転職とローン審査の順番|第二新卒が勤続年数で損しないための整理【2026年版】
転職を決めた後で、こう気づく人がいます。
「来年、家を買うつもりだった。転職したら審査に通らないのでは」
この心配は、半分正しく、半分は誤解です。
正しいのは、勤続年数が審査の項目に入っている場合があること。
誤解なのは、転職すると必ず通らなくなるという部分です。実際には、勤続年数を条件としない金融機関も存在します。
そして最も重要なのは、順番の問題だという点です。
同じ転職でも、ローンを先にするか、転職を先にするかで結果が変わります。この順番は、事前に知っていれば自分で選べます。
ただし、キャリアの判断をローンの都合だけで決めるのは本末転倒です。この記事は、順番を整理して余計な損を避けるためのものです。
なお、審査の基準は金融機関ごとに異なり、個別の可否はここでは判断できません。実際の申し込みの前には、必ず金融機関に直接確認してください。
1. 結論:確認することは3つ
1. 1年以内に、ローンやカードの申し込み予定があるか。あるなら、順番を先に考えます。
2. その申し込みに、勤続年数の条件があるか。金融機関によって違います。
3. 順番を決める。先に申し込むか、転職後まで待つかです。
1番目に該当しないなら、この記事の内容は気にする必要がありません。
| 予定 | 影響の大きさ |
|---|---|
| 住宅ローン | 大きい |
| 自動車ローン | 中 |
| 賃貸の入居審査 | 小〜中 |
| クレジットカード | 小 |
| 携帯電話の分割 | 小 |
影響が大きいのは、住宅ローンだけと考えて構いません。
2. なぜ勤続年数が見られるのか
返済が続くかどうかを判断する材料の一つだからです。
金融機関が見ているのは、次の4点です。
| 項目 | 見ている内容 |
|---|---|
| 収入 | 返済に対して十分か |
| 勤続年数 | 収入が続く見込みがあるか |
| 他の借入 | 返済の総額が過大でないか |
| 信用情報 | 過去の返済の状況 |
勤続年数は、収入の安定性を推測するための代理の指標です。
だから、勤続年数が短くても、他の項目が強ければ通る場合があります。
そして、勤続年数を条件としない金融機関もあります。
| 金融機関の型 | 勤続年数の扱い |
|---|---|
| 一部の民間金融機関 | 1年以上、または3年以上を条件とする場合がある |
| 住宅金融支援機構の商品 | 勤続年数を要件としない商品がある |
| ネット系の金融機関 | 条件が緩やかな場合がある |
「転職したから無理」ではなく、「条件に合う先を探す」という問題です。
具体的な条件は金融機関ごとに異なり、また変更されます。必ず最新の情報を直接確認してください。
3. 順番の決め方
判断は、次の表で整理できます。
| 状況 | おすすめの順番 |
|---|---|
| 半年以内に住宅ローンの予定がある | ローンを先に |
| 1年以上先の予定 | 転職を先に |
| 転職先が決まっていない | 転職を先に |
| 現職の継続が難しい | 転職を先に |
3行目と4行目に注意してください。
ローンのために転職を我慢する、という判断は慎重に考えてください。
現職を続けることが難しい状況であれば、健康や生活のほうが優先です。ローンは、時期をずらせば申し込めます。
「ローンを先に」を選ぶ場合の注意
ローンの審査中に転職すると、審査に影響が出る場合があります。
住宅ローンでは、申し込みから融資の実行までに数ヶ月かかります。この期間中に勤務先が変わると、審査のやり直しや条件の変更が生じることがあります。
だから、「ローンを先に」を選ぶなら、融資の実行が完了するまで転職を待つ形になります。
この期間が長く感じられる場合は、順番を逆にすることも検討してください。
4. 転職後にローンを申し込む場合
待つ期間の目安を整理します。
| 商品 | 目安 |
|---|---|
| 住宅ローン | 勤続1年以上を求める先が多い |
| 自動車ローン | 数ヶ月〜1年 |
| クレジットカード | 転職直後でも可の場合が多い |
| 賃貸の入居審査 | 転職直後でも可の場合が多い |
住宅ローン以外は、それほど気にする必要がありません。
そして、住宅ローンでも「1年」が絶対の条件ではありません。
次の場合は、勤続年数が短くても評価されることがあります。
- 同業種・同職種への転職で、年収が上がっている
- 転職前後で職務内容が連続している
- 転職回数が少ない
逆に、業種も職種も変わり、年収が下がっている場合は、慎重に判断されます。
転職直後でも申し込める場合がある
金融機関によっては、転職後すぐでも受け付ける商品があります。
その場合、雇用契約書や、転職前の源泉徴収票の提出が求められることがあります。
「勤続年数が足りないから」と諦める前に、複数の金融機関に条件を確認してください。条件は金融機関ごとに異なります。
5. 必要になる書類
転職後の申し込みでは、書類が増える場合があります。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 直近の年収の証明 |
| 給与明細 | 直近数ヶ月分 |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 現在の条件の証明 |
| 内定通知書 | 入社前に申し込む場合 |
| 在職証明書 | 在籍の証明 |
転職した年は、前職と現職の両方の源泉徴収票が必要になる場合があります。
前職の源泉徴収票は、退職後1ヶ月程度で送られてきます。これを失くすと再発行の依頼が必要になり、時間がかかります。
転職の際は、前職の源泉徴収票を必ず保管してください。ローンに限らず、確定申告や年末調整でも使います。
在籍確認について
ローンの審査では、勤務先への在籍確認が行われる場合があります。
方法は金融機関によって異なり、書類での確認で済む場合もあります。電話での確認が行われる場合、会社名を名乗らない形で行われるのが一般的です。
不安がある場合は、申し込みの際に確認の方法を金融機関に聞いてください。
6. 賃貸の入居審査
住宅ローンより、はるかに条件が緩やかです。
見られるのは、主に次の3点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収入と家賃の比率 | 家賃が月収の3分の1以内が目安 |
| 雇用形態 | 正社員かどうか |
| 保証会社の審査 | 信用情報の確認 |
勤続年数の比重は小さい。
ただし、離職中の場合は難易度が上がります。収入の証明が難しくなるためです。
転職と引っ越しが重なる場合は、内定が出てから物件を探すほうが確実です。内定通知書や雇用契約書を提出できれば、転職直後でも審査を通せる場合があります。
転職と引っ越しの順番
| 順番 | 難易度 |
|---|---|
| 内定後、入社前に契約 | 内定通知書があれば可の場合が多い |
| 入社後に契約 | 最も通りやすい |
| 離職中に契約 | 難しい場合がある |
3行目を避けるのが基本です。
7. クレジットカードと分割払い
影響は小さい項目です。
クレジットカードの審査では、勤続年数より信用情報の履歴のほうが重く見られます。
ただし、次の点は注意してください。
1. 転職後は、カード会社への勤務先の変更手続きが必要です。
多くの場合、規約で届出が求められています。変更しないまま放置すると、後の審査で不整合が出る場合があります。
2. 短期間に複数の申し込みをしない。
信用情報には、申し込みの履歴も記録されます。短期間に多数の申し込みがあると、審査に影響する場合があります。
3. 住宅ローンを予定しているなら、直前に新しい借入を作らない。
他の借入の総額は審査項目です。住宅ローンの申し込み前に自動車ローンを組むと、借入可能額に影響します。
8. 進め方の整理
1年以内にローンの予定がある場合、次の順で確認してください。
| 順番 | やること |
|---|---|
| 1 | 予定の時期を具体化する |
| 2 | 金融機関に勤続年数の条件を確認する |
| 3 | 条件を満たさない先を除外する |
| 4 | 残った選択肢で、順番を決める |
2番目を必ずやってください。
ネットの情報だけで判断すると、条件が古い場合があります。金融機関の窓口や公式サイトで、最新の条件を確認してください。
そして、この確認は転職前に行ってください。順番を選べるのは、転職前だけです。
キャリアの判断を優先する場合
ローンの都合でキャリアを止める必要は、多くの場合ありません。
第二新卒の年齢帯であれば、この先の年収の伸びのほうが、住宅ローンの条件より生活に与える影響が大きいという考え方もできます。
1年待てば申し込めるものと、時期を逃すと戻れないもの。この2つを比べて判断してください。
なお、住宅ローンをはじめとする借入は、個別の事情によって判断が大きく変わります。この記事は一般的な整理であり、具体的な判断については金融機関やファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談してください。
9. よくある質問
Q. 転職すると住宅ローンは組めなくなりますか
組めなくなるわけではありません。
勤続年数を条件とする金融機関では待つ必要がありますが、条件としない商品も存在します。選択肢が狭まる、という理解が正確です。
Q. 転職後どのくらい待てばいいですか
金融機関によって異なりますが、1年を一つの目安とする先が多い。
ただし、条件は金融機関ごとに異なるため、実際の可否は直接確認してください。
Q. 内定が出た段階で申し込めますか
商品によっては可能な場合があります。
内定通知書や雇用契約書の提出を求められることがあります。入社前の申し込みが可能かどうかは、金融機関に確認してください。
Q. 年収が上がる転職なら有利ですか
収入の項目では有利に働きます。
ただし、転職直後は前年の年収で判断される場合があります。年収が上がっていても、審査上の年収は前職の額になることがあります。
Q. 転職の予定を金融機関に伝えるべきですか
申し込みの時点で予定が確定しているなら、伝えてください。
審査中や融資の実行前に勤務先が変わると、審査のやり直しになる場合があります。後から発覚するほうが、手続きが複雑になります。
Q. 転職後、カード会社への届出は必要ですか
多くの場合、規約で求められています。
会員サイトから変更できることが多いので、転職後に一度確認してください。
Q. 賃貸の審査は転職直後でも通りますか
通る場合が多い。
内定通知書や雇用契約書があれば、入社前でも審査に対応してもらえる場合があります。離職中の申し込みが最も難しくなります。
Q. 転職回数が多いと不利ですか
審査項目に含まれる場合があります。
ただし、第二新卒の年齢帯で1〜2回であれば、大きな影響は考えにくい。詳細は金融機関に確認してください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 1年以内にローンやカードの予定があるかを確認する。なければ、この話は気にしなくて構いません。
2. 予定があるなら、金融機関に勤続年数の条件を直接聞く。ネットの情報ではなく、公式の窓口で確認してください。
3. 順番を決める。先に申し込むか、転職後まで待つか。選べるのは転職前だけです。
ローンの都合でキャリアを止める判断は、慎重にしてください。時期をずらせるものと、ずらせないものを比べて決めることが要点です。
この記事は一般的な整理です。個別の判断は、金融機関や専門家に確認してください。
この先、読むべき記事
- 転職とライフイベントが重なるとき|順番の決め方と伝え方(順番の考え方)
- 転職した年の年末調整|源泉徴収票をどうするか(源泉徴収票の扱い)
- 転職と引っ越しを同時に進める|入社日から逆算する段取り(引っ越しとの順番)
- 退職後の手続き|第二新卒がやる健康保険・年金・住民税・失業給付の全部(退職後の手続き全般)
- 労働条件通知書の読み方|入社前に見る11項目(提出書類の一つ)
- 転職活動にかかるお金|第二新卒が在職中と離職中で見積もる内訳(活動費用の見積もり)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。