残業の申請と記録|第二新卒が自分を守る残し方【2026年版】
〜記録がないと、後から確かめられません〜
「今日は少し残ります」
この一言で済ませていると、記録が残りません。そして、記録がないと、後から確かめる手段がなくなります。
残業の申請は、手続きであると同時に、自分の働き方を記録に残す行為です。
この記事では、申請の型と、記録の残し方を整理します。
なお、労働時間や割増賃金の扱いは法令と会社の規程によって定められています。ここに書いているのは一般的な整理です。個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士など専門の窓口に確認してください。
1. 結論:押さえるのは3つ
残業で押さえる3点
① 会社の申請の手順を、入社時に確認する
② 申請の有無にかかわらず、自分でも記録を残す
③ 申請しづらい状況が続くなら、相談先がある
②が、後から効いてきます。
会社の記録と自分の記録が両方あると、確認が必要になったときに照らせます。
2. 申請の3つの型
会社によって、仕組みが違います。
| 型 | 内容 |
|---|---|
| 事前申請 | 残業する前に申請し、承認を得る |
| 事後申請 | 実績を後から入力する |
| 自動記録 | 入退室や端末の記録から集計される |
1つめの会社では、申請なしの残業が認められないことがあります。
急に発生した場合の手順も、あわせて確認してください。
確認する項目
- 申請は事前か事後か
- 誰が承認するか
- 急な残業の場合の手順
- 何分から申請の対象になるか
- 休日出勤の扱い
4つめは、15分単位や30分単位など会社によって違います。
3. 記録が必要な理由
自分のための記録です。
| 場面 | 記録が役立つこと |
|---|---|
| 業務量の相談 | 数字で伝えられる |
| 評価の面談 | 実際の稼働を示せる |
| 体調の管理 | 積み上がりが見える |
| 条件の確認 | 会社の記録と照らせる |
| 転職の判断 | 実際の働き方が分かる |
1つめが最も実用的です。
「忙しいです」ではなく「今月は◯時間の残業になっています」と言えると、調整の話になります。
記録に書くこと
- 日付
- 開始と終了の時刻
- 何をしていたか(一言)
- 申請したかどうか
3つめを書いておくと、何に時間がかかっているかが見えます。
記録の残し方
手帳でも、表計算でも構いません。
会社のシステムとは別に、自分の手元に残してください。
退職後にも確認できる形にしておくと、後で困りません。
残業の理由を分ける
同じ残業でも、原因が違います。
| 原因 | 対処の方向 |
|---|---|
| 業務量が多い | 分担、期限、優先順位の相談 |
| 自分の作業が遅い | 手順の見直し、慣れの問題 |
| 割り込みが多い | 時間帯を決めて対応する |
| 待ち時間がある | 他の作業を挟む |
| 会議が長い | 参加の要否を相談する |
2つめは、入社直後であれば自然なことです。
慣れるまでは時間がかかるので、そのこと自体を問題として扱わないでください。記録を取ると、月単位で短くなっていることが分かります。
4. 申請しづらいとき
実際に起こる状況です。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 申請しにくい空気がある | まず記録だけは残す |
| 上長に断られる | 理由を確認する |
| 申請の上限がある | 上限を超えた分の扱いを確認する |
| 持ち帰って作業している | それも記録に残す |
| 休憩が取れていない | 記録に残す |
1つめの場合も、記録は必ず残してください。
労働時間の扱いや、申請できない状況が続く場合の対応は、個別の事情によって判断が分かれます。疑問がある場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなど専門の窓口に相談できます。無料で相談できる窓口があります。
相談する順番
- 直属の上長に、業務量として相談する
- 人事に、制度として確認する
- 社外の窓口に相談する
1つめでは、感情ではなく時間で伝えてください。
「◯◯の業務に週△時間かかっています。優先順位を教えてください」という形です。
5. みなし残業がある場合
固定残業代が設定されている会社です。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 何時間分か | 月に何時間分が含まれるか |
| 金額 | 固定残業代がいくらか |
| 超えた場合 | 追加で支払われるか |
| 申請の要否 | 含まれる範囲でも申請するか |
3つめは、法令で定めがあります。
みなしの時間を超えた分の扱いについて疑問がある場合は、専門の窓口に確認してください。
記録は同じように残す
みなし残業がある場合も、実際の時間は記録してください。
設定された時間を超えているかどうかが、記録がないと分かりません。
6. 業務量として相談する
残業が続く場合の伝え方です。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 時間を集計する | 月ごと、業務ごと |
| 内訳を出す | 何にどれだけかかっているか |
| 削れる箇所を探す | 自分で見直せる部分 |
| 提案する | 優先順位、分担、期限の変更 |
3つめをやってから相談すると、話が進みます。
「減らしてください」だけでは、対応が難しくなります。
伝え方の例
「今月は◯時間の残業になっています。内訳は△△が半分を占めています。この業務の期限を1週間延ばすか、分担していただくことは可能でしょうか」
数字と提案を添えると、調整の話になります。
休日出勤の扱い
平日の残業とは、扱いが変わります。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 事前の申請 | 必要な会社が多い |
| 振替休日 | いつまでに取るか |
| 代休 | 制度があるか |
| 割増の扱い | 規程で定められている |
2つめは、期限が決まっていることがあります。
取り忘れると消えてしまう場合があるため、出勤した時点で振替の日も決めておいてください。
7. 体調への影響
長く続く場合の話です。
| 状態 | 対応 |
|---|---|
| 眠れない日が続く | 無理をせず、医療機関へ |
| 休日に回復しない | 業務量の見直しを相談する |
| 集中が続かない | 記録を持って上長に相談 |
| 数ヶ月続いている | 社内外の相談窓口へ |
まず休むことを優先してください。
体調に影響が出ている場合は、我慢して続けないでください。医療機関を受診するか、社内の相談窓口や外部の専門の窓口に相談してください。ここに書いているのは一般的な整理です。
記録が支えになる
体調の相談をする場面でも、稼働の記録は材料になります。
いつからどのくらいの状態が続いているかを、事実として示せます。
8. 転職先で確認すること
入社前と入社後の両方で確認します。
| 場面 | 確認すること |
|---|---|
| 面接 | 平均の残業時間、繁忙期の水準 |
| 労働条件通知書 | みなし残業の有無と時間数 |
| 入社時 | 申請の手順、承認者 |
| 入社後1ヶ月 | 実際の運用(申請しやすいか) |
4つめが、制度と運用の差を見る場面です。
制度があっても、使われていないことがあります。
面接での聞き方
「月平均の残業時間はどのくらいですか」
数字で答えが返ってくる会社は、把握して管理しています。
「人によります」だけの答えの場合は、繁忙期の水準も聞いてください。
9. よくある質問
残業の申請は、事前と事後のどちらですか
会社によります。事前申請の会社では、申請なしの残業が認められないことがあります。入社時に「残業の申請は事前ですか、事後ですか」「急に発生した場合はどうしますか」を確認してください。何分から対象になるかも、あわせて聞いておいてください。
自分でも記録を残すべきですか
残してください。日付、開始と終了の時刻、何をしていたか、申請したかどうかの4項目です。会社のシステムとは別に、自分の手元に残しておくと、業務量の相談や体調の相談をするときの材料になります。退職後も確認できる形にしてください。
申請しにくい空気があります
まず、記録だけは必ず残してください。そのうえで、業務量として上長に相談してください。労働時間の扱いや、申請できない状況が続く場合の対応は個別の事情によって判断が分かれるため、労働基準監督署や総合労働相談コーナーなど、無料で相談できる窓口を利用できます。
残業を減らしたいと伝えるには
数字と提案を添えてください。「今月は◯時間の残業になっています。内訳は△△が半分を占めています。この業務の期限を延ばすか、分担していただくことは可能でしょうか」という形です。「減らしてください」だけでは、対応が難しくなります。
みなし残業がある場合も、記録は必要ですか
必要です。設定された時間を超えているかどうかが、記録がないと分かりません。みなしの時間を超えた分の扱いについては法令で定めがあるため、疑問がある場合は専門の窓口に確認してください。実際の時間は、必ず残しておいてください。
持ち帰って作業した分は、どうしますか
その分も記録に残してください。扱いは会社の規程や実際の指示の有無によって判断が分かれるため、まず記録を残したうえで、上長に相談してください。判断に迷う場合は、労働基準監督署などの窓口で相談できます。
体調に影響が出ています
まず休むことを優先してください。眠れない日が続く、休日に回復しないといった状態であれば、無理をせず医療機関を受診してください。あわせて、社内の相談窓口や外部の専門の窓口に相談してください。稼働の記録があると、状況を事実として示せます。
面接で残業時間を聞いてもいいですか
聞いて構いません。「月平均の残業時間はどのくらいですか」は、条件の確認として自然な質問です。数字で答えが返ってくる会社は、把握して管理しています。「人によります」という答えの場合は、繁忙期の水準もあわせて聞いてください。
10. まとめ:申請の手順を知り、自分でも記録する
今週やる3つのこと
① 会社の残業の申請手順(事前か事後か、何分からか)を確認する
② 自分用の記録の様式を、4項目で作る
③ 今月の残業時間を集計してみる
残業の記録は、業務量の相談でも、体調の相談でも材料になります。
会社の記録とは別に、自分の手元に残してください。
なお、労働時間や割増賃金の扱いは法令と会社の規程によって定められています。個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士など専門の窓口に確認してください。
この先、読むべき記事
- 業務量が多すぎるとき|第二新卒が切り分けて相談する手順(業務量の相談)
- サービス残業がある職場|第二新卒が残す記録と判断の手順(記録の残し方)
- みなし残業を見抜く5項目|第二新卒が求人票の年収の中身を確認する手順(固定残業代の確認)
- 残業が少ない会社の見分け方|第二新卒が求人票と面接で確認する7項目(入社前の確認)
- 就業規則の読み方|第二新卒が入社後に確認する10項目(規程での確認)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。