第二新卒のキャリアを深掘りする。
応募書類

経営企画の自己PR|第二新卒が数字の経験を翻訳する例文6パターン【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
経営企画の自己PR|第二新卒が数字の経験を翻訳する例文6パターン【2026年版】

〜経営企画の自己PRで見られるのは、「数字から何を言えるか」です〜

経営企画は、第二新卒の応募が集中し、かつ募集人数が少ない職種です。

そして、実務経験のある候補者と競合します。

その中で書類を通すために必要なのは、「経営に関わりたい」という意欲ではありません。

「数字を集計して、原因を特定して、何かを変えた」という経験を1つ示すことです。

この構造は、経営企画の仕事そのものです。

そして、営業でも事務でも経理でも、この経験は作れます。

私自身、営業から営業企画に移りました。

そのときに使ったのが、「失注案件を業種別に集計した」という経験です。

この記事では、3要素の型と、例文6パターンを用意します。

1. 結論:経営企画の自己PRは3要素で決まる

要素内容書く場所
数字を継続的に見た経験何の数字を、どの頻度で冒頭
分解して原因を特定した経験どう分けて、何が分かったか中心
変えて、検証した経験何を変え、数字がどうなったか締め

②が、他の職種の自己PRとの違いです。

営業の自己PRなら「受注率を上げた」で成立します。

経営企画では、「どう分解して、原因を特定したか」まで書く必要があります。

完成形の例

「前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で集計しておりました。

受注率が18%で3ヶ月横ばいだったため、失注した案件を業種別に分類しました。その結果、宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かりました。さらに内容を確認したところ、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。

初回訪問時に決裁の流れを確認する手順に変更し、3ヶ月後の受注率は27%になりました。

数字を分解して原因を特定し、施策を設計する進め方を、事業全体の規模で行いたいと考えております。

「分類しました」「その結果」「さらに内容を確認したところ」という段階の記述が、経営企画では重要です。

2. なぜ定番の自己PRが落ちるのか

よくある書き方何が問題か
「経営に近いところで仕事がしたい」意欲であり、自己PRではない
「会社全体を見る仕事に関心があります」何ができるかがない
「数字に強いです」具体性がない
「戦略を立てる仕事がしたい」実務は集計と資料作成が中心
「Excelが使えます」何に使ったかがない

4行目が、経営企画では特に問題になります。

経営企画の実務は、予算の管理、月次の数字の集計、会議資料の作成が大半です。

「戦略」の部分は、業務全体の一部です。

ここを理解していないと、入社後にギャップが生じます。

採用側も、それを警戒しています。

見られている3つのこと

#見られること
数字から示唆を出せるか
現場を知っているか
権限がない立場で人を動かせるか

③が、意外と見落とされます。

経営企画は、他部署に指示を出す権限を持たないことがほとんどです。

それでも、営業部に数字を出してもらう必要があります。

「権限なしで人を動かした経験」があると、この軸で強くなります。

3. 編集長の実体験:「大したことはしていない」と思っていた

私が第二新卒で転職活動をしていたとき、営業企画も候補に入れていました。

ただ、書けることがないと思っていました。

エージェントの担当者に、こう言いました。

「営業しかやっていないので、企画職の自己PRは書けないと思います」

担当者数字は見てましたよね

「受注率とかは見てました」

担当者それが上がらなかったとき、原因は何だと考えましたか

「……失注案件を業種別に集計しました。宿泊業だけ失注率が高くて」

担当者で、何か変えました?

「初回訪問で決裁の流れを聞くようにしました」

担当者その後、数字はどうなりましたか

「宿泊業の受注率が上がりました」

担当者それが、経営企画の自己PRです。数字を見て、分解して、原因を特定して、施策を打って、効果を検証してる。やってることは同じです

この会話まで、私はこの経験を実績だと思っていませんでした。

「営業なら誰でもやること」だと思っていました。

ただ、担当者はこう言いました。

担当者やらない人の方が多いです。数字が上がらないとき、『もっと訪問件数を増やそう』で終わる人が大半です」

ここで学んだのは、経営企画の経験がないのではなく、認識していないだけだということです。

4. 数字の作り方

次の質問で、材料を掘り出してください。

#質問出てくるもの
定期的に見ていた数字は何ですか要素①
その数字を、どう分けて見ましたか要素②
分けた結果、何が分かりましたか要素②
何を変えましたか要素③
変えた後、数字はどうなりましたか要素③

②が、経営企画の自己PRの核心です。

「分ける」の例を挙げます。

分け方
属性で分ける業種別、エリア別、商材別、顧客規模別
期間で分ける月別、曜日別、時間帯別
段階で分ける新規/既存、接触/提案/受注
要素に分解する売上=客数×単価、受注=提案数×受注率

4行目の「要素に分解する」が、最も評価されます。

「売上が落ちた」を「客数が落ちたのか、単価が落ちたのか」に分けられる人は、経営企画に向いています。

5. 職種別の翻訳表

現職使える経験
営業受注率の分析、失注理由の分類、エリア別の実績管理
営業事務受注データの集計、商品別の傾向分析
経理月次決算、費用の内訳分析、予実の管理
店舗・販売売上の分解(客数×単価)、廃棄率の管理
カスタマーサポート問い合わせの分類、解約理由の分析
人事採用の歩留まり分析、離職率の管理
物流・生産管理在庫回転、稼働率、需要予測

どの職種でも、「数字を見て、分けて、変えた」経験は作れます。

そして、経理経験がある場合は、特に強くなります。

経営企画では、損益計算書と貸借対照表を読む場面があるためです。

6. 例文6パターン

例文①:法人営業 → 経営企画(未経験)

前職の法人営業では、担当エリア40社の受注率を月次で集計しておりました。

受注率が18%で3ヶ月横ばいだったため、失注案件を業種別に分類しました。宿泊業の失注率が他業種の約2倍であることが分かり、内容を確認したところ、決裁者ではなく窓口担当者としか接触できていないケースが大半でした。

初回訪問時に決裁の流れを確認する手順に変更し、3ヶ月後の受注率は27%になりました。

数字を分解して原因を特定し、施策を設計する進め方を、事業全体の規模で行いたいと考えております。

例文②:経理 → 経営企画

前職の経理では、月次決算と、費用の内訳の集計を担当しておりました。

販売管理費が前年比で8%増加していたため、費目別に分解したところ、増加の6割が外注費であることが分かりました。さらに部門別に分けると、特定の部門に集中していました。

この内容を月次の報告に加え、該当部門への確認を提案しました。結果として、外注の発注基準が見直され、翌四半期の外注費は前年並みに戻りました。

数字を分解して、判断できる形にして報告する進め方を、経営企画でも活かしたいと考えております。

例文③:営業事務 → 経営企画(未経験)

前職の営業事務では、受発注を1日平均40件処理し、月次で商品別・顧客別の受注数を集計しておりました。

集計の中で、特定の商品群の受注が特定の月に集中していることに気づき、過去2年分を月別に整理して営業部門に共有しました。

その結果、集中する月の前月に案内を送る運用が導入され、該当商品群の受注が前年同期比で増加しました。

データを整理し、そこから気づいた点を関係者に共有して施策につなげる進め方を、経営企画で活かしたいと考えております。

例文④:店舗販売 → 経営企画(未経験)

食品スーパーで青果部門を担当し、月商約800万円の売場について、日次の売上と廃棄率を管理しておりました。

廃棄率が3.2%であったため、廃棄になった商品を曜日別・時間帯別に3ヶ月記録しました。夕方以降の売れ残りが大半で、特に週の後半に集中していることが分かりました。

発注を1日1回から2回に分け、午前の売れ方を見てから午後の分を決める形に変更しました。廃棄率は1.8%になりました。

数字を記録して原因を特定し、運用を変える進め方を、より広い範囲で行いたいと考えております。

例文⑤:カスタマーサポート → 経営企画(未経験)

SaaS企業のカスタマーサポートで、1日平均30件の問い合わせに対応し、内容を週次で分類しておりました。

解約された顧客について、直前3ヶ月の問い合わせ内容を確認したところ、約6割が同じ機能に関する質問を繰り返していたことが分かりました。

この内容を、解約の予兆として営業部門とプロダクト部門に共有しました。該当機能の説明資料が整備され、翌四半期の同種の問い合わせは約3割減少しました。

顧客の行動を数字で捉え、部門をまたいで共有する進め方を、経営企画で活かしたいと考えております。

例文⑥:営業企画(経験1年未満)→ 経営企画

前職では、営業企画として月次の売上集計と、施策の効果検証を担当しておりました。

担当したのは営業部門の数字のみでしたが、売上を『顧客数×単価』に分解し、さらに顧客数を新規と既存に分けて管理する形を整備しました。

この分解により、売上の減少が新規の減少によるものか、解約によるものかを月次で判別できるようになりました。

在籍期間は10ヶ月と短いですが、部門単位で行っていたこの管理を、全社の規模で行いたいと考えております。

7. 落ちる自己PRの型5つ

#なぜ落ちるか
「経営に近いところで仕事がしたい」意欲であり、実績ではない
「分解」の記述がない経営企画の中核が抜けている
検証(変えた後の数字)がない効果を確認する姿勢がない
「戦略を立てたい」を強調実務の理解がない
Excelのスキルだけを書く何に使ったかがない

②について補足

最も多い失敗です。

「受注率を改善しました」だけでは、営業の自己PRです。

「失注案件を業種別に分類したところ、宿泊業だけが2倍でした」まで書いて、初めて経営企画の自己PRになります。

「どう分けたか」を必ず書いてください。

8. 面接で追撃される3つの質問

Q1「なぜその分け方をしたのですか」

回答例

最初は、月別とエリア別で見ましたが、差が出ませんでした。

担当していた顧客の業種に偏りがあることは把握していたので、業種別に分けたところ、明確な差が出ました。

差が出る軸が見つかるまで、複数の分け方を試すという進め方をしておりました。

「複数の分け方を試した」と言えると、実務感覚が伝わります。

Q2「その改善は、本当にその施策によるものですか」

この質問は、経営企画の面接で必ず来ます。

回答例

断定はできません。同時期に他の要因があった可能性はあります。

ただ、手順を変えた宿泊業だけが改善し、変えていない他業種は横ばいでした。そのため、施策の影響はあったと考えております。」

「断定はできません」と言えることが、加点になります。

Q3「他部署に協力してもらうとき、どうしていましたか」

軸③(権限なしで人を動かす)を見る質問です。

回答例

「営業メンバーに週次の報告を依頼する際、最初は提出率が半分程度でした。

記入項目を10から5に絞り、入力の手間を減らしたところ、提出率が8割を超えました。

依頼するときは、相手の作業量を先に確認して、最小限にすることを意識しております。

9. よくある質問

経営企画は未経験でも応募できますか?

第二新卒枠であれば、可能性はあります。ただし、募集人数が少なく、競争は激しくなります。「数字を集計して、分解して、変えた」経験を1つ示せることが前提です。

簿記の資格は必要ですか?

必須ではありませんが、日商簿記2級があると有利です。経営企画では、損益計算書と貸借対照表を読む場面があります。3級でも、財務諸表の基本構造は理解できます。

「分解した経験」がありません。

数字を「分けて見た」経験を探してください。月別、エリア別、商品別、顧客別。集計するときに何らかの軸で分けているはずです。それが分解です。

Excelはどこまで使えればいいですか?

VLOOKUP(またはXLOOKUP)とピボットテーブルは、必須と考えてください。この2つができないと、入社後すぐに困ります。SUMIFSまで使えると、実務で戦力になります。

経営企画と事業企画は、自己PRを変えますか?

基本の型は同じです。経営企画は全社の数字、事業企画は特定事業の数字を扱います。締めの1文を、応募先の範囲に合わせて調整してください。

数字が改善しなかった経験でも書けますか?

書けます。「変更後も数字は変わらなかったため、原因は別にあると判断し、次に◯◯を確認しました」という形にしてください。検証を続けた姿勢の方が、評価されることがあります。

「戦略」という言葉は使わない方がいいですか?

強調しない方が無難です。経営企画の実務は、集計と資料作成が大半です。「戦略を立てたい」を前面に出すと、実務の理解がないと判断されます。

コンサル出身者と競合しませんか?

ポジションによっては競合します。ただし、第二新卒枠では対象外のことが多くあります。「現場を経験している」ことが、第二新卒の強みになります。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

経営企画の自己PRで見られるのは、「数字から何を言えるか」です。

そして、他の職種の自己PRとの違いは、「どう分解したか」を書くことです。

今夜やること

定期的に見ていた数字を1つ書き出す

その数字を、どう分けて見たかを書く(業種別/月別/要素分解)

分けた結果、何が分かり、何を変え、数字がどうなったかを書く

目安時間:合計40分

②が最も重要です。

「受注率を改善しました」だけでは、営業の自己PRです。

「失注案件を業種別に分類したところ、宿泊業だけが2倍でした」まで書いて、初めて経営企画の自己PRになります。

私は、この経験を「営業なら誰でもやること」だと思っていました。担当者には「やらない人の方が多い」と言われました。

この先、読むべき記事

この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。