は使い回せますか?

ブロック1(自分の経験と方向)は共通で構いません。ブロック2(なぜこの会社か)は、必ず会社ごとに書き直してください。ブロック3も、会社の業務に合わせて調整します。

面接で聞かれる志望動機と、書類の志望動機は同じでいいですか?

同じにしてください。書類と面接で内容が違うと、面接官が混乱します。書類に書いた内容を、口頭で話せる形にしておくのが正解です。

エージェントに志望動機を書いてもらってもいいですか?

書いてもらうのではなく、添削してもらってください。担当者が書いた文章は、面接で自分の言葉として話せません。自分で書いた7割の完成度のものを見てもらう方が、結果的に早く良くなります。

求人票の情報が少なく、調べようがありません。

コーポレートサイトとサービスサイトを見てください。求人票だけで書ける会社は、ほとんどありません。それでも情報がない場合は、エージェントの担当者に「この会社の特徴を教えてください」と聞いてください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

志望動機が書けないのは、文章力の問題ではなく、材料が手元にないからです。

そして、材料の半分は会社のサイトにあります。自分の頭の中を探しても、出てきません。

今夜やること

応募先のサービスサイトで、導入事例を3件読む(15分)

第1章の5つの質問に、箇条書きで答える(20分)

3ブロックの型に流し込んで、350字程度で書く(20分)

目安時間:合計55分

書き終わったら、会社名を競合他社に入れ替えてみてください。

そのまま成立するなら、ブロック2を書き直します。

私は最初、3社分すべてが入れ替え可能でした。サービスサイトを30分見ただけで、書けるようになりました。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。