副業と転職|第二新卒が面接で話す基準と、経歴に書くかどうかの判断【2026年版】
〜副業は「隠すもの」でも「必ず言うもの」でもなく、判断するものです〜
20代で副業をしている人は、確実に増えています。Webライティング、デザイン、動画編集、プログラミング、フリマ販売、配信。形は様々ですが、本業以外に収入や活動がある状態です。
そして転職活動に入ると、必ずこの問いにぶつかります。
「副業のことを、面接で言うべきか」
結論を先に言うと、判断基準は1つです。「その副業が、応募先の仕事に関係があるかどうか」。
関係があるなら強力な実績になります。関係がないなら、言う必要はありません。
ただし、聞かれたら正直に答える。これが前提です。隠すことと、自分から言わないことは違います。
この記事では、言うか言わないかの判断表と、言う場合の書き方・話し方を整理します。
1. 結論:判断は「応募先との関係」で決まる
| 副業の内容 | 応募先の職種 | 判断 |
|---|---|---|
| Webライティング | Webメディア編集 | 必ず書く・話す |
| Webライティング | 営業事務 | 書かなくてよい(聞かれたら答える) |
| 動画編集 | 動画制作会社 | 必ず書く・話す |
| フリマ販売 | EC担当 | 書いてよい(数字があれば) |
| 配信・飲食のアルバイト | すべて | 書かなくてよい |
関係があるなら、実務経験として扱えます。「未経験です」ではなく「業務としてはやっていませんが、個人で2年やっています」と言えるかどうかで、書類の通過率が変わります。
関係がないなら、書く意味はありません。本業への集中を疑われるリスクだけが残ります。
そして、どちらの場合でも、聞かれたら正直に答えてください。入社後に発覚した場合、副業そのものより「申告しなかったこと」が問題になります。
2. なぜ「言わない方がいい」と言われてきたのか
副業を面接で言うのは不利、という考え方には根拠がありました。
| 採用側の懸念 | 内心 |
|---|---|
| 本業への集中 | 「就業時間中も副業のことを考えるのでは」 |
| 体力の配分 | 「疲れて本業のパフォーマンスが落ちるのでは」 |
| 定着 | 「副業が伸びたら辞めるのでは」 |
| 情報漏洩 | 「同業だと競業にならないか」 |
この4つのうち、実際に問題になるのは4つ目だけです。
競業(同じ業界・同じ顧客層で、本業と競合する副業)は、就業規則で明確に禁止されている会社がほとんどです。ここは事実として確認が必要です。
残りの3つは、説明で解消できます。
具体的には、次の3つを面接で言い切ることです。
- 稼働時間(週何時間か。平日夜か、土日か)
- 本業との切り分け(就業時間中はやらない、社用PCは使わない)
- 入社後の扱い(続けるのか、減らすのか、やめるのか)
3つ目が最も重要です。「続けたいです」でも構いませんが、会社の就業規則に従う前提であることを添えてください。
3. 編集長の実体験:副業の話で、面接の空気が変わった日
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、副業としてWebサイトを作って運営していました。広告営業をしながら、自分でも媒体を持ってみたかったからです。
最初の数社では、この話を一切しませんでした。「本業に集中していないと思われる」と考えたからです。
ところが、4社目の面接(SaaS企業/営業企画)で、こういうやり取りがありました。
面接官「休みの日は何をされてるんですか」
私「……あまり、面接で話すことではないかもしれないんですが」
面接官「いえ、聞きたいので教えてください」
私「自分でWebサイトを作って、運営しています。アクセス解析を見て、どの記事が読まれているかを調べて、改善するというのを毎週やっています」
面接官「それ、うちの営業企画でやることとほぼ同じですよ」
私「……そうなんですか」
面接官「数字を見て、原因を探して、施策を打って、また数字を見る。それを自分の意思で回してる人は、そんなに多くないです。なんで最初に言わなかったんですか」
その場の空気が、明確に変わりました。
私は、副業を「言わない方がいいもの」だと勝手に決めていました。実際には、応募先の職種と関係があったので、最も強い材料だったのです。
この会社から内定が出ました。そして入社後、営業企画で最初にやった仕事は、まさに数字を見て施策を設計することでした。
ここで学んだのは、副業の扱いは「関係があるかどうか」で決まるということです。
関係のないアルバイトなら、話す必要はありませんでした。しかし、応募先の仕事とやっていることが同じなら、それは実務経験です。
4. 職務経歴書での書き方
副業を書く場合、書く場所は職歴欄ではありません。
| 書く場所 | 適した内容 |
|---|---|
| 職務経歴(会社ごと) | 書かない(雇用関係がないため) |
| 活動実績/その他の活動 | 応募先に関係する副業 |
| 自己PR | 副業で得たスキルを本文に織り込む |
書き方の例(Webライティング → Webメディア編集職に応募)
【その他の活動】
2024年6月〜現在 Webライティング(個人事業)
・不動産/転職領域のオウンドメディア向けに記事執筆
・累計120本、1本あたり4,000〜6,000字
・SEOを意識した構成設計、キーワード選定から担当
・継続クライアント3社、月間平均8本を納品
数字を必ず入れてください。本数、文字数、クライアント数、期間。この4つがあれば、業務としての実績と同じ扱いができます。
書き方の例(動画編集 → 動画制作会社に応募)
【その他の活動】
2025年1月〜現在 動画編集(個人)
・YouTubeチャンネル向けの編集を受託(Premiere Pro/After Effects)
・累計60本、1本10〜15分の尺
・カット、テロップ、BGM、サムネイル制作まで一貫して担当
使用ツールを明記してください。ツール名は、実際にできるかどうかの判断材料になります。
収入は書かない
副業の収入額は、書く必要も、話す必要もありません。
面接で聞かれた場合も、「本業に支障のない範囲です」で問題ありません。金額そのものは、採用の判断材料ではありません。
ただし、副業の収入が本業を大きく超えている場合、「なぜ転職するのか」を説明できるようにしてください。
5. 面接での話し方
自分から話す場合(応募先に関係がある副業)
自己PRか、志望動機の中に自然に入れます。
例文
「業務としては営業を担当していましたが、個人でWebメディアを2年運営しています。月間で約3万PV、記事数は120本です。アクセス解析を見て、どの記事が読まれていないかを毎週確認し、構成を直すというのを続けてきました。この作業が、御社の編集職でやることと近いと考えています。業務としての経験はありませんが、自分の意思で数字を見て改善を回してきた経験は、そのまま使えると思っています。」
「業務経験はないが、やっていることは同じ」という接続が要点です。
聞かれた場合(応募先に関係がない副業)
隠さず、短く答えます。
例文
「土日に、フリマアプリで不用品の販売をしています。週に3〜4時間程度で、平日は一切やっていません。入社後については、御社の就業規則に従います。規定で不可であれば、やめる前提で考えています。」
「規則に従う」を必ず入れてください。これがないと、入社後にトラブルになる前提の人と受け取られます。
聞かれる可能性が高い3問
| 質問 | 答えの軸 |
|---|---|
| 週にどれくらいの時間ですか | 具体的な時間数と、平日/休日の別 |
| 入社後も続けますか | 就業規則に従う前提を明言 |
| 本業に影響は出ませんか | 就業時間中はやらない、社用の設備を使わない |
6. 副業可の会社の見分け方
求人票の「副業可」は、そのまま信じないでください。
| 記載 | 実態の可能性 |
|---|---|
| 副業OK・複業歓迎 | 制度として明文化されている可能性が高い |
| 記載なし | 就業規則次第。禁止のことが多い |
| 副業応相談 | 申請制。競業でなければ許可、が一般的 |
面接の逆質問で、次の3点を確認してください。
- 「副業は申請制でしょうか、届出制でしょうか」
- 「実際に副業をされている方はいらっしゃいますか」
- 「制限の範囲はどこまででしょうか(競業・時間・業種)」
2つ目が最も実態を表します。制度はあっても、実際に使っている社員がいなければ、事実上できません。
ただし、選考の序盤で副業の可否ばかり聞くのは避けてください。最終面接、または内定後の条件確認の段階が適切です。
7. 就業規則と法律の関係
ここは事実関係を正確に把握しておいてください。
| 論点 | 実際のところ |
|---|---|
| 法律上、副業は禁止されているか | 禁止されていません(公務員を除く) |
| 会社が就業規則で制限できるか | できます。多くの会社が制限を設けています |
| 無断の副業で解雇されるか | 内容と程度による。競業や本業への支障がある場合はリスクが高い |
| 確定申告は必要か | 副業所得が年20万円を超える場合、原則必要 |
公務員の副業は、国家公務員法・地方公務員法で原則禁止されています。公務員から転職する方は、この点を確認してください。
会社が就業規則で副業を制限すること自体は、認められています。「法律で禁止されていないから自由」ではありません。
確定申告については、税務署または税理士に確認してください。この記事は税務の助言をするものではありません。
8. 副業経験を「実績」に変える3つの条件
すべての副業が実績になるわけではありません。次の3条件を満たしているかで決まります。
| 条件 | 具体例 |
|---|---|
| ① 数字がある | 本数、PV、売上、クライアント数、継続期間 |
| ② 自分の判断が入っている | 構成を変えた、価格を変えた、対象を変えた |
| ③ 継続している | 3ヶ月以上、できれば1年以上 |
①だけでは弱く、②が入って初めて実績になります。
「記事を120本書きました」より「読まれていない記事を毎週確認し、構成を直しました」の方が強い、ということです。
③については、3ヶ月未満だと「試してみただけ」と受け取られる可能性があります。その場合は、期間ではなく成果物の質で語ってください。ポートフォリオがあれば提出します。
職種未経験からの応募では、この3条件を満たした副業経験が、志望動機の裏付けになります。「やってみたい」ではなく「すでにやっている」と言えるからです。
9. よくある質問
現職が副業禁止で、隠れて副業しています。転職先の面接で言うべきですか?
応募先の仕事に関係があるなら、実績として話す価値があります。ただし、その場合「現職が副業禁止であること」に触れる必要はありません。聞かれた場合は正直に答えてください。虚偽の申告は、経歴詐称として扱われる可能性があります。
副業の実績をポートフォリオとして提出してもいいですか?
提出してください。特にライティング、デザイン、動画、開発では、成果物が最も強い材料です。ただし、クライアントとの守秘義務がある場合は、公開可能なものだけに絞ってください。
副業の方が収入が高い場合、なぜ転職するのかと聞かれます。
「収入以外の理由」を用意してください。チームで仕事がしたい、より大きな規模の案件に関わりたい、体系的に学びたい、など。収入だけが軸だと、副業を選ばない理由の説明がつきません。
副業をやめてから転職活動をした方がいいですか?
やめる必要はありません。応募先に関係があるなら、続けている方が有利です。ただし、活動が忙しくなる時期は、稼働を一時的に減らす判断はあり得ます。面接の準備に時間が取れないと、本末転倒になります。
アルバイトも副業に入りますか?
入ります。ただし、応募先の仕事と関係のないアルバイトは、書く必要も話す必要もありません。飲食店でのアルバイトが、接客業への応募なら関係します。判断基準は同じです。
副業を始めたばかりですが、志望動機に使えますか?
3ヶ月未満だと弱くなります。「やってみたら面白かったので、業務としてやりたい」という接続自体は成立しますが、実績としての説得力は限定的です。その場合は、成果物の質か、学習の継続性で補ってください。
副業でフリーランス的に働いていた期間は、職歴の空白になりますか?
会社を辞めて副業だけで生活していた期間があるなら、「個人事業主として活動」と記載できます。収入があり、継続して活動していたなら、空白期間ではありません。ただし、屋号や開業届の有無を聞かれることがあるため、事実に沿って説明してください。
入社後に副業を始めたい場合、いつ相談すべきですか?
入社直後は避けてください。まず本業で成果を出し、3〜6ヶ月経ってから就業規則を確認し、申請するのが現実的です。入社前の面接で「入社後に副業をしたい」と言うのは、優先順位を疑われる可能性があります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
副業を面接で話すかどうかは、応募先の仕事と関係があるかどうかで決まります。
関係があるなら、実務経験として扱ってください。関係がないなら、自分から言う必要はありません。ただし、どちらの場合も、聞かれたら正直に答えます。
今夜やること
① 自分の副業を、応募したい職種と並べて「関係あり/なし」を判定する
② 関係ありの場合、数字を4つ書き出す(本数・期間・クライアント数・規模のどれか)
③ 「自分の判断で変えたこと」を1つ書き出す(第8章の条件②)
目安時間:合計30分
③が、副業を実績に変える鍵です。「やった量」ではなく「自分で判断して変えたこと」が、採用担当者が見ている点です。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。