退職の流れ|第二新卒が伝えるところから入社日までにやること全部【2026年版】
〜退職は、順番を間違えると揉めます。全体のフローを一枚にまとめました〜
退職を決めたあと、多くの人が同じ状態になります。
「何から、いつやればいいのか分からない」
調べると、退職届の書き方、有給の交渉、引き継ぎ資料——それぞれの記事は出てくるのですが、全体の順番が見えません。
しかも、順番を間違えると実際に揉めます。いきなり退職届を机に置く、内定前に退職を伝える、引き継ぎ資料を最終日に作り始める。どれも、避けられるトラブルです。
この記事では、全体のフローを時系列で整理します。各ステップの詳細は個別記事にリンクしています。
1. 結論:やることは大きく5段階
退職の5段階
① 内定・条件確定(ここまでは退職を伝えない)
② 口頭で伝える → 退職日を決める(1.5〜2ヶ月前)
③ 退職願(届)を提出(日程確定後)
④ 引き継ぎ → 挨拶(最終出社日まで)
⑤ 有給消化 → 返却・書類の受け取り
①より先に②をやると、退職日が先に決まって転職活動を急ぐことになります。
2. 全体スケジュール
| 時期 | やること | 詳細 |
|---|---|---|
| 2ヶ月前 | 内定・条件確定。直属の上司に口頭で伝える | 二人になれる場所で |
| 2ヶ月前 | 退職日を相談して決める | 就業規則の期限を確認 |
| 1.5ヶ月前 | 退職願(届)を提出 | 書き方 |
| 1.5ヶ月前 | 有給の残日数を確認し、消化を申し出る | 有給消化の交渉 |
| 1ヶ月前 | 引き継ぎ資料を作る | 3時間で作るテンプレ |
| 3週間前 | 後任への引き継ぎ開始 | — |
| 2週間前 | 社外への挨拶(担当先) | 挨拶の例文 |
| 1週間前 | 社内への挨拶。私物の整理 | — |
| 最終出社日 | 貸与物の返却。書類の受け取り | 後述 |
| 最終出社日以降 | 有給消化 | 在籍扱い |
| 退職日 | 退職 | — |
| 退職後10日前後 | 離職票の受け取り(郵送) | 次が決まっていれば不要な場合も |
「1ヶ月前に引き継ぎ資料を作る」を守ってください。最終週に作り始めると、有給が消化できなくなります。
3. ①内定・条件確定まで退職を伝えない
最も多い失敗が、この順番を逆にすることです。
| 順番 | 何が起きるか |
|---|---|
| 内定 → 退職を伝える | ◎ 退職日を入社日から逆算できる |
| 退職を伝える → 転職活動 | × 退職日が先に決まり、活動を急ぐことになる |
在職中に活動するほうが、金銭面でも交渉面でも有利です。進め方は在職中の転職活動にまとめています。
例外は、心身の状態が限界にある場合です。その場合は無理をせず、先に離れることを優先してください。
4. ②口頭で伝える
4-1. 誰に、いつ、どこで
| 項目 | どうするか |
|---|---|
| 誰に | 直属の上司(同僚や人事より先に) |
| いつ | 退職希望日の1.5〜2ヶ月前 |
| どこで | 会議室など、二人になれる場所 |
| 時間帯 | 業務が落ち着いている時間 |
| 手段 | 対面(リモート勤務ならビデオ通話) |
同僚に先に話さないでください。上司の耳に別ルートで入ると、確実に揉めます。
4-2. 伝え方
「お忙しいところ恐れ入ります。少しお時間をいただけますでしょうか。かねてから考えておりました件で、退職させていただきたく、ご相談に参りました。◯月末を希望しております」
「相談があります」ではなく「退職させていただきたく」と言い切ってください。相談の形にすると、引き止めの余地を残したと受け取られます。
4-3. 法律上の期限
期間の定めのない雇用契約であれば、申し入れから2週間で退職できます。就業規則に「1ヶ月前まで」とあっても、法的にはこの2週間が優先されます。
ただし実務上は、就業規則に従うほうが円満です。引き継ぎの時間も必要になります。
5. ③〜④退職届から引き継ぎまで
5-1. 退職願と退職届
| 書類 | いつ使うか |
|---|---|
| 退職願 | 基本。話し合いながら日程を決める段階 |
| 退職届 | 意思が固い場合、引き止めが続く場合 |
会社所定の様式があるか、先に確認してください。あればそれを使います。テンプレートは退職届・退職願の書き方にあります。
5-2. 引き継ぎ
後任が決まっていなくても、資料は作ってください。
引き継ぎ資料に入れるもの
① 担当業務の一覧(日次・週次・月次)
② 取引先・関係者の一覧(連絡先、経緯、注意点)
③ 作業の手順(ファイルの場所、システムの操作)
④ 進行中の案件と、次にやること
⑤ 過去のトラブルと対応
3時間で作れるテンプレートを退職の引き継ぎ資料の作り方に置いています。
引き継ぎ資料は、有給交渉の最大の材料にもなります。「引き継ぎは資料で完了しています」と言える状態を作ってから、有給の話をしてください。
5-3. 挨拶
| 相手 | 時期 | 手段 |
|---|---|---|
| 社外(担当先) | 最終出社日の2週間前〜 | 後任と一緒に訪問、またはメール |
| 社内(他部署) | 最終出社日の1週間前 | メールまたは直接 |
| 同じ部署 | 最終出社日 | 直接 |
社外への挨拶は、上司に確認してから行ってください。後任が決まっていない段階で連絡すると、取引先を不安にさせます。例文は退職の挨拶にまとめています。
6. ⑤有給消化と最終日
6-1. 有給消化
退職時の有給消化は、会社が拒めません。時季変更権は、退職後には行使できないためです。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 残日数を確認する(給与明細または人事に確認) |
| 2 | 引き継ぎの完了予定を先に示す |
| 3 | 「◯月◯日を最終出社日とし、以降を消化させていただきたい」と申し出る |
| 4 | 書面(メール)で残す |
「休みたい」から入ると揉めます。「終わらせます」から入ると通ります。交渉の手順と例文は退職時の有給消化にまとめています。
6-2. 返却するもの
| 返却物 |
|---|
| 社員証、入館証、鍵 |
| 名刺(自分の分、預かっている取引先の分) |
| 制服、作業着 |
| 貸与PC、スマートフォン、周辺機器 |
| 健康保険証(扶養家族分も含む) |
| 業務で作成した資料・データ |
| 通勤定期券(現物支給の場合) |
健康保険証は、有給消化中も在籍扱いなので、退職日まで使えます。返却は退職日以降になることもあります。会社の指示に従ってください。
6-3. 受け取るもの
| 書類 | 用途 | いつ |
|---|---|---|
| 離職票 | 失業給付の申請 | 退職後10日前後(郵送) |
| 雇用保険被保険者証 | 次の会社に提出 | 最終出社日または後日 |
| 年金手帳(会社預かりの場合) | 次の会社に提出 | 最終出社日 |
| 源泉徴収票 | 年末調整・確定申告 | 退職後1ヶ月以内 |
| 退職証明書(必要なら) | 次の会社から求められる場合 | 依頼すれば発行 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 国保に切り替える場合 | 依頼すれば発行 |
次の職場が決まっていても、離職票は受け取っておいてください。入社日が空く場合に必要になります。
7. 退職後の手続き(次が決まっていない場合)
次の入社日まで空白がある場合は、自分で手続きが必要です。
| 手続き | 期限 | 場所 |
|---|---|---|
| 健康保険(国保加入または任意継続) | 退職後14日以内(国保) | 市区町村役場 |
| 国民年金への切り替え | 退職後14日以内 | 市区町村役場 |
| 失業給付の申請 | 離職票が届いたら | ハローワーク |
| 住民税 | 会社から案内あり | — |
| 確定申告(年内に再就職しない場合) | 翌年の申告期間 | 税務署 |
次の入社日が退職日の翌日なら、これらの手続きは不要です。新しい会社がすべて処理します。
1日でも空くと、その期間は自分で国保・国民年金に加入する必要があります。可能なら、退職日の翌日を入社日にしてください。
8. 揉めないための5つ
| やること | なぜ |
|---|---|
| ①内定が出てから伝える | 退職日を逆算できる |
| ②上司に最初に伝える | 別ルートで伝わると必ず揉める |
| ③希望日を動かさない | 「後任が決まるまで」は期限が無限になる |
| ④引き継ぎ資料を1ヶ月前に作る | 有給交渉の材料になる |
| ⑤やり取りをメールで残す | 言った言わないを防ぐ |
③が最も重要です。引き止めは想定内として、希望日を動かさない姿勢を保ってください。ただし、引き継ぎには全面的に協力する——この組み合わせが最も収まります。
9. よくある質問
いつ伝えるべきですか
内定と条件が確定してから、退職希望日の1.5〜2ヶ月前です。法律上は2週間前で足りますが、実務上は引き継ぎの時間が必要です。
引き止められたらどうすればいいですか
希望日は動かさず、引き継ぎで協力する姿勢を示してください。「後任が決まるまで待ってほしい」は受けないでください。期限が無限になります。
退職届を受け取ってもらえません
さらに上の責任者か人事に提出してください。それでも受理されない場合は、内容証明郵便で送れば意思表示の証拠が残ります。
有給を全部使えますか
退職時の有給消化は、会社が拒めません。ただし引き継ぎとの兼ね合いがあるので、資料を先に作ってから申し出てください。
引き継ぎの相手が決まっていません
それでも資料は作ってください。後任が決まっていないことは、あなたの責任ではありません。資料があれば、誰が引き継いでも回ります。
最終出社日と退職日は違うのですか
違います。最終出社日のあとに有給を消化する場合、その期間も在籍しています。退職日は有給消化が終わった日です。
転職先に入社日を待ってもらえますか
1〜2ヶ月なら通常可能です。ただし内定前の段階で「在職中のため、入社は◯月以降になります」と伝えておくのが理想です。
会社が退職を認めてくれません
認めるかどうかは会社が決めることではありません。申し入れから2週間で退職できます。それでも進まない場合は、労働基準監督署や労働局の相談窓口(無料)に相談してください。退職代行を使う前にも参照してください。
10. まとめ
退職は、順番さえ守れば揉めません。
今日やる3つのこと
① 就業規則を開き、退職の申し出時期(「◯ヶ月前まで」)を確認する
② 有給の残日数を確認する(給与明細に載っています)
③ 上司に伝える日を決めて、カレンダーに入れる
①②は合わせて10分で終わります。この2つが分かると、逆算してスケジュールが引けます。
この先、読むべき記事
- 退職届・退職願の書き方|第二新卒がそのまま使えるテンプレと出し方の手順(書類の作り方)
- 退職の引き継ぎ資料の作り方|そのまま使えるテンプレートと3時間で終わらせる手順(引き継ぎ)
- 退職時の有給消化|断られたときの交渉手順とそのまま使える例文(有給の交渉)
- 退職の挨拶|第二新卒の社内・社外への伝え方と例文(挨拶の文面)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。