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技術スタックの見方|求人票の技術名から3年後を読む【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約15分
技術スタックの見方|求人票の技術名から3年後を読む【2026年版】

エンジニアの求人票には、使用技術の欄があります。言語、フレームワーク、データベース、クラウド、ツール。未経験や経験の浅い段階では、この欄をどう読めばいいのか分かりません。

「知らない名前が並んでいる」で終わらせると、判断材料を1つ捨てることになります。技術スタックは、その会社が何を作っていて、どのくらいの規模で、どの程度の投資をしているかを示す情報です。

この記事では、専門知識がなくても読める4つの観点から、技術スタックの見方を整理します。

1. 結論:4つの観点で読む

観点1、その技術で求人が他にどれだけあるか。3年後に転職するときの選択肢の数に直結します。求人サイトで技術名を検索すれば、件数がすぐ分かります。

観点2、技術の数が多すぎないか。1つの求人に10個以上の技術名が並んでいる場合、少人数で全部やっている可能性があります。

観点3、テストやCI(自動化)に関する記載があるか。ここに言及がある会社は、開発の進め方を整えています。

観点4、クラウドを使っているか。AWSやGoogle Cloudなどの記載があるかどうか。現代的な開発環境かの目安になります。

この4つは、技術そのものを知らなくても判断できます。

2. 求人件数で市場性を測る

最も実用的な観点です。手順は簡単です。

手順1、求人票にある言語・フレームワーク名をメモする。

手順2、転職サイトのフリーワード検索にその名前を入れる。

手順3、件数を記録する。

技術名求人件数の目安の読み方
件数が非常に多い転職先の選択肢が多い。競合も多い
件数が中程度一定の需要がある。専門性が出しやすい
件数が少ないニッチ。その領域では強くなれるが選択肢は狭い
件数がほぼない3年後の転職で使いにくい可能性

件数の絶対値は時期やサイトによって変わるので、比べるのは相対値です。2〜3社の求人に出てくる技術名を並べて検索し、桁が違うかどうかを見てください。

件数が多ければ良い、というわけでもありません。件数の多い技術は、その分だけ経験者も多く、未経験からの差別化は難しくなります。第二新卒の1社目としては、件数が中程度以上あれば十分と考えて構いません。

3. 編集長が相談を受けた話:3年後に求人がなかった

未経験からエンジニアになった方から、3年後に相談を受けました。

相談者「転職しようと思ったら、求人が全然なくて」

私「今の会社では何を使ってるんですか」

相談者「社内で作った独自のフレームワークです。それと、かなり古い言語のバージョン」

私「入社のとき、そこは見ました?」

相談者「見てないです。未経験で入れるところを探すのが精一杯で」

3年働いた経験が、他社で使いにくい形になっていたケースです。

この方は結局、転職活動と並行して別の言語を学び直すことになりました。1年目からその技術を触っていれば、3年分の実務経験として書けたはずのものが、半分になった形です。

1社目を選ぶとき、市場性を完全に無視するのはリスクがあります。もちろん、未経験で選べる求人は限られます。ただ、複数の内定がある場合や、複数の候補を比べる場合には、この観点を1つ入れる価値があります。

4. 技術の数から体制を読む

求人票に並ぶ技術の数は、会社の体制を示します。

技術の数考えられる状況
3〜6個役割が分かれている。標準的
7〜10個幅広く担当する。学べる範囲は広い
11個以上少人数で全部やっている可能性。負荷が高い場合も
1〜2個記載が省略されているか、単一の業務

3行目が要注意です。フロントエンド、バックエンド、インフラ、データベース、CI、監視まで全部の技術名が並んでいる求人は、「1人が全部やる」体制の可能性があります。

これは悪いこととは限りません。幅広く経験できるという利点はあります。ただし、第二新卒で未経験の場合、教える人がいない状態で全部を任されるリスクがあります。

面接で「この技術のうち、私が最初に担当するのはどれですか」と聞いてください。「全部です」と返ってきたら、体制を詳しく確認する必要があります。

5. テストとCIの記載を見る

求人票に次のような単語があるかどうかを見ます。

単語の例意味すること
テストコード、ユニットテスト品質を仕組みで担保している
CI、自動テスト、自動デプロイ開発の工程が自動化されている
コードレビュー複数人で確認する運用がある
Git、バージョン管理基本的な管理ができている
ドキュメント、設計書記録を残す文化がある

これらの記載が1つもない求人は、開発の進め方が整っていない可能性があります。

第二新卒で未経験の場合、コードレビューがある会社を選ぶ価値は特に大きいです。自分が書いたコードに他人の目が入る環境でないと、上達の速度が落ちます。

面接での聞き方

「コードレビューはどのような形で行われていますか。全員のコードがレビューされる運用でしょうか。」

この質問への答えで、開発の進め方がかなり分かります。「レビューは基本的に全員のコードに入ります」と返る会社と、「特に決まっていません」と返る会社では、1年後の成長が変わります。

6. レガシーと新しい技術の見分け方

専門知識がなくても、ある程度は判断できます。

方法1、その技術名の最新バージョンを検索する。求人票に書かれているバージョンと最新版が大きく離れている場合、更新されていない可能性があります。

方法2、公式サイトの更新日を見る。技術の公式サイトやドキュメントが数年更新されていなければ、活発ではありません。

方法3、求人件数の推移を見る。第2章の検索で、件数が極端に少ない技術は、市場が縮小している可能性があります。

ただし、レガシーな技術が悪いとは限りません。

状況判断
古い技術だが求人が多い保守の需要がある。安定はしている
古い技術で求人が少ない3年後の選択肢が狭い
新しい技術で求人が増えている先行者になれる可能性
新しすぎて求人がほぼない賭けになる
社内独自のフレームワーク他社で使えない。要注意

最下行が第3章のケースです。「自社開発のフレームワーク」と書かれている求人では、その経験が他社でそのまま評価されるかを確認してください。

技術以外に求人票から読める3つのこと

技術スタックの欄以外にも、開発環境を示す記載があります。

1、開発体制の記載。「スクラム」「アジャイル」「ウォーターフォール」といった単語があるか。開発の進め方が決まっている会社は、そこを言語化できています。

2、チームの構成。「エンジニア〇名」「1チーム4〜6名」のような記載。少人数すぎる場合、教える余裕がない可能性があります。

3、担当範囲の記載。「要件定義から運用まで」と書かれている場合、幅広く関われる一方、未経験には負荷が高い可能性があります。

記載読み取れること
開発手法の記載がある進め方が決まっている
チーム人数の記載がある体制を開示している
「上流から下流まで」幅広い。ただし負荷は高い
「保守・運用が中心」既存システムの面倒を見る。学べる範囲は限定的
記載が抽象的面接で確認が必要

4行目は、第二新卒の1社目としては判断が分かれます。保守・運用は既存のコードを読む力がつくため、入口としては悪くありません。ただし、新規開発の経験が積めないため、2〜3年後の転職では材料が限られます。

「新規開発と保守の比率はどのくらいですか」と面接で聞いてください。この1問で、入社後に何をするかがかなり見えます。

7. 面接で聞く3つの質問

Q1「入社後、最初に担当するのはどの部分になりますか」

技術の数が多い求人で必ず聞きます。全部を最初から任される体制かどうかが分かります。

Q2「コードレビューはどのような運用ですか」

第5章の質問です。育成の体制がここに出ます。

Q3「今後、技術構成を変えていく予定はありますか」

古い技術を使っている会社でも、移行の計画がある場合があります。「来年から新しい基盤に移す予定です」という答えなら、その移行に関われること自体が経験になります。

3つとも、技術の知識がなくても聞けます。そして答えの内容から、その会社の開発環境がかなり分かります。

逆に聞かれる質問への準備

「使ってみたい技術はありますか」と聞かれることがあります。

回答例:「学習ではPythonを使ってきました。ただ、実務では会社で使われているものを覚えることが優先だと考えています。求人票に記載のあった〇〇については、事前に公式のチュートリアルを触ってみました。」

「触ってみた」と言えると、他の未経験の応募者との差が出ます。

8. 進め方と時間配分

手順やること目安時間
1求人票の技術名を全部メモする5分
2各技術名で求人件数を検索する20分
3技術の数を数える(第4章の表と照合)3分
4テスト・CI・レビューの記載を探す5分
5主要な技術のチュートリアルを触る1〜2時間
6面接で第7章の3問を聞く面接内で5分

手順5が、この表で最も効きます。応募先で使われている技術の公式チュートリアルを1〜2時間触るだけで、面接で話せることが増えます。未経験枠では、ここまでやってくる応募者は多くありません。

手順2も、1社あたり20分で終わります。3社分やれば、自分が見ている求人の技術がどのくらいの市場性を持つかが分かります。

9. よくある質問

未経験なので技術を選べる立場ではありません

選べる求人が限られるのは事実です。ただ、複数の内定や複数の候補がある場合、この観点を1つ入れる価値はあります。すべてを妥協する必要はありません。

独自フレームワークの会社は避けるべきですか

一概には言えません。その会社に長く勤める前提なら問題ありませんし、独自フレームワークでもプログラミングの基礎は身につきます。ただし3年後の転職を考えるなら、汎用的な技術も並行して触る必要があります。

SES企業だと技術スタックが分かりません

配属先によって変わるためです。面接で「直近の案件ではどのような技術が使われていますか」「配属先はどう決まりますか」を確認してください。

求人票に技術名が書かれていません

書かれていない求人もあります。面接で「開発に使用している技術を教えてください」と聞いてください。答えられない、または濁される場合は注意が必要です。

古い技術しか触れない会社に入ってしまいました

業務外で新しい技術を触ることで補えます。ただし時間がかかるので、早めに始めてください。

技術スタックより会社の安定性を優先すべきですか

両方見る必要があります。ただし第二新卒の段階では、次の転職での市場価値のほうが影響が大きい場合もあります。3年後にどうなるかで考えてください。

クラウドを使っていない会社は古いですか

必ずしもそうではありません。業界によってはオンプレミス環境が標準の場合もあります。ただし、クラウドの経験は求人でよく求められるため、触れる環境かどうかは確認する価値があります。

面接で技術の質問に答えられませんでした

未経験枠では、技術の正解を答えられることは求められていません。「知りません、調べます」と正直に答えるほうが、曖昧に答えるより印象が良くなります。

10. まとめ:次の応募でやる3つのこと

技術スタックは、専門知識がなくても4つの観点で読めます。

1つめ、求人票の技術名を転職サイトで検索して、件数をメモする。3年後の選択肢の数がここで見えます。1社あたり20分。

2つめ、テスト・CI・コードレビューの記載があるか探す。1つもない求人は、開発の進め方が整っていない可能性があります。所要5分。

3つめ、応募先で使われている技術の公式チュートリアルを1〜2時間触る。面接で「触ってみました」と言えるかどうかで、他の未経験応募者との差が出ます。

技術の名前を全部覚える必要はありません。件数・数・記載の有無の3つを見るだけで、判断材料になります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。