自分の市場価値を測る|第二新卒が外の情報で確かめる4つの方法【2026年版】
「今の自分は、外に出て通用するのか」——転職を考え始めた人が最初にぶつかる問いです。そして、この問いには社内にいる限り答えが出ません。社内の評価は社内の基準で決まっているので、外での評価とは別のものだからです。
多くの人は、ここで2つの極端に振れます。「自分なんて評価されるわけがない」と動く前に諦めるか、逆に「今の評価がそのまま通用するはず」と過信するか。どちらも、外の情報を見ていないという点では同じです。
この記事では、自分の経験が社外でどう見られるかを確かめる4つの方法を整理します。目的は自信をつけることでも、身の程を知ることでもなく、判断のための材料を1つ増やすことです。棚卸しそのものはキャリアの棚卸しを1枚のシートで|書類も面接もここから作るにまとめています。
1. 結論:測るのは「値段」ではなく「需要のある場所」
市場価値というと年収の話に見えますが、実際に確かめるべきはもう少し手前です。
| 測るもの | 分かること | 使い道 |
|---|---|---|
| 需要のある場所 | 自分の経験を求めている業界・職種 | 応募先の選び方 |
| 評価される部分 | 経験のどこが見られているか | 書類と面接の組み立て |
| 足りない部分 | 求人の要件で満たしていない条件 | 今の会社で積むもの |
| 条件の相場 | 同じ経験でどのくらいの提示か | 交渉と比較の基準 |
いきなり年収だけを見ると、判断を誤ります。同じ経験でも、需要のある場所とない場所で提示額はまったく変わるからです。順番としては、場所を先に、値段を後に見ます。
2. なぜ社内の評価では測れないのか
| 社内の評価 | 社外の評価 |
|---|---|
| その会社の基準で決まる | その職種の一般的な基準で決まる |
| 社内でしか使えない知識も評価される | 持ち出せる経験だけが見られる |
| 関係性や勤続年数が影響する | 初対面の情報だけで判断される |
| その会社の等級の枠に収まる | 会社ごとに枠が違う |
とくに2つ目が大きい差です。社内システムに詳しい、独自の手続きを回せる、社内の誰に聞けばよいか分かっている——これらは社内では価値がありますが、外に出た瞬間にゼロになります。逆に、社内では当たり前とされている業務が、外では評価されることもあります。
3. 方法1:求人票の要件と自分を突き合わせる
いちばん手軽で、いちばん情報量があるやり方です。
手順
- 自分の職種名で求人を10件開く
- 「必須」の欄だけを抜き出して並べる
- 満たしているものに印をつける
- 満たしていないものが何回出てきたかを数える
4番目が要点です。10件中8件で求められている条件を満たしていないなら、それが今の自分の弱点です。1件だけに出てきた条件は、その会社の事情なので気にしなくて構いません。
読み取れること
| 状態 | 意味 | 次の動き |
|---|---|---|
| 必須をほぼ満たしている | その職種で通用する経験がある | 応募して確かめる |
| 半分ほど満たしている | 歓迎条件で補える可能性 | 近い職種も広げて見る |
| ほとんど満たしていない | 職種が合っていないか、経験が浅い | 別の職種で同じ作業をする |
必須と歓迎の線引きは求人の「必須」と「歓迎」の読み方|満たしていなくても出せる線引きにまとめています。
4. 方法2:スカウトの中身を見る
登録して届くスカウトは、企業側から見た自分の評価が形になったものです。
| 見るところ | 読み取れること |
|---|---|
| どんな職種から来るか | 自分の経歴がどう読まれているか |
| どんな業界から来るか | 需要のある場所 |
| 本文が自分の経歴に触れているか | 個別に読まれたかどうか |
| 提示されている条件の幅 | おおよその相場感 |
一斉配信のスカウトは判断材料になりません。本文に自分の経歴の具体が入っているものだけを見てください。件数の多さより、内容の個別性のほうが情報として価値があります。
注意点として、現職に活動が知られないための設定は先に済ませてください。公開範囲の設定は転職サイトが会社にバレるのを防ぐ|第二新卒がやるべき5つの設定、スカウトの読み方はスカウト型転職サイトの使い方|第二新卒が登録直後にやる3つの設定を参考にしてください。
5. 方法3:エージェントの面談で聞く
第三者に読んでもらうと、自分では気づかない部分が出てきます。
| 聞くこと | 得られる情報 |
|---|---|
| この経歴だとどんな求人が出せるか | 需要のある場所 |
| 経歴のどこが評価されそうか | 前に出すべき経験 |
| 何が足りないと見られるか | 補うべき部分 |
| 同じような経歴の人はどこへ行くか | 選択肢の広がり |
| 提示の相場はどのくらいか | 条件の基準 |
ただし、担当者1人の意見は1つのサンプルにすぎません。2社ほど聞いて、共通して言われたことだけを情報として扱うのが安全です。1社だけの評価を鵜呑みにすると、その担当者が持っている求人の範囲に引っ張られます。
面談で聞かれることは転職エージェントの面談|第二新卒が聞かれる12のことと準備しておくもの、こちらから確認したいことはエージェント初回面談で聞くべき12の質問|担当者の力量も分かるにまとめています。
6. 方法4:条件の相場を分解して見る
年収は1つの数字に見えますが、中身は分かれています。
| 見る項目 | 確認すること |
|---|---|
| 固定給と変動給の比率 | 安定して受け取れる部分はいくらか |
| みなし残業の有無と時間 | 提示額に何時間分が含まれるか |
| 賞与の実績 | 年収に含まれている前提かどうか |
| 手当の条件 | 該当しなくなると下がるか |
| 昇給の仕組み | 入社後にどう動くか |
提示額の比較は、この5つを揃えてからでないと意味がありません。同じ400万円でも中身がまったく違うことがあります。分解の手順は求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順、上がる転職と上がらない転職の分かれ目は年収が上がる転職と上がらない転職|分かれ目は3つあるにまとめています。
なお、年収や待遇の話は個別の事情に左右されます。ここに書いているのは一般的な整理であり、税や社会保険の扱いを含む具体的な計算は、専門機関に確認してください。
7. 測った結果をどう使うか
材料が揃ったら、判断は3つに分かれます。
| 結果 | 判断 | 次の動き |
|---|---|---|
| 需要のある場所が複数見つかった | 動く価値がある | 応募して実際の反応を見る |
| 足りない条件が明確になった | 今の会社で積める可能性 | その業務に関われるよう動く |
| 今の会社の条件のほうが良い | 残る合理性がある | 社内で評価を上げる方向へ |
「測ったら残ることにした」は、まったく失敗ではありません。むしろ根拠を持って残れるようになったという点で、測る前とは状態が違います。社内で動かせる範囲は異動願いと転職はどちらを先に出すか|社内で動かせる範囲を確かめる、残るか出るかの判断は転職するか残るか|第二新卒が5つの軸で決めきるための判断表にまとめています。
8. 測るときに気をつけること
| 避けたいこと | 理由 |
|---|---|
| 1社の評価で結論を出す | 担当者の持ち求人に左右される |
| 年収だけで判断する | 働き方や仕事内容が抜ける |
| 同世代と比べる | 職種と業界が違えば比較にならない |
| 診断ツールの結果を鵜呑みにする | 入力した情報の範囲でしか出ない |
| 測ることを目的にする | 調べ続けて動かなくなる |
いちばん多いのが5つ目です。情報を集め続けるのは安全に見えますが、実際の反応は応募しないと分かりません。ある程度材料が揃ったら、1件応募して確かめるほうが早く進みます。診断ツールの位置づけは適性診断はどこまで使えるか|第二新卒が結果を職種選びに落とす方法、情報源ごとの性質は転職の情報をどこから取るか|情報源の性質を見分けるを参考にしてください。
9. よくある質問
経験が2年しかなくても測れますか
測れます。むしろ経験が浅い時期のほうが、求人票の必須要件と突き合わせる作業は簡単です。満たしていない条件が多く出るのは自然なので、そこから「どの職種なら要件が近いか」を探す使い方になります。
登録すると転職を迫られませんか
サービスによっては連絡が多くなることがあります。最初の面談で「今は情報収集の段階です」と伝えておくと、進め方を調整してもらえることが一般的です。急かされた場合は、自分の判断を優先して構いません。
現職に知られずに測る方法はありますか
求人票を読む、相場の情報を見るだけであれば登録は不要です。スカウトサービスを使う場合は、現職の社名を検索対象から除外する設定などを先に済ませてください。設定の手順は別記事にまとめています。
診断ツールの結果は信じてよいですか
入力した情報の範囲でしか結果が出ないため、参考の1つとして扱うのが適切です。求人票との突き合わせやエージェントの面談など、外部からの評価と組み合わせると精度が上がります。
市場価値が低いと分かったら落ち込みませんか
結果が思わしくないときほど、次にやることが明確になります。要件を満たしていない項目が分かれば、今の会社でその業務に関わる、学習で埋めるといった具体策が立ちます。分からないまま不安でいるより、対処ができる状態です。
何社くらいのエージェントに聞けばよいですか
2社程度で十分です。1社だとその担当者の持つ求人の範囲に偏り、3社以上だと連絡の管理が負担になります。共通して言われたことだけを情報として扱うと、精度が保てます。
測った結果、今の会社に残ることにしてもよいですか
問題ありません。根拠を持って残る判断ができるようになったという点で、測る前とは状態が違います。足りない条件が分かっていれば、社内で何を積むかも決められます。
定期的に測り直すべきですか
年に1回程度、求人票の必須要件を見直す習慣があると、自分の経験が市場でどう扱われているかの変化に気づけます。転職を前提としなくても、社内での動き方を考える材料になります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
市場価値は、社内にいる限り分かりません。ただし外に出なくても、求人票を読むところから測り始められます。順番は、需要のある場所を先に、値段を後に。
今週やる3つのこと
① 自分の職種名で求人を10件開き、必須要件だけを書き出す
② 満たしていない条件のうち、何度も出てくるものに印をつける
③ その1つについて、今の会社で経験を積める余地があるか確かめる
測ることは、動くための準備であって、動く決断そのものではありません。材料が揃えば、残るにせよ出るにせよ、理由が自分の言葉になります。
この先、読むべき記事
- キャリアの棚卸しを1枚のシートで|書類も面接もここから作る(自分の経験を並べる)
- 転職するか残るか|第二新卒が5つの軸で決めきるための判断表(判断の軸)
- 求人の「必須」と「歓迎」の読み方|満たしていなくても出せる線引き(要件の読み方)
- 年収が上がる転職と上がらない転職|分かれ目は3つある(条件が動く仕組み)
- 強みの見つけ方|第二新卒が自分では気づけない3つの探し方(評価される部分を知る)
- 目標の数字が届かない月が続くとき|第二新卒が「向いていない」と決める前の4つの切り分け(成果が出ていないと感じるとき)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。