30歳までにやっておくこと|第二新卒が20代で積む7つのもの【2026年版】
〜30歳で見られるのは「何年働いたか」ではなく「何ができるか」です〜
20代のうちにやっておくべきことは何か。
この問いに、精神論で答えるつもりはありません。転職市場という具体的な場面で、30歳の人が何を見られるかから逆算します。
結論は明快です。
30歳の中途採用で見られるのは、勤続年数ではなく「一人で完結できる業務があるか」です。
29歳で「営業を7年やりました」と言う人と、「営業を4年、その後3年は営業企画で数字の設計をしていました」と言う人がいたとき、後者の方が選択肢が広くなります。
理由は、後者の方が「何ができるか」が明確だからです。
そして、この差は20代のどこかで職種や役割を変えたかどうかで生まれます。変えるには、若いほど有利です。
この記事では、20代で積むべき7つと、年齢帯ごとにやることがどう変わるかを整理します。
1. 結論:20代で積む7つ
| # | 積むもの | いつまでに |
|---|---|---|
| ① | 一人で完結できる業務を1つ | 27歳まで |
| ② | 数字で語れる実績を3つ | 常に更新 |
| ③ | 職種の方向を決める | 26歳まで |
| ④ | 後輩に教えた経験 | 28歳まで |
| ⑤ | 社外の人間関係 | 常に |
| ⑥ | 転職市場での自分の位置の把握 | 25歳・28歳の2回 |
| ⑦ | 生活を維持できる貯え | 常に |
①が最も重要です。
「一人で完結できる業務」とは、上司の指示なしに、最初から最後まで自分で回せる仕事のことです。
| 例 | 完結しているか |
|---|---|
| 上司が作った提案書を持って訪問する | 完結していない |
| 顧客の課題を聞いて、提案書を作り、受注まで持っていく | 完結している |
| 指示されたデータを集計する | 完結していない |
| 何を集計すべきかを決めて、集計し、示唆を出す | 完結している |
30歳の面接で聞かれるのは、「あなたが一人でできることは何ですか」です。
2. なぜ30歳が区切りになるのか
採用の枠が、年齢で変わるからです。
| 年齢 | 主な採用枠 | 求められるもの |
|---|---|---|
| 22〜25歳 | 第二新卒枠 | ポテンシャル(経験は問わない) |
| 26〜29歳 | 若手中途枠 | 経験+ポテンシャル |
| 30〜34歳 | 中途枠 | 即戦力(一人で回せること) |
| 35歳〜 | 中途・管理職枠 | 即戦力+マネジメント |
この表の意味は、「30歳を超えると未経験職種への転職が難しくなる」ということです。
不可能ではありません。ただし、選択肢の数が明確に減ります。
25歳なら「未経験可」の求人が数千件ありますが、32歳では数百件になります。
だから、職種を変えるなら20代のうちです。
そして、もう1つの理由があります。
| 年齢 | 3年後 |
|---|---|
| 25歳で職種を変える | 28歳で「その職種3年」になる |
| 29歳で職種を変える | 32歳で「その職種3年」になる |
| 32歳で職種を変える | 35歳で「その職種3年」になる |
職種を変えると、その職種での経験年数は0からです。
3年で一人前になると考えると、25歳で変えれば28歳で完成しますが、29歳で変えれば32歳です。
この3年の差が、30代の選択肢を分けます。
3. 編集長の実体験:25歳で職種を変えた判断
私は23歳で新卒入社し、25歳で第二新卒として転職しました。広告営業からSaaSの営業へ、そして入社後に営業企画へ職種を変えました。
転職を決めたとき、迷いはありました。「あと1年やれば、営業として一人前になれるのでは」という気持ちです。
エージェントの担当者に、この迷いを話しました。
私「あと1年やってから動く方が、経験が厚くなりませんか」
担当者「厚くはなります。でも、木戸さんが積みたいのはその経験ですか」
私「……どういう意味ですか」
担当者「『広告の単発営業を2年半やった人』と『広告の単発営業を1年半やった人』の差って、市場では大きくないんです。どっちも『広告営業の若手』です」
私「差がない、ですか」
担当者「差が出るのは、次の職種を何年やったかです。25歳で変えれば28歳で3年。26歳で変えれば29歳で3年。この1年は、30歳のときにけっこう効きます」
この話で、動くことを決めました。
そして実際、入社後に営業企画へ移り、28歳の頃には数字の設計を一人で回せるようになっていました。
もし1年遅らせていたら、29歳でその状態だったことになります。
ここで学んだのは、「同じ職種を1年長くやること」の価値は、思っているより小さいということです。
1年半と2年半の差は、市場ではほとんど評価されません。評価されるのは、職種が変わった後に何年積んだかです。
ただし、これには条件があります。
変える先が決まっていることです。「とりあえず辞める」では、この計算は成立しません。
4. ①一人で完結できる業務を1つ作る
27歳までに、1つでよいので作ってください。
作り方
今の仕事の中で、上司の確認なしに回せる範囲を広げます。
| 段階 | 状態 |
|---|---|
| 1 | 指示された作業をやる |
| 2 | 作業の手順を自分で決める |
| 3 | 何をやるかを自分で決める |
| 4 | やった結果を検証して、次を決める |
3と4に到達している業務が1つあれば、それが「完結できる業務」です。
今の職場で3・4に届く業務がない場合、それが転職を考える理由になります。
面接での言い方
弱い:営業を1年半やってきました
強い:担当エリアの40社について、訪問の優先順位を自分で決めて、受注率を管理していました
「自分で決めた」という言葉が入るかどうかです。
5. ②数字で語れる実績を3つ持つ
常に3つ、手元に持っておいてください。
使える数字の型
| 型 | 例 |
|---|---|
| 規模 | 担当40社、年間予算3,000万円 |
| 変化 | 受注率18%→27%、ミス月5件→1件 |
| 順位 | 部内12名中3位、四半期MVP |
| 時間 | 処理時間を1件30分→15分に短縮 |
変化の数字が最も強いです。「自分が関わって、何かが変わった」ことが示せるからです。
記録の習慣
四半期に1回、次の3つをメモしてください。
- この3ヶ月で担当した規模(件数・金額・人数)
- 変わったこと(前と比べて何が改善したか)
- 自分が決めたこと(誰の指示でもなく判断した場面)
これを2年続けると、職務経歴書は30分で書けます。
やっていないと、転職を決めてから記憶を掘り起こすことになります。
6. ③④職種の方向を決め、後輩に教える
③ 職種の方向を26歳までに決める
「業界」ではなく「職種」です。
業界は30代でも変えられますが、職種は変えづらくなります。
| 変えやすさ | 30歳時点 |
|---|---|
| 業界を変える(同じ職種) | 比較的容易 |
| 職種を変える(同じ業界) | やや難しい |
| 業界も職種も変える | 難しい |
26歳までに職種の方向を決めておくと、28〜29歳で「業界を変える」という手が残ります。
逆に、29歳まで職種が定まらないと、選択肢が一気に狭まります。
④ 後輩に教えた経験を作る
28歳までに、1人でよいので後輩を持ってください。
30歳以降の面接では、必ずこれを聞かれます。
「チームで後輩を指導された経験はありますか」
「ありません」と答えると、その先のマネジメント適性の話ができなくなります。
正式な役職でなくて構いません。
| 経験 | 面接で使えるか |
|---|---|
| 新人のOJT担当をした | 使える |
| 後輩の質問に日常的に答えていた | 使える |
| マニュアルを作って共有した | 使える |
| 部下を評価していた | 使える(マネジメント経験) |
「マニュアルを作った」は、意外と強い材料です。自分の業務を言語化できる証明になります。
7. ⑤⑥⑦ 社外の関係・市場での位置・貯え
⑤ 社外の人間関係を作る
同じ会社の人とだけ付き合っていると、判断の基準が社内の常識だけになります。
「うちの会社は残業が多い」が普通なのか異常なのかは、社外の人と話さないと分かりません。
| 方法 | 難易度 |
|---|---|
| 学生時代の友人と定期的に会う | 低い |
| 取引先の担当者と関係を作る | 中 |
| 業界のイベント・勉強会に出る | 中 |
| 転職エージェントと定期的に話す | 低い |
1つ目で十分です。「他の会社ではどうなっているか」を知る経路が、1つあればよいのです。
⑥ 転職市場での自分の位置を、2回確認する
25歳と28歳で、1回ずつ確認してください。
確認の方法は、転職エージェントに登録して面談を受けることです。転職する意思がなくても構いません。
| 分かること |
|---|
| 今の経歴で、どの職種の求人が紹介されるか |
| 提示される想定年収の水準 |
| 何が足りないと見られているか |
「今の自分がどう見えるか」を、社外の基準で知る作業です。
28歳の確認で「このままだと選択肢が狭い」と分かれば、まだ2年あります。31歳で気づくのとは、大きく違います。
エージェントの面談で何を聞かれるかは、専用の記事にまとめています。
⑦ 生活を維持できる貯えを持つ
これは、キャリアの話です。
生活の余裕がないと、転職の判断が「今すぐ収入が必要か」に支配されます。
数ヶ月分の生活費が手元にあると、「合わない会社をすぐ辞める」という選択肢が持てます。
逆に余裕がないと、合わない環境に留まり続けることになります。
金額の目安は、生活費の3〜6ヶ月分と言われますが、状況によります。重要なのは、選択肢を持てる状態かどうかです。
8. 年齢帯別・やることの優先順位
| 年齢 | 最優先 | 次点 |
|---|---|---|
| 22〜24歳 | 目の前の仕事の型を覚える | 数字の記録を始める |
| 25〜26歳 | 職種の方向を決める(変えるなら今) | 一人で回せる業務を作る |
| 27〜28歳 | 一人で完結できる業務を完成させる | 後輩に教える経験 |
| 29歳 | 市場での位置を確認する | 30代の方向を決める |
22〜24歳は、動かなくてよい時期です。
この時期に転職を繰り返すと、どの職種も中途半端になります。まず1つの職種で、基本の型を覚えてください。
ただし、明確に環境が悪い場合(長時間労働、ハラスメント、業務が学びにならない)は、この限りではありません。その場合は、早く動く方が正しい判断です。
25〜26歳が、職種を変える最後の好機です。第二新卒枠が使えて、かつ実務経験も1〜3年あります。最も選択肢が広い時期です。
29歳は、確認の年です。ここで動くかどうかを決めます。30歳になってからでは、枠が変わります。
9. よくある質問
30歳を過ぎたら、職種を変えられませんか?
変えられます。ただし、選択肢の数が減ります。未経験可の求人が減り、年収が一時的に下がる可能性も高くなります。不可能ではないので、必要なら動いてください。ただ、20代のうちに変える方が容易であることは事実です。
今の会社で「一人で完結できる業務」を作れません。
それ自体が、転職を検討する理由になります。ただし、まず上司に「この範囲を任せてもらえないか」と交渉してみてください。交渉して無理なら、環境を変える判断は合理的です。
25歳ですが、まだ何をしたいか決まっていません。
「やりたいこと」ではなく「避けたいこと」から決めてください。方向が決まらないまま29歳になることが、最も避けたい状況です。1〜2週間で決めきって、動き始めてください。
第二新卒で転職すると、経歴に傷がつきますか?
1回であれば、問題になりません。第二新卒の転職は一般的で、企業側も想定しています。ただし、2年以内に2回以上の転職を繰り返すと、定着性を問われます。
資格を取っておくべきですか?
職種によります。経理なら日商簿記、ITならITパスポートや基本情報技術者など、実務と接続する資格は有効です。ただし、資格そのものより実務経験が優先されます。資格を取るために転職を遅らせるのは、順番が逆です。
副業はやっておいた方がいいですか?
応募先の職種と関係があるなら、強い材料になります。関係がなければ、必須ではありません。ただし、就業規則を必ず確認してください。
大企業と中小企業、20代でどちらにいるべきですか?
「一人で完結できる業務」を作りやすいのは、中小企業です。大企業は分業が進んでおり、担当範囲が狭くなります。一方で、大企業では大きな規模の案件に関われます。どちらが正しいというものではなく、何を積みたいかで決まります。
30歳までに転職しないと不利ですか?
転職そのものが必要なわけではありません。今の会社で「一人で完結できる業務」を作り、数字で語れる実績があるなら、転職しないという選択も合理的です。必要なのは転職ではなく、市場で説明できる経験です。
10. まとめ:今週やる3つのこと
30歳で見られるのは、勤続年数ではなく「一人で完結できる業務があるか」です。
そして、職種を変えるなら20代のうちが圧倒的に有利です。25〜26歳が、第二新卒枠と実務経験の両方が使える最後の時期になります。
今週やること
① 今の業務のうち、上司の確認なしに回せるものを1つ書き出す(なければ、それが課題です)
② 直近1年の数字を3つ書き出す(規模・変化・順位のどれか)
③ 26歳までに決めたい「職種の方向」を1つ書く
目安時間:合計45分
①で何も書けない場合、それは今の環境の問題です。上司に範囲を広げてもらう交渉をするか、環境を変えるか。どちらにせよ、27歳までに1つ作ってください。
この先、読むべき記事
- 20代のキャリアの考え方|第二新卒が「何を積むか」で30代を決める(何を積むかの考え方)
- やりたいことがないまま転職する|第二新卒が使う3つの決め方(方向が決まらないとき)
- キャリアプランの作り方|第二新卒が3年先から逆算する4ステップ(逆算の手順)
- 転職エージェントの面談|第二新卒が聞かれる12のことと準備しておくもの(市場での位置の確認)
- 転職するか残るか|第二新卒が5つの軸で決めきるための判断表(動くかどうかの判断)
- ベンチャーと大企業の選び方|第二新卒が7つの軸で比べる判断表(規模で積めるものが変わる)
- 「3年は続けろ」は本当か|第二新卒が3年ルールを分解して判断する(3年待つ価値があるか)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。