残業が少ない会社の見分け方|第二新卒が求人票と面接で確認する7項目【2026年版】
〜求人票の「月平均20時間」は、会社全体の平均かもしれません〜
残業の少ない会社に転職したい。
これは、第二新卒の転職理由として最も多いものの1つです。
そして、求人票だけで判断すると、高い確率で外します。
理由は3つあります。
1つ目:求人票の「月平均残業時間」は、会社全体の平均であることが多い。営業部が月40時間、管理部門が月5時間なら、平均は20時間台になります。配属される部署の実態とは違います。
2つ目:申告されていない残業が含まれていない。持ち帰り、始業前の準備、休憩時間中の対応。これらは記録に載らないことがあります。
3つ目:固定残業代の時間数が、実態を示している場合がある。「月平均20時間」と書きながら、45時間分の固定残業代が設定されている求人は、実際にあります。
この記事では、求人票で見る4箇所と、面接で聞く7項目を整理します。
1. 結論:確認する場所は求人票4箇所、面接7項目
求人票で見る4箇所
| # | 見る場所 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| ① | 固定残業代の時間数 | 会社が想定している残業時間 |
| ② | 月平均残業時間の記載 | 全社平均(部署別ではない) |
| ③ | 年間休日数 | 120日未満なら要確認 |
| ④ | 勤務時間の記載 | フレックス、シフトの有無 |
①が最も実態に近い数字です。
会社は、実際に発生する残業を想定して固定残業代を設定します。
45時間分が設定されているなら、それに近い残業が常態化していると読んでください。
面接で聞く7項目
| # | 質問 |
|---|---|
| ① | 「配属予定の部署の、月平均残業時間を教えてください」 |
| ② | 「繁忙期はいつごろで、通常とどのくらい差がありますか」 |
| ③ | 「勤怠の管理は、どのような方法で行われていますか」 |
| ④ | 「持ち帰りの作業が発生することはありますか」 |
| ⑤ | 「休日出勤の頻度はどのくらいですか」 |
| ⑥ | 「有給休暇の取得率を教えてください」 |
| ⑦ | 「同じ部署の方は、何時ごろ退社されることが多いですか」 |
①の「配属予定の部署」が要点です。
「御社の平均は」ではなく「配属予定の部署は」と聞いてください。
2. 求人票の4箇所を読む
① 固定残業代の時間数
| 時間数 | 読み方 |
|---|---|
| 記載なし | 全額が別途支給。比較的良い兆候 |
| 10〜20時間 | 一般的 |
| 20〜30時間 | やや多め |
| 30時間以上 | 常態的な残業を前提とした設計 |
固定残業代の設定がない求人は、残業が少ない可能性が高くなります。
会社が「残業はほとんど発生しない」と考えているためです。
詳しい読み方は、みなし残業の記事にまとめています。
② 月平均残業時間の記載
この数字は、会社全体の平均であることが多くあります。
そして、部署によって実態は大きく違います。
| 部署 | 残業の傾向 |
|---|---|
| 営業(外勤) | 多い傾向 |
| 企画・マーケティング | 中〜多い |
| 経理・人事・総務 | 繁忙期に集中 |
| 事務・アシスタント | 少ない傾向 |
| エンジニア | 案件・時期による |
| カスタマーサポート | シフト制なら少ない傾向 |
同じ会社でも、配属先で20時間以上の差が出ます。
③ 年間休日数
| 日数 | 読み方 |
|---|---|
| 125日以上 | 完全週休2日+祝日+年末年始 |
| 120〜124日 | 一般的な水準 |
| 110〜119日 | 祝日が出勤の場合がある |
| 110日未満 | 週休2日でない可能性 |
年間休日は、残業時間より客観的な指標です。
ごまかしが効きにくい数字なので、まずここを見てください。
④ 勤務時間の記載
| 記載 | 読み方 |
|---|---|
| 9:00〜18:00(休憩60分) | 標準的 |
| フレックスタイム制 | 時間の融通が利く |
| 裁量労働制 | 対象業務と運用の確認が必要 |
| シフト制 | 業種による |
裁量労働制の場合、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めた時間働いたものとみなされます。
対象となる業務は法令で限定されているため、自分の職種が該当するかを確認してください。
3. 編集長の実体験:面接で聞いて、志望度が下がった会社
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、求人票に「月平均残業20時間」と書かれた会社がありました。
ただ、固定残業代は45時間分でした。
この矛盾に気づいて、面接で聞きました。
私「求人票に月平均20時間とありましたが、固定残業代は45時間分となっていました。実際はどのくらいでしょうか」
面接官「20時間というのは、全社の平均ですね」
私「配属予定の部署では、どのくらいでしょうか」
面接官「営業部だと、月30〜40時間くらいです」
私「繁忙期はいかがでしょうか」
面接官「期末は、もう少し行くこともあります」
この会社への志望度は、その場で下がりました。
ただし、面接官は正直に答えてくれました。これは評価すべき点です。
問題だったのは、私が求人票の「20時間」を信じて応募していたことです。
固定残業代の45時間を見た時点で、気づくべきでした。
そして、もう1つ学んだことがあります。
この質問をした後、面接の空気は悪くなりませんでした。
「聞くと印象が悪くなるのでは」と心配していましたが、そんなことはありませんでした。
むしろ、面接官は「よく見ていますね」という反応でした。
ここで学んだのは、条件の確認は、聞かない方が損だということです。
4. 面接での聞き方
聞くタイミング
| タイミング | 適否 |
|---|---|
| 一次面接の逆質問 | 可(ただし2問目以降に) |
| 二次面接の逆質問 | 推奨 |
| 最終面接 | 可 |
| 内定後の条件確認 | 必ず確認 |
| エージェント経由 | 担当者に聞くのが最も楽 |
逆質問の1問目には持ってこないでください。
業務内容の質問をした後に聞くと、自然になります。
聞き方の文例
文例①(配属先の実態)
「働き方について1点伺えますでしょうか。配属予定の部署では、月平均の残業時間はどのくらいでしょうか。」
文例②(繁忙期)
「繁忙期はいつごろで、通常の時期とどのくらい差がありますでしょうか。事前に把握しておきたいと考えております。」
文例③(実際の退社時刻)
「同じ部署の方は、何時ごろ退社されることが多いでしょうか。」
文例③が、最も実態が出ます。
「月平均◯時間」より、「だいたい19時には全員帰っています」の方が具体的です。
5. 答え方から実態を読む
質問への答え方に、実態が出ます。
| 答え方 | 読み方 |
|---|---|
| 「営業部だと月30時間程度です」 | 把握している。信頼できる |
| 「20時に消灯するので、それまでには」 | 仕組みがある。良い兆候 |
| 「人によりますね」 | 管理されていない可能性 |
| 「頑張る人は遅くまでいますね」 | 長時間労働が肯定されている |
| 「最近は減ってきています」 | 以前は多かった |
| 「そんなに多くないです」 | 数字を出していない |
数字が出てこない答えは、把握していないか、言いたくないかのどちらかです。
「そんなに多くないです」と言われたら、「具体的には何時間程度でしょうか」と重ねて聞いてください。
それでも数字が出てこない場合、判断材料として扱ってください。
「頑張る人は遅くまで」に注意
この答えは、長時間労働が評価と結びついている可能性を示します。
定時で帰る人が評価されない文化がある場合、制度上は残業が少なくても、実際には帰りにくくなります。
6. 業界・職種による差
残業時間は、会社より業界と職種で決まる部分が大きくあります。
| 業界 | 傾向 |
|---|---|
| インフラ・公益 | 少ない傾向 |
| メーカー(管理部門) | 少ない傾向 |
| 金融(事務系) | 少ない傾向 |
| IT(自社サービス) | 会社による幅が大きい |
| 広告・コンサル | 多い傾向 |
| 小売・飲食(本部) | 中程度 |
| 医療・介護 | シフト制。時間外は少ない場合も |
職種による差は、業界の差より大きいことがあります。
| 職種 | 傾向 |
|---|---|
| 一般事務・営業事務 | 最も少ない傾向 |
| 経理・人事・総務 | 繁忙期に集中 |
| カスタマーサポート | シフト制なら安定 |
| 社内SE・ヘルプデスク | 障害対応で変動 |
| 営業 | 多い傾向 |
| 企画・マーケティング | 中〜多い |
残業を減らしたいなら、業界より職種を変える方が効果が大きくなります。
ただし、職種を変えると年収が下がる場合があります。
この判断は、優先順位の問題です。
7. 入社後に違った場合
面接での説明と実態が違う場合の対処です。
| # | やること |
|---|---|
| ① | 労働条件通知書の記載を確認する |
| ② | 自分の残業時間を記録する(1ヶ月分) |
| ③ | 上司に確認する |
| ④ | 改善しない場合、人事に相談する |
②を必ずやってください。
「多い気がする」ではなく、「先月は48時間でした」と数字で話せる状態にしてください。
そして、残業代が支払われていない場合は、別の問題です。
固定残業時間を超えた分は、別途支払われる必要があります。
支払われていない場合は、まず人事に確認し、それでも解決しない場合は労働基準監督署に相談できます。
個別の事案については、労働基準監督署や弁護士など専門機関に相談してください。
転職を検討する場合
入社後3ヶ月は、判断を保留してください。
入社直後は業務に慣れておらず、時間がかかるのは自然です。
3ヶ月経っても改善しない、かつ周囲も同様の状態であれば、それが実態です。
8. 求人票以外の情報源
| 情報源 | 得られるもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 企業の採用ページ | 社員インタビュー、1日の流れ | 良い面が中心 |
| 口コミサイト | 元社員・現社員の投稿 | 偏りがある |
| エージェントの担当者 | 過去の紹介実績からの情報 | 最も実用的 |
| 転職フェア | 現場社員に直接聞ける | 開催時期が限られる |
| 有価証券報告書 | 平均勤続年数(上場企業) | 間接的な指標 |
エージェントの担当者に聞くのが、最も効率的です。
過去にその企業へ紹介した候補者からの情報を持っている場合があります。
依頼の文面
「◯◯社について、配属予定部署の残業時間の実態をご存じでしたら教えてください。過去にご紹介された方からの情報でも構いません。」
「分かりません」という答えも、情報です。
9. よくある質問
面接で残業について聞くと、印象が悪くなりませんか?
なりません。労働条件の確認は、応募者として正当な行為です。ただし、逆質問の1問目に持ってくると、条件だけを見ていると受け取られる可能性があります。業務内容の質問の後に聞いてください。
求人票の「月平均残業20時間」は信じていいですか?
会社全体の平均である可能性が高いです。配属予定の部署の実態とは異なります。面接で「配属予定の部署では」と確認してください。
固定残業代がない会社は、残業が少ないですか?
その可能性は高くなります。会社が「残業はほとんど発生しない」と想定しているためです。ただし、確定ではないため、面接で確認してください。
年間休日120日は多いですか?
一般的な水準です。完全週休2日制に加えて、祝日と年末年始が休みになるとおおむねこの日数になります。110日を切る場合、週休2日でない可能性があります。
残業を減らしたい場合、業界と職種のどちらを変えるべきですか?
職種を変える方が、効果が大きくなる傾向があります。同じ業界でも、営業と事務では残業時間が大きく違います。ただし、職種を変えると年収が下がる場合があります。
「残業は少ないです」と言われたのに、実際は多かったです。
まず、自分の残業時間を1ヶ月記録してください。そのうえで、上司に確認します。労働条件通知書の記載と異なる場合は、人事に相談してください。それでも解決しない場合、労働基準監督署などの相談窓口を利用できます。
口コミサイトの情報は信じていいですか?
参考にはなりますが、そのまま信じないでください。投稿は、不満を持って退職した人に偏る傾向があります。複数の情報源と照らし合わせてください。
定時で帰ると評価が下がる会社かどうか、どう見分けますか?
面接で「同じ部署の方は何時ごろ退社されますか」と聞いてください。「頑張る人は遅くまでいます」という答えが返ってきたら、長時間労働が評価と結びついている可能性があります。
10. まとめ:応募前にやる3つのこと
残業の少ない会社は、求人票の「月平均残業時間」では判断できません。
その数字は会社全体の平均であることが多く、配属先の実態とは違います。
最も実態に近いのは、固定残業代の時間数です。
応募前にやること
① 求人票の給与欄で、固定残業代の時間数を確認する(5分)
② 年間休日数を確認する(120日以上か)
③ 面接で聞く質問を、第1章の7項目から3つ選んでメモする
目安時間:合計20分
③では、必ず①(配属予定の部署の残業時間)を入れてください。
「御社の平均は」ではなく「配属予定の部署は」と聞くことが、この質問の要点です。
私は、求人票の「20時間」を信じて応募し、面接で「配属先は30〜40時間」と知りました。
固定残業代が45時間分だった時点で、気づけたはずでした。
この先、読むべき記事
- みなし残業を見抜く5項目|第二新卒が求人票の年収の中身を確認する手順(固定残業代の読み方)
- 求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さない(求人票全体の読み方)
- 求人票からブラック企業を見抜く|第二新卒が2社目を外さない15のチェック(危険な兆候)
- リモート可の求人を見抜く|第二新卒が入社後のギャップを防ぐ6項目(働き方の確認)
- 面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問(逆質問の準備)
- 時短・フレックス求人の見抜き方|第二新卒が確認する7項目(時短・フレックス求人の確認項目)
- 年間休日日数の読み方|105日と125日で何が違うのか(休日日数から見る)
- 平均年齢と定着率の読み方|求人票の3行で会社が見える(定着率から読む)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。