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転職フェアの回り方|第二新卒が1日で5社と話すための準備と順路【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
転職フェアの回り方|第二新卒が1日で5社と話すための準備と順路【2026年版】

〜フェアは「応募先を探す場」ではなく、「会社を絞り込む場」です〜

転職フェア(合同転職説明会)は、1つの会場に数十社が集まり、ブース形式で話を聞けるイベントです。土日に開催されることが多く、参加は無料です。

ところが、行った人の感想は二極化します。

「1日で5社の話が聞けて、応募先が決まった」という人と、「疲れただけで何も残らなかった」という人。

この差は、準備で決まります。

準備なしで行くと、ブースを2〜3社回って、資料をもらって帰ることになります。その資料は、企業のWebサイトに載っている内容とほぼ同じです。

準備をして行くと、Webサイトには載っていない情報が取れます。現場の社員が来ているブースでは、実際の働き方、残業の実態、配属の可能性まで聞けます。

この記事では、行く価値がある人の条件と、1日で5社と話すための具体的な順路を整理します。

1. 結論:行く価値があるのは、この3つに当てはまる人

条件理由
業界は決まっているが、会社が決まっていない一度に複数社を比較できる
Webの情報だけでは判断がつかない現場の社員に直接聞ける
在職中で、平日に企業訪問ができない土日に集中して情報が取れる

逆に、次の場合は行かなくてよいです。

状況理由
応募先がすでに3社以上決まっている選考を進める方が早い
何をしたいかが固まっていないブースで何を聞くか決まらない
選考が最終段階まで進んでいる時間の使い道として優先度が低い

「何となく情報収集に」で行くと、疲れて終わります。

そして、最も重要な認識がこれです。

フェアは「応募先を探す場」ではなく、「候補を絞り込む場」です。行く前に、話を聞きたい会社を5社決めておいてください。

2. なぜ「行っただけ」で終わるのか

準備なしで参加した場合、当日の流れはこうなります。

時刻起きること
到着受付で名前と連絡先を記入
最初の30分会場を一周して、どこを回るか考える
1社目話を聞くが、質問が思いつかない
2社目同じ説明を聞く。少し疲れる
3社目座って休みたくなる
帰り資料の束を持って帰る

問題は、「最初の30分」と「質問が思いつかない」の2点です。

会場は広く、数十社のブースがあります。その場で「どこを回るか」を決めようとすると、判断に時間がかかります。

そして、質問を用意していないと、企業側の説明を聞くだけになります。企業側の説明は、Webサイトに載っている内容です。

この2つを解決するのが、事前準備です。

準備効果
出展企業リストを事前に確認し、回る5社を決める会場での判断時間がゼロになる
共通の質問を3つ用意するどのブースでも比較できる
順路を決める移動と待ち時間が減る

3. 編集長の実体験:フェアで、面接では聞けないことを聞いた話

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、1回だけ転職フェアに行きました。SaaS業界に絞って、その業界の企業が集まる回を選びました。

準備として、出展企業リストから5社を選び、それぞれのサービス内容を調べました。そして、共通の質問を3つ用意しました。

3社目のブースで、こんなやり取りがありました。ブースにいたのは、人事ではなく現場の営業マネージャーでした。

「未経験からSaaSの営業に入った方は、最初の3ヶ月で何をされるんですか」

マネージャー「うちは、最初の1ヶ月はひたすら製品を触ります。で、正直に言うと、ここで脱落する人が一定数います

「脱落、ですか」

マネージャー営業やりたくて来たのに、1ヶ月マニュアル読んでるので、『思ってたのと違う』となるんです。でも、製品分からないと売れないので、ここは飛ばせない」

「その1ヶ月を乗り切る人は、何が違うんですか」

マネージャー製品そのものに興味がある人ですね。『この機能、誰が使うんだろう』って考えられる人。逆に、営業のスキルだけ上げたい人は、うちじゃなくていいと思います

この情報は、面接では絶対に出てきません。

面接の場で「入社後に脱落する人がいます」と言う企業はありません。フェアのブースという、選考ではない場だから出てきた話です。

そして、この会話で、私はこの会社を候補から外しました。

理由は、私が製品そのものより「顧客との関係」に興味があると自覚したからです。マネージャーの話を聞いて、自分がここで脱落する側だと判断しました。

ここで学んだのは、フェアの価値は「受けたい会社を見つけること」ではなく、「受けない会社を決められること」にもある、ということです。

5社回って、2社に絞る。これが、フェアの正しい使い方だと思っています。

4. 行く前に決めておく3つのこと

① 回る5社を決める

出展企業リストは、フェアの公式サイトで事前に公開されます。

次の順で絞ってください。

  1. 業界で絞る(自分が候補にしている業界のみ)
  2. 職種で絞る(募集職種に、自分が狙う職種があるか)
  3. 規模で絞る(従業員数、設立年)
  4. 残った中から5社を選ぶ

5社が上限です。1社あたり15〜20分かかるため、待ち時間を含めると5社で3時間程度になります。

それ以上回ると、後半の記憶が残りません。

② 共通の質問を3つ用意する

すべてのブースで同じ質問をしてください。比較できるようになります。

質問分かること
「未経験で入った方は、最初の3ヶ月で何をされますか」教育体制の実態
「この職種の方の、1日の流れを教えてください」実際の働き方
「入社された方が、ギャップを感じやすい点はどこですか」ミスマッチの中身

3つ目が最も効きます。

「ギャップを感じる点」を聞くと、企業側は具体的に答えます。建前で答えにくい質問だからです。

③ 順路を決める

会場図は、当日配布されるか、事前に公開されます。

時間帯混雑度使い方
開場直後(〜1時間)空いている最も話したい2社を回る
中盤(1〜3時間)混雑3社目・4社目
終盤(残り1時間)空いてくる5社目、聞き漏らしの補完

開場直後が最も狙い目です。人気企業のブースは、中盤になると30分待ちになることがあります。

そして、終盤も空きます。企業側も余裕があるため、じっくり話せます。

5. 当日の持ち物

持ち物必要度補足
職務経歴書(5部)その場で応募できる場合がある
履歴書(5部)求められることがある
メモ帳とペン必須スマホのメモより速い
A4が入るカバン資料が10部以上になる
名刺(あれば)会社の名刺は使わない
飲み物会場は乾燥している

職務経歴書を持参する理由は、その場で選考に進める企業があるからです。

フェアによっては、ブースで簡易面談を行い、後日の面接につなげる形式があります。そのとき、書類があると話が早く進みます。

「会社の名刺は使わない」を守ってください。在職中であることが記録に残ります。

服装

フェアの形式服装
一般的な転職フェアスーツが無難
IT・ベンチャー中心オフィスカジュアルでも可
「私服可」と明記オフィスカジュアル

迷ったらスーツです。スーツで浮くことはありませんが、私服で浮くことはあります。

6. ブースでの話し方

ブースでは、最初の30秒で自分の状況を伝えてください。

切り出し方の例

現在、広告代理店で営業を1年半しています。第二新卒での転職を考えていて、SaaS業界を候補にしています。本日は、御社の営業職について伺いたく参りました。」

この30秒があると、企業側の説明が変わります。

状況を伝えないと、企業側は「新卒向けの説明」から始めます。時間の無駄になります。

聞いてはいけないこと

質問なぜ避けるか
「残業は多いですか」印象が悪い。「1日の流れ」で聞く
「未経験でも大丈夫ですか」募集要項に書いてある
「御社は何をされている会社ですか」調べていないことが伝わる

調べれば分かることを聞かないでください。フェアで聞くべきは、調べても分からないことです。

メモに残すこと

ブースを離れたら、その場で3つメモしてください。

  1. 話した人の役職(人事か、現場か)
  2. 共通質問への回答(3つの質問への答え)
  3. 自分の直感(受けたい/受けたくない/保留)

3つ目を必ず書いてください。5社回った後では、印象が混ざります。

7. フェア後にやること

フェアの価値は、当日ではなく翌日に決まります。

タイミングやること
当日の帰り道5社を「受ける/受けない/保留」に仕分ける
翌日受ける会社の求人を探し、応募経路を確認する
3日以内応募する(フェアの記憶が新しいうちに)

「受けない」を決めることを、恐れないでください。

5社中、実際に応募するのは1〜2社で十分です。3社を候補から外せたなら、その日は成功です。

フェア経由の応募

フェアで名刺交換やエントリーをした場合、後日、企業から連絡が来ることがあります。

この経路で応募すると、「フェアで話した候補者」として記録が残ります。面接で「フェアでお話しした◯◯です」と言えるのは、わずかながら有利に働きます。

ただし、フェア経由でしか応募できないわけではありません。通常の応募経路(転職サイト、エージェント、採用ページ)から応募しても構いません。

8. オンライン開催の場合

近年は、オンラインの転職フェアも増えています。

項目会場開催オンライン
移動必要不要
1日に回れる社数5社程度6〜8社
現場の社員に会えるか会えることが多い人事が多い
雰囲気の把握できる難しい
資料データ

オンラインは、社数を回るのに向いています。移動時間がないため、効率は高くなります。

ただし、「雰囲気」は分かりません。ブースにいる社員の様子、他の参加者の質問、会場全体の空気。これらは会場開催でしか得られません。

在職中で土日も忙しい場合は、オンラインから始めてください。

9. よくある質問

転職フェアの参加は無料ですか?

無料です。企業側が出展料を支払う仕組みのため、参加者の費用負担はありません。事前予約が必要な場合が多いので、公式サイトから申し込んでください。

在職中でも参加して大丈夫ですか?

問題ありません。土日開催が中心で、参加者の多くが在職者です。ただし、会場で同僚や取引先に会う可能性はゼロではないため、業界が狭い場合は注意してください。

職務経歴書は本当に必要ですか?

持参を推奨します。ブースで簡易面談に進む場合、書類があると話が具体的になります。使わずに終わることも多いですが、必要になった場面で持っていないと機会を失います。

1日に何社まで回れますか?

会場開催なら5社、オンラインなら6〜8社が上限です。1社15〜20分に加え、待ち時間が発生します。それ以上回ると、後半の記憶が残らず、比較ができなくなります。

大手企業も出展していますか?

フェアの規模と業界によります。大手が出展する回もあれば、成長期の中小・ベンチャーが中心の回もあります。出展企業リストは事前に公開されるため、確認してから参加を決めてください。

フェアで話した企業に、後日エージェント経由で応募してもいいですか?

可能ですが、企業側で応募が二重に見える可能性があります。フェアでエントリーしている場合は、その経路で進めるか、エージェントに「フェアで接点があります」と伝えてください。

質問が思いつかない場合、どうすればいいですか?

第4章の共通質問3つを、そのまま使ってください。「未経験の方の最初の3ヶ月」「1日の流れ」「入社後にギャップを感じる点」。この3つで、どのブースでも15分は話せます。

フェアに行かないと不利になりますか?

なりません。フェアは情報収集の手段の1つであり、必須ではありません。応募先がすでに決まっているなら、選考を進める方が優先です。

10. まとめ:行く前にやる3つのこと

転職フェアは、準備の有無で得られるものが大きく変わります。

そして、フェアの目的は「応募先を見つけること」だけではありません。「受けない会社を決めること」も、同じくらい価値があります。

行く前にやること

出展企業リストから、回る5社を決める(業界→職種→規模の順に絞る)

すべてのブースで聞く共通質問を3つ書き出す

職務経歴書を5部印刷し、メモ帳とペンをカバンに入れる

目安時間:合計60分

②の3つ目、「入社された方がギャップを感じやすい点はどこですか」は必ず入れてください。

面接では絶対に出てこない答えが返ってきます。そして、その答えが、その会社を受けるかどうかの判断材料になります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。