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Webディレクターの自己PR|第二新卒の例文6パターンと進行管理の書き方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
Webディレクターの自己PR|第二新卒の例文6パターンと進行管理の書き方【2026年版】

Webディレクターの自己PRで、未経験の応募者はだいたいこう書きます。

「Webに興味があり、制作の現場で幅広く関わりたいと考えています」

これは自己PRではなく、志望動機の劣化版です。しかも、その志望動機ですら弱い。

Webディレクターの仕事は、作ることではありません。「決める人と作る人の間に立って、期日までに形にする」ことです。デザインもコードも書かない日のほうが多い職種です。

だから採用担当が見ているのは、Webの知識ではなく、「複数の人を巻き込んで、期日までに何かを終わらせた経験があるか」です。

この観点で見ると、未経験でも書ける材料を持っている人はかなり多い。営業でも事務でも販売でも、段取りをして人を動かした経験は必ずあります。

この記事では、未経験から書ける材料の探し方、数字の出し方、例文6パターン、そして面接での追撃質問への答え方を整理します。

1. 結論:入れる要素は3つ

Webディレクターの自己PRに必要な要素は、次の3つです。

  1. 複数の人が関わる仕事を、期日までに終わらせた経験
  2. 間に立って調整した経験(板挟みになったときの動き方)
  3. Webの基礎知識を自分で学んでいる事実

1番目と2番目が本体です。3番目は添え物ですが、無いと「思いつきの志望」に見えます。

順番も重要です。多くの人は3番目から書き始めます。

「独学でHTMLとCSSを学び、簡単なサイトを制作しました」

これを冒頭に置くと、実務経験がないことを自分から強調する形になります。

ディレクターは作る人ではないので、制作スキルは評価の中心ではありません。冒頭は必ず、前職で人を動かした経験から始めてください。

冒頭に書くもの読み手の反応
独学の制作物「実務は無いのか」
Webへの興味「志望動機と同じ」
前職の進行管理経験「即戦力の芽がある」
前職の調整経験「一番欲しい部分だ」

2. なぜ「Webに興味があります」では通らないのか

理由は単純で、応募者全員が書いているからです。

Webディレクターは未経験歓迎の求人が比較的多く、その分だけ応募が集まります。書類の段階で数十通を見る採用担当にとって、「興味がある」は差になりません。

もう一つ、決定的な理由があります。

興味は、続くかどうかの証拠にならないからです。

Webディレクターの離職理由で多いのは、仕事の中身が想像と違ったというものです。作る仕事だと思って入ったら、実際は見積もりと日程調整と修正依頼の伝達だった、というパターンです。

だから採用担当は、地味な調整業務に耐えられる人かどうかを書類から読み取ろうとしています。

応募者が書きがちなこと採用担当が知りたいこと
Webが好き締切を守り切れるか
制作に関わりたい板挟みで折れないか
幅広く経験したい複数案件を並行できるか
デザインの勉強をした人に指示を出せるか

右の列に答えているかどうかが、通る書類と落ちる書類の差です。

そして右の列は、Web業界の経験がなくても答えられます。

3. 未経験から書ける材料の探し方

前職の中から、次の条件に当てはまる仕事を探してください。

  • 自分以外に2人以上が関わっていた
  • 期日が決まっていた
  • 途中で予定が変わった

この3つが揃っていれば、それはディレクション経験です。職種は関係ありません。

具体例を挙げます。

前職使える経験
営業見積もりから納品まで社内3部署と調整した
販売店舗の催事を企画し、本部と業者の間で日程を組んだ
事務月次の資料を各部署から集めて期日までにまとめた
接客シフトを組み、当日の欠員に対応した
製造工程の遅れを察知して前後の担当に連絡した

「自分が作業した」ではなく「自分が段取りした」経験を探すのがコツです。

「催促した経験」は書いていい

多くの人が省いてしまうのが、人に催促した経験です。

期日を守らない相手に連絡を入れる、締切前に進み具合を確認する、という仕事は地味なので実績として認識されにくい。しかしWebディレクターの日常業務の相当部分がこれです。

書き方は、催促そのものではなく催促しなくて済むようにした工夫まで書くと強くなります。

「提出遅れが常態化していたため、期日の3日前に確認の連絡を入れる運用に変え、遅延を月4件から1件に減らした」。

この一文があるだけで、進行管理の実感が伝わります。

4. 例文6パターン

そのまま使える形で6つ用意しました。数字と固有名詞を自分のものに差し替えてください。

例文1:営業からの応募(社内調整型)

前職では法人向けの提案営業を担当し、受注後の納品まで一貫して関わっていました。1件の案件で制作、物流、経理の3部署と調整する必要があり、常時5〜8件を並行して進行していました。部署ごとに動ける日程が異なるため、着手日を逆算して依頼順を組み替える運用を作り、納期遅延を年間7件から1件に減らしています。決める人と作る人の間に立って形にする仕事に手応えを感じ、Webディレクターを志望しました。基礎知識として、HTMLとCSSの構造、および制作工程の流れを独学で学んでいます。

例文2:販売からの応募(催事の進行)

前職ではアパレル店舗で販売を担当し、2年目から店舗催事の企画と進行を任されていました。本部の承認、什器業者の手配、スタッフのシフト調整を並行して行い、企画決定から実施まで平均3週間で組み上げていました。途中で本部の指示が変わることが多く、変更点をその日のうちに関係者へ伝える連絡の順番を決めておくことで、手戻りを最小限に抑えています。関係者が多い仕事を期日までにまとめる進め方を、Web制作の現場で活かしたいと考えています。

例文3:事務からの応募(期日管理型)

前職では管理部門で月次報告の取りまとめを担当していました。7部署から資料を集めて期日までに1本にまとめる業務で、提出遅れが常態化していた状態から着手しています。期日の3日前に進み具合を確認する運用に変え、様式を統一して記入項目を12から6に減らした結果、遅延件数は月4件から1件になりました。人に動いてもらう仕事の設計に関心を持ち、Webディレクターを志望しています。

例文4:Web制作の実務が少しある場合

前職では広告代理店の営業アシスタントとして、Webバナーとランディングページの制作進行を補助していました。月に10〜15本の制作物について、原稿の受け取り、デザイナーへの依頼、修正指示の集約を担当しています。修正が3往復以上になる案件が多かったため、初回の依頼時に参考例と禁止事項を添える形式に変えたところ、平均往復数が3.2回から1.8回に減りました。制作進行の設計をより上流から担いたいと考え、ディレクター職を志望しています。

例文5:接客・サービスからの応募

前職では宿泊施設のフロント業務を担当し、3年目から日次の業務割り当てを任されていました。当日の欠員や団体客の予定変更が頻繁に起こる環境で、優先順位を都度組み替えて対応しています。特に、変更が起きたときに誰に何を伝えるかを事前に決めた連絡表を作り、伝達漏れによるトラブルを大幅に減らしました。予定通りに進まない前提で段取りを組む経験は、Web制作の進行管理でも活きると考えています。

例文6:ITサポートからの応募

前職では社内システムのヘルプデスクを担当し、月間約200件の問い合わせに対応していました。うち月10件程度は開発ベンダーへの改修依頼となるため、利用者の要望を仕様の言葉に置き換えてベンダーへ渡す役割を担っています。要望をそのまま伝えると認識のずれが起きるため、画面の該当箇所と再現手順を必ず添える形式に統一し、差し戻しを減らしました。使う人と作る人の間を訳す仕事に適性を感じ、Webディレクターを志望しています。

5. 数字の出し方

Webディレクターの自己PRで使える数字は、売上ではありません。

使えるのは次の5種類です。

数字の種類具体例
並行案件数常時5〜8件を進行
関係者の数社内3部署、外部2社
期間企画から実施まで3週間
回数の変化修正往復3.2回→1.8回
遅延の変化月4件→1件

最も強いのは4番目と5番目です。何かが減った、という数字は改善した証拠になります。

数字が思い出せない場合は、次の順で当たってください。

  1. 当時のカレンダーや手帳
  2. 前職の社内資料(持ち出していない範囲で記憶を辿る)
  3. 同期や元同僚への確認

それでも出ない場合は、幅で書いてください。「常時5〜8件」「月10件程度」で構いません。

やってはいけないのは、盛ることです。面接で内訳を聞かれたときに答えられず、その1問で終わります。

数字が本当に一つも無い場合

新卒1年目で退職した場合など、実績と呼べる数字が無いことはあります。

その場合は、頻度と種類で代替してください。

「週に2回、他部署への確認業務を担当していた」「取り扱う書式は5種類あり、それぞれ提出先が異なった」。

回数と種類は、規模ではなく複雑さを伝えます。ディレクターの評価軸は規模より複雑さなので、これで十分に成立します。

6. 落ちる自己PR5つ

書き方どう受け取られるか
「Webに興味があります」全員が書く
独学の制作物から書き始める実務が無いことの強調
「幅広く経験を積みたい」何をしたいのか不明
「コミュニケーション能力が高い」根拠が無い
前職の作業内容だけを書く段取りした経験が見えない

4番目に補足します。

Webディレクターの募集要項には、ほぼ必ず「コミュニケーション能力」と書かれています。そのため応募者もその言葉を使いますが、言葉をなぞっただけの文章は逆効果です。

必要なのは、意見が食い違ったときにどう動いたかという具体です。

「クライアントの要望と制作側の工数が合わず、優先順位を3段階に分けて提示し、上位2つを納期内、残りを次回対応として合意した」。

この一文のほうが、能力という単語100個より効きます。

7. 面接で追撃される3問

質問1:「作る側ではなく、なぜ管理する側なのですか」

未経験者に必ず聞かれます。制作職を目指していて妥協した人ではないか、を確認する質問です。

答え方は、作る仕事を検討した上で選んだという構造にしてください。

「デザインとコーディングも独学で触りましたが、自分が手を動かすより、関係者の予定と要望を組み立てて形にするほうが成果が出やすいと感じました。前職でも、自分が売るより社内の段取りを整えたときのほうが結果が良かった経験があります」

比較した上での選択だと示すのが要点です。

質問2:「板挟みになったとき、どう動きますか」

この職種の本質を突く質問です。

「両方の意見を聞きます」で終わると落ちます。聞いた後にどう決めるかが問われています。

「まず、譲れない条件を双方から一つずつ聞き出します。多くの場合、片方は納期、片方は品質です。その上で、削れる範囲を具体的に提示して選んでもらいます。判断を自分で抱え込まず、選択肢の形にして返すようにしています」

決める人に決めさせる、という発想を示せると強い。

質問3:「複数の案件が同時に遅れたら、どうしますか」

実務の再現性を見る質問です。

「遅れの原因が自分の側か相手の側かで分けます。相手待ちのものは即座に催促し、自分の作業が残っているものは着手順を組み替えます。その上で、間に合わないものが確定した時点で、隠さずに早く報告します」

最後の「早く報告する」を必ず入れてください。ディレクターの失敗の大半は、遅れを抱え込むことで起きます。

8. 応募先別の書き分け

応募先強調する材料
制作会社並行案件数、納期を守った実績
事業会社のWeb部門社内調整、部署間の巻き取り
広告代理店外部業者との折衝、修正対応
受託と自社の両方変更への対応力

制作会社は件数、事業会社は調整範囲を見ています。

制作会社は同時に多数の案件が走るため、並行処理の実績が刺さります。事業会社は社内の関係部署が多いため、部署をまたいだ経験が刺さります。

この2つは、同じ経験でも書く順番を変えるだけで印象が変わります。件数を先に書くか、関係部署の数を先に書くか、だけの違いです。

9. よくある質問

Q. 制作の知識はどこまで必要ですか

書類の段階では、工程の名前と順番が言える程度で十分です。

要件定義、設計、デザイン、実装、テスト、公開。この流れと、それぞれで何が決まるかを説明できれば、面接の会話は成立します。

コードを書ける必要はありません。

Q. ポートフォリオは必要ですか

ディレクター職では必須ではありません。デザイナー職とは違います。

ただし、独学で作ったサイトがあるなら添えて損はありません。評価されるのは完成度ではなく、「一つのものを最後まで終わらせた」という事実のほうです。

Q. 「未経験可」の求人でも自己PRは必要ですか

必要です。未経験可の求人ほど応募が集まるので、むしろ差がつきます。

未経験可は、実務経験を問わないという意味であって、書類の質を問わないという意味ではありません。

Q. 年齢は不利になりますか

第二新卒の年齢帯であれば、ほぼ影響しません。

Webディレクターは20代後半から未経験で入る人も多く、社会人経験が2〜3年ある人は歓迎されやすい層です。むしろ新卒より、前職で段取りを経験している分だけ有利になる場面があります。

Q. 前職が短期間でも書けますか

書けます。期間の短さは、書く内容の濃さで補ってください。

1年でも、担当した案件の数と関わった人数は書けます。期間を隠すのではなく、その期間で何を並行していたかを具体的に書くほうが効果があります。

Q. 資格は評価されますか

ディレクター職では、資格の影響は小さいです。

強いて挙げるならウェブ解析士やWebデザイン技能検定がありますが、「持っているから採る」という職種ではありません。学習の意欲を示す補助材料として扱われます。

Q. 給与は下がりますか

未経験からの転職では、下がる場合があります。

ただし下げ幅と回復の速さは会社によって差が大きいため、求人票の給与レンジの下限だけでなく、上限と昇給の頻度を必ず確認してください。1年目の年収より、3年目の想定年収のほうが判断材料になります。

Q. 自己PRと志望動機で内容が被ってしまいます

役割を分けてください。

自己PRは「これまで何ができたか」、志望動機は「なぜこの会社か」です。

自己PRに会社への言及を入れる必要はありません。最後の1文だけ職種への接続を書けば十分です。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 前職から「2人以上が関わり、期日があり、途中で変わった仕事」を3つ書き出す。これがディレクション経験の材料です。

2. その3つについて、並行数・関係者数・回数の変化を数字にする。幅で構いません。

3. 冒頭を前職の経験から始める形に書き直す。独学の話は最後の1文に移してください。

「Webに興味があります」を使わずに書けたら完成です。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。