Webライター・編集への転職|未経験からの入口【2026年版】
「文章を書く仕事に就きたい」と考えたとき、最初に出てくるのがWebライターと編集です。
ただ、この2つは名前が近いだけで、やることも、入り方も、収入の形も違います。
さらに、Webライターには会社に所属する形と、個人で受注する形があります。転職としてどちらを目指すかで、準備がまったく変わります。
そして、多くの記事が「未経験でも始めやすい」と書いていますが、「始めやすい」ことと「食べていける」ことは別です。
この記事では、仕事の実態、雇用の形、入り方の3ルート、必要な準備、そして収入の考え方を整理します。
1. 結論:確認するのは3つ
①会社員として入るのか、個人で受注するのか。この2つは、まったく違う進み方です。転職として考えるなら、前者です。
②書く仕事か、作る仕事か。ライターは書く人、編集は企画して人に書いてもらう人です。求人票の職種名だけでは判断できません。
③見せられるものがあるか。未経験の選考では、書いたものが実質的な選考材料になります。
「文章が好き」だけでは入れません。書いたものを用意することが、最初の一歩です。
2. ライターと編集の違い
| 項目 | ライター | 編集 |
|---|---|---|
| 中心の作業 | 書く | 企画する、依頼する、直す |
| 1日の時間の使い方 | 調べる、書く | 打ち合わせ、確認、修正の指示 |
| 求められるもの | 書く速さと正確さ | 全体の設計、進行の管理 |
| 未経験の入りやすさ | 比較的入りやすい | 経験が求められることが多い |
| 数の目安 | 月に何本書いたか | 月に何本を担当したか |
編集は、ライターに書いてもらう立場です。そのため、進行管理と品質の判断が業務の中心になります。
未経験から入るなら、ライターか編集アシスタントが現実的な入口です。
職種名だけでは判断できない
求人票の職種名が「Webライター」でも、実際には次のような幅があります。
| 実態 | 業務の中心 |
|---|---|
| 記事を書く | 執筆 |
| 記事の企画と執筆 | 企画+執筆 |
| 外部ライターの管理 | 実質的に編集 |
| 原稿の確認と修正 | 校正・校閲 |
| 広告の文章を作る | 販促の文章作成 |
面接で「1日の時間の使い方」を聞いてください。書く時間が何割かで、実態が分かります。
3. 編集長の実体験:見せるものを作った人
私の知人に、事務職からWebメディアの編集に転職した人がいます。仮にLさんとします。
Lさんは、最初に応募したとき、書類が通りませんでした。
Lさん「文章を書くのが好きで、と書いたんですが、それだけでした」
私「書いたものは見せましたか」
Lさん「いえ、業務では書いていなかったので」
Lさんがやったのは、応募先のメディアを読んで、自分で記事を1本書くことでした。
Lさん「そのメディアが扱っているテーマで、まだ書かれていない切り口を探して、3000字くらいで書きました」
そのうえで、応募のメッセージにこう書きました。
「貴社のメディアを読み、〇〇のテーマがまだ扱われていないと感じました。実際に書いてみたものを添付します。構成の考え方についてもご意見をいただければ幸いです」
この応募で、書類が通りました。
面接では、その記事について聞かれたそうです。
面接官「この構成にした理由を教えてください」
Lさん「読む人が最初に知りたいのは結論だと思ったので、先に置きました。そのあと、なぜそうなるかを3つに分けています」
面接官「調べるのに、どのくらい時間をかけましたか」
Lさん「6時間くらいです。書いたのは3時間なので、調べるほうが長かったです」
「調べるほうが長い」という答えが、実務の理解を示していました。
Lさんは内定を得ました。
Lさん「文章が好きです、では通らなかったです。1本書いて持っていくだけで、扱いが変わりました」
4. 未経験から入る3ルート
| ルート | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| ①事業会社のオウンドメディア | 自社のメディアの運営 | 入りやすい |
| ②編集プロダクション・制作会社 | 複数の案件を担当 | 中程度 |
| ③個人で受注してから転職 | 実績を作ってから応募 | 時間がかかる |
最も入りやすいのは、①です。
事業会社が自社でメディアを持つケースが増えており、そこでの記事作成は、未経験可の求人が出ることがあります。マーケティング部門の一員として採用される形です。
②は、量をこなす環境です。短期間で書く力が伸びますが、本数の負荷は高くなります。
③は、実績を作ってから転職する形です。時間はかかりますが、見せられるものが増えます。
「ライター」以外の職種名も見る
求人を探すとき、次の職種名も見てください。
- コンテンツマーケティング
- オウンドメディア担当
- Webディレクター
- SNS運用
- 広報
「ライター」という職種名では出ていなくても、書く業務が中心の求人はあります。
求人の数は、職種名を広げるほど増えます。「ライター」だけで検索すると、個人の受注案件が多く出てきます。会社員として入りたい場合は、上の職種名で探してください。
5. 準備するもの
| 準備 | 内容 |
|---|---|
| 書いたもの3本 | 応募先に近いテーマで |
| 構成の説明 | なぜその構成にしたか |
| 調べ方の説明 | 情報源と、確認の手順 |
| 読んだメディアの分析 | 応募先の特徴を3点 |
1本ではなく3本用意してください。1本だとまぐれの可能性が残ります。
2番目が最も評価されます。書けることより、なぜその形にしたかを説明できるかが見られます。
書くテーマの選び方
応募先のメディアで、まだ扱われていないテーマを選んでください。
すでにある記事と同じテーマだと、比較されて不利になります。「このテーマがまだない」という指摘自体が、メディアを読んでいる証明になります。
文字数は2000〜3000字が目安です。長すぎると読まれません。
なお、前職の業界に関する記事を書くのも有効です。知識がある領域は調べる時間が短く、内容の精度も上がります。その業界を扱うメディアに応募すれば、経験がそのまま強みになります。
6. 収入の考え方
| 形 | 収入の性質 |
|---|---|
| 会社員(事業会社) | 固定給。他の職種と同水準のことが多い |
| 会社員(制作会社) | 固定給。本数のノルマがあることも |
| 個人で受注 | 案件ごと。安定しない |
転職として考えるなら、会社員の形を選んでください。
個人で受注する形は、始めるハードルは低いですが、収入が安定するまでに時間がかかります。本業を続けながら副業として始め、実績を作ってから転職するという進み方が現実的です。
ただし、副業が就業規則で制限されている場合があります。先に確認してください。
面接で聞かれる3問
- 「この構成にした理由を教えてください」
- 「調べるのに、どのくらい時間をかけましたか」
- 「事実の確認は、どうやっていますか」
3問目が最も重要です。公開される文章では、事実の誤りが最も大きな問題になります。
「数字や固有名詞は、必ず一次情報を確認しています。企業の発表、公的な統計、公式のサイト。まとめ記事だけを情報源にしないようにしています」
「一次情報を確認する」と答えられると、実務の理解があると判断されます。
7. 落ちる進み方5つ
| 進み方 | 何が起きるか |
|---|---|
| 「文章が好き」だけで応募する | 書類が通らない |
| 書いたものを用意しない | 判断材料がない |
| 応募先のメディアを読まない | テーマの選び方が的外れになる |
| 個人での受注だけを続ける | 転職のタイミングを逃す |
| 「書く仕事」を漠然と探す | 求人が見つからない |
3番目に注意してください。応募先のメディアを読まずに書いたものを送っても、方向が合いません。
読むのは10本で十分です。読んで、共通する特徴を3つ書き出してください。
書いたものの見せ方
添付する場合は、次の形にしてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本文 | 2000〜3000字 |
| 想定読者 | 誰に向けて書いたか |
| 構成の意図 | なぜこの順番か(3行) |
| 情報源 | 参照した資料 |
本文だけを送らないでください。構成の意図と情報源を添えると、考えて書いたことが伝わります。
8. 進め方と時間配分
| 段階 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 応募先の選定 | 2時間 | メディアを持つ企業を10社探す |
| メディアを読む | 3時間 | 各社10本ずつ読み、特徴を書き出す |
| 記事を3本書く | 15時間 | 1本5時間(調べる3時間、書く2時間) |
| 応募 | 1社40分 | 書いたものを添えて出す |
| 面接準備 | 2時間 | 構成の理由と、調べ方を説明できるように |
合計25時間ほどです。3本書くところが最も時間を使います。
この25時間が、未経験の選考では最も効きます。資格の学習より、こちらを優先してください。
9. よくある質問
未経験でも会社員として入れますか
入れます。事業会社のオウンドメディア担当や、コンテンツマーケティングの求人で、未経験可の枠が出ることがあります。
資格は必要ですか
必要ありません。書いたものを見せられるかどうかが、実質的な選考材料です。資格の学習より、記事を書くことに時間を使ってください。
個人で受注する形から始めるべきですか
本業を続けながら副業として始める形は有効です。ただし、就業規則で制限されている場合があるため、先に確認してください。
何本書けば応募できますか
3本を目安にしてください。1本だとまぐれの可能性があり、5本以上は準備に時間がかかりすぎます。
文字数はどのくらいですか
1本2000〜3000字が目安です。応募先のメディアの記事の長さに合わせてください。
編集職に未経験から入れますか
難易度は上がります。ライターか編集アシスタントを経由するほうが現実的です。ただし、進行管理の経験があれば、直接応募できる場合もあります。
収入は下がりますか
職種と企業によります。事業会社のオウンドメディア担当であれば、他の職種と同水準のことが多くあります。制作会社では、企業ごとの差が大きくなります。
何を書けばいいか分かりません
応募先のメディアで、まだ扱われていないテーマを探してください。10本読めば、抜けている領域が見えてきます。
10. まとめ:今週やる3つのこと
書く仕事への転職は、「文章が好き」では通りません。書いたものを用意することが、最初の一歩です。
1. メディアを持つ企業を10社探す。「オウンドメディア担当」「コンテンツマーケティング」といった職種名でも検索してください。「ライター」だけでは求人が見つかりません。
2. 応募先のメディアを10本読み、特徴を3つ書き出す。扱っているテーマ、記事の長さ、文体。ここを把握しないと、書くテーマが選べません。
3. 記事を3本書く。1本5時間、合計15時間です。調べる時間のほうが長くなるのが正常です。
書いたものがあるかどうかで、選考の扱いが変わります。
この先、読むべき記事
- Webマーケターへの未経験転職|第二新卒の入口と最初の3ヶ月(隣接する職種)
- 動画編集者への未経験転職|第二新卒が知る仕事の実態と入口(制作系の職種)
- 未経験からWebデザイナー|第二新卒が知るべき現実と現実的な入り方(制作系の職種)
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- テクニカルライターという職種|第二新卒が知る仕事の実際(技術文書を書く職種)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。