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本人希望記入欄の書き方|第二新卒が「特になし」で損しない3パターン【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約16分
本人希望記入欄の書き方|第二新卒が「特になし」で損しない3パターン【2026年版】

〜この欄を空欄にする人と、条件を並べる人。どちらも損をしています〜

履歴書の最後にある「本人希望記入欄」。ここで手が止まる人は多いです。

書きすぎると条件の多い人だと思われそうで、かといって「特になし」では意欲がないように見える。どちらも避けたくて、結局「貴社規定に従います」と書く——これが最も多いパターンです。

結論を先に言うと、「貴社規定に従います」は正解の一つです。ただし、書いたほうがいい場面が3つあります。

この記事では、書くべきケース・書かなくていいケースを分けたうえで、例文10パターンを用意しました。

1. 結論:この欄の使い方は3通りしかない

① 希望が特にない → 「貴社規定に従います」

これが最も多いケースで、まったく問題ありません。空欄にせず、この一文を書いてください。空欄は記入漏れと区別がつかないため、それだけで減点される可能性があります。

② 伝えないと困ることがある → 簡潔に書く

在職中で連絡がつく時間が限られる、勤務地に制約がある、入社可能日が先になる。これらは、書かないとかえって選考の途中で問題になります。

③ 応募職種を指定する必要がある → 書く

複数の職種を同時募集している企業に応募する場合、どの職種の応募かをここで明記します。これは希望というより、事務的に必要な情報です。

この3つ以外のことは、原則として書かないでください。

2. なぜ「書きすぎ」で損をするのか

本人希望記入欄に条件を並べると、書類全体の印象が変わります。

書いた内容採用側が受け取るもの
「年収450万円以上を希望します」条件が合わなければ辞退する人。選考前に判断される
「残業は月20時間以内を希望します」業務量への懸念。配属を検討する前に躊躇される
「土日祝は必ず休みたいです」シフト制の職場では、応募段階で不適合になる
「転勤は不可です」全国転勤がある企業では、選考対象から外れる
上記を複数並べる条件で選んでいる印象。志望度が低いと読まれる

重要なのは、これらの希望を持つこと自体は何も悪くないという点です。問題は伝えるタイミングです。

年収も勤務地も残業時間も、面接の後半か、内定後の条件交渉で伝えるのが標準的な順序です。応募書類の段階で書くと、相手はまだあなたのことを知らないため、条件だけで判断されてしまいます。

逆に言えば、「今は書かない」だけで、後で交渉する権利は何も失いません。

3. 編集長の実体験:この欄で1社落とした話

私の第二新卒の転職活動で、1社だけ、明らかにこの欄が原因で落ちたと思っている応募があります。

当時、在職中で、平日の日中は電話に出られませんでした。それを書こうとして、こう書いたのです。

最初に書いたもの

「現在在職中のため、平日日中の連絡は難しい状況です。また、面接は平日18時以降または土曜日を希望いたします。入社は内定後2ヶ月以降を希望します。年収は現職(420万円)以上を希望いたします。」

書類は落ちました。エージェント経由ではない直接応募だったので、理由は分かりません。ただ、後日、別の会社の人事の方に見せる機会があり、こう言われました。

人事の方「これ、4つ条件が書いてありますよね。面接時間、連絡時間、入社日、年収。どれも普通の希望なんですけど、4つ並ぶと『調整が大変そうな人』に見えます」

「どれも本当に必要なことなんですが……」

人事の方「必要なのは分かります。でも、書類の段階で必要なのは1つだけですよ。『連絡がつく時間』だけ。面接日程は連絡が来てから調整すればいいし、入社日と年収は内定が出てからの話です」

そのとおりでした。以降、私はこう書くようにしました。

書き直したもの

「現在在職中のため、平日日中はお電話に出られない場合がございます。恐れ入りますが、メールでご連絡いただけますと幸いです。」

この1文だけです。面接日程も入社日も年収も、連絡が来てから調整すれば全部済みました。

本人希望記入欄に書くのは、「今この時点で伝えないと相手が困ること」だけ——これが結論です。

4. 書くべきこと・書かないこと

書くべきこと書かないこと
在職中で連絡可能な時間帯・手段年収の希望額
応募職種の指定(複数職種を募集している場合)残業時間の上限
勤務地の制約(家庭の事情など、動かせないもの)休日・シフトの希望
入社可能日(内定後すぐに入社できない事情がある場合)配属部署の希望(募集単位でない限り)
資格取得の予定(応募条件に関わる場合)服装・座席・その他の職場環境
障がいや配慮が必要な事項(伝えたい場合)前職への不満や退職理由

「勤務地の制約」について補足します。希望ではなく制約の場合のみ書いてください。「できれば東京がいい」は書かない。「介護の事情により、関西圏での勤務を希望します」は書く。後者は、書かないと入社後に問題になるため、先に伝えるほうが双方にとって良い判断です。

5. 例文10パターン

例文①:特に希望がない場合(最も多い)

貴社規定に従います。

例文②:在職中で連絡時間に制約がある

現在在職中のため、平日日中はお電話に出られない場合がございます。恐れ入りますが、メールにてご連絡いただけますと幸いです。

例文③:在職中で、面接日程にも制約がある

現在在職中のため、平日日中の連絡が難しい状況です。ご連絡はメールでいただけますと幸いです。面接日程につきましては、可能な限り調整いたしますので、ご都合をお知らせください。

例文④:応募職種を指定する

営業職(法人向け)を希望いたします。その他の条件は貴社規定に従います。

例文⑤:入社可能日を伝える

現在在職中のため、内定をいただいてから1ヶ月半程度で入社が可能です。引き継ぎの状況により調整いたしますので、ご相談させてください。その他は貴社規定に従います。

例文⑥:勤務地に制約がある

家庭の事情により、関西圏(大阪・兵庫・京都)での勤務を希望いたします。その他の条件は貴社規定に従います。

例文⑦:転勤について確認したい

転勤の可能性について、選考の中でご説明いただけますと幸いです。その他は貴社規定に従います。

例文⑧:資格取得予定がある

本年◯月に日商簿記2級の試験を受験予定です。その他の条件は貴社規定に従います。

例文⑨:複数の勤務地から選べる募集の場合

勤務地は東京本社を第一希望といたしますが、他拠点でも対応可能です。その他は貴社規定に従います。

例文⑩:配慮を伝えたい場合

通院のため、月に1度、平日午前の時間をいただけますと幸いです。業務への支障はございません。その他の条件は貴社規定に従います。

6. よくある5つの失敗

失敗なぜ問題かどうするか
空欄で提出する記入漏れと区別がつかない「貴社規定に従います」を書く
「特になし」と書くやや素っ気ない印象になる同じ意味なら「貴社規定に従います」
年収の希望を書く選考前に条件で判断される内定後の条件交渉で伝える
条件を4つ以上並べる調整が難しい人と見られる「今伝えないと困ること」1つに絞る
退職理由や不満を書く欄と勘違いする場所が違う。読み手が混乱する退職理由は志望動機か面接で

「特になし」について補足します。これ自体が減点になることはほぼありませんが、「貴社規定に従います」のほうが、書類全体のトーンに合います。手間は同じなので、後者を使ってください。

7. 面接で追撃される3つの質問

本人希望記入欄に何か書いた場合、その内容は面接で確認されます。

Q1.「勤務地の希望について、詳しく教えてください」

勤務地の制約を書いた場合、必ず聞かれます。「なぜその地域か」と「どのくらい動かせないか」の2点を答えてください。「家族の介護があり、現時点では通える範囲での勤務を希望しています」のように、事情と範囲をセットで伝えます。

Q2.「入社はいつから可能ですか」

入社可能日を書いた場合の確認です。「引き継ぎに1ヶ月、有給消化を含めて1ヶ月半程度を見込んでいます」のように、内訳まで言えると、段取りができている印象になります。

Q3.「他に希望される条件はありますか」

この質問が、年収や働き方を伝えるタイミングです。書類に書かなかったことは、ここで伝えて構いません。ただし、一次面接ではなく、二次面接以降か最終面接で聞かれることが多いです。一次で聞かれた場合は「現時点では特にございません。業務内容を詳しく伺ったうえで、あらためてご相談させてください」と返しても問題ありません。

8. 年収の希望は、いつ・どう伝えるか

本人希望記入欄に書かない代わりに、年収はどこで伝えるのか。順序は決まっています。

タイミング何をするか
書類提出時書かない(希望年収欄が別にある場合のみ記入)
エージェント面談時担当者に率直に伝える。以降は担当者が交渉する
一次面接聞かれたら「業務内容を伺ったうえでご相談させてください」
最終面接・内定前聞かれたら具体的に答える。根拠も添える
内定後交渉のタイミング。提示額に対して相談する

転職サイトの応募フォームに「希望年収」欄がある場合は、そこに記入してください。その場合は、履歴書の本人希望記入欄に重ねて書く必要はありません。

記入する場合の書き方

「450万円」と単一の数字を書くより、「現職の年収420万円を踏まえ、450万円程度を希望しますが、業務内容に応じてご相談させてください」のように、幅と相談の余地を残す書き方が実務的です。

9. よくある質問

空欄でも大丈夫ですか?

避けてください。採用担当から見ると、空欄は「書き忘れ」と区別がつきません。他の欄も見落としがあるのではないかという疑いにつながります。「貴社規定に従います」の8文字で解決します。

「貴社規定に従います」は消極的に見えませんか?

見えません。中途採用の履歴書では最も一般的な記載で、採用側もそれを前提に読んでいます。むしろ、条件を並べた履歴書のほうが目立ちます。

在職中であることは、どこに書けばいいですか?

本人希望記入欄が最も適切です。職歴欄には「現在に至る」と書き、本人希望記入欄で連絡時間の制約を伝えます。これが標準的な書き分けです。

希望年収の欄がある場合は書くべきですか?

欄がある場合は書いてください。空欄だと記入漏れになります。書き方は第8章の通り、現職の年収を根拠にして幅を持たせるのが実務的です。「貴社規定に従います」でも問題ありませんが、その場合は提示額に対して後から交渉することになります。

転勤できないことを書くと不利になりますか?

全国転勤が前提の企業では、選考に影響する可能性があります。ただし、書かずに内定後や入社後に伝えるほうが、双方にとって問題が大きくなります。本当に動かせない制約なら、先に書くほうが結果的に良い選択です。転勤の有無が募集要項に書かれていない場合は、例文⑦のように「確認したい」という形で書く方法もあります。

複数の職種に応募したい場合はどうしますか?

原則として、1つの履歴書につき1職種です。複数職種に興味がある場合、本人希望記入欄に第一希望を書き、面接で他の職種にも関心がある旨を伝えるのが自然です。「営業職を希望しますが、カスタマーサクセス職にも関心があります」と書く方法もありますが、志望の軸がぼやける可能性があるため、第一希望を明確にしてください。

面接日程の希望は書いていいですか?

在職中で制約がある場合のみ書いてください。「土曜希望」「18時以降希望」という条件だけを単独で書くと、調整の手間を先に提示する形になります。例文③のように、「可能な限り調整します」という一文を添えると、印象が変わります。

体調や配慮事項は書くべきですか?

業務に影響がある場合は書いたほうが、入社後の齟齬を防げます。ただし、詳細な病名などを書く必要はありません。例文⑩のように、「必要な配慮」と「業務への支障の有無」を簡潔に書けば十分です。書くかどうかは本人の判断で、書かないことによる不利益はありません。

10. まとめ:今夜やる3つのこと

本人希望記入欄は、「何を書くか」より「何を書かないか」で決まる欄です。

今夜やること

① 自分が伝えたい条件を全部書き出す(年収、勤務地、休日、入社日、なんでも)

② そのうち、「今伝えないと相手が困ること」だけに丸をつける(たいてい0〜1個です)

③ 丸がついたものを1〜2文にまとめる。丸が0個なら「貴社規定に従います」で完成

②で丸がつかなかった条件は、消えるわけではありません。面接の後半か内定後に伝えます。順序を変えるだけで、書類の印象がまったく変わります。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。