経営企画の志望動機|第二新卒が入る唯一の道と例文5パターン【2026年版】
〜経営企画は、第二新卒がいきなり入る職種ではありません。それでも狙う場合の道が1つあります〜
経営企画は、20代のキャリア志向が強い層に人気の職種です。経営に近い、数字で会社全体を見る、意思決定に関わる。魅力的な要素が揃っています。
ただ、まず事実を書きます。第二新卒の未経験採用は、ほぼありません。
理由は明確です。経営企画は「事業の数字を読み、経営陣に判断材料を出す」仕事なので、事業の現場を知らない人が担当することが構造的に難しいためです。コンサルティングファーム出身、経理・財務出身、事業部門で数字を扱ってきた人。採用されるのは、この層が中心です。
では、第二新卒に道はないのか。1つだけあります。この記事では、その道と、志望動機の書き方を整理します。
1. 結論:第二新卒が経営企画に入る道は3つ
① 現職で異動を目指す(最も現実的)
経営企画は、社内異動での配置が最も多い職種です。事業部門で数字の実績を作り、社内公募や上長の推薦で異動する。外部から未経験で入るより、はるかに可能性が高いルートです。
② ベンチャー・成長企業の「経営企画(1人目・2人目)」を狙う
社員50〜200名規模で経営企画部門を立ち上げる段階の企業では、ポテンシャル採用が行われることがあります。ただし、実質的には「数字を扱える人」であることが条件になります。
③ 隣接職種から入る(営業企画・事業企画・経理)
これが最も再現性の高いルートです。営業企画や事業企画は、経営企画より未経験採用の枠があります。そこで2〜3年の実績を作ってから、経営企画へ移る。
いずれの道でも、志望動機で示すべきは「数字を扱って判断した経験」です。
2. 経営企画・事業企画・営業企画の違い
この3つを混同したまま応募すると、面接の最初で見抜かれます。
| 職種 | 見る単位 | 主な業務 | 未経験の入りやすさ |
|---|---|---|---|
| 経営企画 | 会社全体 | 中期経営計画、予算策定、M&A、IR、取締役会の運営 | × |
| 事業企画 | 一つの事業 | 事業計画、収益分析、新規事業の検討 | △ |
| 営業企画 | 営業部門 | 営業戦略、目標設定、数字の管理、営業支援 | ○ |
| 経営管理 | 会社全体(数字) | 予実管理、月次の数字の集計と分析 | △ |
第二新卒が現実的に狙えるのは、営業企画と経営管理です。
営業企画は、営業経験があれば未経験でも入れる場合があります。営業の数字を管理し、目標配分を設計し、施策を打つ。経営企画への足がかりとして、最も一般的なルートです。
経営管理は、経理の実務経験があれば入れる場合があります。予算と実績の差異を分析し、経営陣に報告する。数字を扱う経験がそのまま活きます。
面接で「経営企画と営業企画の違いは何だと思いますか」と聞かれることがあります。この質問に答えられるかどうかで、業務理解が判別されます。
3. 編集長の実体験:営業から営業企画に移ったときの話
私自身、第二新卒でSaaS企業に営業職として入社し、1年後に営業企画へ異動しました。経営企画ではありませんが、企画職に移る過程は共通しています。
異動の直接のきっかけ
「営業として担当していた案件の失注理由を、半年分まとめて集計したことがあった。単に『価格が高い』で終わらせず、業種別・企業規模別に分けて集計した。
そうしたら、業種によって失注理由が全然違うことが分かった。飲食業は価格、医療系は導入の手間、小売は既存システムとの連携。それを1枚の資料にして、営業会議で共有した」
そのときに言われたこと
上司「これ、誰かに頼まれた?」
私「いえ、自分の担当分の振り返りをしてたら、気になって」
上司「業種別に提案の型を分けたほうがいいってことだよね。それ、企画側の仕事だよ」
3ヶ月後に、営業企画への異動の打診がありました。
このとき理解したのは、企画職に必要なのは「数字を見て、分けて、意味を見つける」ことだけだということです。特別な知識も、資格も必要ありませんでした。
そして、これは営業をやりながらでもできることでした。
経営企画を目指す第二新卒に最も勧めたいのは、この動き方です。今の職種のまま、自分の担当領域の数字を集計し、分けて、意味を見つけて、共有する。この実績が、志望動機の中身になります。
「経営企画に興味があります」ではなく、「前職で数字を分けて分析し、施策につなげた経験があります」と書けるかどうか。ここが分かれ目です。
4. 志望動機の3ブロック
ブロック①:数字を扱って判断した経験
ここが土台です。売上、コスト、件数、率。何でも構いませんが、「集計して終わり」ではなく「分けて、意味を見つけて、何かを変えた」経験である必要があります。
ブロック②:現場から、その上流に関心が移った理由
「経営に興味がある」では弱いです。「現場で個別に対応していたが、構造から変えたほうが効くと考えるようになった」という流れを作ってください。
ブロック③:なぜこの会社の企画職か
会社の事業フェーズに紐づけてください。「成長段階で、数字の管理体制を作る段階にある」「複数事業を展開しており、事業間の配分を設計する必要がある」など。
5. 例文5パターン
例文①:営業 → 営業企画(経営企画への足がかり)
前職ではSaaS企業の法人営業として2年間、中小企業向けにシステムの提案を担当しました。年間の担当社数は約60社です。
担当2年目に、自分の担当分の失注理由を半年分集計しました。当初は「価格」が最多という結果でしたが、業種別に分けて集計したところ、飲食業は価格、医療系は導入の手間、小売は既存システムとの連携が最大の要因であると分かりました。この結果を営業会議で共有し、業種別に初回提案の構成を変える運用を提案したところ、翌四半期の受注率が約4ポイント改善しました。
この経験から、個別の商談で対応するより、業種ごとの型を設計するほうが影響範囲が大きいと考えるようになりました。
貴社は事業の拡大段階にあり、営業体制の設計を担う人材を募集されていると伺っています。現場の数字を自分で扱ってきた経験を、体制の設計側で活かしたいと考えています。
例文②:経理 → 経営管理
前職では製造業の経理部で、日常経理と月次決算を2年間担当しました。社員は約180名、月次の仕訳は約500件です。
月次決算を担当するなかで、部門別の損益を集計する業務を任されました。当初は数字を作成して提出するだけでしたが、前年同月との差異が大きい部門について原因を確認したところ、外注費の計上時期のずれが要因であることが分かりました。計上基準を統一する運用を提案し、部門別損益の月次のブレを大きく減らすことができました。
この経験から、数字を作る側から、数字の意味を経営判断に接続する側へ移りたいと考えるようになりました。
貴社の経営管理職では、予実管理と部門別の分析が中心と伺っています。経理として数字の作られ方を理解していることは、分析の精度を担保するうえで活かせると考えています。
例文③:コンサル・リサーチ → 事業企画
前職ではリサーチ会社で2年間、消費財メーカー向けの市場調査を担当しました。年間で約15件のプロジェクトに参画し、調査設計から報告書の作成までを担当しています。
担当した案件のなかで、新商品の販売不振の要因分析を行ったことがあります。当初の仮説は「価格が高い」でしたが、購入者と非購入者の使用場面を分けて調査したところ、想定していた利用シーンと実際のシーンがずれていることが分かりました。この結果をもとにクライアントが訴求内容を変更し、その後の売上が改善したと報告を受けています。
ただ、リサーチの立場では、提案が実行されるかを見届けられない場面が多くありました。分析した結果を、自分で実行まで持っていく立場に移りたいと考えるようになりました。
貴社の事業企画では、分析から施策の実行までを一貫して担当されると伺っています。前職で身につけた要因の切り分け方を、実行の伴う場所で使いたいと考えています。
例文④:営業企画(経験2年)→ 経営企画
前職ではIT企業の営業企画として2年間、営業部門40名の目標設定と数字の管理を担当しました。四半期ごとの目標配分、週次の進捗管理、営業支援ツールの運用が主な業務です。
担当2年目に、目標配分の方法を見直しました。従来は前年実績に対する一律の伸び率で配分していましたが、担当エリアの市場規模と既存顧客の構成が大きく異なっており、達成率のばらつきが大きい状態でした。エリアごとの潜在顧客数と既存顧客の解約率を加味した配分に変更したところ、目標達成者の割合が約35%から約55%に改善しました。
この経験から、部門単位ではなく、会社全体の資源配分を設計する立場に関心を持つようになりました。
貴社は複数事業を展開されており、事業間の投資配分が経営企画の主要な論点になると理解しています。営業部門で配分の設計を担当してきた経験を、より上位の単位で活かしたいと考えています。
例文⑤:事業会社の企画(未経験・ベンチャー1人目枠)
前職では人材紹介会社の法人営業として2年間勤務し、担当企業は約40社でした。
営業活動と並行して、社内の受注データの集計を担当していました。当初は月次の実績を集計するだけでしたが、成約に至った案件と至らなかった案件を、求人の条件(年収レンジ、必須要件の数、勤務地)で分類したところ、必須要件が4つ以上の求人は成約率が明確に低いことが分かりました。この結果をもとに、求人受注時に要件の優先順位を確認する運用を提案し、チーム全体の成約率が改善しました。
貴社は社員80名規模で、経営企画の立ち上げ段階にあると伺っています。現時点で高度な財務知識は持ち合わせていませんが、事業の数字を分解して意味を見つける進め方は、前職で継続して行ってきました。まず数字の集計と分析の体制を整えるところから担当し、範囲を広げていきたいと考えています。
6. 落ちる志望動機の型5つ
| 型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| 経営に興味型 | 「経営に近い立場で働きたい」 | 憧れ。何をするのか分かっていない |
| 上流志向型 | 「上流の仕事がしたい」 | 現場を軽視していると読まれる |
| 数字なし型 | 数字を扱った経験が一切ない | 業務の前提を満たしていない |
| 職種混同型 | 経営企画と営業企画を区別していない | 求人を読んでいないと判断される |
| 戦略コンサル志向型 | 「戦略立案に携わりたい」 | 実務の大半は地道な数字の管理 |
5番目について補足します。経営企画の実務は、戦略立案が中心ではありません。予算の集計、月次の予実管理、各部門との調整、取締役会の資料作成。地道な数字の作業が大半です。
「戦略を立てたい」という動機だけで応募すると、実務理解の不足として判断されます。
7. 面接で追撃される3つの質問
Q1.「経営企画と営業企画の違いは何だと思いますか」
業務理解を測る最頻出の質問です。
答え方の例
「見る単位が違うと理解しています。営業企画は営業部門の数字と体制を設計するのに対し、経営企画は事業間の資源配分や中期の計画など、会社全体を単位として扱う。したがって、経営企画は財務諸表を前提とした議論になる場面が多いと理解しています。」
Q2.「経営企画は地道な数字の作業が多いですが、大丈夫ですか」
この質問が来る時点で、面接官は「実務を知っているか」を測っています。「前職でも月次の集計を担当しており、数字を扱う作業自体に抵抗はありません」と、経験に紐づけて答えてください。
Q3.「財務三表は読めますか」
経営企画の面接では、ほぼ確実に確認されます。読めない場合は正直に答えたうえで、学習していることを示してください。「日商簿記2級を学習中で、損益計算書と貸借対照表の基本的な読み方は理解しています」程度でも、何もないよりは明確に有利です。
8. 準備しておくこと
| 準備 | 期間 | 効果 |
|---|---|---|
| 日商簿記2級 | 3〜6ヶ月 | 財務諸表を読む基礎。企画職では実質的に必須 |
| 表計算スキル(関数・ピボット) | 1ヶ月 | 実務で毎日使う。面接でも確認される |
| 前職の数字を分解した実績 | 随時 | 志望動機の中心になる |
| 応募先の決算資料を読む | 2時間 | 上場企業なら必ず読む。面接での質問に直結 |
4番目が最も効きます。上場企業に応募する場合、直近の決算短信と説明会資料を読んでおいてください。
面接で使える形
「直近の決算資料を拝見し、◯◯事業の売上が伸びている一方で、△△事業の利益率が低下している点が気になりました。この配分について、社内ではどのような議論がありますか。」
この質問ができる応募者は、ほとんどいません。経営企画の面接では、これだけで印象が変わります。
9. よくある質問
第二新卒で経営企画に転職できますか?
外部からの未経験採用は、ほぼありません。現実的なのは、①現職で異動を目指す、②ベンチャーの立ち上げ枠を狙う、③営業企画・経営管理から入る、の3つです。③が最も再現性の高いルートです。
簿記は必要ですか?
実質的に必要です。経営企画は財務諸表を前提に議論する職種なので、読めないと業務が成立しません。日商簿記2級があれば、基本的な議論にはついていけます。未経験から目指すなら、応募前に取得しておくことを勧めます。
営業企画から経営企画へは移れますか?
移れます。最も一般的なルートのひとつです。営業企画で「数字の配分を設計した経験」「予実管理の経験」を積むと、経営企画の要件に近づきます。2〜3年の実績が目安です。
コンサルティングファーム出身者と競合しませんか?
競合します。経営企画の中途採用では、コンサル出身者、経理・財務出身者、事業部門で数字を扱ってきた人が主な候補です。第二新卒がこの層と同じ土俵で戦うのは現実的ではありません。だからこそ、営業企画や経営管理から入るルートを勧めています。
ベンチャーの経営企画はどうですか?
ポテンシャル採用の可能性があります。ただし、教えてくれる人がいない環境になることが多く、独学の覚悟が必要です。また、業務範囲が「経営企画」の名前で括られているだけで、実際は経理・人事・総務まで含むこともあります。面接で業務範囲を必ず確認してください。
経営企画の年収はどのくらいですか?
未経験(営業企画・経営管理として入社)の場合、350〜480万円が目安です。経験3年で500〜650万円、経営企画としての経験5年以上で600〜900万円程度。企業規模と業界で大きく変動します。
「経営に興味がある」と書いてはいけませんか?
それだけでは不十分です。「なぜ興味を持ったか」を、前職での具体的な経験に紐づけてください。「担当していた数字を分解したところ、個別対応より構造の変更のほうが効くと考えるようになった」のように、経験からの流れを作ると、動機として成立します。
決算資料はどこで読めますか?
上場企業なら、公式サイトのIR情報に決算短信・決算説明会資料・有価証券報告書が掲載されています。未上場企業の場合、プレスリリースや事業紹介ページから事業構造を把握してください。「決算資料を読んでいる応募者」は、経営企画の面接では明確に目立ちます。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
経営企画は、第二新卒がいきなり入る職種ではありません。ただし、隣接職種から入る道は明確にあります。
今夜やること
① 前職で扱った数字のうち、「集計して終わりではなく、分けて意味を見つけた経験」を1つ書き出す(業種別、規模別、期間別、なんでも)
② 検討中の求人を開き、経営企画・事業企画・営業企画・経営管理のどれかを判別する(業務内容欄で判別できます)
③ 応募先が上場企業なら、直近の決算説明会資料を1本読む(30分で十分です)
③が、経営企画系の面接で最も効きます。決算資料を読んでいる応募者はほとんどいないため、そこに触れるだけで、志望度と業務理解の両方が伝わります。
この先、読むべき記事
- 営業企画の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(最も現実的なルート)
- 事業企画の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(隣接職種)
- 経理の自己PR|第二新卒の書類が通る例文6パターンと数字の出し方(経理から入るなら)
- 20代のキャリアの考え方|第二新卒が「何を積むか」で30代を決める(3年後から逆算するなら)
- コンサルの面接|第二新卒が問われる想定問答14とケース面接の準備(コンサルの面接)
- 経営企画の面接で聞かれる12問|第二新卒が段階別に準備する答え方(面接の想定問答)
- 経営企画の自己PR|第二新卒が数字の経験を翻訳する例文6パターン(経営企画の自己PRはこちら)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。