広告代理店の自己PR|第二新卒の例文6パターンと納期と修正を回した経験【2026年版】
広告代理店の自己PRで、応募者はこう書きます。
「昔から広告が好きで、人の心を動かす仕事に関わりたいと考えています」
この書き方は、ほぼ全員が使います。
そして、代理店の採用担当が知りたいのは、そこではありません。
知りたいのは、「短い納期の中で、複数の関係者を動かして、形にできるか」です。
広告代理店の仕事は、企画を考えることより、企画を通し、修正を回し、期日までに出稿まで持っていくことに時間を使います。
クライアントの意見が変わる、制作の日程が押す、媒体の枠が埋まる。この3つが同時に起きる中で、それでも出す。これがこの仕事の実態です。
だから、他業界からでも書ける材料は多い。期日が動く中で、人を動かして形にした経験があれば、それが本体になります。
この記事では、書ける材料、営業と制作進行での書き分け、数字の出し方、例文6パターン、そして面接での追撃質問への答え方を整理します。
1. 結論:入れる要素は3つ
- 納期が動く中で、期日までに出した経験
- 複数の関係者の間で調整した経験
- 修正や差し戻しを減らす工夫をした経験
3番目が、最も差がつきます。
代理店の業務で最も時間を食うのが、修正の往復です。これを減らした経験がある人は、書類の段階で明確に評価されます。
| 書くもの | 示していること |
|---|---|
| 期日までに出した | 納期の感覚がある |
| 関係者の間で調整した | 板挟みで動ける |
| 修正を減らした | 進め方を設計できる |
「広告が好き」は、書くとしても最後の1文に留めてください。
好きであることは前提として扱われており、差にはなりません。
2. なぜ「広告が好き」では通らないのか
この業界の離職の主因が、業務の実態とのずれだからです。
| 想像されがちな仕事 | 実際に時間を使う仕事 |
|---|---|
| 企画を考える | 見積もりと日程の調整 |
| クリエイティブに関わる | 修正指示の集約と伝達 |
| プレゼンをする | 進行表の更新と確認 |
| 世に出る作品を作る | 媒体の枠の押さえ、入稿の確認 |
右側が日常です。
そして、右側を正確に速く回せる人が、左側の仕事を任されるようになります。順番が逆ではありません。
だから、右側の経験を書ける人は、業界未経験でも強い。
「予定が崩れた中で出した」経験を書く
この経験が、最も評価されます。
「先方の要望が着手後に変わることが多く、変更が発生した時点で影響する工程を洗い出し、当日中に関係者へ伝える運用にしていました。結果として、納期の遅延は年7件から1件に減っています」
この一文は、代理店の実務そのものです。
前職が営業でも事務でも製造でも、予定が崩れた経験は必ずあります。そのときにどう動いたかを書いてください。
3. 営業と制作進行で書き分ける
代理店の職種は、大きく2つに分かれます。
| 職種 | 主な仕事 |
|---|---|
| 営業(アカウント) | 提案、予算の管理、社内の取りまとめ |
| 制作進行・運用 | 制作の管理、入稿、配信の運用 |
営業職に応募する場合
数字と、社内を巻き込んだ経験を厚く書いてください。特に、社内の制作部門と組んで提案を作った経験は、そのまま活きます。
制作進行に応募する場合
件数と、修正の往復を減らした経験を厚く書いてください。並行して扱った案件数が、最も伝わる数字です。
求人票でどちらかを見分ける
| 記載 | 職種 |
|---|---|
| 「アカウントプランナー」「営業」 | 営業 |
| 「制作進行」「プロダクションマネージャー」 | 制作進行 |
| 「運用コンサルタント」 | 運用 |
| 「メディアプランナー」 | 媒体の企画 |
運用職は、数字を見て改善する仕事です。この場合は、数字を分解して手を打った経験を書いてください。
4. 例文6パターン
そのまま使える形で6つ用意しました。数字と固有名詞を自分のものに差し替えてください。
例文1:法人営業から(営業職向け)
前職では法人向けの提案営業を担当し、受注後の納品まで一貫して関わっていました。1件の案件で社内3部署と調整する必要があり、常時5〜8件を並行して進行しています。着手後に先方の要望が変わることが多かったため、変更が出た時点で影響する工程を洗い出し、当日中に関係者へ伝える運用を作りました。結果として、納期の遅延は年7件から1件に減っています。予定が動く前提で段取りを組む進め方を、広告の現場で活かしたいと考えています。
例文2:制作会社の進行補助から(制作進行向け)
前職では制作会社で進行の補助を担当し、月に10〜15本の制作物を扱っていました。原稿の受け取り、デザイナーへの依頼、修正指示の集約が主な業務です。修正が3往復以上になる案件が多かったため、初回の依頼時に参考例と禁止事項を添える形式に変えたところ、平均往復数が3.2回から1.8回に減りました。制作進行の設計により深く関わりたいと考え、広告代理店を志望しています。
例文3:販売・店舗から
前職ではアパレル店舗で販売を担当し、2年目から店舗催事の企画と進行を任されていました。本部の承認、什器業者の手配、スタッフのシフト調整を並行して行い、企画決定から実施まで平均3週間で組み上げています。途中で本部の指示が変わることが多く、変更点をその日のうちに関係者へ伝える連絡の順番を決めておくことで、手戻りを抑えていました。関係者が多い仕事を期日までにまとめる進め方を、広告の現場で活かしたいと考えています。
例文4:事務・アシスタントから
前職では営業アシスタントとして、5名の営業担当が扱う案件の資料作成と社内調整を担当していました。月に約60件の見積もりと、30件の提案資料を扱っています。担当ごとに依頼の形式が異なり確認の往復が発生していたため、依頼書の様式を統一し、必要項目を先に埋めてもらう形に変更しました。結果として、1件あたりの作成時間は平均40分から25分に短縮しています。
例文5:Web運用の経験がある場合(運用職向け)
前職では自社のWeb広告の運用を補助として担当し、月間予算約300万円分の配信を扱っていました。配信の成果が伸び悩んだ際、数字を表示回数、反応率、獲得単価に分解したところ、表示回数は変わらず反応率のみが低下していました。訴求の文言を3種類に分けて配信し、反応率が高いものに寄せた結果、獲得単価は3ヶ月で18%改善しています。数字を分解して手を打つ進め方を、代理店の運用でも続けたいと考えています。
例文6:接客・サービスから
前職では宿泊施設のフロント業務を担当し、3年目から日次の業務割り当てを任されていました。当日の欠員や団体客の予定変更が頻繁に起こる環境で、優先順位を都度組み替えて対応しています。変更が起きたときに誰に何を伝えるかを事前に決めた連絡表を作り、伝達漏れによるトラブルを大幅に減らしました。予定通りに進まない前提で段取りを組む経験は、広告の進行管理でも活きると考えています。
5. 数字の出し方
代理店の自己PRで使える数字は5種類です。
| 数字 | 例 |
|---|---|
| 並行件数 | 常時5〜8件、月10〜15本 |
| 関係者の数 | 社内3部署、外部2社 |
| 期間 | 企画決定から実施まで3週間 |
| 往復・手戻りの変化 | 3.2回→1.8回 |
| 予算規模 | 月間300万円分 |
4番目が最も強い。
減った数字は、改善した証拠になります。並行件数や関係者数は業務量を示すだけですが、往復の減少は工夫の結果です。
予算規模は書けるなら書く
営業職の応募では、扱った金額が判断材料になります。
ただし、守秘義務に触れない範囲で書いてください。クライアント名は書かず、「月間約300万円分」「年間約5,000万円規模」といった表現に留めます。
具体的な取引先名や、公開されていない取引条件は書かないでください。
6. 落ちる自己PR5つ
| 書き方 | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「広告が好き」 | 全員が書く |
| 好きな広告の話をする | 消費者の視点のみ |
| 「クリエイティブに関わりたい」 | 仕事の中身を知らない |
| 数字が一つもない | 業務量が不明 |
| 「体力には自信があります」 | 他に書くことがない |
2番目に補足します。
「印象に残っている広告」を語る書類は、意外と多い。
これは消費者としての感想であり、作る側の話ではありません。
どうしても書きたい場合は、「なぜそれが効いたのか」の分析まで書いてください。ターゲット、掲載媒体、時期。分析があれば、作る側の視点として成立します。
7. 面接で追撃される3問
質問1:「納期が厳しい業界ですが、耐えられますか」
必ず聞かれます。離職の主因だからです。
「体力があります」で終わらせないでください。
「前職でも常時5〜8件を並行しており、予定が動く前提で組んでいました。厳しい納期そのものより、変更が伝わらないまま進むことのほうが負荷が大きいと感じています。変更が出た時点で関係者に伝える運用を作ることで、対応してきました」
「どう対処してきたか」を答えるのが正解です。
質問2:「クライアントの要望が制作側の工数と合わないとき、どうしますか」
「まず、要望のどこが必須で、どこが希望なのかを確認します。全部を同じ優先度で扱うと工数が収まらないためです。その上で、必須の部分を納期内、残りを次の回に分ける案を提示して、選んでいただきます」
「選んでもらう」形にできると、実務の理解があると判断されます。
質問3:「広告のどの部分に関わりたいですか」
ここで「クリエイティブ」とだけ答えると、業務を理解していないと見られます。
「入社当初は、進行と数字の管理から入るものと理解しています。まずは案件を正確に回せるようになった上で、企画の段階から関わっていきたいと考えています」
順番を理解していることを示してください。
8. 応募先別の書き分け
| 応募先 | 強調する材料 |
|---|---|
| 総合代理店 | 社内調整、関係者の多さ |
| ネット専業 | 数字の分解、改善の実績 |
| 制作会社寄り | 並行件数、修正の削減 |
| 事業会社の広告部門 | 社内調整、予算の管理 |
2行目に補足します。
ネット専業の代理店では、数字を扱った経験が最も評価されます。
広告への興味より、数字を分解して改善した経験のほうが刺さります。この場合、前職が広告と無関係でも構いません。
「表示回数×反応率×単価」のような分解ができる人は、業界未経験でも通ります。
9. よくある質問
Q. 未経験でも広告代理店に入れますか
第二新卒の年齢帯であれば、入口はあります。
特に、ネット専業の代理店では第二新卒の採用が継続的に行われています。総合代理店は新卒中心の傾向がありますが、中途枠がないわけではありません。
Q. 学歴は影響しますか
会社によって差があります。
大手総合代理店では学歴の傾向が出ますが、ネット専業や中小の代理店では実務経験の比重が高くなります。応募先の幅を広げるほうが現実的です。
Q. 激務だと聞きますが実際はどうですか
会社と部署で差が大きく、一律には言えません。
面接で「繁忙期はいつで、そのときの平均的な稼働はどのくらいですか」と具体的に聞いてください。抽象的な質問だと抽象的な答えしか返りません。
Q. ポートフォリオは必要ですか
営業職・進行職では不要です。
制作職(デザイナー、コピーライター)では必要ですが、この記事が対象とする職種では求められません。
Q. 資格は評価されますか
影響は小さいです。
Web広告系の認定資格がありますが、「持っているから採る」職種ではありません。学習の意欲を示す補助材料として扱われます。
Q. 年収はどのくらいですか
会社の規模と職種で幅が大きく、一律には言えません。
求人票では、固定残業代の有無と時間数を必ず確認してください。この業界では、固定残業代が含まれている求人が多く、額面だけでは比較できません。
Q. 数字を扱う職種と、企画の職種はどちらが入りやすいですか
数字を扱う職種のほうが、未経験の入口は広い。
運用職は継続的に募集があり、他業界で数字を管理した経験がそのまま材料になります。
Q. 自己PRは何字くらいが適切ですか
400〜600字が目安です。
例文の1つ分がこの分量です。複数のエピソードより、1つを「状況→変更→結果」の形で書くほうが伝わります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 前職で「予定が崩れた中で期日までに出した」経験を3つ書き出す。これが本体になります。
2. 並行件数と関係者の数を数字にする。「常時5〜8件」「社内3部署」で構いません。
3. 修正や手戻りを減らした工夫を1つ書く。これが最も差がつきます。
「広告が好き」は最後の1文に留めてください。冒頭は、必ず前職の実績からです。
この先、読むべき記事
- 広告代理店の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の書き方)
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- Webディレクターの自己PR|第二新卒の例文6パターンと進行管理の書き方(進行管理の書き方)
- スポーツ業界へ転職|第二新卒が「好き」以外の入口を見つける手順(スポンサー営業という進路)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。