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キャリアプランの作り方|第二新卒が3年先から逆算する4ステップ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
キャリアプランの作り方|第二新卒が3年先から逆算する4ステップ【2026年版】

〜「10年後どうなりたいか」を考えて手が止まったなら、それは考える単位が大きすぎるだけです〜

キャリアプランを作ろうとして、白紙のまま終わった経験はないでしょうか。

「10年後、どうなっていたいですか」と聞かれても、社会人2〜3年目で答えられる人はほとんどいません。10年後の自分が働いている業界が、まだ存在していない可能性すらあります。

にもかかわらず、キャリアプランは面接で聞かれますし、転職先を選ぶうえでも必要です。

この記事では、10年後ではなく3年後から逆算する方法を書きます。3年なら、業界の形も、自分の生活も、ある程度は見通せます。そして3年分のプランがあれば、面接で困ることもなくなります。

1. 結論:キャリアプランは「3年後の職務経歴書」を書くこと

① 目標は「なりたい自分」ではなく「3年後の職務経歴書に書ける内容」で設定する

「マネージャーになりたい」「専門性を高めたい」は、抽象的すぎて行動につながりません。「3年後の職務経歴書に、何と書けるようになっていたいか」で考えると、一気に具体的になります。

② そのために、今の会社(または次の会社)で何を担当する必要があるかを決める

3年後に書きたい内容が決まれば、そのために必要な業務経験が逆算できます。「そのポジションを担当できる会社かどうか」が、転職先を選ぶ最大の基準になります。

③ 1年ごとに見直す前提で作る

キャリアプランは、一度作って守り続けるものではありません。1年ごとに見直す前提で作ると、精度が低くても作れます。これが、白紙のまま止まらないための最大のコツです。

2. なぜ「10年後」を考えると手が止まるのか

10年後を考えようとして止まる理由は、性格でも準備不足でもありません。情報が構造的に足りないからです。

10年後を考えるのに必要な情報社会人2〜3年目に分かっているか
その業界が10年後に存在するか分からない
自分がその仕事を続けたいと思うか判断材料が足りない
10年後の自分の生活(住む場所・家族構成)分からない
その職種で上に行くと何をするのか見たことがない
自分に何が向いているかまだ数職種しか経験していない

5つ全部が「分からない」なのに、答えを出そうとしているのが、手が止まる理由です。

一方、3年後なら状況が変わります。

3年後を考えるのに必要な情報分かるか
今の業界が3年後もあるかほぼ分かる
今の職種で3年経験した人が何をしているか社内の先輩を見れば分かる
3年で身につく技能の範囲求人票の応募条件から逆算できる
自分が今の仕事の何を面白いと感じるかすでに判断材料がある

3年後は「調べれば分かること」で構成されています。だから書けます。

そして、3年後のプランを3回繰り返せば、それが10年です。10年分を一度に考える必要は、そもそもありません。

3. 編集長の実体験:3年後の職務経歴書を書いてみた話

私が第二新卒で転職するとき、エージェントの担当者に言われたことがあります。

担当者「木戸さん、3年後にどうなっていたいですか」

「うーん……営業として、もっと大きな案件を扱えるようになっていたいです」

担当者「それ、3年後の職務経歴書に書けます?」

「え?」

担当者「『大きな案件を扱えるようになりました』って書いても、次の会社は判断できないんですよ。『何を、どのくらい、どんな結果で』が書けないと、職務経歴書にならない

「……たしかに」

担当者「3年後の職務経歴書を、今書いてみてください。嘘でいいので。そこに書きたいことが、木戸さんのキャリアプランです」

その場で書いたのが、これです。

3年後(28歳時点)の職務経歴書・想定

「SaaS企業にて、中小企業向けの法人営業を3年担当。年間の商談数は約120件、受注率は◯%。担当領域の売上を前年比◯%まで伸ばした。

2年目からは、営業チームの数値管理を兼務。週次の商談進捗を可視化する仕組みを作り、チーム全体の受注率を◯ポイント改善した。」

書いてみて、自分でも驚きました。後半の「数値管理」の部分が、書きながら勝手に出てきたのです。

そこで気づきました。私が本当にやりたかったのは、営業として大きな案件を取ることではなく、数字を見て仕組みを変える仕事でした。

この気づきが、転職先の選び方を変えました。「営業として成長できる会社」ではなく、「営業と企画の距離が近い会社」を探すようになったのです。

実際に転職した会社では、入社1年後に営業企画へ異動しました。3年後の職務経歴書に書いたことが、2年目で実現しました。

「なりたい自分」では分からなかったことが、「書きたい職務経歴書」にした瞬間に見えた——これが、この方法の効きどころです。

4. キャリアプランを作る4ステップ

ステップ1:3年後の職務経歴書を書く(30分)

今から3年後の日付で、職務経歴書を1枚書いてください。実現するかどうかは考えなくて構いません。

書く項目は3つだけです。

項目書く内容
会社・職種どんな会社の、どんな職種にいるか
担当業務何を担当しているか。規模(件数・社数・人数)
実績何を、どのくらい変えたか(数字で)

ポイントは、実績の欄を必ず数字で書くことです。「成長した」「詳しくなった」ではなく、「◯件を担当」「◯%改善」の形にしてください。この制約があると、抽象的な願望が書けなくなり、具体的な業務内容が出てきます。

ステップ2:そこに書いた業務ができる会社の条件を出す(20分)

ステップ1で書いた業務が、どんな会社なら経験できるかを書き出します。

確認すること
会社の規模「若手が数値管理を任される規模=社員100〜300名程度」
事業の形「顧客と長く関わる形=サブスクリプション型」
職種の設計「営業と企画が分離していない組織」
育成の仕組み「入社2年目で企画業務に関われる実績があるか」

これが、転職先を選ぶ基準になります。年収でも知名度でもなく、「3年後に書きたい職務経歴書が書ける会社かどうか」で選べるようになります。

ステップ3:1年後の中間地点を決める(10分)

3年後から逆算して、1年後に何ができていればいいかを1行で書きます。

例:「1年後には、担当社数40社を単独で持ち、月次の数字を自分で集計できている状態」

これが、入社後の行動指針になります。1年後の姿が決まっていると、日々の業務で何を優先すべきかが判断できます。

ステップ4:面接で話せる形に整える(15分)

面接で聞かれたとき用に、3文にまとめます。

① 3年後にどうなっていたいか(業務内容で) ② そのために今、何を身につけたいか ③ なぜその会社でそれができると考えるか

③が最も重要です。ここが埋まっていないと、「うちでなくてもいいのでは」と思われます。ステップ2で出した会社の条件が、そのまま③の材料になります。

5. よくある5つの失敗

失敗何が起きるかどうするか
10年後から考え始める情報が足りず、白紙のまま止まる3年後から始める
役職で考える(「課長になりたい」)会社によって役職の意味が違う業務内容で考える
抽象的な言葉で終わる(「成長したい」)行動につながらない職務経歴書に書ける形にする
一度作って固定する状況が変わったときに機能しなくなる1年ごとに見直す前提で作る
他人のキャリアを目標にする前提条件が違い、再現できない自分が面白いと感じた業務から作る

2番目の「役職で考える」について補足します。「3年後にマネージャーになりたい」は、一見具体的に見えますが、実は曖昧です。会社によって、マネージャーの意味がまったく違うからです。10人のチームを率いる会社もあれば、名ばかりで実務が9割の会社もあります。

「3年後に、5名程度のチームの目標設定と進捗管理をしている」のように、やっている業務で書いてください。これなら、どの会社でも意味が通じます。

6. 「やりたいことがない」場合の作り方

キャリアプランを作ろうとして、そもそも「やりたいことがない」という人は多いです。この場合、順序を変えます。

手順1:これまでの仕事で「時間が早く過ぎた瞬間」を3つ書き出す

「好きだったこと」ではありません。集中していて、気づいたら時間が経っていた場面です。資料を作り込んでいたとき、後輩に説明していたとき、数字の原因を探していたとき。

手順2:その3つに共通する「動詞」を探す

整理する、教える、調べる、話す、作る、直す、決める。3つの場面に共通する動詞が、あなたの向いている方向です。

手順3:その動詞が中心になる職種を探す

動詞中心になる職種
整理する・仕組み化する営業企画、業務改善、人事(制度)、生産管理
教える・伝える人事(教育)、カスタマーサクセス、研修、営業
調べる・確かめるQA、品質管理、マーケティング、分析
話す・関係を作る営業、カスタマーサクセス、人材、広報
作る・形にするエンジニア、デザイナー、商品企画
直す・改善する業務改善、SRE、生産技術、カスタマーサポート

「やりたいこと」は探すものではなく、過去の行動から見つけるものです。この手順なら、白紙にならずに済みます。

7. 面接で聞かれたときの答え方

Q1.「3年後、どうなっていたいですか」

業務内容で答えてください。「営業として一人前になりたい」ではなく、「入社1年で担当を単独で持ち、3年後には新規領域の開拓を任される状態になっていたいと考えています」のように。

Q2.「10年後のキャリアプランを教えてください」

正直に「3年単位で考えています」と答えて構いません。「10年後については、業界の変化も大きいため断言できませんが、3年後には◯◯ができる状態を目指しています。その先は、そこで見えたものをもとに判断したいと考えています」。これは誠実な答えとして評価されます。むしろ、10年後を断言する応募者のほうが、現実味を疑われることがあります。

Q3.「なぜうちでそれができると思いますか」

最も重要な質問です。ステップ2で出した「会社の条件」をここで使います。「求人票に『入社2年目から企画業務に関わる』と記載があり、営業と企画の距離が近い組織だと理解しています。私が身につけたい◯◯の経験が、その環境なら積めると考えました」。

8. 1年ごとの見直し方

キャリアプランは、作った後の見直しで機能します。年に1回、30分で足ります。

見直す項目問い
進捗1年前に決めた「1年後の状態」に到達したか
発見この1年で、面白いと感じた業務は何だったか
修正3年後の職務経歴書に、変えたい部分はあるか
環境今の会社で、その3年後は実現できそうか

4番目が最も重要です。1年やってみて、「この会社では書きたい職務経歴書が書けない」と分かった場合、それが転職を検討する明確な根拠になります。

逆に、実現できそうだと分かれば、転職を考えなくていいという判断もできます。キャリアプランは、転職するためのものではなく、転職すべきかどうかを判断するための道具です。

9. よくある質問

キャリアプランがないと転職できませんか?

できます。ただし、面接で聞かれる可能性は高いです。また、キャリアプランがないまま転職先を選ぶと、条件(年収・休日・勤務地)で選ぶことになり、同じ理由で辞める可能性が上がります。完璧なものは不要ですが、3年分の方向性はあったほうが判断が楽になります。

途中で変わってもいいのですか?

構いません。むしろ変わるのが普通です。1年ごとに見直す前提で作ってください。変わったこと自体は問題になりません。面接でも、「入社当初は◯◯を目指していましたが、実務を経験するなかで△△に関心が移りました」は、素直な変化として受け止められます。

面接で嘘のキャリアプランを話してもバレませんか?

掘られると崩れます。「そのために今、何をしていますか」「なぜそう思うようになったのですか」と聞かれたとき、実体験がないと答えられません。第6章の手順で、自分の過去の行動から作ったプランなら、掘られても答えられます。

「専門性を高めたい」ではダメですか?

そのままでは不十分です。「何の専門性か」を業務内容で言えるかどうかが分かれ目です。「労務の中でも、給与計算と社会保険の実務を一通り担当できる状態を目指しています」まで具体化すると、面接でも通用します。

管理職を目指すべきですか?

どちらでも構いません。近年は、管理職にならず専門性で伸ばす道(スペシャリスト職)を用意する企業も増えています。ただし、面接で「管理職に興味はありますか」と聞かれた場合、「現時点では実務の専門性を深めたいですが、将来的にはチームを持つことも視野に入れています」と答えるのが無難です。完全に否定すると、育成対象から外れる場合があります。

転職しないほうがいい場合もありますか?

あります。「3年後に書きたい職務経歴書」が、今の会社で実現できると分かった場合です。その場合、転職ではなく社内での異動希望や、担当範囲を広げる交渉のほうが早いことがあります。キャリアプランを作る価値は、この判断ができるようになることにもあります。

20代のうちに何をしておくべきですか?

「数字で語れる実績」を1つ作ることです。職種を問いません。何を担当し、何を変えて、どのくらいの結果が出たか。これが1つあるかないかで、30代以降の選択肢が大きく変わります。逆に、在籍年数だけが積み上がっている状態は、転職市場で評価されにくくなります。

キャリアプランは誰かに見てもらうべきですか?

見てもらうと精度が上がります。相手は、転職エージェント、ジョブカフェのカウンセラー、または同じ職種で5年以上の経験がある人が適しています。特に、3年後の職務経歴書が「その職種として現実的か」を判断できる人に見てもらうと、目標の粒度が調整できます。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

キャリアプランは、才能ではなく手順で作れます。今夜1時間で、第一版が完成します。

今夜やること

3年後の日付で、職務経歴書を1枚書く(会社・職種/担当業務と規模/実績を数字で。嘘で構いません)

② そこに書いた業務が経験できる会社の条件を3つ書き出す(規模、事業の形、職種の設計)

1年後の状態を1行で決める(「担当◯社を単独で持ち、月次の数字を自分で集計している」など)

①で手が止まったら、第6章の「時間が早く過ぎた瞬間」から始めてください。やりたいことは探すものではなく、過去の行動から見つけるものです。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。