平均年齢と定着率の読み方|求人票の3行で会社が見える【2026年版】
求人票や会社概要には、平均年齢、平均勤続年数、従業員数が書かれていることがあります。この3つは、単体では意味が薄い数字です。
組み合わせると、会社の状況がかなり見えます。平均年齢28歳・平均勤続2.5年の会社と、平均年齢38歳・平均勤続12年の会社では、入社後に起きることがまったく違います。
この記事では、3つの数字の読み方と、記載がない場合の調べ方を整理します。
1. 結論:3つの数字を組み合わせる
数字1、平均年齢。単体では、若いか年配かしか分かりません。
数字2、平均勤続年数。単体では、定着しているかどうかの目安になります。
数字3、従業員数と、その推移。増えているか、横ばいか。
この3つの関係から読み取ります。
| 平均年齢 | 平均勤続 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 若い(20代後半) | 短い(2〜3年) | 急拡大中か、離職が多いかのどちらか |
| 若い | 長い(5年以上) | 新卒中心で定着している |
| 高い(35歳以上) | 長い(10年以上) | 安定。中途が入りにくい可能性 |
| 高い | 短い | 中途採用中心。入れ替わりがある |
1行目の見分けが最も重要です。「急拡大中」と「離職が多い」は同じ数字になります。区別するには、従業員数の推移を見る必要があります(第3章)。
2. 平均勤続年数の目安
| 平均勤続年数 | 一般的な読み方 |
|---|---|
| 1〜2年 | 設立が新しいか、離職率が高い |
| 3〜5年 | 中途採用が多い会社では標準的 |
| 6〜10年 | 定着している |
| 11年以上 | 定着率が高い。人の入れ替わりが少ない |
ただし、業界と設立年で大きく変わります。
設立5年の会社は、平均勤続が5年を超えることが物理的にありません。「平均勤続2.5年」と書かれていても、設立が3年前なら、ほぼ全員が入社時から在籍していることになります。
設立年を必ず併せて見てください。会社概要に記載があります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 設立20年・平均勤続2年 | 離職が多い可能性 |
| 設立3年・平均勤続2年 | ほぼ全員が残っている |
| 設立20年・平均勤続12年 | 定着している |
| 設立20年・平均勤続12年・平均年齢45歳 | 若手の採用が少ない可能性 |
最下行も見落とされがちです。定着率が高いことは良いことですが、平均年齢が高い場合、若手が育つ土壌がない可能性もあります。第二新卒で入社したとき、同年代がいない環境になるかもしれません。
3. 従業員数の推移で見分ける
第1章の1行目(若い・勤続が短い)を区別する方法です。
調べ方1、会社の採用ページや会社概要の「従業員数」の推移。年ごとの数字が載っている会社があります。
調べ方2、企業の公式サイトのニュースリリース。「〇〇名体制に」「新オフィスへ移転」といった記載があれば、拡大の証拠です。
調べ方3、求人の募集人数。同時に複数名を募集している場合、拡大している可能性が高くなります。
調べ方4、面接で聞く。最も確実です。
「従業員数は、この3年でどのように推移していますか。」
| 答え | 読み取れること |
|---|---|
| 「50名から120名に増えました」 | 拡大中。平均勤続が短いのは当然 |
| 「ほぼ横ばいです」 | 入社と退社が同数。離職を確認する必要がある |
| 「少し減っています」 | 理由を確認する |
2行目が最も注意が必要です。従業員数が変わらないのに平均勤続が短い場合、入れ替わりが起きています。
4. 編集長の実体験:数字は同じでも中身が違った
転職活動中に、2社の会社概要を並べて見たことがあります。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 29歳 | 29歳 |
| 平均勤続年数 | 2.8年 | 2.6年 |
| 従業員数 | 140名 | 145名 |
数字はほぼ同じです。ただ、面接で聞いた答えがまったく違いました。
A社の面接官「3年前は45名でした。今140名なので、3倍になっています」
B社の面接官「ここ数年は130〜150名の間で推移しています」
A社は拡大による平均勤続の短さ、B社は入れ替わりによるものでした。
同じ数字が、まったく違う状況を示していた。この差は、従業員数の推移を聞かないと分かりません。
その後、B社には「直近1年で退職された方は何名くらいですか」と聞きました。答えは「20名前後です」でした。年間の離職率が13〜15%程度という計算になります。数字そのものが極端に高いわけではありませんが、判断材料としては有用でした。
5. 記載がない場合の調べ方
多くの求人票には、これらの数字が載っていません。
| 調べる場所 | 分かること |
|---|---|
| 企業の採用ページ | 「数字で見る〇〇」のようなページ |
| 会社概要ページ | 設立年、従業員数、資本金 |
| 企業のニュースリリース | 拡大や組織変更の動き |
| 採用ページの社員紹介 | 掲載されている社員の入社年から推測 |
| 面接での質問 | 最も確実 |
4行目が意外に使えます。社員紹介ページに「2019年入社」「2023年入社」のように書かれていれば、在籍年数の分布がある程度見えます。全員が直近2年の入社なら、それ以前の人が残っていない可能性があります。
ただし、社員紹介は会社が選んで載せているものです。参考程度に留めてください。
6. 平均年齢から読む配属後の環境
第二新卒にとって、平均年齢は「同年代がいるか」に直結します。
| 平均年齢 | 入社後に想定されること |
|---|---|
| 25〜28歳 | 同年代が多い。相談しやすい。ただし教える側も若い |
| 29〜33歳 | バランスが取れている。数年上の先輩がいる |
| 34〜38歳 | 経験者が多い。教えてもらえるが、同年代は少ない |
| 39歳以上 | 若手が少ない。中途の第二新卒は少数派になる可能性 |
1行目は、良い面と悪い面があります。同年代が多いと相談しやすい一方、経験の長い人が少ないため、教わる相手が限られます。
3行目・4行目は、教育の面では有利です。経験のある人が多い環境では、質問すれば答えが返ってきます。ただし、同年代がいない孤立感はあります。
平均年齢だけでなく、配属予定の部署の年齢構成を聞いてください。全社平均と、その部署が同じとは限りません。
面接での聞き方
「配属予定のチームの人数と、年齢の構成を教えていただけますか。」
数字を見誤りやすい3つのパターン
パターン1、グループ全体の数字を見ている。大手のグループ企業では、求人票にグループ全体の従業員数が書かれていることがあります。実際に配属される会社の規模は、その一部です。会社概要で単体の数字を確認してください。
パターン2、正社員以外を含んだ数字。「従業員数500名」に、派遣・アルバイト・契約社員が含まれている場合があります。正社員の人数が別に記載されていないか確認してください。
パターン3、直近の大量採用で平均が動いている。1年で50名採用した会社では、平均年齢も平均勤続年数も大きく下がります。数字だけを見ると「若くて入れ替わりが激しい会社」に見えますが、実際は拡大しているだけの場合があります。
| パターン | 見分け方 |
|---|---|
| グループ全体の数字 | 会社概要で単体の数字を確認 |
| 正社員以外を含む | 「うち正社員〇名」の記載を探す |
| 大量採用で平均が動いた | 従業員数の推移を聞く |
3つとも、面接で1問聞けば解決します。「この求人の配属先は〇〇株式会社でよろしいでしょうか。その会社単体の正社員数を教えていただけますか。」
数字を疑うのではなく、その数字が何を指しているかを確認するという姿勢で聞いてください。
7. 面接で聞く5つの質問
Q1「従業員数はこの3年でどう推移していますか」
第3章の質問です。拡大か入れ替わりかが分かります。
Q2「配属予定のチームの人数と年齢構成を教えてください」
第6章の質問です。全社平均ではなく、実際の環境が分かります。
Q3「この募集は増員ですか、欠員の補充ですか」
増員なら組織が伸びている、欠員補充なら前任者の業務を引き継ぐことになります。
Q4「直近で中途入社された方は、どのくらい在籍されていますか」
中途採用者の定着が分かります。
Q5「この職種の方の一般的なキャリアパスを教えてください」
数年後にどうなるかが分かります。答えられない会社は、そこまで設計していない可能性があります。
5問とも、聞いて印象が悪くなることはありません。むしろ、入社後を具体的に考えている姿勢として受け取られます。
8. 進め方と時間配分
| 手順 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1 | 求人票と会社概要から3つの数字を探す | 10分 |
| 2 | 設立年と併せて第2章の表で判断 | 5分 |
| 3 | 採用ページの社員紹介から入社年を確認 | 15分 |
| 4 | ニュースリリースで拡大の動きを確認 | 15分 |
| 5 | 面接で第7章のQ1・Q2・Q3を聞く | 面接内で5分 |
1社あたり45分程度です。志望度の高い会社だけこの手順を踏み、他は手順1と2だけで構いません。
手順5のQ1だけは、すべての会社で聞く価値があります。この1問で、平均勤続年数の意味が確定します。
9. よくある質問
平均年齢が高い会社は避けるべきですか
一概には言えません。経験者が多い環境は、教わる相手がいるという利点があります。ただし、同年代がいない環境が苦手なら、事前に確認してください。
平均勤続年数が短い会社は危険ですか
設立年によります。設立から日が浅い会社では、物理的に短くなります。第2章の表で判断してください。
離職率を直接聞いてもいいですか
聞き方に配慮すれば問題ありません。「従業員数の推移」「直近の中途入社者の在籍状況」といった聞き方のほうが、答えが返りやすくなります。
数字が公開されていない会社は不安ですか
公開していない会社は多いので、それだけで判断材料にはなりません。面接で聞いてください。
従業員数に派遣やアルバイトは含まれますか
会社によります。「正社員〇名」と明記されていない場合、面接で確認してください。
平均年齢が自分と近いほうがいいですか
一長一短です。同年代が多いと相談しやすい反面、経験者が少ないと教わる相手が限られます。
グループ全体の数字と単体の数字が違います
配属される会社の数字を見てください。グループ全体の数字は、自分が働く環境を示していません。
数字が良くても入社後にギャップがありました
数字は目安であって、実際の環境は部署によって変わります。第7章のQ2で、配属予定の部署について具体的に聞いてください。
10. まとめ:次の企業研究でやる3つのこと
平均年齢と平均勤続年数は、単体では意味が薄く、組み合わせて初めて読める数字です。
1つめ、会社概要から「設立年・平均年齢・平均勤続年数・従業員数」の4つを書き出す。4つ揃うと、第2章の表で判断できます。所要10分。
2つめ、面接で「従業員数はこの3年でどう推移していますか」と聞く。この1問で、平均勤続が短い理由が拡大なのか入れ替わりなのかが分かります。面接内で1分。
3つめ、「配属予定のチームの人数と年齢構成」を聞く。全社平均ではなく、自分が実際に入る環境が分かります。面接内で1分。
数字を見るだけで終わらせず、その数字がなぜその値になっているかを1問聞いてください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。