事業企画の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と評価される答え方【2026年版】
〜「弊社の事業で、いま課題だと思うところは何ですか」に何秒で答えられるか。想定問答12を回答例つきで置いておきます〜
事業企画の面接は、他の職種と決定的に違う点があります。
その場で考えさせる質問が必ず出ます。
暗記してきた志望動機を聞く時間は短く、代わりに「弊社の事業をどう見ているか」「この数字が落ちている理由は何だと思うか」といった、正解のない問いを投げられます。ここでの答え方が、そのまま評価になります。
未経験・第二新卒で事業企画を受ける人が落ちるのは、知識が足りないからではありません。問いに対して構造で返せていないからです。この記事では、想定問答12を段階別に、回答例つきで整理します。
1. 結論:事業企画の面接は3つの軸で採点されている
事業企画の面接で見られている3軸
① 分解できるか:ぼんやりした問いを、要素に割って考えられるか
② 数字で語れるか:印象ではなく、指標に置き換えて話せるか
③ 巻き込めるか:権限のない立場で、他部署を動かした経験があるか
一次で①、二次で②、最終で③が見られます。
12問すべては、この3軸のどれかを測るために聞かれています。答えの中身が多少ずれていても、分解の過程が見えていれば通ります。逆に、正解らしいことを言っても過程がないと落ちます。
2. 一次面接(人事・企画メンバー)で聞かれる4問
2-1. Q1「なぜ事業企画なんですか」
未経験でこの職種を志望する理由は、必ず最初に聞かれます。
回答例
「前職の営業で、現場の判断だけでは解けない問題があると感じたのがきっかけです。失注の理由を個別に振り返っていたのですが、業種別に集計してみたら、特定の業種だけ提案の途中で止まっていることがわかりました。個人の頑張りではなく、ターゲットの選び方そのものを変える必要があると気づいて、そういう判断をする側に回りたいと考えるようになりました」
「経営に近い立場で働きたい」は避けてください。志望動機として弱いだけでなく、現場を軽く見ていると受け取られる場合があります。現場で見た具体的な不整合から入るのが最も通ります。
2-2. Q2「前職で、自分から始めた取り組みはありますか」
事業企画は指示待ちでは務まらない職種なので、必ず確認されます。
回答例
「月次の実績集計が手作業で半日かかっていたので、VLOOKUPで自動化して30分に短縮しました。目的は時間短縮ではなく、集計が早く出れば、月の途中で打ち手を変えられると考えたからです。実際、集計を月中に出すようにしてから、後半の動き方を変えられるようになりました」
規模の大小は問われません。「なぜそれをやったか」に事業の視点があるかだけが見られています。
2-3. Q3「弊社の事業について、どう理解していますか」
答えられないと、この時点でほぼ終わります。
回答例
「主力は◯◯で、売上の大半をここが占めていると理解しています。ビジネスモデルとしては継続課金型なので、新規獲得と同じくらい解約率が効いてくる構造だと見ています。直近では◯◯という新しい領域にも出られているので、既存事業を伸ばしながら次の柱を作るフェーズなのかなと」
採用ページとIR資料(上場企業なら)を読んでいれば必ず答えられます。非上場なら、プレスリリースと社長インタビューで十分です。
2-4. Q4「エクセルはどのくらい使えますか」
事業企画は数字を扱う職種なので、実務レベルが確認されます。
回答例
「VLOOKUPとピボットテーブルは日常的に使っていました。IF文の入れ子や、条件付き集計(SUMIFS)も業務で使っています。マクロは組めませんが、必要になれば覚えます。BIツールは前職では使っておらず、そこは入社後に習得したい部分です」
できないことは正直に言ってください。この職種は入社後に必ずバレます。できることの範囲を正確に言えることのほうが評価されます。
3. 二次面接(企画責任者)で聞かれる5問
ここからが本番です。その場で考えさせる質問が集中します。
3-1. Q5「弊社の事業で、いま課題だと思うところは何ですか」
事業企画の面接で最も重い質問です。
回答例
「外から見える範囲での推測になりますが、と前置きしたうえで申し上げます。求人を拝見すると、営業とカスタマーサクセスの両方で採用が出ています。一方でサービスサイトを見ると、導入事例は大手が中心です。大手向けに獲得は進んでいるものの、導入後の運用に人手がかかっている構造なのではないかと考えました。もしそうなら、課題は獲得よりも、標準化して人手を減らすところにあるのかなと思います」
外から見た情報をどう組み合わせたかを見せるのが正解です。言い当てる必要はありません。「求人」「導入事例」「価格表」の3つは誰でも見られる一次情報なので、必ず見てから面接に行ってください。
3-2. Q6「売上が落ちています。何から調べますか」
構造化の力をそのまま測る質問です。
回答例
「まず売上を分解します。売上=顧客数×単価×頻度のどれが落ちたのかを切り分けます。顧客数なら、新規が減ったのか既存が抜けたのかで打ち手が変わります。単価なら、値引きが増えたのか、上位プランが売れなくなったのか。ここまで絞ってから、期間・チャネル・セグメントで比較して、落ちている場所を特定します」
いきなり施策を答えないでください。「広告を増やす」「営業を強化する」と答えた瞬間に落ちます。この質問は分解の順番だけを見ています。
3-3. Q7「良い施策と悪い施策の違いは何だと思いますか」
回答例
「効果が測れるかどうかだと考えています。やったあとに何の数字が動いたか説明できない施策は、良かったのか悪かったのか判断できず、次に活かせません。もう一つは、やめられる形になっているかです。試して駄目だったときに撤退できる規模で始められる施策のほうが、結果的に打席数が増えると思います」
3-4. Q8「他部署が協力してくれないとき、どうしますか」
事業企画は権限のない立場で人を動かす職種です。ここは実体験で答えてください。
回答例
「前職で、営業メンバーに商談メモの入力をお願いしたときに、最初はほとんど入力されませんでした。理由を聞いたら『入力しても何に使われるかわからない』と言われて、こちらの説明不足だと気づきました。そこで、入力されたデータをもとに業種別の受注率を出して共有し、『この業種は提案の順番を変えたほうがいい』という具体的な話に変えました。使い道が見えてからは入力率が上がりました」
「上司から言ってもらう」は答えとして弱いです。相手の得になる形に変換した経験を出してください。
3-5. Q9「数字を見るとき、何に気をつけますか」
回答例
「平均で見ないことです。全体の平均が横ばいでも、中を分けると片方が伸びて片方が落ちているケースがあります。もう一つは、母数を必ず確認することです。率だけ見ると劇的に改善したように見えても、母数が10件なら判断材料にはなりません」
4. 最終面接(役員・経営)で聞かれる3問
4-1. Q10「数字上は正しいが、現場が反対する施策があったらどうしますか」
回答例
「まず反対の理由を聞きます。現場が反対するときは、数字に出ていないコストが見えている場合が多いと思うからです。そのうえで、小さく試して結果を見る形に落とせないかを考えます。全体で一斉に変えるのではなく、1チーム・1ヶ月で試せば、反対している人にとってもリスクが小さくなります」
4-2. Q11「3年後、どうなっていたいですか」
回答例
「3年後には、事業の数字を任せてもらえる状態でいたいです。具体的には、担当領域の予算を持ち、月次の数字に責任を持って、打ち手を自分で決められる状態です。そのために最初の1年は、事業の数字がどこでどう作られているかを、現場に近い距離で理解することを優先したいと考えています」
4-3. Q12「最後に質問はありますか」
事業企画では、ここでの質問が採点対象です。使える逆質問を置いておきます。
① 「事業企画チームは、いまどの数字に一番時間を使っていますか」
② 「事業の意思決定は、どのくらいの頻度で見直されていますか」
③ 「入社してすぐ任される領域は、既存事業と新規のどちらになりますか」
④ 「事業企画と各現場の役割分担は、どこで線を引いていますか」
⑤ 「これまでで、うまくいかなかった施策の共有はチーム内でされていますか」
⑤は経営層に特に効きます。失敗の扱い方を聞くこと自体が、実行を前提に考えている証明になります。
5. 面接前日の準備(90分)
| 時間 | やること | 対応する質問 |
|---|---|---|
| 20分 | 求人票・採用ページ・導入事例・価格表を読む | Q3、Q5 |
| 20分 | 事業を「顧客数×単価×頻度」に分解して仮説を1つ作る | Q5、Q6 |
| 20分 | 前職で自分から始めた取り組みを1つ、数字つきで書く | Q2 |
| 15分 | 他部署を動かしたエピソードを1つ用意する | Q8 |
| 15分 | 逆質問を3つ選ぶ | Q12 |
2行目に最も時間をかけてください。ここを用意しているかどうかで、Q5とQ6の答えの質が変わります。
6. 落ちる回答の型5つ
| 型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| 施策直行型 | Q6に「広告を増やします」 | 分解していない。事業企画の適性がないと見なされる |
| 印象論型 | 「サイトが古い感じがしました」 | 数字でも構造でもない。感想と判断されがち |
| 経営願望型 | 「経営に近い仕事がしたい」 | 全員が言う。現場軽視にも聞こえる |
| 盛り型 | 使えないツールを「使えます」 | 入社後に必ず露見する |
| 評論型 | 課題だけ挙げて、自分の関わり方を語らない | 当事者意識がないと見なされる |
最も多いのが施策直行型です。Q6のような質問が来たら、必ず分解から入ってください。
7. ケース面接・課題が出たときの攻略
事業企画では、その場でお題を出される選考も一定あります。「弊社の◯◯事業を伸ばす案を10分で考えてください」といった形式です。
お題が出たときの型
① 前提を確認する(「伸ばす」は売上か利益か、期間はどのくらいか)
② 分解する(顧客数×単価×頻度、または新規×既存)
③ 一つに絞る(全部やる案は評価されない)
④ 測り方を言う(何の数字が動けば成功か)
①を飛ばさないでください。前提を確認せずに走り出す人は、実務でも手戻りを起こすと判断されます。逆に、前提確認が1つ入るだけで印象は大きく変わります。
8. 未経験でも使える「事業企画に近い経験」
事業企画の実務経験がなくても、次のような経験は評価対象になります。
| 前職での経験 | 事業企画の言葉への翻訳 |
|---|---|
| 売上や実績を集計して報告していた | 数値の可視化とレポーティング |
| 失注理由を整理して共有した | 課題の構造化と要因分析 |
| 業務フローを変えて時間を短縮した | オペレーション改善 |
| 他部署に協力を依頼して進めた | 部門横断のプロジェクト推進 |
| 新しい取り組みを提案して通した | 企画の立案と合意形成 |
やっていたことは同じです。「営業として」ではなく「どの数字を動かすために何をしたか」に主語を変えるだけで、事業企画の実績として読めるようになります。書き方は事業企画の志望動機にまとめています。
9. よくある質問
事業企画の面接は何回ありますか
一般的に2〜3回です。二次で企画責任者、最終で役員というケースが多く、二次が最も重いのが特徴です。企業によってはケース課題が加わり4回になることもあります。
未経験で「事業の課題は何か」に答える自信がありません
言い当てる必要はありません。「外から見える情報からこう推測しました」という組み立てを見せれば十分です。求人票・導入事例・価格表の3つを見ておけば、必ず何か言えます。
ケース面接の対策本は読んだほうがいいですか
第二新卒の事業企画枠では、コンサル型の本格的なケース面接はまれです。売上の分解(顧客数×単価×頻度)だけ押さえておけば足ります。それ以上は過剰投資になります。
事業企画と経営企画は違いますか
企業によりますが、一般に事業企画は特定事業の数字を伸ばす、経営企画は全社の予算・投資・組織を設計する役割です。第二新卒で入りやすいのは事業企画側です。
営業出身は不利ですか
むしろ有利です。現場の数字がどう作られているかを知っているのは事業企画で強い武器になります。ただし営業目線のまま語ると視座が狭く映るので、事業の言葉に翻訳してください。
年収は上がりますか
インセンティブ比率の高い営業からの転換だと、一時的に下がるケースがあります。固定給の比率は上がるため、総額と変動幅を分けて比較してください。交渉の考え方は第二新卒の年収交渉を参照してください。
在籍期間が短いと不利ですか
事業企画は少人数チームが多いため、定着性は見られます。退職理由と志望動機が一貫していることが前提です。整理の仕方は退職を悩む期間を最短化する3つの判断軸を参照してください。
営業企画とはどう違いますか
営業企画は営業組織の生産性に責任を持ち、事業企画は事業全体の数字に責任を持ちます。第二新卒では営業企画のほうが入口が広いので、併願する人も多い職種です。書き方は営業企画の面接を参照してください。
10. まとめ
事業企画の面接は、知識ではなく分解の過程を見せられるかで決まります。
前日にやる3つのこと
① 事業を「顧客数×単価×頻度」に分解し、どこが弱そうか仮説を1つ作る(Q5、Q6)
② 応募先の求人票を検索し、どの職種を何人募集しているかを見る。採用の偏りは事業の課題を映します(Q5)
③ 他部署を動かしたエピソードを1つ、相手の得に変換した形で用意する(Q8)
②は5分で終わります。求人の出し方だけで、その会社がいまどこに人手を足そうとしているかが見えます。
この先、読むべき記事
- 事業企画の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 営業企画の面接|第二新卒が聞かれる想定問答13と評価される答え方(併願するなら)
- 営業から営業企画へ|第二新卒の職種転換で内定を掴んだ求人票の見抜き方(職種転換の型)
- 第二新卒の面接で必ず聞かれる10質問|2ヶ月で2社内定した模範回答完全ガイド(職種を問わない面接対策)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。