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やりたいことがないまま転職する|第二新卒が使う3つの決め方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
やりたいことがないまま転職する|第二新卒が使う3つの決め方【2026年版】

〜「やりたいこと」を先に決めないと転職できない、という前提が間違っています〜

「やりたいことが見つからないので、転職に踏み切れない」

20代で転職を考える人から、最も多く届く言葉です。

そして、この状態のまま自己分析を続けても、答えは出ません。「やりたいこと」は、考えて見つかるものではなく、やってみた結果として後から分かるものだからです。

私自身、第二新卒で転職したとき、やりたいことは決まっていませんでした。

広告営業を1年半やって、「これは違う」とは思っていました。ただ、「じゃあ何がやりたいのか」には答えられませんでした。

それでも、転職はできました。そして、入社してから「これがやりたかったのかもしれない」と思うようになりました。

順番が逆なのです。

この記事では、やりたいことがないまま仕事を決める3つの軸と、面接で「やりたいことは?」と聞かれたときの答え方を整理します。

1. 結論:3つの軸で決められる

決め方向いている人
避けたいことから決める二度と経験したくない条件を書き出す現職に明確な不満がある
得意なことから決める人より苦にならない作業を探す何が嫌かも分からない
身につけたいことから決める3年後に持っていたい能力を決める将来の不安が動機

どれか1つで十分です。3つ全部を埋める必要はありません。

そして、最も早く答えが出るのは①です。

「やりたいこと」は思いつかなくても、「これはもう嫌だ」は、たいてい即答できます。

例えば、次のような形です。

避けたいこと導かれる条件
毎月の数字に追われるのが辛い個人ノルマの薄い職種
飛び込み営業が苦痛インバウンド中心の営業/内勤職
誰の役に立っているか分からない顧客と直接接点のある仕事
一人で黙々と作業したいチーム密度の低い職種
転勤が嫌だエリア限定・拠点固定の求人

避けたいことを5つ書き出すだけで、応募先はかなり絞れます。

2. なぜ「やりたいこと」が見つからないのか

理由は3つあります。どれも、あなたの問題ではありません。

理由内容
経験した仕事の種類が少ない社会人1〜3年目で、知っている職種は1つか2つ
職種の実態を知らない名前は知っていても、1日の中身を知らない
「やりたいこと」の定義が高すぎる「一生をかけたいこと」を探している

①が最大の理由です。

世の中には数百の職種があり、あなたが経験したのは1つです。その1つが合わなかったからといって、残り数百のうちどれが合うかは、経験していない以上、分かりようがありません。

②も大きい。「人事」「経営企画」「カスタマーサクセス」。名前は知っていても、その人が月曜の朝に何をしているかは、調べないと分かりません。

そして③。

多くの人が「やりたいこと」を、「情熱を持って一生続けられること」だと思っています。

その定義なら、見つからなくて当然です。

実際に必要なのは、もっと低い基準です。

転職の判断に必要な「やりたいこと」の基準

今より、少しマシだと思えること

これで十分です。

3. 編集長の実体験:やりたいことがないまま、2社から内定が出た

私が第二新卒で転職活動を始めたとき、やりたいことは、まったく決まっていませんでした。

広告営業をしていて、辞めたい理由ははっきりしていました。単発の出稿で終わる関係が続くこと。半年後にその会社がどうなったか、まったく知らないままであること。

ただ、「じゃあ何がやりたいのか」と聞かれると、答えられませんでした。

エージェントの初回面談で、正直に言いました。

「正直、やりたいことが決まってないんです。この状態で転職活動していいんでしょうか」

担当者むしろ、決まってる人の方が少ないですよ

「そうなんですか」

担当者「木戸さん、さっき『半年後にどうなったか知らないのが嫌だ』って言いましたよね。それ、もう答えですよ

「答え、ですか」

担当者『継続して関わる仕事がしたい』ということです。やりたいことって、こういう形でしか出てこないんです。『何がやりたいか』じゃなくて、『何が嫌だったか』の裏返しです

「……それ、志望動機になりますか」

担当者なります。むしろ、それが一番強いです。実体験から出てるので」

この面談で、活動の方向が決まりました。

「継続して顧客と関わる商材」で絞ると、SaaSが候補に上がりました。買い切りではなく、契約が続く商材だからです。

結果として、2ヶ月で10社に応募し、2社から内定が出ました。

そして、入社してから1年ほど経った頃、こう思うようになりました。

「営業そのものより、数字を設計する方が面白い」

これが、私の「やりたいこと」でした。そして、これは転職前には絶対に分からなかったことです。営業企画という職種を、私は経験するまで知らなかったからです。

ここで学んだのは、「やりたいこと」は探すものではなく、動いた結果として見つかるものだ、ということです。

4. 軸① 避けたいことから決める

最も早く、最も確実な方法です。

手順

紙に、次の質問への答えを書いてください。

#質問
1今の仕事で、月曜の朝に一番嫌なことは何ですか
2二度とやりたくない業務は何ですか
3この条件だけは絶対に嫌だというものを3つ挙げてください
4前職・現職で、辞めたいと思った具体的な場面を1つ書いてください
5それは、会社の問題ですか、職種の問題ですか

5番目が、判断を分けます。

原因打つべき手
会社の問題(上司、社風、制度)同じ職種で会社を変える
職種の問題(業務内容そのもの)職種を変える
業界の問題(商習慣、顧客層)業界を変える

会社の問題なのに職種を変えると、遠回りになります。経験が引き継げず、年収も下がりやすくなります。

避けたいことを、求人の条件に翻訳する

避けたいこと求人票で見る項目
数字に追われたくない職種(内勤/企画/管理系)、評価制度
飛び込み営業が嫌「反響営業」「インバウンド」「既存顧客中心」の記載
転勤が嫌勤務地、「転勤なし」の記載
残業が多いのが嫌月平均残業時間、みなし残業の有無
一人で抱えたくない組織図、チーム人数

求人票の読み方については、専用の記事も参考にしてください。

5. 軸② 得意なことから決める

「避けたいこと」も出てこない場合は、こちらです。

ここで言う「得意なこと」は、成果を出したことではありません。

定義

他の人より苦にならない作業

この定義が重要です。「人より上手い」ではなく「人より苦にならない」です。

探し方の質問

#質問
1職場で人から頼まれることは何ですか
2やっていて時間を忘れる作業は何ですか
3同僚が「面倒だ」と言うのに、自分は気にならない作業は何ですか
4学生時代を含めて、人に感謝された場面を3つ挙げてください

3番目が最も有効です。

「みんなが面倒がるのに、自分は平気」というものが、あなたの得意です。

向いている職種
議事録を取るのが苦にならない秘書、事務、企画のサポート
数字の突き合わせが苦にならない経理、データ分析、営業企画
初対面の人と話すのが苦にならない営業、カスタマーサクセス、人事
マニュアルを読むのが苦にならないエンジニア、法務、品質管理
人の話を最後まで聞ける人事、カスタマーサポート、キャリア支援

強みの見つけ方については、専用の記事にまとめています。

6. 軸③ 身につけたいことから決める

「今のままだと、30代で困る気がする」という不安が動機の場合は、こちらです。

手順

3年後に、履歴書に書けるようになっていたいことを1つ決めてください。

3年後に持っていたいもの選ぶべき職種の例
数字を設計できる営業企画、経営企画、マーケティング
一人で完結できる技術エンジニア、デザイナー、経理
人を動かせるマネジメント経験のある職種、人事
業界の専門性特定業界に絞った職種
顧客との関係構築営業、カスタマーサクセス

「何になりたいか」ではなく「何ができるようになりたいか」で考えてください。

職種名は変わりますが、能力は残ります。

この軸の注意点

「成長したい」だけでは、志望動機になりません。

面接で「成長したいです」と言うと、「うちは学校ではない」と受け取られます。

必ず、「何を身につけて、それで何をするか」まで言ってください。

弱い:御社で成長したいです

強い:数字を設計する力を身につけて、施策の効果を検証できる営業になりたいです

7. 面接で「やりたいことは?」と聞かれたときの答え方

この質問は、ほぼ確実に来ます。

そして、「特にありません」は絶対に避けてください。

使える型

3ブロックの型

現職での経験(何をして、何に気づいたか)

そこから出た方向(避けたい/得意/身につけたい、のどれか)

この会社でやること(具体的な業務に接続)

例文(避けたいことから)

「前職では広告の営業をしていました。単発の出稿で関係が終わることが多く、半年後にその会社がどうなったかを知らないまま次に進むことに、違和感がありました。

そこから、継続して顧客と関わる仕事がしたいと考えるようになりました。

御社のサービスは契約が継続する形なので、導入後の運用まで関わることができると考えています。まずは営業として顧客を担当し、導入後の課題まで見られるようになりたいです。」

例文(得意なことから)

「前職では営業事務をしていました。周囲が面倒がる数字の突き合わせが、自分は苦にならないことに気づきました。受注ミスの原因を集計して、確認項目をチェックリスト化したこともあります。

この「数字を整理して原因を探す」作業を、業務の中心にしたいと考えています。

御社の営業企画は、まさにその仕事だと理解しています。」

例文(身につけたいことから)

「前職では法人営業を1年半担当しました。数字を追う中で、なぜその施策が効いたのかを説明できない場面が多くありました。

3年後には、施策を設計して効果を検証できる立場になりたいと考えています。

御社では、営業とマーケティングの距離が近いと伺っています。まず現場で顧客を理解し、その上で企画側に関わっていきたいです。

どの型も、「やりたいこと」という言葉を使わずに答えています。これで問題ありません。

8. やってはいけない3つのこと

やってはいけないことなぜダメか
やりたいことが決まるまで動かない動かないと見つからない
自己分析を1ヶ月以上続ける材料が増えないので答えが出ない
「何でもやります」と言う何も考えていないと受け取られる

②について補足します。

自己分析は、過去の経験を整理する作業です。経験が増えない限り、材料は増えません。

1〜2週間やって出ないものは、1ヶ月やっても出ません。

その場合は、動いてください。求人を見る、エージェントと話す、フェアで現場の人に会う。外から材料を入れないと、答えは出ません。

③については、「何でもやります」の代わりに「◯◯は避けたいです」と言ってください。

避けたいことが言える人は、考えている人です。

9. よくある質問

やりたいことがないまま転職して、また合わなかったらどうしますか?

その場合、次に活かせる材料が1つ増えています。「これも違った」が分かることには、価値があります。ただし、短期間で転職を繰り返すと経歴の説明が難しくなるため、最低1年は続ける前提で選んでください。

自己分析はどれくらいやればいいですか?

1〜2週間が上限です。それ以上やっても、材料が増えないため答えは変わりません。期限を切って、出た内容で動き始めてください。

エージェントに「やりたいことがない」と言っても大丈夫ですか?

大丈夫です。むしろ、正直に言った方が的確な提案が返ってきます。「決まっているふり」をすると、合わない求人を紹介されます。その代わり、「避けたいこと」は具体的に伝えてください。

面接で「やりたいことがない」と正直に言ってもいいですか?

その言葉のままでは避けてください。「特にありません」は、何も考えていないと受け取られます。第7章の型を使い、「避けたいこと」「得意なこと」から答えを組み立ててください。言葉を変えるだけで、印象がまったく変わります。

適性診断を受ければ、やりたいことが分かりますか?

分かりません。適性診断が示すのは「向いている傾向」であって、「やりたいこと」ではありません。ただし、選択肢を絞る材料としては使えます。結果をそのまま職種選びに使わず、候補を広げる目的で使ってください。

好きなことを仕事にすべきですか?

そうとは限りません。好きなことを仕事にすると、嫌いになる場合があります。「苦にならないこと」を仕事にして、「好きなこと」は趣味として残す、という選び方もあります。どちらが正しいというものではありません。

周りは目標を持っているように見えて、焦ります。

持っているように見えるだけのことが多いです。20代前半で明確なキャリア目標を持っている人は、実際には少数です。他人の言葉ではなく、自分が何を避けたいかを基準にしてください。

3年後の目標を聞かれたとき、答えられません。

「何になりたいか」ではなく「何ができるようになりたいか」で答えてください。「マネージャーになりたい」より「後輩に教えられる水準まで実務を理解したい」の方が、具体的で信頼されます。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

「やりたいこと」は、考えて見つかるものではありません。動いた結果、後から分かるものです。

そして、転職の判断に必要なのは「一生をかけたいこと」ではなく、「今より少しマシだと思えること」です。

今夜やること

「二度とやりたくない業務」を5つ書き出す

② そのうち1つについて、会社の問題か、職種の問題かを判定する

「みんなが面倒がるのに、自分は平気な作業」を1つ書き出す

目安時間:合計30分

①は、10分あれば書けます。「やりたいこと」は10分では出ませんが、「嫌なこと」は出ます。

そして、②で「職種の問題」と判定できたなら、その時点で応募先の方向が決まっています。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。