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会社都合退職とは|第二新卒が自己都合との違いと確認の手順を押さえる【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
会社都合退職とは|第二新卒が自己都合との違いと確認の手順を押さえる【2026年版】

〜自分で辞めたつもりでも、会社都合として扱われる場合があります〜

退職には、「自己都合」と「会社都合」の区分があります。

そして、この区分によって、失業給付の条件が大きく変わります。

自己都合の場合、待期期間の後にさらに給付制限があり、受給開始まで時間がかかります。

会社都合の場合、給付制限がなく、所定給付日数も長くなります。

ここまでは、多くの人が知っています。

知られていないのは、次の点です。

「自分から退職を申し出た場合でも、会社都合として扱われることがある」

賃金の未払いが続いた、著しい長時間労働があった、採用時の条件と実際が大きく違った。

こうした事情がある場合、離職票が「自己都合」となっていても、ハローワークの判断で扱いが変わることがあります。

この記事では、区分の違いと、確認の手順を整理します。

なお、個別の事案の判断はハローワークが行います。この記事は一般的な整理であり、受給の可否を判断するものではありません。

1. 結論:3つの違いを押さえる

項目自己都合会社都合
加入期間の要件離職前2年間に通算12ヶ月以上離職前1年間に通算6ヶ月以上
給付制限ありなし
所定給付日数短い長い

①が、第二新卒にとって最も影響します。

在籍1年未満で退職した場合、自己都合では原則として受給できません。

ただし、会社都合であれば、6ヶ月以上の加入で受給できる可能性があります。

この差は大きくなります。

②の給付制限があると、申請から最初の振込まで2〜3ヶ月かかります。

会社都合であれば、待期期間の7日を経て受給が始まります。

2. 会社都合になり得るケース

「特定受給資格者」に該当する場合、会社都合として扱われます。

分類主なケース
倒産等倒産、事業所の廃止、事業所の移転により通勤が困難になった
解雇等解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)
労働条件の相違採用時に明示された労働条件と、実際が著しく異なった
賃金の未払い賃金の一定割合以上が支払期日までに支払われなかった
長時間労働一定水準を超える時間外労働が継続した
ハラスメント職場での嫌がらせ等により離職した
退職勧奨会社から退職を勧められた

「労働条件の相違」と「長時間労働」は、第二新卒でも該当する可能性があります。

また、「特定理由離職者」という区分もあります。

有期雇用契約が更新されなかった場合や、正当な理由のある自己都合退職(体調上の理由、家族の介護など)が該当し得ます。

これらの場合、給付制限の扱いが自己都合と異なることがあります。

具体的な要件と該当の可否は、ハローワークで確認してください。

3. 編集長の実体験:区分を確認していなかった

私が前職を退職したとき、区分は自己都合でした。

次が決まってからの退職だったため、失業給付は使いませんでした。

ただ、退職の手続きの際に、総務の方とこういうやり取りがありました。

総務「離職票、発行しますか」

「次が決まっているので、いらないです」

総務一応、出しておきましょうか

「使わないと思いますが」

総務入社日がずれることもあるので。あと、後から必要になったときに、また依頼するのが手間なので」

「そういうものですか」

総務発行しても、木戸さんに費用はかかりません。持っておいて損はないです」

結果として、使いませんでした。

ただ、この会話で1つ学んだことがあります。

離職票は、必要になるかどうかに関わらず、発行を依頼しておくべきだということです。

そして、後から気づいたことがもう1つあります。

離職票には、離職の理由が記載されています。

私は、その欄を確認していませんでした。

自己都合であることは間違いなかったのですが、もし事実と違う記載があった場合、確認する機会を逃していたことになります。

離職票が届いたら、離職理由の欄を必ず確認してください。

4. 離職票の確認方法

離職票(離職票-2)には、離職理由の欄があります。

確認する場所

内容
事業主記入欄会社が記載した離職理由
離職者記入欄本人が異議の有無を記入する欄
具体的事情記載欄詳細な事情

「離職者記入欄」に、本人が記入する箇所があります。

会社が記載した離職理由に異議がある場合は、その旨を記入できます。

異議を申し出た場合、ハローワークが事実関係を確認し、判断します。

確認の手順

#やること
離職票が届いたら、離職理由の欄を読む
記載が事実と違う場合、異議の欄に記入する
ハローワークで、事情を説明する
証拠となる資料を持参する

④が重要です。

証拠になり得るもの
タイムカード、勤怠の記録(長時間労働の場合)
給与明細、賃金台帳(未払いの場合)
雇用契約書、労働条件通知書(条件相違の場合)
求人票の写し(条件相違の場合)
メール、記録(ハラスメントの場合)

在職中から、記録を残しておいてください。

退職後に集めるのは、困難になります。

5. 会社が区分を変えたがらない理由

会社側が、会社都合とすることを避ける場合があります。

理由は、次のようなものです。

理由内容
助成金への影響一部の雇用関係助成金で、会社都合の離職者がいると受給できない場合がある
対外的な印象離職率の見え方
手続きの手間事情の説明が必要になる

1行目が、実務上の主な理由です。

そのため、実態としては会社都合に該当し得る場合でも、自己都合として処理されることがあります。

ただし、離職理由の最終的な判断は、ハローワークが行います。

会社の記載がそのまま確定するわけではありません。

退職勧奨を受けた場合

会社から退職を勧められて辞める場合は、会社都合に該当し得ます。

この場合、退職届の書き方に注意してください。

書き方扱い
「一身上の都合により」自己都合と受け取られる
「貴社退職勧奨に伴い」会社都合の記載

退職勧奨を受けた場合、「一身上の都合により」と書かないでください。

この記載により、自己都合として処理される可能性があります。

そして、退職勧奨を受けた事実を、記録に残してください。

6. 次の転職への影響

「会社都合だと、次の転職に不利になるのでは」という心配があります。

項目実際のところ
企業に区分が伝わるか基本的に伝わらない
履歴書に書く必要があるか記載の義務はない
面接で聞かれるか退職理由は聞かれる

離職票は、応募先の企業に提出するものではありません。

ハローワークでの手続きに使うものです。

だから、区分そのものが企業に伝わることは、通常ありません。

履歴書の書き方

状況書き方
自己都合「一身上の都合により退職」
会社都合「会社都合により退職」
契約期間の満了「契約期間満了により退職」

会社都合の場合、「会社都合により退職」と書いて問題ありません。

むしろ、「一身上の都合」と書くと、面接での説明と食い違う可能性があります。

面接での説明

回答例(事業所の閉鎖の場合)

「前職では、配属されていた事業所が閉鎖となり、会社都合での退職となりました。

他の拠点への異動も打診いただきましたが、勤務地の条件が合わず、退職を選択いたしました。

事実を簡潔に述べてください。

会社への不満を述べる形にしないでください。

7. 在籍1年未満の場合

第二新卒で、在籍1年未満で退職する場合の整理です。

区分受給の可能性
自己都合(加入12ヶ月未満)原則、受給できない
会社都合(加入6ヶ月以上)受給できる可能性がある
特定理由離職者(加入6ヶ月以上)受給できる可能性がある

この差は大きくなります。

在籍1年未満で、かつ次が決まっていない状態で退職する場合は、区分を必ず確認してください。

前職との通算

前職で雇用保険に加入していた場合、期間を通算できることがあります。

条件内容
前職の離職から1年以内に再就職通算できる可能性
前職で失業給付を受給した通算できない

「合計すれば12ヶ月ある」という場合があります。

自分で判断せず、ハローワークで確認してください。

失業給付の全体像については、専用の記事にまとめています。

8. 相談できる窓口

区分に納得できない場合、次の窓口に相談できます。

窓口相談できること
ハローワーク離職理由の判断、受給の要件
労働基準監督署賃金の未払い、労働時間の問題
総合労働相談コーナー労働に関する相談全般(各労働局・労基署内)
弁護士個別の法的な問題

まず、ハローワークに相談してください。

離職理由の判断は、ハローワークが行います。

そして、賃金の未払いや長時間労働が背景にある場合は、労働基準監督署にも相談できます。

相談は無料です。

なお、個別の事案の判断については、これらの窓口または弁護士に確認してください。この記事は一般的な整理であり、法的な助言を行うものではありません。

9. よくある質問

自分から辞めたのに、会社都合になることがありますか?

あります。賃金の未払い、著しい長時間労働、採用時の条件との相違などがある場合、特定受給資格者として扱われることがあります。判断はハローワークが行います。

離職票の離職理由が、事実と違います。

離職票の「離職者記入欄」に、異議がある旨を記入できます。そのうえで、ハローワークで事情を説明してください。証拠となる資料があれば持参してください。

会社都合だと、次の転職で不利ですか?

不利にはなりません。離職票は企業に提出するものではなく、区分が伝わることは通常ありません。ただし、退職理由は面接で聞かれるため、事実を簡潔に説明できるようにしてください。

退職勧奨を受けました。どう対応すべきですか?

退職届に「一身上の都合により」と書かないでください。この記載により、自己都合として処理される可能性があります。退職勧奨を受けた事実を記録に残し、ハローワークで相談してください。

在籍1年未満でも、失業給付を受けられますか?

自己都合では、原則として受給できません。会社都合または特定理由離職者に該当する場合、加入6ヶ月以上で受給できる可能性があります。前職との通算ができる場合もあるため、ハローワークで確認してください。

履歴書には、どちらを書きますか?

事実に沿って書いてください。会社都合の場合は「会社都合により退職」、自己都合の場合は「一身上の都合により退職」です。事実と違う記載は避けてください。

会社が離職票を出してくれません。

まず、会社に発行を依頼してください。それでも発行されない場合、ハローワークに相談すると、会社への確認をしてもらえることがあります。

次が決まっていても、離職票は必要ですか?

必須ではありませんが、発行を依頼しておくことを勧めます。入社日がずれるなど、状況が変わったときに使えます。発行に費用はかかりません。

10. まとめ:退職前にやる3つのこと

会社都合と自己都合の区分は、失業給付の条件を大きく変えます。

そして、自分から辞めた場合でも、会社都合として扱われることがあります。

退職前・退職後にやること

離職票の発行を、必ず依頼する(次が決まっていても)

離職票が届いたら、離職理由の欄を読む

記載が事実と違う場合、ハローワークで相談する(証拠となる資料を持参)

目安時間:合計30分

②を必ずやってください。

離職票が届いても、離職理由の欄を確認しない人が多くいます。

そして、③については、賃金の未払いや著しい長時間労働が背景にある場合、記録を在職中から残しておいてください。

退職後に集めるのは、困難になります。

なお、この記事は一般的な整理です。個別の判断は、ハローワークまたは専門機関に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。