営業企画の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方【2026年版】
〜「現場を知っているので、現場が使いやすい仕組みを作りたい」で止まると落ちます。例文5パターンを全文で置いておきます〜
営業企画は、営業からの職種転換先として最も人気のあるポジションのひとつです。私自身、25歳のときにこの転換をして内定を取りました。
そのとき最初に書いた志望動機が、これです。
「営業の現場を経験しているので、現場が使いやすい資料や仕組みを作りたいと考えています」
この志望動機で受けた会社は、全部落ちました。理由は後で書きますが、要するに「現場を知っている」は応募者全員が言うことで、そこから先が何もなかったからです。
この記事では、未経験・第二新卒が営業企画の志望動機を書くときに何を書けば読まれるのかを、例文5パターンの全文つきで整理します。
1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ
営業企画の志望動機に入れる3要素
① 前職で「個人の工夫を、他の人にも使える形にした」具体的な場面(=横展開の証拠)
② 営業企画を、営業推進・営業事務と区別して理解していること(=職種理解)
③ その会社の営業組織の規模・商材を見たうえでの理由(=なぜこの会社か)
未経験者が落とすのが②、そして①を出せる人が圧倒的に少ないため、ここが最大の差になります。
「現場を知っている」「数字に強い」「調整が得意」の3つは、書いても加点されません。営業出身者が全員書くからです。
2. なぜ「現場を知っているから」で落ちるのか
2-1. 営業企画は「現場代表」ではない
これが最大の誤解です。営業出身者は「現場の声を届ける人」として自分を位置づけがちですが、営業企画に求められるのは現場の代弁ではなく、現場を動かす設計です。
実務を分解すると、こうなります。
| 領域 | 主な業務 | 追う数字 |
|---|---|---|
| 目標設計 | 予算配分、エリア・担当割り、KPI設定 | 達成率・進捗差分 |
| 数字の可視化 | 案件管理、ダッシュボード、週次レポート | 商談数・受注率・単価 |
| 型づくり | トークスクリプト、提案資料、成功事例の共有 | 受注率・立ち上がり期間 |
| 仕組み・ツール | SFA/CRMの設計と定着、業務フロー改善 | 入力率・工数 |
| 制度 | インセンティブ設計、表彰、教育 | 定着率・生産性 |
「現場が使いやすいものを作る」は、この表の3番目の一部にしか触れていません。営業企画の中心にあるのは、目標設計と数字の可視化です。
2-2. 「個人の成績」ではなく「他人を動かした経験」が評価される
営業企画の選考で、営業成績の高さはそれほど評価されません。むしろ「自分だけできる人」はマイナスに働くことがあります。
- ✕「常に部署トップの成績を維持していました」
- ○「自分の受注率が高い理由を分析してチェックリスト化し、部署共有したところ、部署全体の受注率が改善しました」
営業企画は自分が売る仕事ではなく、他の人が売れるようにする仕事です。だから、他人を動かした証拠がある人が選ばれます。
2-3. 「営業企画」「営業推進」「営業事務」の違い
求人票の職種名は会社によってばらつきます。ここを取り違えると志望動機が噛み合いません。
| 職種名 | 中身 |
|---|---|
| 営業企画 | 戦略・目標設計寄り。何を、誰に、いくらで売るかを決める |
| 営業推進・セールスイネーブルメント | 実行支援寄り。営業が売れるようにする(教育・型・ツール) |
| セールスオペレーション | 数字とシステム寄り。SFA運用、データ整備、レポート |
| 営業事務 | 事務処理寄り。見積・受注処理・請求 |
第二新卒で入口が広いのは営業推進とセールスオペレーションです。求人票の業務内容を読んで、どれに近いかを判断してから書いてください。
3. 実例:私が落ちた志望動機と、通った志望動機
冒頭に書いたとおり、私は最初の志望動機で全滅しています。何が違ったかを実物で並べます。
落ちた面接
面接官「営業企画で何をやりたいですか」
私「営業の現場を知っているので、現場が使いやすい資料や仕組みを作りたいです」
面接官「……なるほど。他にはありますか」
通った面接
面接官「営業企画で何をやりたいですか」
私「前職で、更新率が高い担当者と低い担当者の差が個人の工夫でしか説明できない状態でした。自分の場合は掲載開始1か月後に必ず電話していて、そこで3つのことを聞いていたんですが、それが決まりではなかったので誰もやっていなかった。その3つをチェック項目に落として部署で共有したら、翌期の部署全体の更新率が上がりました。同じことを、御社では商談プロセス全体でやりたいです」
話している事実は同じ期間の、同じ経験です。違うのは、後者が「個人技を、他人が使える形にした」という構造で説明している点だけでした。
面接官が知りたかったのは、私が現場を知っているかどうかではなく、現場の知恵を組織の仕組みに変換できるかどうかでした。
4. 例文5パターン(全文)
4-1. 前職:法人営業 → 営業企画(王道パターン)
前職では中小企業向けの広告商材を担当し、常時40社前後の既存顧客を持っていました。契約更新率が部署平均を上回っていた理由を自分で分析したところ、掲載開始1か月後に必ず架電し、「反響状況」「運用で困っている点」「社内で数字を見ている担当者」の3点を確認していたことが差でした。特に3点目を確認できた顧客は更新率が明確に高く、これをチェックリスト化して部署に共有した結果、翌期の部署全体の更新率が6ポイント改善しました。この経験から、成果を個人技で終わらせず再現できる形にすることに関心が向いています。貴社は営業組織が◯◯名規模で、担当ごとの成果の差が事業の伸びを左右する段階と理解しており、その差を型に変える役割で貢献したいと考えています。
4-2. 前職:インサイドセールス → セールスオペレーション
前職ではSaaS企業のインサイドセールスとして、月間40件前後の商談化を担当していました。フィールドセールスに渡した商談の受注率を自分で追ったところ、「課題は明確だが導入時期が未定」の商談だけ受注率が他の半分以下であることがわかり、商談化の基準に「検討開始の社内トリガーがあるか」を追加して、渡した商談の受注率を改善しました。この過程で、基準を言語化してチーム全体の判断を揃えることが、個人の努力より大きく数字を動かすと実感しています。貴社はインサイドセールスとフィールドセールスの分業が進んでいると伺っており、両者の間の基準やデータの設計に関わりたいと考え志望しました。
4-3. 前職:営業事務・アシスタント → 営業企画(事務からの転換)
前職では営業アシスタントとして、営業5名分の見積作成・受注処理を担当していました。書類の差し戻しが慢性的に多く業務を圧迫していたため、1年分の差し戻し理由を集計し、上位3つで全体の7割を占めることを特定して、提出前チェックリストとして営業側に共有しました。結果として差し戻しが月平均12件から3件に減り、見積提出までのリードタイムも短縮しています。この過程で受注案件と失注案件の書類を大量に見てきたことから、受注する案件は初回の依頼時点で条件が具体的であるという共通点にも気づきました。数字と記録から原因を特定して仕組みで解決する進め方を、営業組織全体に対して行いたいと考えています。
4-4. 前職:店舗運営・SV → 営業企画(多拠点管理からの転換)
前職では飲食チェーンで店舗運営を担当し、後半は3店舗のスーパーバイザーとして数字管理を任されていました。店舗間で人時売上に差があったため、曜日・時間帯別の来客数と人員配置を3か月分記録して突き合わせ、平日夜のピークに1名寄せてアイドルタイムを削る配置に組み替えたところ、担当3店舗の人件費率を平均2.4ポイント改善しました。さらにこの配置の考え方を他店舗にも展開できる形で資料化し、エリア会議で共有しています。拠点や担当者ごとのばらつきを、記録から標準に変える進め方が自分の強みです。営業組織においても同じ構造の課題があると理解しており、営業企画としてその設計に取り組みたいと考えています。
4-5. 前職:ITエンジニア・情報システム → セールスオペレーション
前職ではシステム開発会社で運用保守を担当し、社内のSFA(営業支援システム)の運用も兼務していました。営業側の入力率が5割程度で数字が信用できない状態だったため、入力されていない項目を洗い出して必須項目を12から5に減らし、代わりに受注時のみ詳細を求める形に組み替えたところ、入力率が9割まで改善し、月次レポートが実データで出せるようになりました。この経験から、仕組みは正しさより、現場が続けられるかで決まると考えています。貴社は営業データの活用を強化されている段階と伺っており、技術面と運用面の両方を理解している立場から、数字が信頼できる状態を作ることに貢献したいと考えています。
5. 志望動機を1時間で作る手順
5-1. 【25分】「横展開の証拠」を掘る
営業企画の志望動機で最も重要な工程です。次の3つに答えてください。
- 前職で、自分だけがやっていたことは何か(決まりではないが、自分はやっていたこと)
- それを他の人にも使える形にしたことはあるか(マニュアル、チェックリスト、共有、勉強会)
- 広げた後、チームや部署の数字はどう動いたか
2が空欄でも構いません。その場合は「自分だけがやっていたこと」と「なぜ他の人がやっていなかったか」まで書ければ、志望動機として成立します。「決まりになっていなかったから」という気づきそのものが、営業企画の視点だからです。
5-2. 【15分】応募先の営業組織を調べる
| 見る場所 | 読み取ること |
|---|---|
| 求人票の業務内容 | 企画寄りか、推進寄りか、オペレーション寄りか |
| 採用ページ・組織図 | 営業組織の人数規模 |
| 求人一覧 | 営業職を何名募集しているか(=拡大局面か) |
| 導入事例・サービスページ | 商材の単価帯と検討期間の長さ |
営業職の募集人数は必ず見てください。大量採用中なら「新人の立ち上がりを早める仕組み」、募集が少ないなら「既存メンバーの生産性向上」が課題になります。ブロック③の中身が変わります。
5-3. 【20分】3ブロックに流し込む
志望動機の型(250〜350字)
ブロック①:自分だけがやっていたこと+広げた形+チームの数字(150字)
ブロック②:そこから営業企画のどこに関心が向いたか(60字)
ブロック③:貴社の営業組織の規模・局面を踏まえて、なぜここか(100字)
ブロック①がいちばん長くなるのが正しい配分です。ここが短いと、他の応募者と区別がつきません。
6. 落ちる志望動機の型5つ
| NG型 | 具体例 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| 現場代表型 | 「現場を知っているので、現場目線で」 | 全員が書く。設計の話がない |
| 個人成績型 | 「達成率トップを維持していました」 | 自分が売る話。他人を動かした証拠がない |
| 疲弊型 | 「ノルマから離れて働きたい」 | 逃避が理由になっている |
| 裏方型 | 「営業を支える立場になりたい」 | 営業企画は支援ではなく設計 |
| 分析好き型 | 「データ分析に興味があります」 | 分析は手段。何を動かすかがない |
特に多いのが疲弊型です。営業のプレッシャーから離れたい気持ちは自然ですが、営業企画は営業組織全体の数字に責任を持つポジションです。個人ノルマがなくなる代わりに、責任の範囲は広がります。「数字から離れたい人」と読まれた瞬間に落ちます。
7. 面接で必ず追撃される3問
7-1. 「営業を続ける選択肢はなかったんですか」
営業を否定する答え方は絶対に避けてください。
「営業の仕事自体にやりがいはありました。ただ、自分の成果が伸びても、それが自分一人の中で完結してしまうことに物足りなさを感じるようになりました。自分がうまくいった理由を型にして共有したとき、部署全体の数字が動いた経験のほうが手応えが大きく、そちらを本業にしたいと考えています」
7-2. 「現場から反発されたら、どうしますか」
営業企画の実務で必ず起きる場面です。「粘り強く説明します」では弱くなります。
「反発が出るのは、多くの場合『現場の手間が増えるのに、現場の得が見えない』ときだと考えています。前職でチェックリストを共有したときも、最初は項目を5つ作って現場から多すぎると言われ、実際には運用されませんでした。効果の大きい3つに絞り直してから定着したので、正しさより続けられる形にすることを優先すべきだったと考えています。導入前に、現場の誰か一人と一緒に作る進め方をしたいです」
失敗を含めて話せると、ここで大きく評価が上がります。
7-3. 「Excelはどの程度使えますか」
営業企画では実務スキルとして確認されます。盛らずに、使った目的で答えてください。
「VLOOKUPとピボットテーブルは日常的に使っていました。前職では、案件管理表から月次の商談数と受注率を業種別に出す集計をピボットで組んでいます。マクロは書けません。BIツールの経験もありませんが、何を見たいかを定義して集計する部分はやってきたので、ツールの操作は入社後に覚えられると考えています」
8. 職務経歴書との書き分け
| 書類 | 書くこと |
|---|---|
| 職務経歴書 | 担当領域、顧客規模、商材単価、使ったツール(SFA名も) |
| 志望動機 | なぜ営業企画か、なぜこの会社か |
| 自己PR | 横展開の実績1つの、判断と過程 |
営業企画の書類では、使っていたSFA/CRMの名前を必ず書いてください。Salesforce、HubSpot、kintone、Excel管理など、何でも構いません。ツール名があるだけで、実務のイメージが伝わります。書類全体の作り方は第二新卒の職務経歴書テンプレを参照してください。
9. よくある質問
営業経験は何年あれば営業企画に移れますか
2〜3年が一般的な目安ですが、1年半でも移れます。私自身、営業2年強で転換しています。期間より「横展開の証拠が1つあるか」のほうが効きます。逆に営業5年でも、個人成績の話しかできないと通りません。
営業未経験でも営業企画に応募できますか
難易度は上がりますが、セールスオペレーション寄りの求人なら可能性があります。営業事務、情報システム、データ集計の経験があれば接続できます。純粋な企画職(戦略設計)は営業経験が前提になることが多いので、求人票の業務内容をよく見て選んでください。
志望動機は何文字が適切ですか
Webフォームなら250〜350字、職務経歴書に書く場合は400字以内が目安です。第5章の3ブロックが入っていれば300字前後に収まります。
「自分だけがやっていたこと」が思いつきません
質問を変えてみてください。「上司や同僚に『それどうやってるの』と聞かれたこと」はありませんか。聞かれたということは、自分だけがやっていたということです。あるいは「後輩に教えたこと」でも構いません。教えた時点で、それは横展開です。
年収は営業より下がりますか
インセンティブの比率が高い営業からの転換だと、一時的に下がるケースがあります。ただし固定給の比率は上がるため、総額の比較と、変動幅の比較を分けて見てください。交渉の進め方は第二新卒の年収交渉にまとめています。
SaaS企業の営業企画は、他業界と違いますか
SaaSではインサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの分業が前提になるため、部門間のデータ連携と基準の設計が中心になります。「渡す/渡される基準をどう決めるか」に触れられると強いです。業界の選び方は営業からSaaS業界へ転職する完全ガイドを参照してください。
求人票を見ても、企画か推進かの区別がつきません
業務内容の1行目を見てください。「予算策定」「KPI設計」「営業戦略」から始まっていれば企画寄り、「営業資料の作成」「研修」「ツールの運用」から始まっていれば推進・オペレーション寄りです。判断がつかない場合は、面接で「このポジションが最初の半年で期待されているアウトプットは何ですか」と聞くのが確実です。
複数社に応募するとき、どこまで使い回せますか
ブロック①②は使い回して構いません。ブロック③だけは必ず書き換えてください。特に「営業組織の規模と募集人数」は会社ごとに違うので、ここを入れておくと使い回しに見えません。
10. まとめ
営業企画の志望動機は、現場経験の長さではなく個人技を仕組みに変えた証拠があるかで決まります。
今夜やる3つのこと
① 前職で「自分だけがやっていたこと」を1つ書き出す
② それを他の人に広げたか、広げていないならなぜ他の人はやっていなかったかを3行で書く
③ 応募先の求人一覧を開き、営業職を何名募集しているかをメモする
①②が出てくれば、営業企画の志望動機はほぼ完成しています。私が最初に全滅したのは、この2つを飛ばして「現場を知っている」から書き始めたからでした。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。