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派遣エンジニアという働き方|第二新卒がSESとの違いを契約から見る【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
派遣エンジニアという働き方|第二新卒がSESとの違いを契約から見る【2026年版】

〜「客先で働く」という点は同じでも、契約が違えば立場が変わります〜

エンジニアの求人を見ていると、「客先常駐」「派遣」「SES」といった言葉が並びます。どれも他社で働く形ですが、契約の性質が違います。

そして、この違いは言葉の問題ではありません。誰から指示を受けるか、どのくらいの期間その現場にいられるか、経験がどう積み上がるかが変わります。

第二新卒にとって重要なのは、どちらが良いかではなく、自分が今どちらの求人を見ているのかを判別できることです。求人票の書き方だけでは分かりにくい場合があります。

この記事では、契約の違いから整理して、選ぶときの確認項目をまとめます。

1. 結論:押さえるべきは3点

派遣とSESを考えるときの3つの前提

指示を出す相手が違う(派遣は派遣先、SESは自社)

派遣には期間の制限に関する定めがある

どちらも「経験が積み上がるか」は配属先次第

③が実務上は最も重要です。契約の形より、実際に何を担当するかで数年後が決まります。

なお、労働者派遣に関する事項には法令上の定めがあり、内容が改正されることがあります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は専門機関や所管の窓口に確認してください。

2. 契約の違い

派遣SES(準委任などの形)
雇用元派遣会社所属会社
働く場所派遣先顧客先または自社
指示を出す人派遣先の担当者所属会社の責任者
期間制限に関する定めがある契約による
成果の考え方労働時間の提供業務の遂行

最大の違いは「誰から指示を受けるか」です。

派遣では、派遣先の担当者から直接指示を受けます。SESの形では、本来は所属会社の責任者を通すことになっています。

実務では、この線が曖昧になっている現場が存在します。それが問題になる場合もあるため、入る前に体制を確認しておく意味があります。

雇用形態全体の違いは正社員・契約社員・派遣の違い|第二新卒が雇用形態を選ぶ基準、SES・受託・自社開発の違いはSES・受託・自社開発の違い|未経験エンジニアが最初に選ぶ基準にまとめています。

3. 求人票での見分け方

手がかり派遣の可能性SESの可能性
雇用形態の欄「派遣社員」と明記「正社員」「契約社員」
会社の許可番号の記載派遣事業の番号がある記載がないことがある
勤務地の書き方「派遣先による」「顧客先」「プロジェクトによる」
期間の記載契約期間の記載がある記載がないことがある

雇用形態の欄が「正社員」でありながら、勤務地が「顧客先」となっている求人は、SESの形である可能性が高くなります。

一方で、雇用形態が「派遣社員」と明記されていれば、派遣です。ここを混同したまま応募すると、条件の理解がずれます。

求人票の読み方の全体像は求人票の読み方|第二新卒が9項目をこの順で読むと外さないを参照してください。

4. 身につく経験の差

契約の形よりも、配属先で何を担当するかのほうが影響が大きくなります。

配属先の性質積み上がるもの
設計から関わる案件幅広い経験、次への材料
実装の一部を担当技術の深さ
監視・オペレーション中心現場の知識、ただし材料は作りにくい
事務作業寄り技術の経験が積みにくい

最後の行が、この働き方で最も避けたい状態です。

「エンジニア」として採用されながら、実際にはデータの入力や書類の作成が中心になる現場が存在します。1年続けても、書類に書ける技術の経験が残りません。

これは派遣かSESかで決まるものではなく、配属先の案件の性質で決まります。だからこそ、配属先が事前に分かるかどうかが重要になります。

5. 話を聞いた例:配属で判断を変えた人

知人に、未経験からIT業界に入る際、2社の内定を比べた人がいます。

その人が比較したのは、次の点でした。

実際に比べたこと

・A社:正社員だが、配属先は入社後に決定

・B社:派遣だが、配属先と担当業務が事前に確定

・A社は「未経験でも幅広く」という説明のみ

・B社は担当する製品名と、チームの人数まで説明があった

その人はB社を選びました。

理由は、「1年後に何を経験しているかが読めるほうが安全だと考えたから」です。雇用形態は不安定に見えても、経験が積み上がる確度が高いほうを取りました。

その後、その現場で構築の作業を任されるようになり、その実績を持って正社員の求人へ移ったそうです。

雇用形態は入口の形であって、数年後を決めるものではありません。決めるのは、その間に何を経験したかです。

6. 選ぶ場合の確認項目

応募前・面接で確認する8項目

配属先は事前に決まるか

担当する業務の中身

契約期間と更新の考え方

指示を受ける相手

案件が終わったときの扱い

待機期間中の給与の扱い

技術研修や資格支援の有無

正社員への登用や、直接雇用の実績

⑤と⑥は、必ず確認してください。

案件が終わった後にどうなるか、次の案件が決まるまでの間の扱いがどうなるかは、生活に直結します。求人票に書かれていないことが多いため、面接で聞く必要があります。

参画面談の準備は客先の参画面談を通す|第二新卒エンジニアが準備する5点と答え方にまとめています。

7. 正社員へ移るための準備

この働き方を入口として使う場合、移るための材料を作っておきます。

在籍中に作る材料

担当した案件の内容を、技術名と規模で記録する

自分が担当した範囲を明確にする(チームの成果と分ける)

改善した点を1つ以上作る

資格を取る(この働き方では時間を作りやすいことがある)

②が最も重要です。「大規模なシステムに携わりました」だけでは、自分が何をしたか伝わりません。

守秘義務がある場合でも、規模と性質だけで書く方法があります。書き方は守秘義務がある仕事の書き方|性質と量だけで伝える、案件を経歴に変える手順はSESから抜けるための準備|案件を経歴に変える3ステップを参照してください。

正社員への移り方は派遣から正社員へ|第二新卒が3つのルートを比べて最短で決める方法にまとめています。

8. 収入の考え方

項目押さえること
時給か月給か派遣は時給制のことがある
単価と給与の関係契約単価がそのまま給与ではない
待機中の扱い給与が出るか、出るならいくらか
昇給契約更新のタイミングで見直される場合がある
交通費支給の有無を確認する

単価と自分の給与の関係を理解しておくと、交渉や次の判断に使えます。

考え方はSESの単価と年収の関係|自分の市場価格を知る計算にまとめています。

なお、賃金や労働時間に関する事項には法令上の定めがあります。この記事は一般的な整理であり、個別の判断は専門機関に確認してください。

9. よくある質問

派遣とSESはどちらがいいですか

一概には言えません。配属先で何を担当するかのほうが、数年後への影響が大きくなります。形式より中身で判断してください。

未経験でも派遣エンジニアになれますか

なれる求人があります。ただし、担当業務が技術的なものかどうかを確認してください。事務作業中心の案件では経験が積みにくくなります。

期間の制限とは何ですか

労働者派遣には、同じ組織で働ける期間に関する定めがあります。制度の詳細は改正されることがあるため、所管の窓口や専門機関で最新の内容を確認してください。

待機期間はどうなりますか

会社によって扱いが違います。給与の支払いの有無と金額は、必ず入社前に確認してください。

正社員になれますか

ルートは複数あります。派遣先での直接雇用、所属会社での正社員登用、他社への転職です。詳しくは派遣から正社員へ|第二新卒が3つのルートを比べて最短で決める方法を参照してください。

経歴書に書きにくいのですが

書けます。案件ごとに、期間・技術・自分の担当範囲を分けて書く形が一般的です。書き方はエンジニアの職務経歴書|書く順番と3つの必須欄にまとめています。

配属先が決まらない求人は避けるべきですか

避ける必要はありませんが、「どんな案件が多いか」を面接で確認してください。実績のある案件の傾向で、ある程度は読めます。

資格は取ったほうがいいですか

この働き方では、案件によって学習時間を作りやすいことがあります。次に移るための材料として、資格を取るのは合理的です。選び方はIT系の資格はどれを取るか|第二新卒が目的別に選ぶ順番を参照してください。

10. まとめ:今週やる3つのこと

派遣とSESは契約が違いますが、数年後を決めるのは配属先で何を担当したかです。

今週やる3つのこと

手元の求人が派遣かSESか、雇用形態の欄で判別する

配属先が事前に決まるかを確認する

待機期間の扱いを、面接で聞く準備をする

②が最も将来を左右します。「入社後に決定」の求人では、どんな案件が多いかを必ず聞いてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。