本人希望記入欄の書き方|第二新卒が「特になし」で損しない3パターン【2026年版】
〜この欄を空欄にする人と、条件を並べる人。どちらも損をしています〜
履歴書の最後にある「本人希望記入欄」。ここで手が止まる人は多いです。
書きすぎると条件の多い人だと思われそうで、かといって「特になし」では意欲がないように見える。どちらも避けたくて、結局「貴社規定に従います」と書く——これが最も多いパターンです。
結論を先に言うと、「貴社規定に従います」は正解の一つです。ただし、書いたほうがいい場面が3つあります。
この記事では、書くべきケース・書かなくていいケースを分けたうえで、例文10パターンを用意しました。
1. 結論:この欄の使い方は3通りしかない
① 希望が特にない → 「貴社規定に従います」
これが最も多いケースで、まったく問題ありません。空欄にせず、この一文を書いてください。空欄は記入漏れと区別がつかないため、それだけで減点される可能性があります。
② 伝えないと困ることがある → 簡潔に書く
在職中で連絡がつく時間が限られる、勤務地に制約がある、入社可能日が先になる。これらは、書かないとかえって選考の途中で問題になります。
③ 応募職種を指定する必要がある → 書く
複数の職種を同時募集している企業に応募する場合、どの職種の応募かをここで明記します。これは希望というより、事務的に必要な情報です。
この3つ以外のことは、原則として書かないでください。
2. なぜ「書きすぎ」で損をするのか
本人希望記入欄に条件を並べると、書類全体の印象が変わります。
| 書いた内容 | 採用側が受け取るもの |
|---|---|
| 「年収450万円以上を希望します」 | 条件が合わなければ辞退する人。選考前に判断される |
| 「残業は月20時間以内を希望します」 | 業務量への懸念。配属を検討する前に躊躇される |
| 「土日祝は必ず休みたいです」 | シフト制の職場では、応募段階で不適合になる |
| 「転勤は不可です」 | 全国転勤がある企業では、選考対象から外れる |
| 上記を複数並べる | 条件で選んでいる印象。志望度が低いと読まれる |
重要なのは、これらの希望を持つこと自体は何も悪くないという点です。問題は伝えるタイミングです。
年収も勤務地も残業時間も、面接の後半か、内定後の条件交渉で伝えるのが標準的な順序です。応募書類の段階で書くと、相手はまだあなたのことを知らないため、条件だけで判断されてしまいます。
逆に言えば、「今は書かない」だけで、後で交渉する権利は何も失いません。
3. 編集長の実体験:この欄で1社落とした話
私の第二新卒の転職活動で、1社だけ、明らかにこの欄が原因で落ちたと思っている応募があります。
当時、在職中で、平日の日中は電話に出られませんでした。それを書こうとして、こう書いたのです。
最初に書いたもの
「現在在職中のため、平日日中の連絡は難しい状況です。また、面接は平日18時以降または土曜日を希望いたします。入社は内定後2ヶ月以降を希望します。年収は現職(420万円)以上を希望いたします。」
書類は落ちました。エージェント経由ではない直接応募だったので、理由は分かりません。ただ、後日、別の会社の人事の方に見せる機会があり、こう言われました。
人事の方「これ、4つ条件が書いてありますよね。面接時間、連絡時間、入社日、年収。どれも普通の希望なんですけど、4つ並ぶと『調整が大変そうな人』に見えます」
私「どれも本当に必要なことなんですが……」
人事の方「必要なのは分かります。でも、書類の段階で必要なのは1つだけですよ。『連絡がつく時間』だけ。面接日程は連絡が来てから調整すればいいし、入社日と年収は内定が出てからの話です」
そのとおりでした。以降、私はこう書くようにしました。
書き直したもの
「現在在職中のため、平日日中はお電話に出られない場合がございます。恐れ入りますが、メールでご連絡いただけますと幸いです。」
この1文だけです。面接日程も入社日も年収も、連絡が来てから調整すれば全部済みました。
本人希望記入欄に書くのは、「今この時点で伝えないと相手が困ること」だけ——これが結論です。
4. 書くべきこと・書かないこと
| 書くべきこと | 書かないこと |
|---|---|
| 在職中で連絡可能な時間帯・手段 | 年収の希望額 |
| 応募職種の指定(複数職種を募集している場合) | 残業時間の上限 |
| 勤務地の制約(家庭の事情など、動かせないもの) | 休日・シフトの希望 |
| 入社可能日(内定後すぐに入社できない事情がある場合) | 配属部署の希望(募集単位でない限り) |
| 資格取得の予定(応募条件に関わる場合) | 服装・座席・その他の職場環境 |
| 障がいや配慮が必要な事項(伝えたい場合) | 前職への不満や退職理由 |
「勤務地の制約」について補足します。希望ではなく制約の場合のみ書いてください。「できれば東京がいい」は書かない。「介護の事情により、関西圏での勤務を希望します」は書く。後者は、書かないと入社後に問題になるため、先に伝えるほうが双方にとって良い判断です。
5. 例文10パターン
例文①:特に希望がない場合(最も多い)
貴社規定に従います。
例文②:在職中で連絡時間に制約がある
現在在職中のため、平日日中はお電話に出られない場合がございます。恐れ入りますが、メールにてご連絡いただけますと幸いです。
例文③:在職中で、面接日程にも制約がある
現在在職中のため、平日日中の連絡が難しい状況です。ご連絡はメールでいただけますと幸いです。面接日程につきましては、可能な限り調整いたしますので、ご都合をお知らせください。
例文④:応募職種を指定する
営業職(法人向け)を希望いたします。その他の条件は貴社規定に従います。
例文⑤:入社可能日を伝える
現在在職中のため、内定をいただいてから1ヶ月半程度で入社が可能です。引き継ぎの状況により調整いたしますので、ご相談させてください。その他は貴社規定に従います。
例文⑥:勤務地に制約がある
家庭の事情により、関西圏(大阪・兵庫・京都)での勤務を希望いたします。その他の条件は貴社規定に従います。
例文⑦:転勤について確認したい
転勤の可能性について、選考の中でご説明いただけますと幸いです。その他は貴社規定に従います。
例文⑧:資格取得予定がある
本年◯月に日商簿記2級の試験を受験予定です。その他の条件は貴社規定に従います。
例文⑨:複数の勤務地から選べる募集の場合
勤務地は東京本社を第一希望といたしますが、他拠点でも対応可能です。その他は貴社規定に従います。
例文⑩:配慮を伝えたい場合
通院のため、月に1度、平日午前の時間をいただけますと幸いです。業務への支障はございません。その他の条件は貴社規定に従います。
6. よくある5つの失敗
| 失敗 | なぜ問題か | どうするか |
|---|---|---|
| 空欄で提出する | 記入漏れと区別がつかない | 「貴社規定に従います」を書く |
| 「特になし」と書く | やや素っ気ない印象になる | 同じ意味なら「貴社規定に従います」 |
| 年収の希望を書く | 選考前に条件で判断される | 内定後の条件交渉で伝える |
| 条件を4つ以上並べる | 調整が難しい人と見られる | 「今伝えないと困ること」1つに絞る |
| 退職理由や不満を書く欄と勘違いする | 場所が違う。読み手が混乱する | 退職理由は志望動機か面接で |
「特になし」について補足します。これ自体が減点になることはほぼありませんが、「貴社規定に従います」のほうが、書類全体のトーンに合います。手間は同じなので、後者を使ってください。
7. 面接で追撃される3つの質問
本人希望記入欄に何か書いた場合、その内容は面接で確認されます。
Q1.「勤務地の希望について、詳しく教えてください」
勤務地の制約を書いた場合、必ず聞かれます。「なぜその地域か」と「どのくらい動かせないか」の2点を答えてください。「家族の介護があり、現時点では通える範囲での勤務を希望しています」のように、事情と範囲をセットで伝えます。
Q2.「入社はいつから可能ですか」
入社可能日を書いた場合の確認です。「引き継ぎに1ヶ月、有給消化を含めて1ヶ月半程度を見込んでいます」のように、内訳まで言えると、段取りができている印象になります。
Q3.「他に希望される条件はありますか」
この質問が、年収や働き方を伝えるタイミングです。書類に書かなかったことは、ここで伝えて構いません。ただし、一次面接ではなく、二次面接以降か最終面接で聞かれることが多いです。一次で聞かれた場合は「現時点では特にございません。業務内容を詳しく伺ったうえで、あらためてご相談させてください」と返しても問題ありません。
8. 年収の希望は、いつ・どう伝えるか
本人希望記入欄に書かない代わりに、年収はどこで伝えるのか。順序は決まっています。
| タイミング | 何をするか |
|---|---|
| 書類提出時 | 書かない(希望年収欄が別にある場合のみ記入) |
| エージェント面談時 | 担当者に率直に伝える。以降は担当者が交渉する |
| 一次面接 | 聞かれたら「業務内容を伺ったうえでご相談させてください」 |
| 最終面接・内定前 | 聞かれたら具体的に答える。根拠も添える |
| 内定後 | 交渉のタイミング。提示額に対して相談する |
転職サイトの応募フォームに「希望年収」欄がある場合は、そこに記入してください。その場合は、履歴書の本人希望記入欄に重ねて書く必要はありません。
記入する場合の書き方
「450万円」と単一の数字を書くより、「現職の年収420万円を踏まえ、450万円程度を希望しますが、業務内容に応じてご相談させてください」のように、幅と相談の余地を残す書き方が実務的です。
9. よくある質問
空欄でも大丈夫ですか?
避けてください。採用担当から見ると、空欄は「書き忘れ」と区別がつきません。他の欄も見落としがあるのではないかという疑いにつながります。「貴社規定に従います」の8文字で解決します。
「貴社規定に従います」は消極的に見えませんか?
見えません。中途採用の履歴書では最も一般的な記載で、採用側もそれを前提に読んでいます。むしろ、条件を並べた履歴書のほうが目立ちます。
在職中であることは、どこに書けばいいですか?
本人希望記入欄が最も適切です。職歴欄には「現在に至る」と書き、本人希望記入欄で連絡時間の制約を伝えます。これが標準的な書き分けです。
希望年収の欄がある場合は書くべきですか?
欄がある場合は書いてください。空欄だと記入漏れになります。書き方は第8章の通り、現職の年収を根拠にして幅を持たせるのが実務的です。「貴社規定に従います」でも問題ありませんが、その場合は提示額に対して後から交渉することになります。
転勤できないことを書くと不利になりますか?
全国転勤が前提の企業では、選考に影響する可能性があります。ただし、書かずに内定後や入社後に伝えるほうが、双方にとって問題が大きくなります。本当に動かせない制約なら、先に書くほうが結果的に良い選択です。転勤の有無が募集要項に書かれていない場合は、例文⑦のように「確認したい」という形で書く方法もあります。
複数の職種に応募したい場合はどうしますか?
原則として、1つの履歴書につき1職種です。複数職種に興味がある場合、本人希望記入欄に第一希望を書き、面接で他の職種にも関心がある旨を伝えるのが自然です。「営業職を希望しますが、カスタマーサクセス職にも関心があります」と書く方法もありますが、志望の軸がぼやける可能性があるため、第一希望を明確にしてください。
面接日程の希望は書いていいですか?
在職中で制約がある場合のみ書いてください。「土曜希望」「18時以降希望」という条件だけを単独で書くと、調整の手間を先に提示する形になります。例文③のように、「可能な限り調整します」という一文を添えると、印象が変わります。
体調や配慮事項は書くべきですか?
業務に影響がある場合は書いたほうが、入社後の齟齬を防げます。ただし、詳細な病名などを書く必要はありません。例文⑩のように、「必要な配慮」と「業務への支障の有無」を簡潔に書けば十分です。書くかどうかは本人の判断で、書かないことによる不利益はありません。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
本人希望記入欄は、「何を書くか」より「何を書かないか」で決まる欄です。
今夜やること
① 自分が伝えたい条件を全部書き出す(年収、勤務地、休日、入社日、なんでも)
② そのうち、「今伝えないと相手が困ること」だけに丸をつける(たいてい0〜1個です)
③ 丸がついたものを1〜2文にまとめる。丸が0個なら「貴社規定に従います」で完成
②で丸がつかなかった条件は、消えるわけではありません。面接の後半か内定後に伝えます。順序を変えるだけで、書類の印象がまったく変わります。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。