経営企画の自己PR|第二新卒が数字の経験を翻訳する例文6パターン【2026年版】
〜経営企画の自己PRで見られるのは、「数字から何を言えるか」です〜
経営企画は、第二新卒の応募が集中し、かつ募集人数が少ない職種です。
そして、実務経験のある候補者と競合します。
その中で書類を通すために必要なのは、「経営に関わりたい」という意欲ではありません。
「数字を集計して、原因を特定して、何かを変えた」という経験を1つ示すことです。
この構造は、経営企画の仕事そのものです。
そして、営業でも事務でも経理でも、この経験は作れます。
私自身、営業から営業企画に移りました。
そのときに使ったのが、「失注案件を業種別に集計した」という経験です。
この記事では、3要素の型と、例文6パターンを用意します。
1. 結論:経営企画の自己PRは3要素で決まる
| 要素 | 内容 | 書く場所 |
|---|---|---|
| ① 数字を継続的に見た経験 | 何の数字を、どの頻度で | 冒頭 |
| ② 分解して原因を特定した経験 | どう分けて、何が分かったか | 中心 |
| ③ 変えて、検証した経験 | 何を変え、数字がどうなったか | 締め |
②が、他の職種の自己PRとの違いです。
営業の自己PRなら「受注率を上げた」で成立します。
経営企画では、「どう分解して、原因を特定したか」まで書く必要があります。
完成形の例
「前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で集計しておりました。
受注率が18%で3ヶ月横ばいだったため、失注した案件を業種別に分類しました。その結果、宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かりました。さらに内容を確認したところ、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。
初回訪問時に決裁の流れを確認する手順に変更し、3ヶ月後の受注率は27%になりました。
数字を分解して原因を特定し、施策を設計する進め方を、事業全体の規模で行いたいと考えております。」
「分類しました」「その結果」「さらに内容を確認したところ」という段階の記述が、経営企画では重要です。
2. なぜ定番の自己PRが落ちるのか
| よくある書き方 | 何が問題か |
|---|---|
| 「経営に近いところで仕事がしたい」 | 意欲であり、自己PRではない |
| 「会社全体を見る仕事に関心があります」 | 何ができるかがない |
| 「数字に強いです」 | 具体性がない |
| 「戦略を立てる仕事がしたい」 | 実務は集計と資料作成が中心 |
| 「Excelが使えます」 | 何に使ったかがない |
4行目が、経営企画では特に問題になります。
経営企画の実務は、予算の管理、月次の数字の集計、会議資料の作成が大半です。
「戦略」の部分は、業務全体の一部です。
ここを理解していないと、入社後にギャップが生じます。
採用側も、それを警戒しています。
見られている3つのこと
| # | 見られること |
|---|---|
| ① | 数字から示唆を出せるか |
| ② | 現場を知っているか |
| ③ | 権限がない立場で人を動かせるか |
③が、意外と見落とされます。
経営企画は、他部署に指示を出す権限を持たないことがほとんどです。
それでも、営業部に数字を出してもらう必要があります。
「権限なしで人を動かした経験」があると、この軸で強くなります。
3. 編集長の実体験:「大したことはしていない」と思っていた
私が第二新卒で転職活動をしていたとき、営業企画も候補に入れていました。
ただ、書けることがないと思っていました。
エージェントの担当者に、こう言いました。
私「営業しかやっていないので、企画職の自己PRは書けないと思います」
担当者「数字は見てましたよね」
私「受注率とかは見てました」
担当者「それが上がらなかったとき、原因は何だと考えましたか」
私「……失注案件を業種別に集計しました。宿泊業だけ失注率が高くて」
担当者「で、何か変えました?」
私「初回訪問で決裁の流れを聞くようにしました」
担当者「その後、数字はどうなりましたか」
私「宿泊業の受注率が上がりました」
担当者「それが、経営企画の自己PRです。数字を見て、分解して、原因を特定して、施策を打って、効果を検証してる。やってることは同じです」
この会話まで、私はこの経験を実績だと思っていませんでした。
「営業なら誰でもやること」だと思っていました。
ただ、担当者はこう言いました。
担当者「やらない人の方が多いです。数字が上がらないとき、『もっと訪問件数を増やそう』で終わる人が大半です」
ここで学んだのは、経営企画の経験がないのではなく、認識していないだけだということです。
4. 数字の作り方
次の質問で、材料を掘り出してください。
| # | 質問 | 出てくるもの |
|---|---|---|
| ① | 定期的に見ていた数字は何ですか | 要素① |
| ② | その数字を、どう分けて見ましたか | 要素② |
| ③ | 分けた結果、何が分かりましたか | 要素② |
| ④ | 何を変えましたか | 要素③ |
| ⑤ | 変えた後、数字はどうなりましたか | 要素③ |
②が、経営企画の自己PRの核心です。
「分ける」の例を挙げます。
| 分け方 | 例 |
|---|---|
| 属性で分ける | 業種別、エリア別、商材別、顧客規模別 |
| 期間で分ける | 月別、曜日別、時間帯別 |
| 段階で分ける | 新規/既存、接触/提案/受注 |
| 要素に分解する | 売上=客数×単価、受注=提案数×受注率 |
4行目の「要素に分解する」が、最も評価されます。
「売上が落ちた」を「客数が落ちたのか、単価が落ちたのか」に分けられる人は、経営企画に向いています。
5. 職種別の翻訳表
| 現職 | 使える経験 |
|---|---|
| 営業 | 受注率の分析、失注理由の分類、エリア別の実績管理 |
| 営業事務 | 受注データの集計、商品別の傾向分析 |
| 経理 | 月次決算、費用の内訳分析、予実の管理 |
| 店舗・販売 | 売上の分解(客数×単価)、廃棄率の管理 |
| カスタマーサポート | 問い合わせの分類、解約理由の分析 |
| 人事 | 採用の歩留まり分析、離職率の管理 |
| 物流・生産管理 | 在庫回転、稼働率、需要予測 |
どの職種でも、「数字を見て、分けて、変えた」経験は作れます。
そして、経理経験がある場合は、特に強くなります。
経営企画では、損益計算書と貸借対照表を読む場面があるためです。
6. 例文6パターン
例文①:法人営業 → 経営企画(未経験)
前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で集計しておりました。
受注率が18%で3ヶ月横ばいだったため、失注案件を業種別に分類しました。宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かり、内容を確認したところ、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。
初回訪問時に決裁の流れを確認する手順に変更し、3ヶ月後の受注率は27%になりました。
数字を分解して原因を特定し、施策を設計する進め方を、事業全体の規模で行いたいと考えております。
例文②:経理 → 経営企画
前職の経理では、月次決算と、費用の内訳の集計を担当しておりました。
販売管理費が前年比で8%増加していたため、費目別に分解したところ、増加の6割が外注費であることが分かりました。さらに部門別に分けると、特定の部門に集中していました。
この内容を月次の報告に加え、該当部門への確認を提案しました。結果として、外注の発注基準が見直され、翌四半期の外注費は前年並みに戻りました。
数字を分解して、判断できる形にして報告する進め方を、経営企画でも活かしたいと考えております。
例文③:営業事務 → 経営企画(未経験)
前職の営業事務では、受発注を1日平均40件処理し、月次で商品別・顧客別の受注数を集計しておりました。
集計の中で、特定の商品群の受注が特定の月に集中していることに気づき、過去2年分を月別に整理して営業部門に共有しました。
その結果、集中する月の前月に案内を送る運用が導入され、該当商品群の受注が前年同期比で増加しました。
データを整理し、そこから気づいた点を関係者に共有して施策につなげる進め方を、経営企画で活かしたいと考えております。
例文④:店舗販売 → 経営企画(未経験)
食品スーパーで青果部門を担当し、月商約800万円の売場について、日次の売上と廃棄率を管理しておりました。
廃棄率が3.2%であったため、廃棄になった商品を曜日別・時間帯別に3ヶ月記録しました。夕方以降の売れ残りが大半で、特に週の後半に集中していることが分かりました。
発注を1日1回から2回に分け、午前の売れ方を見てから午後の分を決める形に変更しました。廃棄率は1.8%になりました。
数字を記録して原因を特定し、運用を変える進め方を、より広い範囲で行いたいと考えております。
例文⑤:カスタマーサポート → 経営企画(未経験)
SaaS企業のカスタマーサポートで、1日平均30件の問い合わせに対応し、内容を週次で分類しておりました。
解約された顧客について、直前3ヶ月の問い合わせ内容を確認したところ、約6割が同じ機能に関する質問を繰り返していたことが分かりました。
この内容を、解約の予兆として営業部門とプロダクト部門に共有しました。該当機能の説明資料が整備され、翌四半期の同種の問い合わせは約3割減少しました。
顧客の行動を数字で捉え、部門をまたいで共有する進め方を、経営企画で活かしたいと考えております。
例文⑥:営業企画(経験1年未満)→ 経営企画
前職では、営業企画として月次の売上集計と、施策の効果検証を担当しておりました。
担当したのは営業部門の数字のみでしたが、売上を『顧客数×単価』に分解し、さらに顧客数を新規と既存に分けて管理する形を整備しました。
この分解により、売上の減少が新規の減少によるものか、解約によるものかを月次で判別できるようになりました。
在籍期間は10ヶ月と短いですが、部門単位で行っていたこの管理を、全社の規模で行いたいと考えております。
7. 落ちる自己PRの型5つ
| # | 型 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| ① | 「経営に近いところで仕事がしたい」 | 意欲であり、実績ではない |
| ② | 「分解」の記述がない | 経営企画の中核が抜けている |
| ③ | 検証(変えた後の数字)がない | 効果を確認する姿勢がない |
| ④ | 「戦略を立てたい」を強調 | 実務の理解がない |
| ⑤ | Excelのスキルだけを書く | 何に使ったかがない |
②について補足
最も多い失敗です。
「受注率を改善しました」だけでは、営業の自己PRです。
「失注案件を業種別に分類したところ、宿泊業だけが2倍でした」まで書いて、初めて経営企画の自己PRになります。
「どう分けたか」を必ず書いてください。
8. 面接で追撃される3つの質問
Q1「なぜその分け方をしたのですか」
回答例
「最初は、月別とエリア別で見ましたが、差が出ませんでした。
担当していた顧客の業種に偏りがあることは把握していたので、業種別に分けたところ、明確な差が出ました。
差が出る軸が見つかるまで、複数の分け方を試すという進め方をしておりました。」
「複数の分け方を試した」と言えると、実務感覚が伝わります。
Q2「その改善は、本当にその施策によるものですか」
この質問は、経営企画の面接で必ず来ます。
回答例
「断定はできません。同時期に他の要因があった可能性はあります。
ただ、手順を変えた宿泊業だけが改善し、変えていない他業種は横ばいでした。そのため、施策の影響はあったと考えております。」
「断定はできません」と言えることが、加点になります。
Q3「他部署に協力してもらうとき、どうしていましたか」
軸③(権限なしで人を動かす)を見る質問です。
回答例
「営業メンバーに週次の報告を依頼する際、最初は提出率が半分程度でした。
記入項目を10から5に絞り、入力の手間を減らしたところ、提出率が8割を超えました。
依頼するときは、相手の作業量を先に確認して、最小限にすることを意識しております。」
9. よくある質問
経営企画は未経験でも応募できますか?
第二新卒枠であれば、可能性はあります。ただし、募集人数が少なく、競争は激しくなります。「数字を集計して、分解して、変えた」経験を1つ示せることが前提です。
簿記の資格は必要ですか?
必須ではありませんが、日商簿記2級があると有利です。経営企画では、損益計算書と貸借対照表を読む場面があります。3級でも、財務諸表の基本構造は理解できます。
「分解した経験」がありません。
数字を「分けて見た」経験を探してください。月別、エリア別、商品別、顧客別。集計するときに何らかの軸で分けているはずです。それが分解です。
Excelはどこまで使えればいいですか?
VLOOKUP(またはXLOOKUP)とピボットテーブルは、必須と考えてください。この2つができないと、入社後すぐに困ります。SUMIFSまで使えると、実務で戦力になります。
経営企画と事業企画は、自己PRを変えますか?
基本の型は同じです。経営企画は全社の数字、事業企画は特定事業の数字を扱います。締めの1文を、応募先の範囲に合わせて調整してください。
数字が改善しなかった経験でも書けますか?
書けます。「変更後も数字は変わらなかったため、原因は別にあると判断し、次に◯◯を確認しました」という形にしてください。検証を続けた姿勢の方が、評価されることがあります。
「戦略」という言葉は使わない方がいいですか?
強調しない方が無難です。経営企画の実務は、集計と資料作成が大半です。「戦略を立てたい」を前面に出すと、実務の理解がないと判断されます。
コンサル出身者と競合しませんか?
ポジションによっては競合します。ただし、第二新卒枠では対象外のことが多くあります。「現場を経験している」ことが、第二新卒の強みになります。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
経営企画の自己PRで見られるのは、「数字から何を言えるか」です。
そして、他の職種の自己PRとの違いは、「どう分解したか」を書くことです。
今夜やること
① 定期的に見ていた数字を1つ書き出す
② その数字を、どう分けて見たかを書く(業種別/月別/要素分解)
③ 分けた結果、何が分かり、何を変え、数字がどうなったかを書く
目安時間:合計40分
②が最も重要です。
「受注率を改善しました」だけでは、営業の自己PRです。
「失注案件を業種別に分類したところ、宿泊業だけが2倍でした」まで書いて、初めて経営企画の自己PRになります。
私は、この経験を「営業なら誰でもやること」だと思っていました。担当者には「やらない人の方が多い」と言われました。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。