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企業の採用ページから直接応募|第二新卒が使うべき場面と手順【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
企業の採用ページから直接応募|第二新卒が使うべき場面と手順【2026年版】

〜直接応募が有利になるのは、行きたい会社が具体的に決まっているときだけです〜

転職活動には、応募の経路が3つあります。転職エージェント経由、転職サイト経由、そして企業の採用ページからの直接応募です。

このうち、直接応募は最も使われていないのに、特定の場面では最も強い経路です。

理由は、企業が支払う採用コストにあります。エージェント経由で採用すると、企業は一般に想定年収の30〜35%を紹介手数料として支払います。年収350万円なら、100万円を超える金額です。

直接応募なら、この費用は発生しません。

ただし、直接応募が常に有利なわけではありません。むしろ、多くの第二新卒にとっては、エージェント経由の方が結果が出ます。

この記事では、直接応募を使うべき場面と使うべきでない場面、そして使う場合の具体的な手順を整理します。

1. 結論:直接応募は「行きたい会社が決まっているとき」の手段

状況推奨する経路
行きたい会社が3社以内に絞れている直接応募
業界も職種も決まっているが、会社は未定転職サイト+エージェント
何をしたいかが固まっていないエージェント
応募先を10社確保したい転職サイト+エージェント
選考の日程調整を任せたいエージェント

直接応募は「探す」手段ではなく「行く」手段です。

会社が決まっていない段階で直接応募を軸にすると、応募先が見つからず、活動が止まります。企業の採用ページは、検索して回るものではないからです。

逆に、行きたい会社が明確なら、直接応募には3つの利点があります。

  1. 採用コストがかからないため、企業側の判断が緩くなる場面がある
  2. 採用ページにしか出ていない求人がある
  3. 志望度が高いことが、応募経路から伝わる

2. なぜ直接応募が「有利」と言われるのか

採用コストの違いを、具体的な数字で見てください。

経路企業が支払う費用(年収350万円の場合の目安)
転職エージェント約105〜122万円(想定年収の30〜35%)
転職サイト(求人掲載)掲載料(数十万円/期間・枠による)
自社の採用ページほぼ0円

この差が、選考の場面で効くことがあります。

特に、次の3つの状況では、直接応募が明確に有利です。

状況なぜ有利か
採用予算が限られている中小企業手数料の負担が重い
応募者の経験がやや要件に届かないコスト分の期待値が下がる
同じくらいの候補者が2人いるコストの低い方が選ばれることがある

ただし、これを過大に期待しないでください。

採用コストが理由で不採用が採用に変わることは、ほとんどありません。要件に足りていない応募者が、直接応募だから通るということはありません。

効くのは、判断が拮抗したときだけです。

そして、直接応募には明確な不利もあります。

不利な点内容
書類の添削がない自分で完成させる必要がある
日程調整を自分でやる在職中は負担が大きい
選考の進み方が見えないいつ結果が出るか分からない
内定後の条件交渉を自分でやる年収交渉の代行がない
応募先が見つからない検索性が低い

最後の「応募先が見つからない」が、最大の問題です。

3. 編集長の実体験:エージェント経由で落ちた会社に、直接応募した話

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、エージェント経由で書類選考に落ちた会社がありました。広告系の事業会社で、募集していたのは営業企画のポジションです。

行きたい会社だったので、担当者に理由を聞きました。

「あの会社、書類で落ちた理由って分かりますか」

担当者『経験年数が足りない』とだけ返ってきています。2年以上を想定していたようで、木戸さんは1年半だったので」

「半年の差ですよね」

担当者「そうなんですが、うち経由だと手数料が発生するので、企業側は要件をきっちり見ます。お金を払う以上、条件を満たしている人から見る、という判断は普通にあります」

「……直接応募したら、変わりますか」

担当者可能性はゼロじゃないです。ただ、うち経由で一度落ちてるので、同じ人が来たと分かります。そこをどう見るかは企業次第ですね

結果として、この会社には直接応募しませんでした。他社の選考が進んでいて、時間がなかったからです。

ただ、このやり取りで理解したことが2つあります。

1つ目:エージェント経由だと、企業は要件をきっちり見ます。費用が発生する以上、当然です。要件にわずかに届かない場合、直接応募の方が可能性がある場面は実在します。

2つ目:同じ会社に、経路を変えて2回応募するのは避けるべきです。企業には応募履歴が残っています。「一度落ちた人が、経路を変えて再応募してきた」と見えます。

だから、直接応募は「最初に選ぶ経路」でなければ意味がありません。

行きたい会社が決まっているなら、エージェントに紹介を依頼する前に、まず採用ページを見る。この順番です。

4. 直接応募を使うべき5つの場面

場面理由
① 行きたい会社が明確に決まっている経路を選べる状態にある
② その会社がエージェントに求人を出していない直接応募しか経路がない
③ 採用ページにしかない職種の募集があるエージェント経由では見えない
④ 経験年数が要件にわずかに届かない要件の見方が緩む可能性
⑤ 縁故・リファラルの紹介がある直接応募が前提になる

②と③は、実際によくあります。

中小企業やベンチャーは、コストの理由でエージェントを使わないことがあります。採用ページと自社SNSだけで募集しているケースです。

また、大企業でも、特定の職種だけ採用ページで直接募集していることがあります。エンジニア、デザイナー、専門職に多い形です。

逆に、次の場合は直接応募を避けてください。

避けるべき場面理由
応募先が決まっていない探せない
職務経歴書に自信がない添削を受ける手段がない
在職中で時間が取れない日程調整の負担が重い
年収交渉をしたい自分で切り出す必要がある

5. 採用ページの探し方と、見るべき5項目

探し方の手順

  1. 行きたい会社の社名を検索し、コーポレートサイトを開く
  2. フッターまたはヘッダーの「採用情報」「Careers」「採用」を探す
  3. 新卒/中途の区分を確認し、中途採用のページへ進む
  4. 職種一覧から、該当する職種を開く

採用専用のサイト(recruit.◯◯.co.jp など)を別に持っている会社もあります。コーポレートサイトからのリンクを辿ってください。

見るべき5項目

項目確認するポイント
① 募集の更新日1年以上前のものは、募集終了の可能性
② 応募資格「必須」と「歓迎」の区別
③ 選考フロー何回面接があるか、期間はどのくらいか
④ 雇用形態正社員か、契約社員か、試用期間の条件
⑤ 勤務地転勤の有無、配属の可能性

①が最も見落とされます。更新日が記載されていない採用ページは、募集が終わっていることがあります。その場合、応募フォームから問い合わせて確認してください。

②の「必須」と「歓迎」を分けて読むことが重要です。「歓迎」に書かれている条件は、満たしていなくても応募できます。

求人票の詳しい読み方は、専用の記事も参照してください。

6. 応募フォームの書き方

採用ページの応募フォームは、企業によって形式がまったく違います。ただし、聞かれる項目はおおむね共通しています。

項目書き方
志望動機(自由記述)400〜600字。3ブロック構成
職務経歴ファイル添付が多い。PDF形式で提出
自己PR300〜400字。数字を1つ以上
その他(自由記述)空欄にしない。1〜2文でも書く

志望動機の3ブロック構成

ブロック1:なぜこの業界・この職種か(100〜150字)

現職での経験と、そこで気づいたことを1文で。

ブロック2:なぜこの会社か(200〜300字)

採用ページ、事業内容、サービスのどれかに具体的に触れる。

ブロック3:入社後に何をするか(100〜150字)

最初の1年でやりたいことを、実行可能な範囲で。

直接応募では、ブロック2の比重を上げてください。

直接応募してくる応募者に、企業が期待しているのは「志望度の高さ」です。エージェント経由なら、担当者が勧めた会社という可能性がありますが、直接応募は自分で選んだ会社です。

だから、「なぜこの会社か」が薄いと、直接応募の意味がなくなります。

文字数制限がある場合

フォームに文字数制限(例:300字以内)がある場合、ブロック2だけを書いてください。

限られた文字数で業界の話から始めると、会社の話に辿り着けません。

7. 重複応募を防ぐ管理方法

直接応募とエージェント経由を並行して使う場合、最大のリスクが重複応募です。

同じ企業に、直接応募とエージェント経由の両方から応募してしまうと、次のことが起きます。

  • 企業側で応募が2件に見え、管理上の混乱が生じる
  • 紹介手数料の扱いで、企業とエージェントの間で調整が発生する
  • 結果として、両方の選考が止まる、あるいは辞退扱いになることがある

これは、応募者にとって完全な損失です。

管理表を1つ作る

スプレッドシートでも、紙のノートでも構いません。次の項目を1行にまとめてください。

会社名経路応募日職種状態
株式会社A直接応募9/1営業企画書類選考中
株式会社B◯◯エージェント9/2営業一次面接9/10
株式会社C転職サイト9/3Webマーケ書類通過

エージェントに新しい求人を紹介されたとき、必ずこの表を確認してください。

そして、「この会社は自分で応募済みです」と伝えてください。担当者は、応募済みの会社を除外して紹介します。

複数のエージェントを使っている場合は、この管理がさらに重要になります。

8. 直接応募の選考の進み方

エージェント経由と比べて、進み方に3つの違いがあります。

項目エージェント経由直接応募
書類選考の結果担当者から連絡(3〜7日)企業から直接(1〜2週間)
面接の日程調整担当者が代行自分でメールのやり取り
面接後のフィードバック担当者経由で入ることがある基本的にない
内定後の条件交渉担当者が代行自分で交渉
辞退の連絡担当者経由自分で連絡

「結果が来るのが遅い」点は、想定しておいてください。

採用ページ経由の応募は、人事担当者が直接見ています。エージェント経由のように、担当者が催促してくれることはありません。

2週間経っても連絡がない場合、応募フォームまたは記載のメールアドレスに、丁寧に確認の連絡を入れてよいです。

メールの文面については、企業とのやり取りの記事も参考にしてください。

また、内定後の条件交渉を自分でやる点は、事前に理解しておいてください。年収や入社日の交渉を、自分で切り出す必要があります。

9. よくある質問

直接応募の方が採用されやすいというのは本当ですか?

条件付きで本当です。採用コストがかからないため、判断が拮抗した場面では有利に働くことがあります。ただし、要件を満たしていない応募者が、直接応募だから通ることはありません。過大な期待は禁物です。

エージェント経由で落ちた会社に、直接応募してもいいですか?

推奨しません。企業には応募履歴が残っており、同じ人が経路を変えて再応募したことが分かります。多くの企業は、一定期間(6ヶ月〜1年)の再応募を制限しています。採用ページに再応募の規定が書かれている場合があるため、確認してください。

採用ページに募集がない会社に、問い合わせてもいいですか?

可能です。問い合わせフォームから「中途採用の予定はありますか」と聞くことはできます。ただし、返信がない場合も多く、期待値は高くありません。行きたい会社が1〜2社に絞れている場合の手段です。

直接応募だと年収が上がりやすいですか?

そうとは限りません。採用コストが浮いた分を、給与に反映する会社もありますが、多くは提示額の基準が決まっています。ただし、交渉の相手が企業本人になるため、交渉の余地はあります。その代わり、自分で交渉する必要があります。

応募フォームに職務経歴書を添付できません。どうすればいいですか?

自由記述欄に、要点を絞って記載してください。会社名・在籍期間・職種・主な業務・数字。この5点で300字程度にまとめます。「詳細な職務経歴書は、面接時に持参いたします」と添えてください。

直接応募だけで転職活動を進められますか?

行きたい会社が5社以上ある場合を除き、推奨しません。応募先の確保が最大の課題になるためです。エージェントか転職サイトを併用し、その中で「この会社は直接応募する」と決める使い方が現実的です。

応募後、どれくらい待てばいいですか?

書類選考は1〜2週間が目安です。それを超えて連絡がない場合、確認の連絡を入れてよいです。ただし、採用ページに「選考には◯週間かかります」と記載がある場合は、その期間を待ってください。

採用ページの求人が古い場合、応募していいですか?

応募フォームから、募集状況を確認してから応募してください。「現在も募集されているかを確認したい」と1文で問い合わせます。更新日が2年以上前の場合、ページが放置されている可能性が高いです。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

直接応募は、行きたい会社が決まっているときの手段です。会社を探す手段ではありません。

採用コストがかからないという利点は実在しますが、それが効くのは判断が拮抗したときだけです。そして、書類の添削も日程調整も条件交渉も、すべて自分でやることになります。

今夜やること

行きたい会社を、社名レベルで3社書き出す

その3社の採用ページを開き、中途採用の募集があるか確認する

応募の管理表を1つ作る(会社名・経路・応募日・職種・状態の5列)

目安時間:合計45分

③を先に作ってください。直接応募とエージェントを並行して使う以上、重複応募を防ぐ仕組みがないと、選考が止まるリスクがあります。

①で3社出てこない場合は、直接応募の段階ではありません。まず転職サイトかエージェントで、会社を知る段階から始めてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。