求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さない【2026年版】
〜求人票は上から読んではいけません。読む順番が決まっています〜
求人票を開いたとき、多くの人は上から順に読みます。会社名、仕事内容、給与、勤務地、休日。
この読み方だと、判断に必要な情報を見落とします。求人票で最も重要な情報は、目立つ場所には書かれていないからです。
固定残業代の内訳は、給与欄の「※」以下の小さな文字。募集の背景は、仕事内容の最後の1行。実際の年収は、想定年収の下限。これらは、意識して探しにいかないと目に入りません。
この記事では、求人票を9項目に分解し、読む順番と、各項目の見るべき場所を整理します。
1. 結論:この順番で読む
① 必須要件 → ② 仕事内容 → ③ 給与欄の「※」以下 → ④ 募集背景
この4つで、応募すべきかの8割が決まります。
① 必須要件を最初に読む理由
そもそも応募できるかを最初に判定するためです。仕事内容が魅力的でも、必須要件を満たしていなければ時間の無駄になります。
② 仕事内容を2番目に読む理由
「その業務を自分がやりたいか」が判断の中心だからです。ここが曖昧な求人(3行しか書かれていない、抽象的な表現ばかり)は、入社後のミスマッチの可能性が高くなります。
③ 給与欄の「※」を3番目に読む理由
提示額が実際にいくらなのかは、注記に書かれているからです。「月給30万円以上」の下の小さな文字に、固定残業代の内訳が書かれています。
④ 募集背景を4番目に読む理由
増員なのか、欠員補充なのかで、入社後の状況が変わります。ここが書かれていない求人は、面接で必ず聞いてください。
2. 9項目の読み方
① 必須要件・応募資格
| 見るべき点 | 意味 |
|---|---|
| 「必須」と「歓迎」の区別 | 必須は絶対条件。歓迎は加点条件 |
| 「社会人経験◯年以上」 | 第二新卒の可否を判定する最重要項目 |
| 「未経験可」の但し書き | 「実務未経験可(学習済みが前提)」の場合がある |
| 資格の記載 | 「必須」なら取得してからでないと応募できない |
| 「学歴不問」の有無 | 中退・高卒の場合に確認 |
「未経験可」の落とし穴
同じ「未経験可」でも、意味が2通りあります。
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 「業界未経験可」 | その職種の経験は必要。業界が違ってもよい |
| 「職種未経験可」 | その職種の経験は不要 |
| 「実務未経験可」 | 実務経験は不要だが、学習・ポートフォリオが前提のことが多い |
| 「未経験歓迎」 | 本当に未経験から採用する意思がある |
「未経験歓迎」と「未経験可」では、後者のほうが条件が厳しいことがあります。必須要件欄と併せて読んでください。
② 仕事内容
| 見るべき点 | 判断 |
|---|---|
| 具体的な業務が箇条書きされているか | されていれば、業務が明確 |
| 1日・1週間の流れが書かれているか | あれば、実態が想像できる |
| 「その他付随する業務」の扱い | これが業務の大半を占める会社もある |
| 担当する顧客・製品の規模 | 「中小企業向け」「年商◯億」など |
| チーム構成 | 何名のチームか |
危険なサイン
- 業務内容が3行以下
- 「幅広い業務」「様々な業務」が中心
- 精神論が多い(「熱意のある方」「一緒に成長できる方」)
- 具体的な業務ではなく、やりがいの説明が中心
仕事内容が薄い求人は、面接で必ず具体的に聞いてください。そこで具体的に答えられない場合、業務が定義されていない可能性があります。
③ 給与欄(最も注意が必要)
見るべきは、金額そのものではなく「※」以下の注記です。
| 表記 | 意味 | 確認すること |
|---|---|---|
| 「月給300,000円以上」 | 下限のみ。上限は不明 | 実際の提示額は面接で |
| 「※固定残業代◯円(◯時間分)を含む」 | 基本給はその分低い | 何時間分か。超過分の支払いはあるか |
| 「※みなし残業代を含む」 | 同上。時間数の記載がない場合は要確認 | 何時間分か |
| 「年収350万円〜700万円」 | 未経験なら下限付近 | 「未経験入社の初年度実績」を面接で確認 |
| 「※経験・能力を考慮の上決定」 | 提示額は個別 | 現職の年収を根拠に交渉 |
| 「※賞与含む」 | 賞与は業績連動の場合がある | 過去3年の支給実績 |
固定残業代の計算
「月給30万円(固定残業代60,000円/40時間分を含む)」の場合、
- 基本給:24万円
- 固定残業代:6万円(40時間分)
- 40時間残業して、月給30万円
つまり、残業なしで働いた場合も30万円ですが、40時間残業しても30万円です。提示額を見るときは、必ず固定残業代を差し引いた基本給で比較してください。
固定残業代が「45時間分」を超えている場合
それだけの残業が想定されている、という意思表示と読めます。実際にそこまで残業がない会社もありますが、面接で「直近3ヶ月の平均残業時間」を必ず確認してください。
④ 募集背景
| 記載 | 意味 |
|---|---|
| 「事業拡大に伴う増員」 | 成長段階。ポジションが新設される |
| 「欠員補充」 | 前任者が退職。理由を面接で確認 |
| 「新規事業立ち上げ」 | 裁量は大きいが、不確実性も大きい |
| 「組織体制の強化」 | 曖昧。面接で具体的に確認 |
| 記載なし | 面接で必ず聞く |
欠員補充の場合、「前任の方はどうされましたか」と聞いてください。異動・昇進なら問題ありませんが、退職の場合、その理由を確認する価値があります。
⑤ 勤務地
| 見るべき点 | 確認すること |
|---|---|
| 具体的な住所か、「本社および各拠点」か | 配属先が確定しているか |
| 「転勤あり」の記載 | 頻度と範囲 |
| 「リモートワーク可」の条件 | 週何日か、入社直後から可能か |
| 「将来的に転勤の可能性あり」 | 実際の運用を面接で確認 |
「転勤なし」と書かれていない求人は、転勤の可能性があると考えてください。面接で確認できます。
⑥ 勤務時間・残業
| 見るべき点 | 確認すること |
|---|---|
| 所定労働時間 | 1日8時間か、7.5時間か |
| 休憩時間 | 60分が標準 |
| 「平均残業時間◯時間」 | 全社平均か、配属部署の数字か |
| フレックスタイム制 | コアタイムの有無 |
| 裁量労働制・みなし労働時間制 | 対象職種か、実態はどうか |
「平均残業時間20時間」と書かれていても、全社平均であることが多いです。面接で「配属予定の部署の直近3ヶ月の平均」を確認してください。
⑦ 休日・休暇
| 見るべき点 | 意味 |
|---|---|
| 「完全週休2日制」 | 毎週2日休み |
| 「週休2日制」 | 月に1回以上、週2日の週があるという意味。毎週ではない |
| 年間休日日数 | 120日以上が土日祝休みの目安 |
| 「シフト制」 | 土日出勤がある |
| 有給の取得実績 | 記載があれば信頼度が上がる |
「完全週休2日制」と「週休2日制」は、まったく違います。後者は、毎週2日休めるとは限りません。年間休日日数を必ず確認してください。
| 年間休日 | 実態 |
|---|---|
| 125日以上 | 土日祝休み+夏季年末年始 |
| 120日前後 | 土日祝休み |
| 110日前後 | 土日休みだが祝日は出勤、または隔週土曜出勤 |
| 105日前後 | 週休2日制(毎週ではない) |
| 105日未満 | 労働時間の上限に注意が必要 |
⑧ 待遇・福利厚生
| 見るべき点 | 確認すること |
|---|---|
| 社会保険完備 | 記載がない場合は要確認 |
| 昇給・賞与 | 「昇給年1回」「賞与年2回」の実績 |
| 「賞与:業績による」 | 支給されない年がありうる |
| 交通費 | 「全額支給」か「上限◯円」か |
| 退職金制度 | 有無と、勤続何年からか |
| 研修制度 | 具体的な内容が書かれているか |
「賞与年2回」とだけ書かれている場合、支給月数が不明です。面接で「直近3年の賞与実績(月数)」を確認できます。
⑨ 会社情報
| 見るべき点 | 確認すること |
|---|---|
| 設立年 | 会社の段階 |
| 従業員数 | 組織の規模。少なすぎる場合は業務範囲が広い |
| 平均年齢 | 若すぎる場合、定着率を確認 |
| 事業内容 | 収益源が明確か |
| 資本金・売上高 | 記載があれば規模の目安 |
「平均年齢28歳」のような記載は、2通りの解釈ができます。成長企業で若手を大量採用しているか、定着率が低いか。面接で「入社1年後の在籍率」を聞くと判別できます。
3. 編集長の実体験:固定残業代を見落として面接に行った話
私が第二新卒の転職活動をしていたとき、応募した1社で、面接の場で気づいたことがあります。
面接での会話
面接官「給与について、ご希望はありますか」
私「求人票に月給32万円以上とありましたので、そのくらいを想定しています」
面接官「あ、あれは固定残業代を含んだ金額です。基本給は25万5千円で、残業45時間分の6万5千円が含まれています」
私「……45時間分ですか」
面接官「はい。実際の残業は月30〜40時間くらいですね」
私は求人票の「※」以下を読んでいませんでした。
このとき気づいたのは、月給32万円という数字だけを見て、現職(月給28万円)より良いと判断していたということです。実際には、基本給で比べると25.5万円で、現職より低い。そして月40時間の残業が前提。
面接自体は最後まで受けましたが、辞退しました。
その後、私は求人票を開いたら最初に「※」を探すようにしました。これだけで、応募先の絞り込みの精度が変わりました。
もう1つ、この経験で学んだことがあります。面接官は、聞けば正直に答えてくれました。固定残業代のことも、実際の残業時間も、こちらが聞いたから教えてくれた情報です。
求人票に書かれていないことは、面接で聞けば分かります。聞かなければ、分からないまま入社することになります。
4. 求人票に「書かれていないこと」の見つけ方
求人票に書かれていない項目は、意図的に書いていない場合があります。
| 書かれていない項目 | 考えられる理由 |
|---|---|
| 年間休日日数 | 少ない可能性 |
| 平均残業時間 | 多い可能性、または把握していない |
| 募集背景 | 欠員補充で、理由を書きにくい |
| 従業員数 | 少ない、または非公開の方針 |
| 昇給・賞与の実績 | 実績が安定していない |
| 具体的な業務内容 | 業務が定義されていない |
| 前年度の有給取得率 | 低い可能性 |
ただし、単に記載を省略しているだけの場合もあります。「書かれていない=悪い」と決めつけず、面接で確認する項目としてメモしてください。
確認の順番
- 企業の採用ページ(求人サイトより情報が多いことがある)
- 企業の公式サイト(会社概要、IR情報)
- 口コミサイト(参考程度に)
- 面接での質問(最も確実)
5. 面接で確認する7つの質問
求人票だけでは分からないことを、面接で確認します。これらは全て、聞いても問題のない質問です。
| 質問 | 何が分かるか |
|---|---|
| 「配属予定の部署の、直近3ヶ月の平均残業時間を教えてください」 | 実際の労働時間 |
| 「固定残業代は何時間分でしょうか。超過分は支給されますか」 | 給与の実態 |
| 「このポジションの募集背景を教えてください」 | 増員か欠員補充か |
| 「未経験で入社された方の、初年度の年収実績を教えてください」 | 提示額の実際 |
| 「入社1年後の在籍率はどのくらいですか」 | 定着率 |
| 「1年目に担当する業務を教えてください」 | 業務範囲 |
| 「年間休日日数と、有給の取得実績を教えてください」 | 休日の実態 |
これらは、一次面接の逆質問で聞いて問題ありません。むしろ、業務を具体的に理解しようとしている応募者として、印象が良くなることが多いです。
聞き方のコツ
「残業は多いですか」ではなく、「直近3ヶ月の平均残業時間を教えてください」と聞いてください。前者は主観的な答えが返ってきますが、後者は数字で返ってきます。
6. 危険な求人票の10のサイン
| サイン | 何を意味しうるか |
|---|---|
| 仕事内容が3行以下 | 業務が定義されていない |
| 精神論が多い(熱意、成長、家族的) | 具体的な条件で訴求できない |
| 固定残業代が45時間分を超える | 長時間労働が前提 |
| 「完全週休2日制」でなく年間休日の記載もない | 休日が少ない可能性 |
| 「幹部候補」「将来の管理職」を強調 | 実態が伴わない場合がある |
| 常に募集が出ている | 離職率が高い可能性(成長企業の場合もある) |
| 給与の幅が極端(300万〜1,000万など) | 上限は例外的な数字 |
| 「学歴・経験不問」を過度に強調 | 誰でもできる業務の可能性 |
| 雇用形態が「業務委託」 | 雇用ではない。保護がない |
| 会社情報が極端に少ない | 情報開示の姿勢 |
1つ当てはまるだけで避ける必要はありません。3つ以上当てはまる場合、面接で慎重に確認してください。
7. 求人票を比較するときの表
複数の求人を検討するときは、次の項目で表を作ると比較しやすくなります。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 基本給(固定残業代を除く) | ||
| 固定残業代の時間数 | ||
| 年間休日 | ||
| 1年目の担当業務 | ||
| 募集背景 | ||
| 通勤時間 | ||
| 3年後に身につくもの |
「提示年収」ではなく「基本給」で比較するのが要点です。固定残業代を含む金額同士を比べると、実態がずれます。
最後の行も重要です。条件が同じなら、3年後の職務経歴書に書ける内容で選んでください。
8. 求人票の情報を、志望動機に使う
求人票を丁寧に読むと、志望動機の材料が手に入ります。
| 求人票の記述 | 志望動機での使い方 |
|---|---|
| 「新規開拓と既存フォローを両方担当」 | 「両方を担当できる点に関心を持ちました。前職では既存中心だったため」 |
| 「入社2年目から企画業務に関わる」 | 「企画に関われる範囲があることが、御社を志望した理由です」 |
| 「中小企業向け」 | 「中小企業の意思決定に直接関われる点に関心があります」 |
| 「事業拡大に伴う増員」 | 「拡大段階の組織で、体制作りにも関わりたいと考えています」 |
「求人票に◯◯と記載がありました」と具体的に引用できると、志望度の高さが伝わります。ほとんどの応募者は、求人票をそこまで読んでいません。
9. よくある質問
「月給30万円以上」の「以上」はどう読めばいいですか?
下限を示しているだけで、多くの場合は下限付近が提示されます。特に未経験・第二新卒の場合、下限から数千円〜数万円上程度が標準です。面接で「未経験で入社された方の初年度実績」を確認してください。
固定残業代は違法ではないのですか?
制度自体は違法ではありません。ただし、①基本給と固定残業代が明確に区分されていること、②何時間分かが明示されていること、③超過分は別途支払われること、の要件を満たす必要があります。これらが不明確な場合、面接で確認してください。
「みなし残業」と「固定残業代」は違いますか?
実務上、同じ意味で使われることが多いです。ただし、「みなし労働時間制(事業場外みなし・裁量労働制)」は別の制度です。求人票に「裁量労働制」と書かれている場合は、対象職種か、実際の運用はどうかを確認してください。
「週休2日制」なら毎週2日休めますか?
休めません。「週休2日制」は、月に1回以上、週2日休みの週があるという意味です。毎週2日休めるのは「完全週休2日制」です。年間休日日数で確認するのが最も確実です。
「未経験可」なのに経験者が採用されるのはなぜですか?
「未経験可」は、未経験者を優先するという意味ではありません。経験者の応募があれば、そちらが選ばれることは通常あります。「未経験歓迎」「未経験からの入社実績多数」と書かれている求人のほうが、実際に未経験を採用する意思が明確です。
常に掲載されている求人は避けるべきですか?
一概には言えません。継続的に人員を増やしている成長企業と、離職率が高く常に補充している企業の両方があります。見分け方は、①募集背景欄を読む、②面接で「このポジションの前任者はどうされましたか」と聞く、③入社1年後の在籍率を聞く、の3つです。
求人票と実際の条件が違ったらどうなりますか?
労働条件通知書(内定時に交付される書面)が、法的な条件です。求人票は募集の案内であり、最終的な条件は労働条件通知書で確定します。内定承諾の前に、必ず労働条件通知書の内容を確認してください。大きく異なる場合は、その場で確認・交渉できます。
求人票のどこを見れば「ブラック企業」が分かりますか?
単一の項目では判定できません。第6章の10のサインのうち、3つ以上当てはまる場合に慎重になってください。最も確実なのは、面接で数字を聞くことです。平均残業時間、年間休日、在籍率。これらを数字で答えられない企業は、把握していないか、答えたくない数字である可能性があります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
求人票は、読む順番と、見る場所が決まっています。この2つを変えるだけで、応募先の精度が変わります。
今夜やること
① 検討中の求人を1件開き、給与欄の「※」以下を全部読む(固定残業代の金額と時間数を書き出す)
② 同じ求人の年間休日日数を確認する(記載がなければ、面接での確認事項としてメモ)
③ その求人で「求人票に書かれていないこと」を3つ書き出す(募集背景、平均残業時間、在籍率など)
③がそのまま、面接での逆質問になります。求人票を丁寧に読んだ応募者は少ないため、この質問をするだけで、業務理解の姿勢が伝わります。
この先、読むべき記事
- 求人票からブラック企業を見抜く|第二新卒が2社目を外さない15のチェック(避けるべき求人の見分け方)
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- 年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか(年間休日日数の読み方)
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- 副業可の求人を正しく読む|許可制と届出制の違い(副業に関する記載)
- 求人票の仕事内容の読み方|1日の流れを読み取る(仕事内容欄の読み方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。