事業会社マーケティングの面接|第二新卒が聞かれる想定問答14と評価される答え方【2026年版】
〜「施策を考えるのが好きです」で終わると、二次で必ず止まります。段階別の想定問答14を、回答例つきで置いておきます〜
事業会社のマーケティング面接には、はっきりした分岐点があります。「アイデアを語る人」と「数字で詰められる人」のどちらに見えるかです。
未経験からの応募だと、つい施策のアイデアを話したくなります。ところが面接官が知りたいのは、思いついた施策の中身ではありません。その施策をやると決めた根拠と、やめると判断する基準です。
この記事では、未経験・第二新卒がマーケ職の面接で聞かれる想定問答14を、一次・二次・最終の段階別に、回答例つきで整理します。
1. 結論:マーケ面接は3つの軸で採点されている
事業会社マーケの面接で見られている3軸
① 分解力:結果を、経路別・段階別の数字に分けて説明できるか
② 判断の基準:やる/やめるを何で決めるかを言えるか
③ 事業からの逆算:施策ではなく、売上や利益から話を始められるか
未経験者が落とすのが①、差がつくのが③です。
14問すべては、この3軸のどれかを測るために聞かれています。
2. 最低限おさえる指標(面接で出たら詰まる4つ)
未経験でも、この4語は意味を説明できる状態で行ってください。用語を知らないと、質問の意図自体がわからなくなります。
| 用語 | 意味 | 面接での使いどころ |
|---|---|---|
| CPA | 1件獲得あたりの費用 | 「広告費÷獲得件数」。安ければ良いとは限らない |
| LTV | 顧客1人が生涯にもたらす売上 | CPAはLTVと比べて初めて評価できる |
| CVR | 訪問者のうち成約した割合 | 流入を増やす前に、ここを見る |
| ROAS | 広告費に対する売上の比率 | 売上ベース。利益率が低い商材だと誤読しやすい |
いちばん大事なのは「CPAはLTVと並べないと評価できない」という一点です。CPAが上がっても、継続する顧客が取れているなら正しい投資になります。これを言えるだけで、未経験者としては上位に入ります。
3. 一次面接(人事・マーケメンバー)で聞かれる5問
3-1. Q1「なぜマーケティング職なんですか」
「上流に関わりたい」は最初の減点です。数えた経験から話してください。
「前職で失注案件を業種と規模で集計したところ、店舗数3〜10のチェーンだけ成約率が約3倍高いことがわかり、アプローチ先をその層に寄せて商談数を変えずに成約数を1.7倍にしました。行動量ではなく配分で結果が変わった経験から、どこに予算と時間を置くかを決める仕事に関心が向きました」
3-2. Q2「弊社の商材、どうやって知られていると思いますか」
意図は、調べてきたかの確認です。実際に検索した結果を言うと、ここで一段抜けます。
「『◯◯(商材カテゴリ)』で検索したところ、自然検索の上位は比較サイトが占めていて、貴社のページは見当たりませんでした。一方で広告は表示されたので、獲得が広告に寄っている状態ではないかと推測しています。SNSは◯◯の更新が中心で、獲得より認知の役割に見えました」
3-3. Q3「マーケティングの実務経験はないですよね。何ができますか」
「広告運用の実務経験はありません。ただ、記録を集計して配分を判断した経験は前職でしています。ツールの操作は入社後に覚えられますが、数字を見て何を変えるかを考える部分は持ち込めると思っています。まずは既存の数値を読み込んで、どこがボトルネックかを自分なりに把握するところから入りたいです」
3-4. Q4「独学でやっていることはありますか」
「本を読んでいます」で終わらせないでください。手を動かした話が1つあると強くなります。
「自分でブログを立ち上げて、検索経由の流入を見ています。3か月で月間◯◯セッションほどですが、記事の順位が上がったものと上がらなかったものを比べて、検索意図の粒度が違うことに気づけたのが収穫でした。数字が動く前と後を自分で見た経験は、規模は小さくても意味があったと思っています」
3-5. Q5「入社したら最初の3か月で何をしますか」
「1か月目は、既存の獲得経路別の数字と、過去1年の施策の履歴を読み込みます。2か月目からは、経路ごとのCPAと、その後の継続率を突き合わせて、獲得単価だけでは見えない差がないかを確認したいです。3か月目には、改善の余地が大きい経路を1つ選んで、小さく検証を回すところまで進めたいと考えています」
4. 二次面接(マーケ責任者)で聞かれる6問
二次が山場です。①分解力と②判断の基準が本格的に見られます。
4-1. Q6「広告のCPAが先月より30%悪化しました。何をしますか」
これがマーケ面接の代表的なケース質問です。「クリエイティブを変えます」と即答すると落ちます。
「まず、CPAのどの要素が動いたかを分けて見ます。CPA=クリック単価÷CVRなので、クリック単価が上がったのか、CVRが下がったのかで原因がまったく違います。クリック単価なら競合の出稿や季節要因、CVRならランディングページか、流入している層のズレを疑います。原因を特定する前にクリエイティブを差し替えると、何が効いたのか永久にわからなくなるので、順序としては特定が先だと考えています」
4-2. Q7「CPAが安い経路と高い経路、どちらに予算を寄せますか」
「安いほう」と即答すると、そこで終わります。
「CPAだけでは決められないと考えています。その後の継続率やLTVが違えば、CPAが高い経路のほうが利益は出ることがあるためです。まず経路別に、獲得後3か月・6か月の継続率を突き合わせて、獲得単価とLTVの比で比較したいです。そのデータがない場合は、それを取れる状態にすること自体が最初の仕事になると思っています」
4-3. Q8「予算が半分になったら、何を削りますか」
意図は優先順位の設計です。「効率の悪いものから」だけでは足りません。
「効率の悪いものから削るのが基本ですが、短期の獲得に効くものと、中期で効いてくるものを分けて考えます。広告を止めれば翌月の獲得は落ちますが、SEOやCRMは止めてもすぐには落ちない代わりに、再開しても戻るまで時間がかかります。半年で戻す前提なら短期側を削り、恒常的な削減なら広告依存を下げる方向に組み替える判断になると思います」
4-4. Q9「施策を1つ提案してください」
準備なしで答えると散らかります。「現状の推測 → 課題 → 施策 → 検証方法」の4段で答えてください。
「検索した限り、獲得が広告に寄っていると推測しています。だとすると広告費の増減が獲得件数に直結してしまうので、検索からの流入を作ることが課題だと考えました。具体的には、比較サイトが上位を占めているキーワードではなく、導入前の検討段階で調べられる周辺の疑問から記事を作る形を提案します。効果は、記事経由のセッションと、そこからの資料請求数で見ます。3か月では順位がつかない可能性が高いので、最初の判断は順位ではなく公開本数と検索順位の推移で見るべきだと考えています」
最後の一文(何をもって判断するか)が評価の分かれ目です。
4-5. Q10「効果が出なかった施策は、いつやめますか」
②を直接測る質問です。「様子を見ます」は不正解です。
「開始前に、いつまでに何が起きていなければやめるかを決めておきたいです。たとえば広告なら、目標CPAの1.5倍を2週間超えたら止めるといった基準を先に置きます。基準を決めずに始めると、埋没費用が増えるほどやめにくくなるので、始めるときにやめ方を決めるのが大事だと考えています」
4-6. Q11「事業側や営業から『もっとリードがほしい』と言われたら」
③の逆算を見る質問です。
「言われた通り件数を増やす前に、渡したリードのうち商談化した割合を確認したいです。商談化率が低いまま件数だけ増やしても、営業の時間を消費するだけになります。商談化率が低いなら、獲得しているリードの質か、渡す基準の問題なので、営業と一緒に『商談になるリードの条件』を言語化するところから入りたいです」
5. 最終面接(役員・事業責任者)で聞かれる3問
5-1. Q12「弊社の事業の課題は何だと思いますか」
施策ではなく、事業の言葉で答えてください。
「調べた限り、獲得は広告が中心で、比較サイト経由の流入も大きいように見えました。だとすると、獲得コストが外部の相場に左右されやすい構造になっているのではないかと考えています。単価を上げるか、自社で流入を持つか、継続率を上げてLTVを伸ばすかのどれかが中期の論点になると思うのですが、社内ではどれを重視されていますか」
5-2. Q13「3年後、どうなっていたいですか」
「3年後には、予算の配分を自分で決めて、その結果に責任を持てる状態になっていたいです。施策を回せるだけでなく、なぜその配分にしたかを事業の数字で説明できるところまでを自分の仕事にしたいと考えています」
5-3. Q14「最後に質問はありますか」
逆質問は評価対象です。次から3つ選んでください。
- 「獲得経路ごとに、その後の継続率まで追えていますか」
- 「施策のやめどきは、どのように判断されていますか」
- 「マーケと営業(またはCS)の間で、数字はどう共有されていますか」
- 「今いちばん改善余地が大きいと感じている経路はどこですか」
- 「入社1年目の方が、最初につまずくのはどのあたりですか」
1と2は、そのまま自分の判断軸の高さを示す質問になります。
6. 課題(ワークサンプル)が出たときの攻略
マーケ職では、二次前後で課題が出る企業が一定数あります。よくある形はこの3つです。
| 課題の型 | 求められていること |
|---|---|
| 「弊社の集客施策を提案してください」 | 施策の斬新さではなく、現状把握と検証設計 |
| 「このデータから示唆を出してください」 | 分解の仕方。どの切り口で分けたか |
| 「LPの改善点を挙げてください」 | 思いつきの列挙ではなく、優先順位の理由 |
共通して効くのは、冒頭1枚に「前提として置いた仮定」を書くことです。社外から見えるデータは限られるので、何を仮定して考えたかを明示すると、その先の論理が評価対象になります。スライドは5〜7枚で十分です。作り込みの量では評価されません。
7. 落ちる回答の型5つ
| NG型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| アイデア型 | Q9に施策だけを列挙 | 検証方法がない。思いつきに見える |
| 即断型 | Q6に「クリエイティブを変えます」 | 原因を特定せず手を動かす人と見える |
| 安いほう型 | Q7に「CPAが安いほうに寄せます」 | LTVの視点がない |
| 様子見型 | Q10に「しばらく様子を見ます」 | やめる基準を持っていない |
| 御用聞き型 | Q11に「件数を増やします」 | 事業から逆算できていない |
8. 私が「配分」で評価された面接
私は営業から営業企画へ職種を変えたときに、同じ構造の面接を受けています。当時、通った会社と落ちた会社で違ったのは施策を語ったか、配分を語ったかでした。
落ちた面接
面接官「前職ではどんな工夫を?」
私「お客様ごとに提案内容を変えて、丁寧にフォローしていました」
面接官「なるほど。……他には」
通った面接
面接官「前職ではどんな工夫を?」
私「失注した案件を業種と店舗数で集計したら、店舗数3〜10のチェーンだけ成約率が3倍近く高かったんです。個人店は決裁は速いけど予算がなく、大手は予算はあるけど本部決裁で時間がかかる。その中間だけが両方揃っていました。そこにリストを寄せて、架電数は1割減らして商談数を維持しました」
言っている事実は同じ期間の話です。違うのは、後者が「何を数えて、どう配分を変えたか」で説明している点だけでした。マーケの面接で評価される答えの形は、これとまったく同じです。
9. よくある質問
マーケ職の面接は何回ありますか
一次(人事またはマーケメンバー)・二次(マーケ責任者)・最終(役員)の3回が標準です。二次の前後に課題が出る企業が一定数あります。課題が出たら、作り込みより「前提と検証方法を書いているか」で差がつきます。
用語をどこまで覚えていけばいいですか
第2章の4つ(CPA・LTV・CVR・ROAS)を、自分の言葉で説明できて、かつCPAとLTVの関係を言える状態で十分です。用語を大量に覚えるより、この1組の関係を理解しているほうが評価されます。
数字の実績がない場合、どう答えればいいですか
前職の数字で構いません。売上でなくても、処理件数・再来店率・問い合わせ件数・稼働率など、何かを数えて動いた経験があれば同じ構造で話せます。まったくない場合は、自分のブログやSNSの数字でも成立します。
「弊社のサービスを使ったことはありますか」と聞かれたら
使えるものなら必ず使ってから行ってください。使えない商材なら導入事例と料金ページを読み、想定顧客と単価帯を把握したと答えます。「使っていません」だけで終えると、志望度が低いと判断されます。
志望動機はどう組み立てればいいですか
面接の受け答えと志望動機は地続きです。作り方は事業会社マーケティングの志望動機にまとめています。この記事の想定問答は、そこで作った志望動機を面接で掘られたときの答え方にあたります。
代理店出身だと有利ですか、不利ですか
実務スキルの面では有利ですが、「なぜ事業会社か」の説明を厳しく見られます。代理店を否定せず、「打った施策の結果を事業の数字で確かめたい」という前向きな形で答えてください。キャリア設計の全体像は広告業界から事業会社のマーケへ転職する完全ガイドを参照してください。
年収の話はいつ切り出せばいいですか
こちらから最終面接前に切り出す必要はありません。一次で希望額を聞かれた場合は、現年収と希望レンジを幅で答えてください。交渉の進め方は第二新卒の年収交渉にまとめています。
在籍期間が短くても、マーケ職は狙えますか
狙えます。ただし短い期間の中で「何かを数えて、変えた」事実が1つ必要です。それがあれば、期間の短さより「早い段階から検証する人」という読み方になります。退職理由の整理は退職を悩む期間を最短化する3つの判断軸を参照してください。
10. まとめ
事業会社マーケの面接は、アイデアではなく分解と判断基準で決まります。
前日にやる3つのこと
① Q6(CPA悪化)の答えを声に出して1回読む。CPA=クリック単価÷CVRで分解する形を体に入れる
② 応募先の商材カテゴリで実際に検索し、上位に何があるかをメモする(Q2・Q12で使う)
③ Q10の「やめる基準」を、自分の言葉で1つ用意する
①と③を準備できていれば、残りは前職の話です。逆にこの2つを飛ばすと、どれだけ熱意を伝えても二次で止まります。
この先、読むべき記事
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。