退職後の手続き|第二新卒がやる健康保険・年金・住民税・失業給付の全部【2026年版】
〜転職先が決まっているなら、やることは実質2つだけです〜
退職後の手続きは、複雑そうに見えて、実は「転職先が決まっているか」「空白期間があるか」で必要な作業がまったく違います。
翌日から次の会社に入社する場合、自分でやる手続きはほぼありません。書類を新しい会社に提出するだけです。
一方、1日でも空白期間がある場合、健康保険・年金・住民税の3つを自分で処理する必要があります。期限があるものが多く、放置すると後で困ります。
この記事では、パターン別に「何を・いつまでに・どこで」を整理しました。該当する章だけ読めば足ります。
1. 結論:まず自分がどのパターンか確認する
| パターン | 必要な手続き | 難易度 |
|---|---|---|
| A:退職日の翌日に入社 | 書類を新会社に提出するだけ | 易 |
| B:空白期間が1ヶ月未満 | 健康保険・年金・住民税の3つ | 中 |
| C:空白期間が1ヶ月以上 | 上記+失業給付の手続き | 中 |
| D:しばらく働かない | 上記+翌年の確定申告 | 中 |
パターンAなら、この記事の第3章だけ読めば終わりです。
パターンB以降は、第4章以降が必要になります。特に健康保険は「退職日の翌日から14日以内」という期限があるため、退職前に段取りを決めておくのが安全です。
2. 退職時に会社から受け取る5つの書類
どのパターンでも、これらの書類は必ず受け取ります。受け取っていないと、その後の手続きが進みません。
| 書類 | いつもらえるか | 何に使うか |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 退職日または後日郵送 | 新しい会社への提出/失業給付の申請 |
| 年金手帳(または基礎年金番号通知書) | 会社が預かっていた場合 | 新しい会社への提出/国民年金の手続き |
| 源泉徴収票 | 退職後1ヶ月以内に郵送 | 新しい会社での年末調整/確定申告 |
| 離職票(離職票1・2) | 退職後10日〜2週間程度で郵送 | 失業給付の申請(不要なら発行されない場合あり) |
| 健康保険資格喪失証明書 | 申請すれば発行される | 国民健康保険への加入手続き |
重要:離職票は、申し出ないと発行されないことがあります。転職先が決まっていない場合、退職前に「離職票を発行してください」と人事に伝えてください。
健康保険資格喪失証明書も、多くの会社では申請しないと発行されません。空白期間がある場合は必要になるため、退職時に依頼しておいてください。
もらえない場合の対処
退職から2週間経っても離職票が届かない場合、会社に問い合わせてください。それでも発行されない場合、ハローワークに相談すると、会社への指導を行ってもらえます。
3. パターンA:翌日に入社する場合(手続きはほぼ不要)
やることは、新しい会社に書類を提出するだけです。
| 提出するもの | 備考 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 前職から受け取ったもの |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書 | 番号が分かれば原本不要の会社も |
| 源泉徴収票 | 年末調整に必要。届き次第提出 |
| マイナンバー確認書類 | 会社から指定される |
| 給与振込口座の情報 | 会社の指定様式 |
健康保険・年金・雇用保険は、すべて新しい会社が手続きします。自分で役所に行く必要はありません。
住民税だけ、確認が必要です。
住民税は前年の所得に対して課税され、6月から翌年5月にかけて給与から天引きされています。転職の際、この引き継ぎには2つの方法があります。
| 方法 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 特別徴収の継続 | 新しい会社の給与から引き続き天引き | 前職に「給与所得者異動届出書」を新会社に送ってもらう |
| 普通徴収に切替 | 自分で納付書で払う | 手続き不要。後日、自宅に納付書が届く |
前職の退職手続きの際に、「住民税は特別徴収を継続したい」と伝えてください。これを伝え忘れると、後日まとまった額の納付書が自宅に届くことになります。
4. パターンB:空白期間がある場合(3つの手続き)
1日でも空白があれば、次の3つが必要です。
① 健康保険(期限:退職日の翌日から14日以内)
選択肢は3つあります。
| 選択肢 | 保険料の目安 | 手続き先 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 前年所得に応じて決まる | 市区町村の役所 | 退職日の翌日から14日以内 |
| 任意継続 | 在職中の保険料の約2倍(上限あり) | 加入していた健康保険組合/協会けんぽ | 退職日の翌日から20日以内 |
| 家族の扶養に入る | 0円 | 家族の勤務先経由 | 速やかに |
どれを選ぶかの目安
- 収入が少なく、扶養の条件を満たす(年収見込み130万円未満など)→ 家族の扶養が最も有利
- 前年の所得が高い(国民健康保険料が高くなる)→ 任意継続のほうが安い場合がある
- 前年の所得が低い(第二新卒で在籍1〜2年など)→ 国民健康保険のほうが安いことが多い
判断方法:役所の窓口で「国民健康保険料の試算」をしてもらえます。その金額と、任意継続の保険料(在職中の給与明細の健康保険料の約2倍)を比べてください。試算は無料で、その場で出ます。
注意:任意継続の期限は20日以内で、1日でも過ぎると選択できなくなります。迷っている時間は短いので、退職前に試算しておくのが確実です。
② 年金(期限:退職日の翌日から14日以内)
| 選択肢 | 内容 | 手続き先 |
|---|---|---|
| 国民年金(第1号被保険者) | 自分で加入。月額の定額保険料 | 市区町村の役所 |
| 家族の扶養(第3号被保険者) | 配偶者の扶養に入る場合のみ | 配偶者の勤務先経由 |
健康保険の手続きと同じ窓口で、同時にできます。役所に行くときは、両方まとめて済ませてください。
保険料が払えない場合
「免除」または「納付猶予」の申請ができます。退職を理由とする場合、前年の所得に関わらず審査される「退職(失業)による特例免除」という仕組みがあります。未納のまま放置せず、必ず申請してください。未納だと将来の年金額が減るうえ、障害年金などの保障も受けられなくなる場合があります。
③ 住民税
退職の時期によって扱いが変わります。
| 退職時期 | 扱い |
|---|---|
| 1月〜5月に退職 | 5月分までを、最後の給与から一括徴収されるのが原則 |
| 6月〜12月に退職 | 残りを一括徴収するか、普通徴収(自分で納付)を選べる |
普通徴収を選んだ場合、後日、自宅に納付書が届きます。金額は年間で十数万円になることもあるため、退職前に「あといくら残っているか」を給与担当に確認しておいてください。
これが、退職後に最も驚かれる出費です。収入が途切れているタイミングで納付書が届くため、生活費の計画に必ず含めてください。
5. パターンC:失業給付を受ける場合
失業給付(基本手当)は、自己都合退職でも受給できます。ただし、条件と待機期間があります。
受給の条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 被保険者期間 | 離職前2年間に、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上(自己都合の場合) |
| 就職の意思と能力 | 働ける状態で、求職活動をしていること |
| ハローワークでの求職申込 | 必須 |
第二新卒で在籍1年未満の場合、条件を満たさないことがあります。ただし、前職より前の職歴と通算できる場合があるため、ハローワークで確認してください。
手続きの流れ
| 段階 | やること | 時期 |
|---|---|---|
| 1 | 離職票を受け取る | 退職後10日〜2週間 |
| 2 | ハローワークで求職申込+受給資格の決定 | 離職票が届き次第 |
| 3 | 待機期間(7日間) | 申込日から |
| 4 | 雇用保険説明会に参加 | 指定された日 |
| 5 | 給付制限期間 | 自己都合の場合、原則として一定期間 |
| 6 | 失業認定日にハローワークへ | 原則4週間ごと |
| 7 | 給付金の振込 | 認定後、数日〜1週間 |
自己都合退職の場合、給付制限期間があるため、実際に振り込まれるのは申込から数ヶ月後になります。この期間の生活費は自分で用意する必要があります。制度は改定されることがあるため、実際の期間はハローワークで確認してください。
必要なもの
- 離職票1・2
- マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類)
- 証明写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
注意:転職先がすでに決まっている場合、失業給付は受給できません。「失業の状態」が受給の前提だからです。
6. パターンD:確定申告が必要な場合
| 状況 | 確定申告 |
|---|---|
| 年内に転職し、新しい会社で年末調整を受けた | 不要 |
| 年内に転職したが、前職の源泉徴収票を提出しなかった | 必要 |
| 年をまたいで無職の期間があった | 必要(還付を受けられる可能性が高い) |
| 年内に再就職せず、その年が終わった | 必要 |
年の途中で退職して再就職しなかった場合、確定申告をすると税金が還付される可能性が高いです。給与から天引きされていた所得税は、1年間働く前提で計算されているためです。
申告時期:翌年2月中旬〜3月中旬(還付申告は1月から可能)
必要なもの:源泉徴収票、マイナンバー、本人確認書類、口座情報、控除の証明書(国民年金保険料・国民健康保険料の支払額など)
国民年金・国民健康保険の保険料は、全額が社会保険料控除の対象です。空白期間に支払った分は、必ず申告に含めてください。還付額が変わります。
7. 退職前にやっておく5つのこと
手続きを楽にするために、退職する前にやっておくべきことです。
| やること | なぜ必要か |
|---|---|
| 離職票の発行を依頼する | 申し出ないと発行されないことがある |
| 健康保険資格喪失証明書を依頼する | 国民健康保険の加入に必要 |
| 住民税の残額を確認する | 一括徴収か納付書かの選択に必要 |
| 任意継続の保険料を確認する | 給与明細の健康保険料の約2倍が目安 |
| 会社に返却するものを確認する | 保険証、社員証、貸与品 |
健康保険証は退職日までしか使えません。退職日の翌日以降に医療機関にかかると、一旦全額(10割)を自己負担することになります。後から手続きすれば払い戻されますが、手間がかかります。持病の薬などがある場合、退職前に受診しておくのが実務的です。
8. 手続きの持ち物チェックリスト(役所へ行く日)
健康保険と年金は、同じ日に市区町村の役所でまとめて手続きできます。
| 持ち物 | 用途 |
|---|---|
| 健康保険資格喪失証明書(または離職票) | 退職日の証明 |
| マイナンバーカード(または通知カード) | 本人確認・番号確認 |
| 本人確認書類(運転免許証など) | 本人確認 |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書 | 国民年金の手続き |
| 印鑑 | 自治体により必要 |
| 口座情報(通帳・キャッシュカード) | 保険料の口座振替を設定する場合 |
所要時間は、混雑状況によりますが1〜2時間程度です。月初と月末は混みやすいため、可能なら中旬の午前中に行くと待ち時間が短くなります。
9. よくある質問
転職先が決まっていれば、本当に何もしなくていいですか?
健康保険・年金・雇用保険については、新しい会社が手続きします。ただし、①前職から受け取った書類を新会社に提出すること、②住民税の引き継ぎ方法を前職に伝えること、の2つは自分で行う必要があります。
空白期間が数日だけでも手続きは必要ですか?
必要です。1日でも国民健康保険・国民年金の加入対象になります。ただし、実務上は、月末をまたがないよう退職日と入社日を調整することで、負担を抑えられる場合があります。たとえば、月末付で退職して翌月1日に入社すれば、空白は生じません。
国民健康保険と任意継続、どちらが安いですか?
前年の所得によります。第二新卒で在籍1〜2年(前年の所得が比較的低い)の場合、国民健康保険のほうが安いことが多いです。ただし例外もあるため、役所で国民健康保険料を試算してもらい、任意継続の保険料と比較してください。試算は無料で、その場で出ます。
失業給付はいくらもらえますか?
退職前6ヶ月の給与を基に計算され、おおむねその50〜80%程度が日額として算定されます(給与水準が低いほど率が高くなる仕組み)。給付日数は年齢と被保険者期間によって決まります。正確な金額はハローワークで確認してください。
失業給付をもらいながら転職活動できますか?
できます。むしろ、求職活動をしていることが受給の条件です。ハローワークでの相談、求人への応募、職業訓練の受講などが求職活動として認められます。ただし、転職先が決まった時点で受給は終了します。早期に再就職した場合、再就職手当という別の給付を受けられる場合があります。
住民税の納付書が届いて、金額に驚きました。
これは非常に多い相談です。住民税は前年の所得に対して課税されるため、収入が途切れているタイミングで請求が来ます。一括で払えない場合、市区町村の窓口で分割納付の相談ができます。放置すると延滞金が発生するため、必ず窓口に相談してください。
年金保険料が払えません。
「免除」または「納付猶予」を申請してください。退職を理由とする場合の特例があり、前年の所得に関わらず審査されます。未納のまま放置するのが最も不利です。免除期間は、将来の年金額に一部反映されますが、未納期間は一切反映されません。市区町村の年金窓口で申請できます。
会社から離職票が届きません。
まず会社に問い合わせてください。退職から2週間以上経っても届かない場合、ハローワークに相談すると、会社への確認・指導を行ってもらえます。離職票がないと失業給付の手続きが始められないため、放置せずに動いてください。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
退職後の手続きは、パターンさえ分かれば作業量は多くありません。期限のあるものだけ押さえてください。
今夜やること
① 自分がパターンA〜Dのどれかを確認する(退職日と入社日の間に空白があるか)
② 空白がある場合、退職時に依頼する書類を2つメモする(離職票、健康保険資格喪失証明書)
③ 給与明細を開き、住民税の月額と健康保険料の月額を確認する(住民税の残額試算と、任意継続の保険料の目安になります)
③は3分で終わりますが、退職後の出費の見通しがこれで立ちます。特に住民税は、収入が途切れた後に請求が来るため、事前に金額を把握しておくと慌てずに済みます。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。