教育・EdTech業界へ転職|第二新卒が「教える」以外の職種を知る【2026年版】
教育に関わる仕事をしたい。
そう考えたとき、多くの人が思い浮かべるのは「教える仕事」です。
塾講師、教員、インストラクター。
しかし、教育に関わる仕事の大半は、教えることではありません。
教材を作る、システムを作る、学校や企業に売る、運営する、効果を測る。
これらの職種があり、そのほとんどは他業界の同じ職種と業務の中身が変わりません。
そして、この領域には近年の変化があります。
学校や企業で、学習の仕組みをデジタルに置き換える動きが進んでいます。
この変化により、営業、企画、運営、開発の職種の採用が増えています。
つまり、「教える技能」がなくても、この領域で働く入口があります。
この記事では、業界の構造、教える以外の職種、収益の仕組み、未経験からの入口を整理します。
1. 結論:確認することは3つ
1. 誰がお金を払っているかを確認する。個人か、学校か、企業かで仕事が変わります。
2. 教える以外の職種を候補に入れる。入口の広さが変わります。
3. 働き方を確認する。個人向けは夕方以降と土日が中心になります。
1番目が最も重要です。
| 誰が払うか | 仕事の中身 |
|---|---|
| 保護者・個人 | 集客、指導、継続の施策 |
| 学校(自治体) | 法人営業、導入支援、公的な手続き |
| 企業 | 法人営業、研修の設計、効果の報告 |
| 個人(社会人向け) | 集客、継続、コミュニティ |
2行目と3行目が、法人営業の経験が活きる領域です。
そして、働き方が最も安定しているのもこの2つです。
相手が学校や企業なので、平日の日中に仕事が動きます。
2. 業界の構造
| 型 | 何をするか | 未経験の入口 |
|---|---|---|
| 学習塾・予備校 | 個人向けの指導 | 広い(教室運営・営業) |
| 教材・出版 | 教材の企画と制作 | 中 |
| 学校向けサービス | 学校に売る、支援する | 営業で中〜広い |
| 法人研修 | 企業向けの研修 | 営業で中〜広い |
| 社会人向けサービス | 講座、資格、学習サービス | 運営・営業で広い |
| 学習システム開発 | システムの開発・運営 | 職種による |
3行目と4行目が、いま伸びている領域です。
学校向けのサービスでは、自治体や学校への営業と、導入後の支援が仕事になります。
法人研修では、企業の人事部門に対して研修を提案します。
いずれも、法人営業の構造そのものです。
学校向けは商談期間が長い
学校や自治体を相手にする場合、導入までに時間がかかります。
予算の年度、複数の関係者の合意、公的な手続き。
だから、商談期間が数ヶ月から1年以上になる場合があります。
短期で数字を作る営業とは、進め方が違います。
前職で商談期間が長い商材を扱った経験があれば、それが強みになります。
3. 教える以外の職種
| 職種 | 仕事の中身 | 入口 |
|---|---|---|
| 法人営業 | 学校・企業への提案 | 広い |
| 教室運営・管理 | 教室の運営、スタッフ管理 | 広い |
| 導入支援・サポート | 導入後の設定と定着 | 中〜広い |
| 教材の企画・編集 | 教材の設計と制作 | 中 |
| 研修の設計 | 研修の内容を作る | 中 |
| 集客・マーケティング | 生徒・受講者の獲得 | 中 |
| 事務・管理 | 受付、経理、労務 | 広い |
2行目に補足します。
学習塾の教室運営は、実態として店舗の運営です。
スタッフの配置、集客の施策、保護者への対応、数字の管理。
この構造は、飲食や小売の店長職と同じです。
だから、店舗運営の経験がある人は、この職種の入口があります。
3行目も現在増えている職種です。
導入支援という職種
学習システムを導入した後、実際に使われるようにする仕事です。
設定の支援、使い方の説明、定着の確認。
これは、SaaSのカスタマーサクセスと同じ構造です。
そして、相手が学校の教員である場合、システムに慣れていない前提での説明が必要になります。
だから、「専門的な内容を、慣れていない人に説明した経験」が最も評価されます。
4. 未経験からの入口
優先度の順に並べます。
| 順位 | 入口 | 活きる経験 |
|---|---|---|
| 1 | 教室運営・管理 | 店舗運営、人の配置 |
| 2 | 法人営業 | 法人営業の経験 |
| 3 | 導入支援・サポート | 説明する力、対応件数 |
| 4 | 集客・マーケティング | 数字を見た経験 |
| 5 | 事務・管理 | 書類の処理、期限の管理 |
1行目が最も入口が広い一方、働き方の確認が必要です。
学習塾の教室運営では、授業がある時間帯が勤務時間になります。
つまり、夕方から夜、そして土日が中心です。
この点を受け入れられるかを、先に判断してください。
受け入れられない場合、2行目から5行目のうち、学校向けや法人向けの会社を選んでください。
塾講師の経験がある場合
塾講師として働いていた人が、業界内で職種を変える道筋があります。
教材の企画、法人営業、導入支援、研修の設計。
現場を知っていることが強みになります。
「塾講師として3年間、年間約120名の生徒を担当していました。理解が止まる箇所には共通点があり、その箇所の説明の順番を変えることで正答率が上がることを確認しています。この経験を、教材を作る側で活かしたいと考えています」
この経験は、教材の企画で高く評価されます。
5. 他業界からの翻訳
| 前職 | 翻訳できる経験 |
|---|---|
| 店舗運営 | 人の配置、集客、数字の管理 |
| 法人営業 | 提案、長い商談期間、社内連携 |
| カスタマーサポート | 説明する力、対応件数 |
| 事務 | 書類の処理、期限の管理 |
| 制作・編集 | 教材の企画、進行管理 |
| 接客・サービス | 保護者・受講者への対応 |
3行目に補足します。
導入支援では、システムに慣れていない相手に説明する場面が多い。
だから、専門用語を使わずに説明した経験が評価されます。
「前職では通信サービスの契約を担当し、専門的な内容を初めて聞く方に説明する機会が多くありました。用語を使わずに説明する練習を重ね、契約後のトラブルが店舗平均の3分の1に収まっています」
この経験は、教育の導入支援でそのまま活きます。
「継続してもらう」経験
教育サービスの多くは、継続することで収益になります。
塾の在籍、講座の受講、システムの契約更新。
だから、継続率を意識した経験があれば、必ず書いてください。
フィットネス、通信、サブスク型のサービス、保険。
これらの経験は、この業界と構造が同じです。
6. 志望動機の作り方
「教育に関心があります」を中心に置かないでください。
この動機は、応募者のほぼ全員が書きます。
そして、教える仕事とそれ以外の仕事は別です。
使える型は3つです。
| 型 | 中身 |
|---|---|
| 続けてもらう仕組みを作りたい | 継続率を扱った経験 |
| 説明して理解してもらう仕事 | 説明の経験がある |
| 現場を知っている | 塾講師・教員の経験 |
1番目が最も自然です。
「前職では会員制サービスの継続率を意識して業務にあたっていました。学習も、続けてもらうことで結果が出る領域だと理解しています。続けられる仕組みを作る側で働きたいと考え、志望いたしました」
これで、「関心があります」を使わずに志望動機が成立します。
そして、自分が学んだ経験に触れる場合は、1文に留めてください。
7. 働き方の実際
| 型 | 働き方の傾向 |
|---|---|
| 学習塾・予備校 | 夕方〜夜、土日が中心 |
| 学校向けサービス | 平日の日中、学校の時間に合わせる |
| 法人研修 | 平日の日中、研修当日は早い場合も |
| 社会人向け | 夜や土日の対応がある場合 |
| 教材・システム | 平日の日中 |
1行目を軽く見ないでください。
学習塾では、生徒が来る時間帯が勤務時間になります。
そして、土日に模試や説明会が入る場合があります。
一方、2行目と3行目は、平日の日中に仕事が動きます。
働き方を優先するなら、学校向けか法人向けを選んでください。
年収について
組織と職種で幅が大きく、一律には言えません。
求人票では、次を確認してください。
- 固定残業代の有無と時間数
- 年間休日数
- 勤務時間帯
3番目を必ず確認してください。この業界では、勤務時間帯が会社によって大きく違います。
8. 進め方と時間配分
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1週目 | 誰が払う型かを決める(個人/学校/企業) |
| 2週目 | 働き方(勤務時間帯)で絞る |
| 3週目 | 前職の「継続」「説明」「運営」の経験を書き出す |
| 4週目 | 応募、面接で商談期間と勤務時間を確認 |
2週目が分かれ目です。
夕方以降と土日の勤務が可能かどうかで、選べる範囲が変わります。
ここを最初に決めておくと、探す範囲が明確になります。
面接で聞くこと
- 「勤務時間帯と、土日の勤務の頻度を教えてください」
- 「主な顧客の構成を教えてください」(個人/学校/企業)
- 「導入までの平均的な期間はどのくらいですか」
3番目の答えで、営業の進め方が分かります。
9. よくある質問
Q. 教えた経験がなくても入れますか
入れます。
法人営業、教室運営、導入支援、事務など、教える以外の職種があります。これらは他業界の経験が活きます。
Q. 教員免許は必要ですか
職種によります。
教える職種以外では、基本的に不要です。学校向けの営業や導入支援では、教育現場を理解していることのほうが重要になります。
Q. 塾は夜勤務ですか
生徒が来る時間帯が勤務時間になるため、夕方から夜が中心です。
土日に模試や説明会が入る場合もあります。働き方を優先するなら、学校向けか法人向けを選んでください。
Q. 塾講師の経験は活きますか
強く活きます。
教材の企画、法人営業、導入支援では、現場を知っていることが明確な強みになります。担当した人数と期間を書いてください。
Q. 年収はどのくらいですか
組織と職種で幅が大きく、一律には言えません。
求人票の給与レンジ、固定残業代、年間休日を確認してください。
Q. 学校向けの仕事はどんな感じですか
商談期間が長く、複数の関係者との合意が必要です。
予算の年度や公的な手続きの影響を受けます。短期で数字を作る営業とは進め方が違います。
Q. 教材を作る仕事に就けますか
入口としては中程度です。
制作や編集の経験、または教える現場の経験があると評価されます。未経験の場合、まず営業や運営から入る道筋があります。
Q. この領域は伸びていますか
学校や企業でのデジタル化の動きにより、関連する職種の採用は増えています。
ただし、個人向けの学習塾は、対象となる年齢層の人口の影響を受けます。型によって状況が異なります。
10. まとめ:今週やる3つのこと
1. 「誰がお金を払うか」で型を決める。個人、学校、企業で仕事も働き方も違います。
2. 夕方以降と土日の勤務が可能かを、自分ではっきり判断する。ここで選べる範囲が変わります。
3. 前職の「継続してもらった」「説明して理解してもらった」経験を書き出す。
教育に関わる仕事の大半は、教えることではありません。その理解を志望動機で示してください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。