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退職後の手続き|第二新卒がやる健康保険・年金・住民税・失業給付の全部【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約17分
退職後の手続き|第二新卒がやる健康保険・年金・住民税・失業給付の全部【2026年版】

〜転職先が決まっているなら、やることは実質2つだけです〜

退職後の手続きは、複雑そうに見えて、実は「転職先が決まっているか」「空白期間があるか」で必要な作業がまったく違います。

翌日から次の会社に入社する場合、自分でやる手続きはほぼありません。書類を新しい会社に提出するだけです。

一方、1日でも空白期間がある場合、健康保険・年金・住民税の3つを自分で処理する必要があります。期限があるものが多く、放置すると後で困ります。

この記事では、パターン別に「何を・いつまでに・どこで」を整理しました。該当する章だけ読めば足ります。

1. 結論:まず自分がどのパターンか確認する

パターン必要な手続き難易度
A:退職日の翌日に入社書類を新会社に提出するだけ
B:空白期間が1ヶ月未満健康保険・年金・住民税の3つ
C:空白期間が1ヶ月以上上記+失業給付の手続き
D:しばらく働かない上記+翌年の確定申告

パターンAなら、この記事の第3章だけ読めば終わりです。

パターンB以降は、第4章以降が必要になります。特に健康保険は「退職日の翌日から14日以内」という期限があるため、退職前に段取りを決めておくのが安全です。

2. 退職時に会社から受け取る5つの書類

どのパターンでも、これらの書類は必ず受け取ります。受け取っていないと、その後の手続きが進みません。

書類いつもらえるか何に使うか
雇用保険被保険者証退職日または後日郵送新しい会社への提出/失業給付の申請
年金手帳(または基礎年金番号通知書)会社が預かっていた場合新しい会社への提出/国民年金の手続き
源泉徴収票退職後1ヶ月以内に郵送新しい会社での年末調整/確定申告
離職票(離職票1・2)退職後10日〜2週間程度で郵送失業給付の申請(不要なら発行されない場合あり)
健康保険資格喪失証明書申請すれば発行される国民健康保険への加入手続き

重要:離職票は、申し出ないと発行されないことがあります。転職先が決まっていない場合、退職前に「離職票を発行してください」と人事に伝えてください。

健康保険資格喪失証明書も、多くの会社では申請しないと発行されません。空白期間がある場合は必要になるため、退職時に依頼しておいてください。

もらえない場合の対処

退職から2週間経っても離職票が届かない場合、会社に問い合わせてください。それでも発行されない場合、ハローワークに相談すると、会社への指導を行ってもらえます。

3. パターンA:翌日に入社する場合(手続きはほぼ不要)

やることは、新しい会社に書類を提出するだけです。

提出するもの備考
雇用保険被保険者証前職から受け取ったもの
年金手帳・基礎年金番号通知書番号が分かれば原本不要の会社も
源泉徴収票年末調整に必要。届き次第提出
マイナンバー確認書類会社から指定される
給与振込口座の情報会社の指定様式

健康保険・年金・雇用保険は、すべて新しい会社が手続きします。自分で役所に行く必要はありません。

住民税だけ、確認が必要です。

住民税は前年の所得に対して課税され、6月から翌年5月にかけて給与から天引きされています。転職の際、この引き継ぎには2つの方法があります。

方法内容手続き
特別徴収の継続新しい会社の給与から引き続き天引き前職に「給与所得者異動届出書」を新会社に送ってもらう
普通徴収に切替自分で納付書で払う手続き不要。後日、自宅に納付書が届く

前職の退職手続きの際に、「住民税は特別徴収を継続したい」と伝えてください。これを伝え忘れると、後日まとまった額の納付書が自宅に届くことになります。

4. パターンB:空白期間がある場合(3つの手続き)

1日でも空白があれば、次の3つが必要です。

① 健康保険(期限:退職日の翌日から14日以内)

選択肢は3つあります。

選択肢保険料の目安手続き先期限
国民健康保険前年所得に応じて決まる市区町村の役所退職日の翌日から14日以内
任意継続在職中の保険料の約2倍(上限あり)加入していた健康保険組合/協会けんぽ退職日の翌日から20日以内
家族の扶養に入る0円家族の勤務先経由速やかに

どれを選ぶかの目安

  • 収入が少なく、扶養の条件を満たす(年収見込み130万円未満など)→ 家族の扶養が最も有利
  • 前年の所得が高い(国民健康保険料が高くなる)→ 任意継続のほうが安い場合がある
  • 前年の所得が低い(第二新卒で在籍1〜2年など)→ 国民健康保険のほうが安いことが多い

判断方法:役所の窓口で「国民健康保険料の試算」をしてもらえます。その金額と、任意継続の保険料(在職中の給与明細の健康保険料の約2倍)を比べてください。試算は無料で、その場で出ます。

注意:任意継続の期限は20日以内で、1日でも過ぎると選択できなくなります。迷っている時間は短いので、退職前に試算しておくのが確実です。

② 年金(期限:退職日の翌日から14日以内)

選択肢内容手続き先
国民年金(第1号被保険者)自分で加入。月額の定額保険料市区町村の役所
家族の扶養(第3号被保険者)配偶者の扶養に入る場合のみ配偶者の勤務先経由

健康保険の手続きと同じ窓口で、同時にできます。役所に行くときは、両方まとめて済ませてください。

保険料が払えない場合

「免除」または「納付猶予」の申請ができます。退職を理由とする場合、前年の所得に関わらず審査される「退職(失業)による特例免除」という仕組みがあります。未納のまま放置せず、必ず申請してください。未納だと将来の年金額が減るうえ、障害年金などの保障も受けられなくなる場合があります。

③ 住民税

退職の時期によって扱いが変わります。

退職時期扱い
1月〜5月に退職5月分までを、最後の給与から一括徴収されるのが原則
6月〜12月に退職残りを一括徴収するか、普通徴収(自分で納付)を選べる

普通徴収を選んだ場合、後日、自宅に納付書が届きます。金額は年間で十数万円になることもあるため、退職前に「あといくら残っているか」を給与担当に確認しておいてください。

これが、退職後に最も驚かれる出費です。収入が途切れているタイミングで納付書が届くため、生活費の計画に必ず含めてください。

5. パターンC:失業給付を受ける場合

失業給付(基本手当)は、自己都合退職でも受給できます。ただし、条件と待機期間があります。

受給の条件

条件内容
被保険者期間離職前2年間に、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上(自己都合の場合)
就職の意思と能力働ける状態で、求職活動をしていること
ハローワークでの求職申込必須

第二新卒で在籍1年未満の場合、条件を満たさないことがあります。ただし、前職より前の職歴と通算できる場合があるため、ハローワークで確認してください。

手続きの流れ

段階やること時期
1離職票を受け取る退職後10日〜2週間
2ハローワークで求職申込+受給資格の決定離職票が届き次第
3待機期間(7日間)申込日から
4雇用保険説明会に参加指定された日
5給付制限期間自己都合の場合、原則として一定期間
6失業認定日にハローワークへ原則4週間ごと
7給付金の振込認定後、数日〜1週間

自己都合退職の場合、給付制限期間があるため、実際に振り込まれるのは申込から数ヶ月後になります。この期間の生活費は自分で用意する必要があります。制度は改定されることがあるため、実際の期間はハローワークで確認してください。

必要なもの

  • 離職票1・2
  • マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
  • 証明写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

注意:転職先がすでに決まっている場合、失業給付は受給できません。「失業の状態」が受給の前提だからです。

6. パターンD:確定申告が必要な場合

状況確定申告
年内に転職し、新しい会社で年末調整を受けた不要
年内に転職したが、前職の源泉徴収票を提出しなかった必要
年をまたいで無職の期間があった必要(還付を受けられる可能性が高い)
年内に再就職せず、その年が終わった必要

年の途中で退職して再就職しなかった場合、確定申告をすると税金が還付される可能性が高いです。給与から天引きされていた所得税は、1年間働く前提で計算されているためです。

申告時期:翌年2月中旬〜3月中旬(還付申告は1月から可能)

必要なもの:源泉徴収票、マイナンバー、本人確認書類、口座情報、控除の証明書(国民年金保険料・国民健康保険料の支払額など)

国民年金・国民健康保険の保険料は、全額が社会保険料控除の対象です。空白期間に支払った分は、必ず申告に含めてください。還付額が変わります。

7. 退職前にやっておく5つのこと

手続きを楽にするために、退職する前にやっておくべきことです。

やることなぜ必要か
離職票の発行を依頼する申し出ないと発行されないことがある
健康保険資格喪失証明書を依頼する国民健康保険の加入に必要
住民税の残額を確認する一括徴収か納付書かの選択に必要
任意継続の保険料を確認する給与明細の健康保険料の約2倍が目安
会社に返却するものを確認する保険証、社員証、貸与品

健康保険証は退職日までしか使えません。退職日の翌日以降に医療機関にかかると、一旦全額(10割)を自己負担することになります。後から手続きすれば払い戻されますが、手間がかかります。持病の薬などがある場合、退職前に受診しておくのが実務的です。

8. 手続きの持ち物チェックリスト(役所へ行く日)

健康保険と年金は、同じ日に市区町村の役所でまとめて手続きできます。

持ち物用途
健康保険資格喪失証明書(または離職票)退職日の証明
マイナンバーカード(または通知カード)本人確認・番号確認
本人確認書類(運転免許証など)本人確認
年金手帳・基礎年金番号通知書国民年金の手続き
印鑑自治体により必要
口座情報(通帳・キャッシュカード)保険料の口座振替を設定する場合

所要時間は、混雑状況によりますが1〜2時間程度です。月初と月末は混みやすいため、可能なら中旬の午前中に行くと待ち時間が短くなります。

9. よくある質問

転職先が決まっていれば、本当に何もしなくていいですか?

健康保険・年金・雇用保険については、新しい会社が手続きします。ただし、①前職から受け取った書類を新会社に提出すること、②住民税の引き継ぎ方法を前職に伝えること、の2つは自分で行う必要があります。

空白期間が数日だけでも手続きは必要ですか?

必要です。1日でも国民健康保険・国民年金の加入対象になります。ただし、実務上は、月末をまたがないよう退職日と入社日を調整することで、負担を抑えられる場合があります。たとえば、月末付で退職して翌月1日に入社すれば、空白は生じません。

国民健康保険と任意継続、どちらが安いですか?

前年の所得によります。第二新卒で在籍1〜2年(前年の所得が比較的低い)の場合、国民健康保険のほうが安いことが多いです。ただし例外もあるため、役所で国民健康保険料を試算してもらい、任意継続の保険料と比較してください。試算は無料で、その場で出ます。

失業給付はいくらもらえますか?

退職前6ヶ月の給与を基に計算され、おおむねその50〜80%程度が日額として算定されます(給与水準が低いほど率が高くなる仕組み)。給付日数は年齢と被保険者期間によって決まります。正確な金額はハローワークで確認してください。

失業給付をもらいながら転職活動できますか?

できます。むしろ、求職活動をしていることが受給の条件です。ハローワークでの相談、求人への応募、職業訓練の受講などが求職活動として認められます。ただし、転職先が決まった時点で受給は終了します。早期に再就職した場合、再就職手当という別の給付を受けられる場合があります。

住民税の納付書が届いて、金額に驚きました。

これは非常に多い相談です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、収入が途切れているタイミングで請求が来ます。一括で払えない場合、市区町村の窓口で分割納付の相談ができます。放置すると延滞金が発生するため、必ず窓口に相談してください。

年金保険料が払えません。

「免除」または「納付猶予」を申請してください。退職を理由とする場合の特例があり、前年の所得に関わらず審査されます。未納のまま放置するのが最も不利です。免除期間は、将来の年金額に一部反映されますが、未納期間は一切反映されません。市区町村の年金窓口で申請できます。

会社から離職票が届きません。

まず会社に問い合わせてください。退職から2週間以上経っても届かない場合、ハローワークに相談すると、会社への確認・指導を行ってもらえます。離職票がないと失業給付の手続きが始められないため、放置せずに動いてください。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

退職後の手続きは、パターンさえ分かれば作業量は多くありません。期限のあるものだけ押さえてください。

今夜やること

① 自分がパターンA〜Dのどれかを確認する(退職日と入社日の間に空白があるか)

② 空白がある場合、退職時に依頼する書類を2つメモする(離職票、健康保険資格喪失証明書)

③ 給与明細を開き、住民税の月額と健康保険料の月額を確認する(住民税の残額試算と、任意継続の保険料の目安になります)

③は3分で終わりますが、退職後の出費の見通しがこれで立ちます。特に住民税は、収入が途切れた後に請求が来るため、事前に金額を把握しておくと慌てずに済みます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。