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業界・職種研究

出版・メディア業界へ転職|第二新卒が編集職以外の入口を知る【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
出版・メディア業界へ転職|第二新卒が編集職以外の入口を知る【2026年版】

出版・メディア業界を志望する人は、だいたいこう言います。

「本や記事を作る仕事がしたい」

この志望自体は問題ありません。ただ、現実の構造を知らないまま動くと、応募先が見つかりません。

大手出版社の中途採用は、極めて狭い。

新卒でも高倍率で、中途となると募集そのものが少ない。この一点だけで諦める人が多くいます。

しかし、「メディア業界」の範囲はもっと広い。

Webメディア、制作会社、企業のオウンドメディア、専門誌の出版社、広告制作。これらを含めると、未経験からの入口は実際に存在します。

そして、この業界を選ぶなら理解しておくべき点があります。

収益は、読者からではなく広告主や取引先から来る場合が多いということです。

この記事では、業界の構造、編集以外の職種、未経験からの入口、働き方の実際を整理します。

1. 結論:確認することは3つ

1. どの型のメディアかを決める。紙、Web、企業のメディアで仕事が違います。

2. 収益の出どころを確認する。誰がお金を払っているかで、仕事の中身が決まります。

3. 編集以外の職種も候補に入れる。入口の広さが変わります。

2番目が最も見落とされます。

収益の出どころ仕事の中心
読者(販売・課金)読まれる内容を作る
広告主広告主が求める内容と枠
取引先(受託制作)依頼された内容を作る
自社の事業(オウンドメディア)自社の商品につなげる

「作りたいものを作る」ことができるのは、1行目の場合だけです。

それ以外では、お金を払う相手の意向が入ります。

この構造を理解していない志望動機は、面接で見抜かれます。

2. 業界の構造

特徴未経験の入口
大手出版社書籍・雑誌、新卒中心極めて狭い
専門誌の出版社特定分野に特化
Webメディア運営記事の制作と運営広い
制作会社受託での制作広い
企業のオウンドメディア自社の情報発信中〜広い
広告制作広告のための制作

3行目と4行目が、第二新卒の現実的な入口です。

Webメディアの運営会社では、記事の企画、外部ライターの管理、公開後の数字の確認といった業務があります。

ここには、未経験からの採用があります。

5行目も増えています。

一般の事業会社が、自社でメディアを運営するケースが増えており、その担当者の募集があります。

この場合、所属は事業会社になるため、待遇や働き方が安定している場合があります。

専門誌という選択肢

特定分野に特化した出版社は、意外と多く存在します。

医療、建築、食品、機械、金融など、業界向けの専門誌です。

これらの出版社では、その分野の知識がある人を求めています。

前職がその業界であれば、業界知識が強みになります。

「一般向けのメディアより、専門分野のメディアのほうが入りやすい」という構造があります。

3. 編集以外の職種

職種仕事の中身入口
編集企画、原稿の管理、校正狭い
Webメディアの運営記事の企画と管理、数字の確認広い
広告営業広告枠の販売広い
制作進行日程と関係者の管理広い
校正・校閲誤りの確認
販売・流通書店との取引、在庫
管理部門経理、人事

3行目に注目してください。

メディアの収益の多くは広告から来ます。

つまり、広告営業はメディア企業の中核の職種です。

そして、営業経験があれば未経験からでも入口があります。

広告営業として入り、社内で編集や企画に移る道筋もあります。

制作進行という入口

制作会社では、進行を管理する職種があります。

原稿の受け取り、修正の集約、期日の管理。

これは、他業界で段取りをした経験がそのまま活きます。

そして、制作の現場に入れるため、そこから編集側に移る可能性があります。

4. 未経験からの現実的な入口

優先度の順に並べます。

順位入口理由
1Webメディアの運営募集が継続的にある
2企業のオウンドメディア担当事業会社所属で安定
3制作会社の進行段取りの経験が活きる
4メディアの広告営業営業経験が活きる
5専門誌(前職の業界と一致する場合)業界知識が強み

1行目が最も現実的です。

ただし、注意点があります。

Webメディアの運営会社は、規模と安定性に幅があります。

小規模な会社では、待遇や労働環境に差が出る場合があります。

応募前に、事業の構成と資本の状況を確認してください。

「書けます」だけでは足りない

未経験からの応募で最も多い失敗が、これです。

「文章を書くのが好きです」「ブログを書いています」

これらは、材料としては弱い。

必要なのは、「読まれるかどうかを数字で見た経験」です。

「個人でブログを運営し、月間の閲覧数を記録していました。反応が良い記事の共通点を確認したところ、具体的な手順が入っている記事に集中していました。以降は手順を必ず入れる形に変え、6ヶ月で月間の閲覧数が3倍になっています」

この一文は、「書けます」より何倍も強い。

5. 働き方と年収の実際

正直に書くと、条件面では他業界より厳しい傾向があります。

項目傾向
年収業界全体としては高くない傾向
残業締切前に集中する
年間休日会社による差が大きい
雇用形態契約・業務委託の募集もある

4行目に注意してください。

この業界では、正社員以外の募集が一定数あります。

求人票の雇用形態を必ず確認してください。

そして、大手出版社と、小規模なWebメディア運営会社では、待遇に大きな差があります。

「メディア業界」で一括りにせず、企業ごとに確認してください。

条件で絞ってから探す

この業界では、条件で絞ってから探すことを強く勧めます。

基準目安
雇用形態正社員
年間休日120日以上
固定残業代30時間以内
給与レンジ生活が成立する下限以上

この4つで絞ると、候補が現実的な数になります。

「好きな業界だから条件は妥協する」という判断は、続かない原因になります。

6. 他業界からの翻訳

前職翻訳できる経験
営業提案、社外との折衝、数字の管理
事務期日の管理、書類の正確な処理
販売顧客の反応を見る、売れ筋の把握
制作進行日程と関係者の管理
広報対外的な発信、原稿の作成
教育・研修説明する力、資料の作成

3行目に補足します。

販売職の「売れ筋を把握する」経験は、メディアの企画に翻訳できます。

何が求められているかを、現場の反応から読み取る。この構造は同じです。

「前職ではアパレル店舗で販売を担当し、売れ筋と滞留している商品の違いを週次で確認していました。お客様が手に取る商品には共通点があり、それを陳列に反映する提案をしています」

この経験は、読まれる記事を考える仕事と構造が近い。

前職の業界知識を使う

専門誌や、業界特化のメディアを狙う場合、前職の業界知識が最大の武器です。

建設業界にいたなら建設の専門メディア、医療にいたなら医療のメディア。

この場合、編集の経験がなくても、業界を知っていることで通る可能性があります。

前職の業界に関するメディアは、必ず候補に入れてください。

7. 志望動機の作り方

「本が好き」「文章を書くのが好き」を中心に置かないでください。

好きであることは前提として扱われ、差になりません。

使える型は3つです。

中身
特定分野を伝えたい前職の業界の情報を届けたい
反応を見て改善したい数字を見た経験がある
作る側の進行を担いたい段取りの経験がある

1番目が最も具体的です。

「前職では建設業界で施工管理を担当していました。現場で必要な情報が、探しても見つからないことが多くありました。業界の実務に近い情報を届ける側に回りたいと考え、建設分野のメディアを志望しています」

これで、他社では使えない志望動機になります。

8. 進め方と時間配分

時期やること
1週目型を決める(Web/制作/オウンド/専門誌)
2週目条件(雇用形態・休日・給与)で絞る
3週目前職の業界に関するメディアを探す
4週目応募、面接で収益構造を確認

3週目を必ずやってください。

前職の業界に関するメディアは、最も入りやすい入口です。

探し方は、その業界の専門誌名や、業界向けのWebメディアを検索するだけです。

そして、それらの運営会社の採用ページを見てください。

面接で聞くこと

次の3つを聞いてください。

  1. 「収益の構成を教えていただけますか」(広告か、課金か、受託か)
  2. 「記事の企画はどのように決まりますか」
  3. 「入社された方が、最初の半年で担当することを教えてください」

1番目の答えで、仕事の中身がかなり分かります。

9. よくある質問

Q. 未経験でも出版・メディア業界に入れますか

Webメディアの運営、制作進行、広告営業では入口があります。

大手出版社の編集職は、中途の募集が極めて少ない。入口を広く取って探してください。

Q. ポートフォリオは必要ですか

編集・ライター職では、あると有利です。

個人のブログや、書いた記事があれば提示してください。ただし、量より「数字を見て改善した」経験のほうが評価されます。

Q. 未経験からライターになれますか

入口はあります。

ただし、業務委託や契約社員での募集が多い領域です。雇用形態を必ず確認してください。

Q. 年収は低いですか

業界全体としては、高くない傾向があります。

ただし、企業による差が大きい。事業会社のオウンドメディア担当であれば、その会社の給与体系が適用されます。

Q. 学歴は影響しますか

大手出版社では影響がある場合があります。

Webメディアや制作会社では、実務や制作物の比重が高くなります。

Q. 出版不況と言われますが

紙の市場は縮小していますが、メディア全体は形を変えて存在しています。

Webメディアや企業の情報発信は、むしろ需要が増えています。紙に限定せずに探してください。

Q. 専門知識がないと専門誌には入れませんか

その分野の実務経験があれば、編集未経験でも可能性があります。

むしろ、業界を知っている人を求めている場合があります。

Q. 制作会社と事業会社、どちらがいいですか

働き方が違います。

制作会社は複数の案件を並行し、事業会社は自社のメディアに集中します。安定性を重視するなら事業会社、量をこなして経験を積むなら制作会社です。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 前職の業界に関する専門メディアを探す。ここが最も入りやすい入口です。

2. 求人を、雇用形態・年間休日・給与レンジで絞る。好きな業界でも条件は妥協しないでください。

3. 「読まれるかどうかを数字で見た経験」を1つ作るか、思い出す。「書けます」より強い材料です。

大手出版社だけを見ると、応募先が見つかりません。Webメディア、制作会社、企業のオウンドメディア、専門誌まで範囲を広げてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。