転職した年の年末調整|源泉徴収票をどうするか【2026年版】
転職した年の11月ごろ、新しい会社から年末調整の書類が配られます。そこに「前職の源泉徴収票を提出してください」と書かれていて、初めて必要だと気づく人が多くいます。
前職を辞めてから数か月経っていて、書類がどこにあるか分からない。あるいは、そもそも受け取っていない。
これは、退職時の受け取り物のリストに入れておけば防げる問題です。そして、間に合わなかった場合の対処も決まっています。
この記事では、源泉徴収票をいつ受け取るのか、転職先にどう出すのか、間に合わなかったときにどうするのかを、時系列で整理します。なお、以下は一般的な流れであり、個別の判断は勤務先か税務署に確認してください。
1. 結論:やることは3つ
①前職から源泉徴収票を受け取る。退職後1か月以内に交付されるのが原則です。届いていなければ催促します。
②転職先の年末調整の締切までに提出する。多くの会社は11月中旬から12月上旬が締切です。
③間に合わなければ、自分で確定申告する。翌年の申告期間に手続きすれば済みます。詰みではありません。
最も多い失敗は、源泉徴収票を受け取っていないことに11月まで気づかないことです。退職したその月に確認してください。
2. 時系列で見る流れ
| 時期 | やること |
|---|---|
| 最終出社日 | 源泉徴収票の送付時期を確認する |
| 退職後1か月以内 | 源泉徴収票が届く(届かなければ催促) |
| 入社時 | 転職先に提出できるなら、その場で出す |
| 10〜11月 | 転職先から年末調整の書類が配られる |
| 11月中旬〜12月上旬 | 書類と源泉徴収票を提出 |
| 12月 | 年末調整が行われる |
| 翌年1〜2月 | 転職先から新しい源泉徴収票が交付される |
入社時に出せるなら、その場で出すのが最も確実です。11月まで持っていると、どこに置いたか分からなくなります。
同じ年に転職した場合が対象
年末調整で前職の源泉徴収票が必要になるのは、その年(1月1日〜12月31日)に前職の給与を受け取っている場合です。
前年12月に退職して、今年1月に入社した場合は、前職の給与は前年分なので、今年の年末調整には関係しません。
3. 編集長の実体験:11月に慌てた
私が第二新卒で転職したとき、退職したのが5月、入社したのが6月でした。年末調整のことは、まったく頭にありませんでした。
11月に、総務から書類が配られました。
総務「前職の源泉徴収票を、11月20日までに提出してください」
私「源泉徴収票……もらっていた気がします」
総務「入社時の書類には入っていませんでしたね」
家を探しましたが、見つかりませんでした。前職から届いた封筒を、開けずにどこかに置いた記憶がありました。
前職の総務に電話しました。
私「源泉徴収票を紛失してしまい、再発行をお願いできますでしょうか」
前職の総務「再発行はできます。ただ、今月は決算期で、対応に2週間ほどいただきます」
締切に間に合いませんでした。転職先の総務に相談すると、こう言われました。
総務「間に合わないなら、こちらでは前職分を含めない形で年末調整をします。年明けに、ご自身で確定申告をしてください」
翌年2月、確定申告に行きました。手続き自体は1時間ほどで終わりました。
私「思ったより簡単でした」
税務署の方「必要な書類がそろっていれば、それほど時間はかかりません」
間に合わなくても、詰みではありません。ただし、退職した月に確認していれば、この手間はゼロでした。
なお、退職時に受け取る書類は源泉徴収票だけではありません。離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳(預けている場合)もあわせて確認してください。まとめて届くこともあれば、別々に送られてくることもあります。
4. 源泉徴収票が届かないときの手順
| 段階 | やること |
|---|---|
| 1 | 前職の総務・人事に連絡し、発行状況と送付先を確認 |
| 2 | 送付先住所が古い場合は、現住所を伝えて再送を依頼 |
| 3 | 発行されていない場合は、発行を依頼して目安の日を聞く |
| 4 | 応じてもらえない場合は、税務署に相談する |
連絡先は、前職の総務か人事です。元上司ではありません。退職者への書類発行は総務の業務なので、そちらに直接連絡してください。
依頼の文面:
〇〇株式会社 総務ご担当者様
〇年〇月に退職いたしました〇〇と申します。源泉徴収票をまだ受け取っておりません。お手数ですが、下記の住所にお送りいただけますでしょうか。
(住所)
転職先の年末調整の提出期限が〇月〇日となっております。可能であれば、それまでにお送りいただけますと助かります。
期限を明示してください。期限がないと、後回しにされます。
住所変更を伝えていない場合
退職後に引っ越していると、旧住所に送られて戻っている可能性があります。まず住所を伝えてください。これで解決することが多くあります。
再発行を依頼するとき
紛失した場合も、同じ窓口に再発行を依頼できます。「紛失したため再発行をお願いします」と正直に伝えて構いません。珍しいことではありません。
ただし、決算期や繁忙期にあたると2週間ほどかかることがあります。11月に気づいてから依頼すると、締切に間に合いません。手元にあるかどうかは、10月中に確認してください。
5. 転職先に提出するもの
年末調整で提出するのは、源泉徴収票だけではありません。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 前職の源泉徴収票 | 同じ年に前職の給与がある場合 |
| 扶養控除等申告書 | 全員が提出 |
| 保険料控除申告書 | 保険に加入している場合 |
| 各種控除の証明書 | 保険会社などから10〜11月に届く |
| 国民年金・国民健康保険の支払証明 | 離職期間中に自分で払っていた場合 |
最後の項目を忘れる人が多くいます。退職から入社までの間に、国民年金や国民健康保険を自分で払っていた場合、その分も申告できます。
支払いの記録は、納付書の控えや、日本年金機構から届く控除証明書で確認できます。
控除証明書が届く時期
保険会社などからの証明書は、10月から11月にかけて郵送されてきます。年末調整の書類と一緒に保管してください。
源泉徴収票に書かれていること
受け取ったら、次の項目が入っているかを確認してください。
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 支払金額 | その年に前職から受け取った給与の総額 |
| 源泉徴収税額 | 給与から引かれた所得税 |
| 社会保険料等の金額 | 給与から引かれた社会保険料 |
| 支払者 | 前職の会社名と住所 |
「支払金額」がゼロや空欄になっている場合は、発行の対象期間がずれている可能性があります。その場合は前職に確認してください。
6. やってはいけない5つ
| 対応 | 何が起きるか |
|---|---|
| 退職時に源泉徴収票の確認をしない | 11月まで気づかない |
| 届いた封筒を開けずに放置する | どこにあるか分からなくなる |
| 前職への連絡を先延ばしにする | 再発行に時間がかかり、締切に間に合わない |
| 締切に間に合わないことを黙っている | 会社側の処理が止まる |
| 確定申告をしないまま放置する | 納めすぎた税金が戻らない可能性がある |
4番目は必ず避けてください。間に合わないと分かった時点で、転職先の総務に伝えると、前職分を含めない形で処理してもらえます。
締切に間に合わないと分かったとき
転職先の総務にすぐ伝えてください。文面は次の通りです。
年末調整の件です。前職の源泉徴収票の再発行を依頼しており、締切に間に合わない見込みです。前職分を含めない形で処理していただき、こちらで確定申告をする形でよろしいでしょうか。
この連絡があれば、会社側は処理を進められます。黙っていると、全体の締切が遅れます。
7. 確定申告になる場合
次のいずれかに当てはまる場合は、自分で確定申告することになります。
- 前職の源泉徴収票が締切に間に合わなかった
- 年内に転職先へ入社しなかった(12月31日時点で在職していない)
- 年末調整で処理できない控除がある
手続きは翌年の申告期間に行います。必要なものは次の通りです。
| 必要なもの | 備考 |
|---|---|
| 前職と現職の源泉徴収票 | すべての勤務先分 |
| 各種控除の証明書 | 保険料など |
| 本人確認書類 | — |
| 口座情報 | 還付を受け取る口座 |
納めすぎた税金がある場合は、確定申告をすることで戻ります。年の途中で退職して、離職期間があった場合は、この可能性が高くなります。
具体的な必要書類や手続きの方法は年によって変わることがあるため、国税庁の案内か、最寄りの税務署で確認してください。
保管しておく期間
転職先から交付される新しい源泉徴収票も、捨てずに保管してください。住宅の契約、各種のローンの審査、保育所の申込などで求められることがあります。
年ごとにまとめて、他の重要書類と同じ場所に置いておくと探す手間がなくなります。
8. 進め方と時間配分
| 段階 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 最終出社日 | 3分 | 源泉徴収票の送付時期を総務に確認 |
| 退職の翌月 | 5分 | 届いたか確認。届いていなければ連絡 |
| 受け取ったら | 5分 | 開封して、他の重要書類とまとめて保管 |
| 入社時 | 3分 | 出せるなら、その場で提出 |
| 11月 | 30分 | 年末調整の書類を記入して提出 |
合計1時間もかかりません。最初の3分の確認が、11月の慌ただしさをなくします。
9. よくある質問
源泉徴収票はいつもらえますか
退職後1か月以内に交付されるのが原則です。会社によっては、最終給与の支払い後にまとめて送られてきます。最終出社日に送付時期を確認しておいてください。
前職に連絡したくありません
総務や人事への事務的な連絡なので、元上司とやり取りする必要はありません。メールでも対応してもらえることが多いです。
前職が倒産していて連絡が取れません
税務署に相談してください。手続きの方法が案内されます。給与明細が残っていれば、それが資料になることがあります。
年末調整に間に合わなかったらどうなりますか
翌年に自分で確定申告をすれば済みます。不利益はありません。転職先の総務には、間に合わない旨を早めに伝えてください。
離職期間中に払った国民年金は申告できますか
できます。支払いを証明する書類が必要なので、納付書の控えや控除証明書を保管しておいてください。
12月に入社した場合はどうなりますか
12月31日時点で在職していれば、転職先で年末調整の対象になります。ただし入社直後で書類の提出が間に合わない場合は、確定申告になることがあります。総務に確認してください。
アルバイトの分も申告が必要ですか
その年に給与を受け取っていれば、原則として対象になります。アルバイト先からも源泉徴収票を受け取ってください。
確定申告は難しいですか
必要な書類がそろっていれば、それほど複雑ではありません。税務署の窓口でも案内を受けられます。不安な場合は、書類を持って相談に行ってください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
年末調整でつまずくのは、ほぼ全員が「源泉徴収票を受け取ったかどうかを確認していない」ことが原因です。
1. すでに退職している人は、源泉徴収票が手元にあるか今日確認する。ない場合は、前職の総務に今週中に連絡してください。再発行には時間がかかります。
2. これから退職する人は、最終出社日に送付時期を聞く。「源泉徴収票はいつ頃お送りいただけますか」の一言です。3分で終わります。
3. 離職期間中に払った保険料の書類を探す。納付書の控えや控除証明書があれば、年末調整で申告できます。
間に合わなくても確定申告で解決します。ただし、手間は10倍になります。今のうちに確認してください。
なお、この記事は一般的な流れの整理です。個別の状況については、勤務先の総務か税務署に確認してください。
この先、読むべき記事
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- 最終出社日にやること|第二新卒が返すもの・受け取るものの全リスト(受け取り物のリスト)
- 離職票が届かないとき|催促の順番と代わりの手続き(書類が届かないとき)
- 給与明細の見方|提示年収と手取りの差を埋める(給与と控除の見方)
- 退職時に求められる書類の確認|サインする前に読む(退職時の書類)
- 転職とローン審査の順番|第二新卒が勤続年数で損しないための整理(源泉徴収票の使い道)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。