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求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さない【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さない【2026年版】

〜求人票は上から読んではいけません。読む順番が決まっています〜

求人票を開いたとき、多くの人は上から順に読みます。会社名、仕事内容、給与、勤務地、休日。

この読み方だと、判断に必要な情報を見落とします。求人票で最も重要な情報は、目立つ場所には書かれていないからです。

固定残業代の内訳は、給与欄の「※」以下の小さな文字。募集の背景は、仕事内容の最後の1行。実際の年収は、想定年収の下限。これらは、意識して探しにいかないと目に入りません。

この記事では、求人票を9項目に分解し、読む順番と、各項目の見るべき場所を整理します。

1. 結論:この順番で読む

① 必須要件 → ② 仕事内容 → ③ 給与欄の「※」以下 → ④ 募集背景

この4つで、応募すべきかの8割が決まります。

① 必須要件を最初に読む理由

そもそも応募できるかを最初に判定するためです。仕事内容が魅力的でも、必須要件を満たしていなければ時間の無駄になります。

② 仕事内容を2番目に読む理由

「その業務を自分がやりたいか」が判断の中心だからです。ここが曖昧な求人(3行しか書かれていない、抽象的な表現ばかり)は、入社後のミスマッチの可能性が高くなります。

③ 給与欄の「※」を3番目に読む理由

提示額が実際にいくらなのかは、注記に書かれているからです。「月給30万円以上」の下の小さな文字に、固定残業代の内訳が書かれています。

④ 募集背景を4番目に読む理由

増員なのか、欠員補充なのかで、入社後の状況が変わります。ここが書かれていない求人は、面接で必ず聞いてください。

2. 9項目の読み方

① 必須要件・応募資格

見るべき点意味
「必須」と「歓迎」の区別必須は絶対条件。歓迎は加点条件
「社会人経験◯年以上」第二新卒の可否を判定する最重要項目
「未経験可」の但し書き「実務未経験可(学習済みが前提)」の場合がある
資格の記載「必須」なら取得してからでないと応募できない
「学歴不問」の有無中退・高卒の場合に確認

「未経験可」の落とし穴

同じ「未経験可」でも、意味が2通りあります。

表記意味
「業界未経験可」その職種の経験は必要。業界が違ってもよい
「職種未経験可」その職種の経験は不要
「実務未経験可」実務経験は不要だが、学習・ポートフォリオが前提のことが多い
「未経験歓迎」本当に未経験から採用する意思がある

「未経験歓迎」と「未経験可」では、後者のほうが条件が厳しいことがあります。必須要件欄と併せて読んでください。

② 仕事内容

見るべき点判断
具体的な業務が箇条書きされているかされていれば、業務が明確
1日・1週間の流れが書かれているかあれば、実態が想像できる
「その他付随する業務」の扱いこれが業務の大半を占める会社もある
担当する顧客・製品の規模「中小企業向け」「年商◯億」など
チーム構成何名のチームか

危険なサイン

  • 業務内容が3行以下
  • 「幅広い業務」「様々な業務」が中心
  • 精神論が多い(「熱意のある方」「一緒に成長できる方」)
  • 具体的な業務ではなく、やりがいの説明が中心

仕事内容が薄い求人は、面接で必ず具体的に聞いてください。そこで具体的に答えられない場合、業務が定義されていない可能性があります。

③ 給与欄(最も注意が必要)

見るべきは、金額そのものではなく「※」以下の注記です。

表記意味確認すること
「月給300,000円以上」下限のみ。上限は不明実際の提示額は面接で
「※固定残業代◯円(◯時間分)を含む」基本給はその分低い何時間分か。超過分の支払いはあるか
「※みなし残業代を含む」同上。時間数の記載がない場合は要確認何時間分か
「年収350万円〜700万円」未経験なら下限付近「未経験入社の初年度実績」を面接で確認
「※経験・能力を考慮の上決定」提示額は個別現職の年収を根拠に交渉
「※賞与含む」賞与は業績連動の場合がある過去3年の支給実績

固定残業代の計算

「月給30万円(固定残業代60,000円/40時間分を含む)」の場合、

  • 基本給:24万円
  • 固定残業代:6万円(40時間分)
  • 40時間残業して、月給30万円

つまり、残業なしで働いた場合も30万円ですが、40時間残業しても30万円です。提示額を見るときは、必ず固定残業代を差し引いた基本給で比較してください。

固定残業代が「45時間分」を超えている場合

それだけの残業が想定されている、という意思表示と読めます。実際にそこまで残業がない会社もありますが、面接で「直近3ヶ月の平均残業時間」を必ず確認してください。

④ 募集背景

記載意味
「事業拡大に伴う増員」成長段階。ポジションが新設される
「欠員補充」前任者が退職。理由を面接で確認
「新規事業立ち上げ」裁量は大きいが、不確実性も大きい
「組織体制の強化」曖昧。面接で具体的に確認
記載なし面接で必ず聞く

欠員補充の場合、「前任の方はどうされましたか」と聞いてください。異動・昇進なら問題ありませんが、退職の場合、その理由を確認する価値があります。

⑤ 勤務地

見るべき点確認すること
具体的な住所か、「本社および各拠点」か配属先が確定しているか
「転勤あり」の記載頻度と範囲
「リモートワーク可」の条件週何日か、入社直後から可能か
「将来的に転勤の可能性あり」実際の運用を面接で確認

「転勤なし」と書かれていない求人は、転勤の可能性があると考えてください。面接で確認できます。

⑥ 勤務時間・残業

見るべき点確認すること
所定労働時間1日8時間か、7.5時間か
休憩時間60分が標準
「平均残業時間◯時間」全社平均か、配属部署の数字か
フレックスタイム制コアタイムの有無
裁量労働制・みなし労働時間制対象職種か、実態はどうか

「平均残業時間20時間」と書かれていても、全社平均であることが多いです。面接で「配属予定の部署の直近3ヶ月の平均」を確認してください。

⑦ 休日・休暇

見るべき点意味
「完全週休2日制」毎週2日休み
「週休2日制」月に1回以上、週2日の週があるという意味。毎週ではない
年間休日日数120日以上が土日祝休みの目安
「シフト制」土日出勤がある
有給の取得実績記載があれば信頼度が上がる

「完全週休2日制」と「週休2日制」は、まったく違います。後者は、毎週2日休めるとは限りません。年間休日日数を必ず確認してください。

年間休日実態
125日以上土日祝休み+夏季年末年始
120日前後土日祝休み
110日前後土日休みだが祝日は出勤、または隔週土曜出勤
105日前後週休2日制(毎週ではない)
105日未満労働時間の上限に注意が必要

⑧ 待遇・福利厚生

見るべき点確認すること
社会保険完備記載がない場合は要確認
昇給・賞与「昇給年1回」「賞与年2回」の実績
「賞与:業績による」支給されない年がありうる
交通費「全額支給」か「上限◯円」か
退職金制度有無と、勤続何年からか
研修制度具体的な内容が書かれているか

「賞与年2回」とだけ書かれている場合、支給月数が不明です。面接で「直近3年の賞与実績(月数)」を確認できます。

⑨ 会社情報

見るべき点確認すること
設立年会社の段階
従業員数組織の規模。少なすぎる場合は業務範囲が広い
平均年齢若すぎる場合、定着率を確認
事業内容収益源が明確か
資本金・売上高記載があれば規模の目安

「平均年齢28歳」のような記載は、2通りの解釈ができます。成長企業で若手を大量採用しているか、定着率が低いか。面接で「入社1年後の在籍率」を聞くと判別できます。

3. 編集長の実体験:固定残業代を見落として面接に行った話

私が第二新卒の転職活動をしていたとき、応募した1社で、面接の場で気づいたことがあります。

面接での会話

面接官「給与について、ご希望はありますか」

私「求人票に月給32万円以上とありましたので、そのくらいを想定しています」

面接官「あ、あれは固定残業代を含んだ金額です。基本給は25万5千円で、残業45時間分の6万5千円が含まれています」

私「……45時間分ですか」

面接官「はい。実際の残業は月30〜40時間くらいですね」

私は求人票の「※」以下を読んでいませんでした。

このとき気づいたのは、月給32万円という数字だけを見て、現職(月給28万円)より良いと判断していたということです。実際には、基本給で比べると25.5万円で、現職より低い。そして月40時間の残業が前提。

面接自体は最後まで受けましたが、辞退しました。

その後、私は求人票を開いたら最初に「※」を探すようにしました。これだけで、応募先の絞り込みの精度が変わりました。

もう1つ、この経験で学んだことがあります。面接官は、聞けば正直に答えてくれました。固定残業代のことも、実際の残業時間も、こちらが聞いたから教えてくれた情報です。

求人票に書かれていないことは、面接で聞けば分かります。聞かなければ、分からないまま入社することになります。

4. 求人票に「書かれていないこと」の見つけ方

求人票に書かれていない項目は、意図的に書いていない場合があります。

書かれていない項目考えられる理由
年間休日日数少ない可能性
平均残業時間多い可能性、または把握していない
募集背景欠員補充で、理由を書きにくい
従業員数少ない、または非公開の方針
昇給・賞与の実績実績が安定していない
具体的な業務内容業務が定義されていない
前年度の有給取得率低い可能性

ただし、単に記載を省略しているだけの場合もあります。「書かれていない=悪い」と決めつけず、面接で確認する項目としてメモしてください。

確認の順番

  1. 企業の採用ページ(求人サイトより情報が多いことがある)
  2. 企業の公式サイト(会社概要、IR情報)
  3. 口コミサイト(参考程度に)
  4. 面接での質問(最も確実)

5. 面接で確認する7つの質問

求人票だけでは分からないことを、面接で確認します。これらは全て、聞いても問題のない質問です。

質問何が分かるか
「配属予定の部署の、直近3ヶ月の平均残業時間を教えてください」実際の労働時間
「固定残業代は何時間分でしょうか。超過分は支給されますか」給与の実態
「このポジションの募集背景を教えてください」増員か欠員補充か
「未経験で入社された方の、初年度の年収実績を教えてください」提示額の実際
「入社1年後の在籍率はどのくらいですか」定着率
「1年目に担当する業務を教えてください」業務範囲
「年間休日日数と、有給の取得実績を教えてください」休日の実態

これらは、一次面接の逆質問で聞いて問題ありません。むしろ、業務を具体的に理解しようとしている応募者として、印象が良くなることが多いです。

聞き方のコツ

「残業は多いですか」ではなく、「直近3ヶ月の平均残業時間を教えてください」と聞いてください。前者は主観的な答えが返ってきますが、後者は数字で返ってきます。

6. 危険な求人票の10のサイン

サイン何を意味しうるか
仕事内容が3行以下業務が定義されていない
精神論が多い(熱意、成長、家族的)具体的な条件で訴求できない
固定残業代が45時間分を超える長時間労働が前提
「完全週休2日制」でなく年間休日の記載もない休日が少ない可能性
「幹部候補」「将来の管理職」を強調実態が伴わない場合がある
常に募集が出ている離職率が高い可能性(成長企業の場合もある)
給与の幅が極端(300万〜1,000万など)上限は例外的な数字
「学歴・経験不問」を過度に強調誰でもできる業務の可能性
雇用形態が「業務委託」雇用ではない。保護がない
会社情報が極端に少ない情報開示の姿勢

1つ当てはまるだけで避ける必要はありません。3つ以上当てはまる場合、面接で慎重に確認してください。

7. 求人票を比較するときの表

複数の求人を検討するときは、次の項目で表を作ると比較しやすくなります。

項目A社B社
基本給(固定残業代を除く)
固定残業代の時間数
年間休日
1年目の担当業務
募集背景
通勤時間
3年後に身につくもの

「提示年収」ではなく「基本給」で比較するのが要点です。固定残業代を含む金額同士を比べると、実態がずれます。

最後の行も重要です。条件が同じなら、3年後の職務経歴書に書ける内容で選んでください。

8. 求人票の情報を、志望動機に使う

求人票を丁寧に読むと、志望動機の材料が手に入ります。

求人票の記述志望動機での使い方
「新規開拓と既存フォローを両方担当」「両方を担当できる点に関心を持ちました。前職では既存中心だったため」
「入社2年目から企画業務に関わる」「企画に関われる範囲があることが、御社を志望した理由です」
「中小企業向け」「中小企業の意思決定に直接関われる点に関心があります」
「事業拡大に伴う増員」「拡大段階の組織で、体制作りにも関わりたいと考えています」

「求人票に◯◯と記載がありました」と具体的に引用できると、志望度の高さが伝わります。ほとんどの応募者は、求人票をそこまで読んでいません。

9. よくある質問

「月給30万円以上」の「以上」はどう読めばいいですか?

下限を示しているだけで、多くの場合は下限付近が提示されます。特に未経験・第二新卒の場合、下限から数千円〜数万円上程度が標準です。面接で「未経験で入社された方の初年度実績」を確認してください。

固定残業代は違法ではないのですか?

制度自体は違法ではありません。ただし、①基本給と固定残業代が明確に区分されていること、②何時間分かが明示されていること、③超過分は別途支払われること、の要件を満たす必要があります。これらが不明確な場合、面接で確認してください。

「みなし残業」と「固定残業代」は違いますか?

実務上、同じ意味で使われることが多いです。ただし、「みなし労働時間制(事業場外みなし・裁量労働制)」は別の制度です。求人票に「裁量労働制」と書かれている場合は、対象職種か、実際の運用はどうかを確認してください。

「週休2日制」なら毎週2日休めますか?

休めません。「週休2日制」は、月に1回以上、週2日休みの週があるという意味です。毎週2日休めるのは「完全週休2日制」です。年間休日日数で確認するのが最も確実です。

「未経験可」なのに経験者が採用されるのはなぜですか?

「未経験可」は、未経験者を優先するという意味ではありません。経験者の応募があれば、そちらが選ばれることは通常あります。「未経験歓迎」「未経験からの入社実績多数」と書かれている求人のほうが、実際に未経験を採用する意思が明確です。

常に掲載されている求人は避けるべきですか?

一概には言えません。継続的に人員を増やしている成長企業と、離職率が高く常に補充している企業の両方があります。見分け方は、①募集背景欄を読む、②面接で「このポジションの前任者はどうされましたか」と聞く、③入社1年後の在籍率を聞く、の3つです。

求人票と実際の条件が違ったらどうなりますか?

労働条件通知書(内定時に交付される書面)が、法的な条件です。求人票は募集の案内であり、最終的な条件は労働条件通知書で確定します。内定承諾の前に、必ず労働条件通知書の内容を確認してください。大きく異なる場合は、その場で確認・交渉できます。

求人票のどこを見れば「ブラック企業」が分かりますか?

単一の項目では判定できません。第6章の10のサインのうち、3つ以上当てはまる場合に慎重になってください。最も確実なのは、面接で数字を聞くことです。平均残業時間、年間休日、在籍率。これらを数字で答えられない企業は、把握していないか、答えたくない数字である可能性があります。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

求人票は、読む順番と、見る場所が決まっています。この2つを変えるだけで、応募先の精度が変わります。

今夜やること

① 検討中の求人を1件開き、給与欄の「※」以下を全部読む(固定残業代の金額と時間数を書き出す)

② 同じ求人の年間休日日数を確認する(記載がなければ、面接での確認事項としてメモ)

③ その求人で「求人票に書かれていないこと」を3つ書き出す(募集背景、平均残業時間、在籍率など)

③がそのまま、面接での逆質問になります。求人票を丁寧に読んだ応募者は少ないため、この質問をするだけで、業務理解の姿勢が伝わります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。