第二新卒のキャリアを深掘りする。
キャリア相談

30歳までにやっておくこと|第二新卒が20代で積む7つのもの【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約18分
30歳までにやっておくこと|第二新卒が20代で積む7つのもの【2026年版】

〜30歳で見られるのは「何年働いたか」ではなく「何ができるか」です〜

20代のうちにやっておくべきことは何か。

この問いに、精神論で答えるつもりはありません。転職市場という具体的な場面で、30歳の人が何を見られるかから逆算します。

結論は明快です。

30歳の中途採用で見られるのは、勤続年数ではなく「一人で完結できる業務があるか」です。

29歳で「営業を7年やりました」と言う人と、「営業を4年、その後3年は営業企画で数字の設計をしていました」と言う人がいたとき、後者の方が選択肢が広くなります。

理由は、後者の方が「何ができるか」が明確だからです。

そして、この差は20代のどこかで職種や役割を変えたかどうかで生まれます。変えるには、若いほど有利です。

この記事では、20代で積むべき7つと、年齢帯ごとにやることがどう変わるかを整理します。

1. 結論:20代で積む7つ

#積むものいつまでに
一人で完結できる業務を1つ27歳まで
数字で語れる実績を3つ常に更新
職種の方向を決める26歳まで
後輩に教えた経験28歳まで
社外の人間関係常に
転職市場での自分の位置の把握25歳・28歳の2回
生活を維持できる貯え常に

①が最も重要です。

「一人で完結できる業務」とは、上司の指示なしに、最初から最後まで自分で回せる仕事のことです。

完結しているか
上司が作った提案書を持って訪問する完結していない
顧客の課題を聞いて、提案書を作り、受注まで持っていく完結している
指示されたデータを集計する完結していない
何を集計すべきかを決めて、集計し、示唆を出す完結している

30歳の面接で聞かれるのは、「あなたが一人でできることは何ですか」です。

2. なぜ30歳が区切りになるのか

採用の枠が、年齢で変わるからです。

年齢主な採用枠求められるもの
22〜25歳第二新卒枠ポテンシャル(経験は問わない)
26〜29歳若手中途枠経験+ポテンシャル
30〜34歳中途枠即戦力(一人で回せること)
35歳〜中途・管理職枠即戦力+マネジメント

この表の意味は、「30歳を超えると未経験職種への転職が難しくなる」ということです。

不可能ではありません。ただし、選択肢の数が明確に減ります。

25歳なら「未経験可」の求人が数千件ありますが、32歳では数百件になります。

だから、職種を変えるなら20代のうちです。

そして、もう1つの理由があります。

年齢3年後
25歳で職種を変える28歳で「その職種3年」になる
29歳で職種を変える32歳で「その職種3年」になる
32歳で職種を変える35歳で「その職種3年」になる

職種を変えると、その職種での経験年数は0からです。

3年で一人前になると考えると、25歳で変えれば28歳で完成しますが、29歳で変えれば32歳です。

この3年の差が、30代の選択肢を分けます。

3. 編集長の実体験:25歳で職種を変えた判断

私は23歳で新卒入社し、25歳で第二新卒として転職しました。広告営業からSaaSの営業へ、そして入社後に営業企画へ職種を変えました。

転職を決めたとき、迷いはありました。「あと1年やれば、営業として一人前になれるのでは」という気持ちです。

エージェントの担当者に、この迷いを話しました。

「あと1年やってから動く方が、経験が厚くなりませんか」

担当者厚くはなります。でも、木戸さんが積みたいのはその経験ですか

「……どういう意味ですか」

担当者『広告の単発営業を2年半やった人』と『広告の単発営業を1年半やった人』の差って、市場では大きくないんです。どっちも『広告営業の若手』です」

「差がない、ですか」

担当者差が出るのは、次の職種を何年やったかです。25歳で変えれば28歳で3年。26歳で変えれば29歳で3年。この1年は、30歳のときにけっこう効きます

この話で、動くことを決めました。

そして実際、入社後に営業企画へ移り、28歳の頃には数字の設計を一人で回せるようになっていました。

もし1年遅らせていたら、29歳でその状態だったことになります。

ここで学んだのは、「同じ職種を1年長くやること」の価値は、思っているより小さいということです。

1年半と2年半の差は、市場ではほとんど評価されません。評価されるのは、職種が変わった後に何年積んだかです。

ただし、これには条件があります。

変える先が決まっていることです。「とりあえず辞める」では、この計算は成立しません。

4. ①一人で完結できる業務を1つ作る

27歳までに、1つでよいので作ってください。

作り方

今の仕事の中で、上司の確認なしに回せる範囲を広げます。

段階状態
1指示された作業をやる
2作業の手順を自分で決める
3何をやるかを自分で決める
4やった結果を検証して、次を決める

3と4に到達している業務が1つあれば、それが「完結できる業務」です。

今の職場で3・4に届く業務がない場合、それが転職を考える理由になります。

面接での言い方

弱い:営業を1年半やってきました

強い:担当エリアの40社について、訪問の優先順位を自分で決めて、受注率を管理していました

「自分で決めた」という言葉が入るかどうかです。

5. ②数字で語れる実績を3つ持つ

常に3つ、手元に持っておいてください。

使える数字の型

規模担当40社、年間予算3,000万円
変化受注率18%→27%、ミス月5件→1件
順位部内12名中3位、四半期MVP
時間処理時間を1件30分→15分に短縮

変化の数字が最も強いです。「自分が関わって、何かが変わった」ことが示せるからです。

記録の習慣

四半期に1回、次の3つをメモしてください。

  1. この3ヶ月で担当した規模(件数・金額・人数)
  2. 変わったこと(前と比べて何が改善したか)
  3. 自分が決めたこと(誰の指示でもなく判断した場面)

これを2年続けると、職務経歴書は30分で書けます。

やっていないと、転職を決めてから記憶を掘り起こすことになります。

6. ③④職種の方向を決め、後輩に教える

③ 職種の方向を26歳までに決める

「業界」ではなく「職種」です。

業界は30代でも変えられますが、職種は変えづらくなります。

変えやすさ30歳時点
業界を変える(同じ職種)比較的容易
職種を変える(同じ業界)やや難しい
業界も職種も変える難しい

26歳までに職種の方向を決めておくと、28〜29歳で「業界を変える」という手が残ります。

逆に、29歳まで職種が定まらないと、選択肢が一気に狭まります。

④ 後輩に教えた経験を作る

28歳までに、1人でよいので後輩を持ってください。

30歳以降の面接では、必ずこれを聞かれます。

「チームで後輩を指導された経験はありますか」

「ありません」と答えると、その先のマネジメント適性の話ができなくなります。

正式な役職でなくて構いません。

経験面接で使えるか
新人のOJT担当をした使える
後輩の質問に日常的に答えていた使える
マニュアルを作って共有した使える
部下を評価していた使える(マネジメント経験)

「マニュアルを作った」は、意外と強い材料です。自分の業務を言語化できる証明になります。

7. ⑤⑥⑦ 社外の関係・市場での位置・貯え

⑤ 社外の人間関係を作る

同じ会社の人とだけ付き合っていると、判断の基準が社内の常識だけになります。

「うちの会社は残業が多い」が普通なのか異常なのかは、社外の人と話さないと分かりません。

方法難易度
学生時代の友人と定期的に会う低い
取引先の担当者と関係を作る
業界のイベント・勉強会に出る
転職エージェントと定期的に話す低い

1つ目で十分です。「他の会社ではどうなっているか」を知る経路が、1つあればよいのです。

⑥ 転職市場での自分の位置を、2回確認する

25歳と28歳で、1回ずつ確認してください。

確認の方法は、転職エージェントに登録して面談を受けることです。転職する意思がなくても構いません。

分かること
今の経歴で、どの職種の求人が紹介されるか
提示される想定年収の水準
何が足りないと見られているか

「今の自分がどう見えるか」を、社外の基準で知る作業です。

28歳の確認で「このままだと選択肢が狭い」と分かれば、まだ2年あります。31歳で気づくのとは、大きく違います。

エージェントの面談で何を聞かれるかは、専用の記事にまとめています。

⑦ 生活を維持できる貯えを持つ

これは、キャリアの話です。

生活の余裕がないと、転職の判断が「今すぐ収入が必要か」に支配されます。

数ヶ月分の生活費が手元にあると、「合わない会社をすぐ辞める」という選択肢が持てます。

逆に余裕がないと、合わない環境に留まり続けることになります。

金額の目安は、生活費の3〜6ヶ月分と言われますが、状況によります。重要なのは、選択肢を持てる状態かどうかです。

8. 年齢帯別・やることの優先順位

年齢最優先次点
22〜24歳目の前の仕事の型を覚える数字の記録を始める
25〜26歳職種の方向を決める(変えるなら今)一人で回せる業務を作る
27〜28歳一人で完結できる業務を完成させる後輩に教える経験
29歳市場での位置を確認する30代の方向を決める

22〜24歳は、動かなくてよい時期です。

この時期に転職を繰り返すと、どの職種も中途半端になります。まず1つの職種で、基本の型を覚えてください。

ただし、明確に環境が悪い場合(長時間労働、ハラスメント、業務が学びにならない)は、この限りではありません。その場合は、早く動く方が正しい判断です。

25〜26歳が、職種を変える最後の好機です。第二新卒枠が使えて、かつ実務経験も1〜3年あります。最も選択肢が広い時期です。

29歳は、確認の年です。ここで動くかどうかを決めます。30歳になってからでは、枠が変わります。

9. よくある質問

30歳を過ぎたら、職種を変えられませんか?

変えられます。ただし、選択肢の数が減ります。未経験可の求人が減り、年収が一時的に下がる可能性も高くなります。不可能ではないので、必要なら動いてください。ただ、20代のうちに変える方が容易であることは事実です。

今の会社で「一人で完結できる業務」を作れません。

それ自体が、転職を検討する理由になります。ただし、まず上司に「この範囲を任せてもらえないか」と交渉してみてください。交渉して無理なら、環境を変える判断は合理的です。

25歳ですが、まだ何をしたいか決まっていません。

「やりたいこと」ではなく「避けたいこと」から決めてください。方向が決まらないまま29歳になることが、最も避けたい状況です。1〜2週間で決めきって、動き始めてください。

第二新卒で転職すると、経歴に傷がつきますか?

1回であれば、問題になりません。第二新卒の転職は一般的で、企業側も想定しています。ただし、2年以内に2回以上の転職を繰り返すと、定着性を問われます。

資格を取っておくべきですか?

職種によります。経理なら日商簿記、ITならITパスポートや基本情報技術者など、実務と接続する資格は有効です。ただし、資格そのものより実務経験が優先されます。資格を取るために転職を遅らせるのは、順番が逆です。

副業はやっておいた方がいいですか?

応募先の職種と関係があるなら、強い材料になります。関係がなければ、必須ではありません。ただし、就業規則を必ず確認してください。

大企業と中小企業、20代でどちらにいるべきですか?

「一人で完結できる業務」を作りやすいのは、中小企業です。大企業は分業が進んでおり、担当範囲が狭くなります。一方で、大企業では大きな規模の案件に関われます。どちらが正しいというものではなく、何を積みたいかで決まります。

30歳までに転職しないと不利ですか?

転職そのものが必要なわけではありません。今の会社で「一人で完結できる業務」を作り、数字で語れる実績があるなら、転職しないという選択も合理的です。必要なのは転職ではなく、市場で説明できる経験です。

10. まとめ:今週やる3つのこと

30歳で見られるのは、勤続年数ではなく「一人で完結できる業務があるか」です。

そして、職種を変えるなら20代のうちが圧倒的に有利です。25〜26歳が、第二新卒枠と実務経験の両方が使える最後の時期になります。

今週やること

今の業務のうち、上司の確認なしに回せるものを1つ書き出す(なければ、それが課題です)

直近1年の数字を3つ書き出す(規模・変化・順位のどれか)

26歳までに決めたい「職種の方向」を1つ書く

目安時間:合計45分

①で何も書けない場合、それは今の環境の問題です。上司に範囲を広げてもらう交渉をするか、環境を変えるか。どちらにせよ、27歳までに1つ作ってください。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。