失業給付の受け方|第二新卒が自己都合退職で押さえる手続きと期間【2026年版】
〜転職先が決まってから辞める人には、そもそも関係のない制度です〜
退職を考えたとき、「失業給付はもらえるのか」が気になります。
ただ、最初に整理しておくべきことがあります。
失業給付は、「働く意思と能力があるのに、仕事が見つからない状態」の人に支給される制度です。
転職先が決まってから退職する人は、対象になりません。
そして、第二新卒の転職では、在職中に活動して次を決めてから辞めるのが基本です。
だから、多くの人にとって、この制度は使わずに済みます。
ただし、次が決まる前に辞めることになった場合、要件と期間を知らないと生活の設計ができません。
特に、自己都合退職では、申請してから実際に振り込まれるまで3ヶ月近くかかることがあります。
この記事では、受給の要件と、手続きの流れを整理します。
なお、制度の詳細や個別の判断は、必ず住所地を管轄するハローワークで確認してください。この記事は一般的な整理であり、個別の受給可否を判断するものではありません。
1. 結論:まず3つを確認する
| # | 確認すること | 目安 |
|---|---|---|
| ① | 雇用保険の加入期間 | 自己都合なら、離職前2年間に通算12ヶ月以上 |
| ② | 退職理由の区分 | 自己都合か、会社都合か |
| ③ | 次が決まっているか | 決まっているなら対象外 |
①が最大の関門です。
新卒入社から1年未満で退職する場合、加入期間が12ヶ月に届きません。
この場合、自己都合退職では、原則として受給できません。
| 在籍期間 | 自己都合退職での受給 |
|---|---|
| 6ヶ月 | 原則、受給できない |
| 11ヶ月 | 原則、受給できない |
| 12ヶ月以上 | 受給できる可能性がある |
ただし、前職の加入期間と通算できる場合があります。
前の会社で雇用保険に入っていて、その後1年以内に再就職している場合、期間を通算できることがあります。
判断はハローワークが行うため、「足りないかもしれない」と自分で決めずに、窓口で確認してください。
2. 自己都合と会社都合の違い
この区分で、待つ期間と受給できる日数が変わります。
| 項目 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 加入期間の要件 | 2年間に通算12ヶ月以上 | 1年間に通算6ヶ月以上 |
| 給付制限 | あり | なし |
| 受給開始まで | 待期7日+給付制限 | 待期7日のみ |
| 所定給付日数 | 短い | 長い |
「給付制限」が、自己都合退職の最大の負担です。
待期期間の7日が終わった後、さらに一定期間、支給されない期間が設けられます。
この期間の長さは制度改正で変更されることがあるため、最新の運用はハローワークで確認してください。
実務上、申請してから最初の振込までに2〜3ヶ月かかると見込んでおいてください。
「会社都合」になる場合
自分で辞めたつもりでも、会社都合(特定受給資格者)として扱われる場合があります。
| 該当しうるケース |
|---|
| 倒産・事業所の廃止 |
| 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く) |
| 賃金の未払いが一定期間続いた |
| 一定水準を超える時間外労働が続いた |
| 採用時の労働条件と実際が著しく異なっていた |
これらに該当する可能性がある場合、離職票の記載を確認し、ハローワークに申し出てください。
会社が「自己都合」として離職票を出していても、実態に基づいて判断されることがあります。
証拠になる資料(タイムカードの記録、賃金台帳、雇用契約書など)があれば、持参してください。
3. 編集長の実体験:使わずに済んだが、調べておいてよかった
私が第二新卒で転職したときは、在職中に活動して、次が決まってから退職しました。
だから、失業給付は使っていません。
ただ、活動の途中で一度、真剣に調べたことがあります。
理由は、活動が2ヶ月目に入っても内定が出ず、「このまま決まらなかったらどうするか」を考えたからです。
エージェントの担当者に、こう聞きました。
私「決まらないまま、先に辞めるという選択肢はどうでしょうか」
担当者「あまり勧めません」
私「失業給付があるので、しばらくは持つかと」
担当者「自己都合だと、申請してから最初の振込まで2〜3ヶ月かかりますよ」
私「……そんなにですか」
担当者「待期期間があって、その後に給付制限がある。だから、辞めた翌月からもらえるわけじゃないです。その間の生活費は、自分で持つ必要があります」
私「知りませんでした」
担当者「あと、離職期間が長くなると、面接で必ず理由を聞かれます。『決まる前に辞めた』は、計画性を疑われることがあります」
この話を聞いて、在職中に決めることに集中しました。
結果として、その2週間後に内定が出ました。
ここで学んだのは、失業給付は「辞めてから探す」ことを支える制度ではあるが、すぐには入ってこないということです。
2〜3ヶ月分の生活費を持っていないなら、在職中に決める方が現実的です。
4. 手続きの流れ
退職前にやること
| # | やること |
|---|---|
| ① | 雇用保険被保険者証の所在を確認する(会社が保管している場合が多い) |
| ② | 離職票の発行を依頼する |
離職票は、退職後に会社が手続きをして発行されます。
退職から2週間程度で届くのが一般的です。
届かない場合は、会社に確認してください。
ハローワークでの手続き
| # | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 求職の申込み | 住所地を管轄するハローワークで手続き |
| 2 | 待期期間(7日) | この間は支給されない |
| 3 | 雇用保険説明会 | 参加が必要 |
| 4 | 給付制限期間 | 自己都合の場合 |
| 5 | 失業の認定 | 原則4週間に1回、認定日に来所 |
| 6 | 振込 | 認定後、数日で振り込まれる |
5の「失業の認定」が、継続的に必要な手続きです。
認定日に来所し、求職活動の実績を報告します。
この実績が足りないと、その期間の給付が受けられません。
求職活動の実績になるもの
| 活動 | 実績になるか |
|---|---|
| 求人への応募 | なる |
| ハローワークの職業相談 | なる |
| 民間の転職エージェントでの相談 | なる(要確認) |
| 職業訓練の相談・受講 | なる |
| 求人サイトを見ただけ | ならない |
最後の行に注意してください。
閲覧だけでは実績になりません。応募か相談が必要です。
必要な実績の回数は認定の対象期間によって異なるため、説明会で確認してください。
5. 必要な書類
| # | 書類 | 入手先 |
|---|---|---|
| ① | 離職票(-1、-2) | 退職した会社 |
| ② | 個人番号確認書類 | マイナンバーカード等 |
| ③ | 身元確認書類 | 運転免許証等 |
| ④ | 写真2枚 | 自分で用意(規格はハローワークで確認) |
| ⑤ | 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード | 振込先の確認用 |
①がないと、手続きが始まりません。
会社から届かない場合、ハローワークに相談すると、会社への確認をしてもらえることがあります。
必要書類は変更されることがあるため、行く前に管轄のハローワークのサイトまたは電話で確認してください。
6. 転職先が決まっている場合
次が決まっている場合、失業給付の対象にはなりません。
ただし、退職から入社まで期間が空く場合は、状況によって扱いが変わります。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 退職の翌日に入社 | 対象外 |
| 1週間空く | 対象外(就職が決まっているため) |
| 2ヶ月空き、その間も他社を探していた | ハローワークで相談 |
「就職先が決まっているか」が判断の基準です。
入社日が確定している場合、失業の状態とは扱われません。
虚偽の申告をして受給すると、不正受給として返還を求められ、加えて納付を命じられることがあります。
絶対に、決まっていることを隠して申請しないでください。
7. 再就職手当
失業給付を受けている途中で就職が決まった場合、再就職手当が支給されることがあります。
これは、早く就職した人が損をしないようにするための制度です。
おおまかな要件
| 要件 |
|---|
| 所定給付日数の一定割合以上を残して再就職したこと |
| 1年を超えて勤務することが見込まれること |
| 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと |
| 待期期間が経過した後の就職であること |
| 過去3年以内に再就職手当等を受けていないこと |
要件は複数あり、それぞれに細かい条件があります。
就職が決まったら、まずハローワークに届け出て、対象になるかを確認してください。
そして、就職先に「採用証明書」を書いてもらう必要があります。
手続きには期限があるため、決まったらすぐにハローワークへ連絡してください。
8. 離職期間が長くなったときの面接対策
失業給付を受けながら転職活動をする場合、離職期間が発生します。
面接では、必ずこの期間について聞かれます。
| 期間 | 面接での扱い |
|---|---|
| 1〜2ヶ月 | ほぼ問題にならない |
| 3〜6ヶ月 | 理由を聞かれる |
| 6ヶ月以上 | 詳しく聞かれる |
答え方
回答例
「退職後、まず自分がどの方向に進みたいかを整理する時間を取りました。その上で、◯月から本格的に活動を始めております。
その間、◯◯の学習を続けており、△△の資格を取得しました。」
「何もしていませんでした」は避けてください。
離職期間中に、学習・資格取得・アルバイトなど、何かしらの活動があると説明しやすくなります。
空白期間の説明については、専用の記事にまとめています。
9. よくある質問
在籍1年未満でも失業給付をもらえますか?
自己都合退職の場合、原則として受給できません。離職前2年間に、雇用保険の加入期間が通算12ヶ月以上必要です。ただし、前職の加入期間と通算できる場合があるため、ハローワークで確認してください。
自己都合退職だと、いつからもらえますか?
待期期間7日の後、給付制限期間を経てからになります。実務上、申請から最初の振込まで2〜3ヶ月見ておいてください。給付制限の期間は制度改正で変わることがあるため、ハローワークで最新の運用を確認してください。
転職先が決まっているのに申請できますか?
できません。失業給付は、就職先が決まっていない状態の人が対象です。決まっていることを隠して申請すると、不正受給として返還等を求められます。
アルバイトをしながら受給できますか?
一定の範囲であれば可能ですが、必ず申告が必要です。労働時間や収入によって、支給額が減額されたり、支給が先送りされたりします。申告せずに働くと、不正受給になります。詳細はハローワークで確認してください。
離職票が届きません。
まず、退職した会社に確認してください。退職から2週間程度で届くのが一般的です。それでも届かない場合、ハローワークに相談すると、会社への確認をしてもらえることがあります。
自己都合なのに、会社都合になることはありますか?
あります。賃金の未払い、著しい長時間労働、採用時の条件との相違など、一定の場合には特定受給資格者として扱われることがあります。該当する可能性がある場合、証拠となる資料を持ってハローワークに相談してください。
給付額はどのくらいですか?
離職前の賃金を基に計算され、上限と下限が定められています。年齢や賃金額によって給付率が変わります。具体的な金額は、ハローワークでの手続き時に提示されます。
失業給付を受けると、転職に不利になりますか?
受給そのものが不利になることはありません。企業に受給の事実が伝わることもありません。ただし、離職期間が長くなると、面接でその期間の過ごし方を聞かれます。
10. まとめ:今日確認する3つのこと
失業給付は、次が決まる前に辞めた場合の制度です。
そして、自己都合退職では、申請から最初の振込まで2〜3ヶ月かかります。
この期間の生活費を持っていないなら、在職中に次を決める方が現実的です。
今日確認すること
① 現在の会社での雇用保険の加入期間を確認する(給与明細の雇用保険料の欄、または入社日から計算)
② 12ヶ月未満なら、前職の加入期間と通算できるかをハローワークに電話で確認する
③ 2〜3ヶ月分の生活費を手元に持っているかを確認する
目安時間:合計30分
③で足りない場合、在職中に転職活動を進めてください。
失業給付は、辞めた翌月から入ってくるものではありません。ここを誤解したまま辞めると、生活が厳しくなります。
なお、この記事の内容は一般的な整理です。個別の受給可否、金額、期間は、必ず住所地を管轄するハローワークで確認してください。
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- 会社都合退職とは|第二新卒が自己都合との違いと確認の手順を押さえる(会社都合との違い)
- 契約社員から正社員になる方法|登用制度と転職の使い分け(契約満了で辞める場合の整理)
- 退職金制度の見方|第二新卒が3年目で受け取れる額を確かめる(退職金の扱い)
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。